目標・成功 習慣

人生変えたいなら【環境圧】を味方につけろ

この知識はこんな方におすすめ

  • 人生を変えたい
  • 他人を変えたい

「人を変える」

「人を変える」シリーズの続きで、自分にも他人にも使える、人を変えるためのテクニックを紹介させてもらいます。
人が変わるのは難しいものです。

もう年末が近づいているのかと、一年が過ぎるのがあっという間だという人が多いと思いますが、去年と今年で何か変わったでしょうか?
皆さんの人生や生き方、考え方など、何か変わったでしょうか?
おそらくあまり変わっていないという方が多いと思います。

人はそもそも変化しないようにできています。
簡単に変わってしまうと、せっかく築いた安定から、わざわざリスクがあるところに踏み出すことになってしまいます
人はある程度安定すると、そこから変化しないようにできています。

ですが、生物としてはそれで良かったかもしれませんが、変化の激しい今の時代においては、あっという間に取り残されて生きていけなくなってしまいます
だからこそ変化し続けることが大切です。

そして、さらに難しくなるのが他人を変えることです。
自分自身のことであれば、一念発起して取り組んでもらえば、自分の内面も外見も変えていくことはできます。
知識によって人生を変えていくというのがDラボのテーマですので、ありがたいことに、Dラボで紹介している内容を愚直に続けたことで人生が変わったという声もたくさんいただいています。

僕は自分自身は知識によって変えることはできるけれど、一貫して他人は変わらないと言い続けてきました。
他人を変えようとする暇があるのであれば、自分を変えることを考えた方がいいと言い続けてきましたが、そろそろ他人を変えることについても解説していこうかと思いました 。

もちろん自分を変えることが先決ですが、自分を変えた後に、家族を変えたいとか組織を変えたいなど、一定の人間と簡単に離れることができない状況になった時に他人を変えることも必要になってきます

「自分を変える」と「他人を変える」

自分を変える前に他人を変えることに注目してしまうと不幸になります

面倒な親や家族、やっかいな上司など、毒親やパワハラまでではないけれど、老害っぽくなってしまっている年上の人がみなさんの周りにもいませんか?
彼らは自分たちは変わらないくせに、若い人たちにはやたらと変化を求めます。

「今の若者は …」と言います。
若い人たちは根性がないとか、自分たちの若い頃はもっと怒られたり苦労したと言います。

本来は、若い人たちがより良い未来を作れるようにするために自分たちが変わるべきです。
法律や環境も若い人たちに合うように変えていかないと、結局未来はないわけですから、日本も衰えてしまい自分たちのための税収も社会保障も減ってしまいます。
年齢を重ねたからこそ変化しなくてはなりません。

ところが 、若い頃に「自分を変える」ということをしなかった人たちは、そこから逃げて他人を変えて生きていこうとしてしまいます

残念ながら、他人を変えるということは、かなり難しいことです。
特に、本人が変わろうとしていない場合、本人が変われると思っていない場合、基本的に他人は変わりません。
当然です。
自分のことを棚に上げて、他人に変わることを求めているわけですから、そんな人の意見を聞く人なんていません
そんな人に心を動かされるわけがありません。

ですから、他人を変えたいと思うのであれば、まずは自分が変わり続けることが欠かせません。
変わり続けることが成長です。
同じことを続けながらゆるゆると成果が出続けることなんて当たり前です。
成長するということは、成果を積み上げながら、それと同時に違うことをしていくことです。

これができないと、自分が上手くいった時の常識に囚われてしまいます。
その限られた常識の中で、皆さんに対して頭ごなしに変化を求めます。
若い人に変化を求めるくせに、若い人から学んで努力しようとはしません。

ですから、他人を変えることについては今まで話しませんでした。
それを先に考えてしまうと、自分を変える前に他人を変えようとしてしまうからです。
他人を変えようとして変わらなかったら、「あいつはダメなやつだった」と安易に考えて、他の人をまた変えようとしますが、自分が変わらない限りは何も変わりません

Dラボでは、自分を変えることが楽しくなってきている人が増えています。
実際に人生を変えて、起業したとか部下を持つ立場になったとかという人もかなりいて、他人を変えることに対するニーズが増えているように感じます。
Dラボで紹介して自分で実践した知識を使って、他人を変えたり組織を変えようとした人がいるようですが、大抵の場合うまくいっていないようです。

自分を変える方法と他人を変える方法には明確な違いがあります。
それは、「努力を強制できない」ということです。

自分でやれば、知識を実践して自分の変化が楽しくなれば、そこから勝手に行動を続けることができます。
他人を変えようと思えばコツが必要になります。

例えば、ハードルを意識して低く見せてあげないと、人は変わろうとは思えなくなりますし、やる気がない人たちを奮い立たせるためには、まずは方向性を示して最初の一歩を踏み出しやすくする必要があります。その最初の一歩を踏み出したことによって成果が出たことを実感させて、また小さな一歩を踏み出せば成果が出ると感じさせる必要があります。

変化を連続させる

とはいえ、ずっと方向性を指し示し続けたり、他人のモチベーションを高めるためにこちらが行動し続けることにも限界があります。

特に子供もそうだと思います。
親がずっと横についていてあげれるのであればいいのでしょうが、そんなわけにはいきません。
組織も同じです。
社長や上司がずっと現場に張り付いているわけにはいきません。

前回と前々回で説明しましたが、方向性を指し示して小さな変化を感じさせて、どんどん変化を積み重ねさせるループを自動的に行えるようにする必要があります。
最初に感じさせた変化を適切なレールに乗せてあげると、そこから本人が勝手に良い方向に変わっていきます
これが変化を連続させる方法です。

変化を環境の問題として捉える

個人が変化を続けるためには、習慣化のテクニックが効果的ですが、他人に習慣を身に付けさせるのはかなり難しいことです。
ではどうすればいいのかと言うと、それが今回の内容になりますが「環境圧の力」です。

人間の行動というものは、環境に応じて決まります

例えば、僕たちがもし北京原人がいた時代に生まれていたとしたら、おそらく棍棒を持って走り回っていたと思います。
生まれた国がイスラム教の国だったとしたらイスラム帽を被ったりスカーフを頭に巻いているはずです。
スパイファミリーのような暗殺者の家系に生まれたとしたら暗殺者になっていたと思います。

このように人間の行動は環境によってほぼ支配されています。
だからこそ環境を変えることが重要なわけです。

ですから、変化した望ましい行動を、相手に定着させるためには、自分自身に定着させるためには、あるいは、組織や集団に定着させるためには、その望ましい行動が生まれやすいような環境を作ってあげて、その圧力によってコントロールすることが効果的です。

この環境圧を作り出すのが上手なのが宗教です。
例えば、どんな宗教でも同じですが、キリスト教の修道院を想像してもらうと、崖の上や山の奥地などにあることが多いと思いますが、彼らは、そこで食欲や性欲を抑えて修行をするわけです。
そこで瞑想したり厳しい修行をしているわけですが、目の前にやたらと露出の多い美女が現れたりすると、つい誘惑に負けてしまいます。
これが環境です。

人ではなく環境の問題として変化を捉えていただけると、人も集団もコントロールしやすくなります。

他人の変化に注目する際に 、「あいつはダメだ」「もっと◯◯すべきだ」など、その本人に支持を出すと思います。
本人に指示を出したところで、それで変わるのであればとっくに変わっているはずです。
他人を変えたいのであれば、「環境圧」を忘れないで下さい。
目の前の人や集団を変えるのであれば、どのような「環境圧」が必要になるのかを考えてください
それによってはじめて人は変わっていくことができます。

「環境圧」のポイント

このポイントを押さえていただければ、誰でも環境圧の力を利用することができます。
自分に使うことも他人に使うことも、組織に使うこともできます。

おすすめとしては、まずは自分に使っていただいて効果を実感してください。
その上で他人に使っていただいて、他人を変えることができたら、集団を変えることに使ってみてください。
それによって人を動かすことができるようになります。

優秀な経営者は、細かい指示をあまり出さないのに大きな成果を出したりします。
これも環境の作り方が上手だからです。

本日のおすすめ

ちなみに、今回参考にしている文献は、チップ ハース氏とダン ハース氏という面白い本しか書けない方々の本です。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法

本日のおすすめのワインは変態地質学者が作っているワインです。
この価格帯でこのワインより美味しいワインはあまりないと思います。
赤と白があり、ピノノワールとシャルドネというフランスでよく高級ワインに使われるブドウを使って作られていますが、これらのぶどうは育てるのが大変なので値段が高くなりがちです。

フランスのワインは最近特に値段が高くなってきていて、このあたりの価格帯のワインだと、入門編として最初に飲むとおそらくワインを嫌いになってしまうと思います。
カリフォルニアは日差しも強く暖かいのでぶどうが熟しやすいです。
こちらは料理にも合わせやすいと思いますのでおすすめです。
特に白ワインは、今まで白ワインが酸っぱくて苦手だったという人にも試してもらいたいと思います。

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環境の変え方の基本

環境の変え方には2通りあり、望んだ行動をしやすくするための変化と望まない行動をしにくくなる変化です。
基本的には環境調整はこの2つだけです。

例えば、僕は勉強したり何かをする前にとりあえずコーヒーを飲むという習慣がありました。
これをやめて、やるべきことをやった後にコーヒーを飲むようにしました。
僕が使っているコーヒーメーカーは、カプセルと水をセットして使うものですが、水を入れるタンクを本棚の部屋に置いておきました。
そうなると、コーヒーを飲むためには一旦本棚の部屋に行って、水のタンクを持って出て水を注いで、それをセットしてスイッチを入れる必要があります。
それが面倒だから 、自然とその行動をしなくなります。

自然とコーヒーを飲む前に本を読むようになりました。
1冊本を読んだらコーヒーを飲もうと考えることができるようになり、読み終わったらタンクを持ってコーヒーを飲みに行きます。
これが環境の変え方です。
人間はちょっとした環境を調整するだけで行動が変わります。

食欲さえも環境で決まる

作って時間が経って美味しくないポップコーンをL サイズと M サイズで用意して、それを映画館で無料でプレゼントするという実験があります。
映画を観ながらポップコーンを食べるわけですが、当然みんな美味しくないということに気づきました。
普通に考えて、食べる手は止まるはずですが、なぜか食べる手は止まりませんでした。

映画を見ながらポップコーンを食べるという行動が習慣になっているので、映画館という環境の中でポップコーンがあるという状態を用意されると、どんなに不味くてもポップコーンを食べながら映画を観るわけです。

この実験では、ポップコーンのサイズが大きくなると、食べる量も増えるのかということを調べています。
L サイズの容器に入ったポップコーンを受け取った人たちは、M サイズの人たちに比べて、なんと53%も多く不味いポップコーンを食べました
1.5倍もたくさん食べてしまいました。
これはカロリーに換算すると173キロカロリーも余分にカロリーを摂取したということです。
ポップコーンの容器に手を突っ込む回数は11回も多くなりました。

これは人の食欲さえも環境で決まっているということです。
映画館の中だからポップコーンを食べるというだけでなく、容器のサイズが大きいからより多くのポップコーンを食べてしまいます

食欲は自分で感じて自分で決めていると考えているでしょうが、実際には、いる場所や容器の大きさなど環境によって決まっています。

もし173キロカロリー摂取カロリーが毎日減ったら、皆さんは自然と痩せていきます。
そんなにも大きな差が容器のサイズの違いだけで出たということです。

人は自分を変えようとする時にも他人や組織を変えようとする時にも、環境や条件など大きなものを変えなければならないと考えてしまいがちです。
大きな予算をかけてオフィスを建て替えたり、高いお金を払って自己啓発のセミナーに行ったりする人もいますが、そんなことは必要ありません。

この実験で言うのであれば、容器のサイズを小さくするだけで53%も食べる量を減らすことができて痩せることができます。
この程度の小さな環境変化でも大きな行動の違いになります。

人はこのような小さな環境変化で起きた影響を「複雑な性格の問題」だと食い違ってしまいます
この実験で言うと、ポップコーンを食べ過ぎるのは、食いしん坊で自分を抑えることができない性格だからと考えてしまいます。
実際には、容器のサイズが大きいだけで、食いしん坊な性格に見える行動をとっているに過ぎません。
それなのに人間は原因を人の性格に求めてしまいます。

ですから、人生を変えるのであれば、自分の性格から全て変えなくてはならないと思い込みます。
それは違います。
小さな環境の変化だけで、僕たちの人生は大きく変わります

それなのに、「性格」「運命」など、変えづらいことが原因だと思い込み、勝手に余計な苦労をしています。
ちょっと環境を変えるだけで解決することです。

根本的な帰属の誤り

このような人間が問題の原因を求める際に、その原因を見誤ってしまう問題をスタンフォード大学のリー・ロス氏は、「根本的な帰属の誤り」と呼んでいます。

人は自分の行動も他人の行動も、その状況や環境が原因だと考えず、人間性によるものだと考えてしまいます
悪いことをしている人がいれば、その人の性格が歪んでいて、どうしようもない人だと思い込みます。
ですが、ほとんどの人間の行動は環境によって決まるので、その人を取り巻く環境や人間関係に問題があるだけです。
それなのに、その原因を本人の性格によるものだと思い込みます。

逆に言うと、小さな変化を加えるだけでも、自分の行動も他人の行動も、組織や集団の行動も変わるということです。
特定の行動を取りやすく、あるいは取りにくく環境を調整することで、人は簡単に変わることができます。
それを応用すれば、どんなに大きな集団であっても変わります。

ですから、皆さんが自分の行動を変えたいのであれば、まずはその環境に注目してみてください。
例えば、やってはいけないことをついしてしまうのであれば、それをしてしまう時の環境を思い浮かべてみてください。
その時どんな環境の中にいて、どんな人と一緒にいるのか考えてください。
その環境を変えれば、自然とその行動をしなくなります

小さな変化を与えるためのヒント

とはいえ、どんな環境を調整すればいいのかということは皆さんの状況によって違います。
皆さんがどんな状況にあるかによって、環境をどのように変えればいいのかが違います。

例えば、本を読む量を増やしたいのであれば、僕のように本棚だけの部屋を作って、それ以外のことができないようにした上でそこに1日10時間籠ればいいと言われても、それでも本を読まない人もいると思います。
なぜかと言うと、それは僕にとってベストな環境というだけだからです。

環境を整えるためには自分に合わせて調整する必要があります。
ですから、ここからは様々な事例を紹介しながら、環境に合わせて小さな変化を与えるためのヒントを紹介していきます。

薄情者の1/4に寄付させた方法

寄付をしない人に寄付をさせるための方法について調べた実験があります。
缶詰など家に余っている食料を集めて貧しい人に寄付しようとする取り組みがあり、それを集める際に2つのグループに分けています。

一方は、普段から慈善活動に慣れていて寄付を集めることに慣れています。
もう一方は、慈善活動に全く興味がなく寄付を集めたこともない人たちです。
親切なグループと薄情なグループに分けて、その両方のグループに対して手紙を送りました。
手紙も2種類あり、片方は缶詰を集める場所だけが書かれた手紙で、もう一方は集める場所だけでなく、集める缶詰も指定して、集める公園に立ち寄る自分の姿を想像させるような文章が書かれていました。

当然ですが、詳細な手紙の場合の方が圧倒的に集まる量が多くなりました。
親切なグループは、場所だけの手紙では8%だったのが詳細な手紙になると42%になりました。
一方で、薄情なグループは、場所だけの手紙では0%だったのが詳細な手紙になると25%になりました。

人は寄付しない人となると薄情でダメな人間だと思いがちですが、わかりやすい地図を示して、具体的な内容を明確に伝えて、自分がその行動をとる道筋まで想像させることによって、薄情な人であっても1/4の人が行動を起こすようになります。
親切な人であってもデフォルトでは8%しか寄付しないのに、環境を調整することによって1/4の人が行動を起こして、人の性格や性質とは関係なく行動できるわけです。

人間の性格の問題ではありません。
自分に対しての思い込みや、他人に対しての否定的な思い込みを持っている人も多いと思います。
人は誰でも変わることができます。

環境は周りの物理的なものだけではありません。
置かれた状況や道筋です。
人は条件が整えば整うほど行動を取りやすくなります。
缶詰を持って公園に行くという行動だけでなく、その公園に行くまでの道筋によって決まります。

例えば、バックを持ってジムに行こうとしている途中で先輩に会って飲みに誘われたとしたら、ジムに行くという行動から飲みに行くという行動に変わります。
これが道筋です。

環境というものはその場所だけで決まっているのではなく、連続した道筋のことです。
望ましい行動に至るまでの連続した道筋をデザインするというのが今回の内容です。

座らない学生を座らせた方法

問題児の学生についての実験もあります。
授業中に席に座らず歩き回ってしまう学生がいました。
皆さんがその学校の先生だったとしたら、どのようにしてその学生を席に座らせるか考えてみてください。

その方法とは…

「最前列に座り心地の良い特別なソファーを用意する」

ということでした。

教室の最前列に社長室にあるような特別なソファを用意して、授業が始まった際に一番最初に席に座った人が、その特別なソファーに座って授業を受けることができるというルールにしました。

授業中に歩き回っていた問題児たちは、勉強したいわけではないけれど、自分がそこに座って一番だと思いたいわけです。
しかも、教室のいちばん前の席にいてくれるので、先生も問題児の子たちをコントロールしやすくなりました。

それによって、問題児の子たちが、誰よりも一番に教室に来て席に座るようになりました。

日本では頭の固い人が多いので、特別扱いするのかと文句を言うような人もいるかもしれません。
ですが、冷静に考えると、誰でも一番最初に席に座ればそこに座ることができるわけですから、特別扱いというわけではありません。

これと同じことが皆さんにも起こります。
スタンディングデスクで立って仕事や勉強をしている人でも、座り心地が良い椅子があったとしたら、つい座ってしまうと思います。

投薬ミスをなくす方法

医療業界の事例もあります。
カイザーサンフランシスコ病院が、「投薬ベスト」という面白い仕組みを作っています。
それによって半年間で投薬ミスを半分にまで減らしました。

病院では毎日様々な問題が錯綜します。
患者さんの容態が急変したり急患が運び込まれたり、目まぐるしい状況が起きたりするので、働く人たちは同時にいろんなことをしなくてはならずマルチタスクになってしまいます。
これによって投薬ミスが起きます。

当時、この病院では1000回に1回ぐらいの割合で投薬ミスが起きていました。
それを半分にまで減らした方法とは、投薬中だということがはっきりとわかる「投薬ベスト」を羽織るというものです。
そのベストを着ている人には話しかけないようにしました。

みんな忙しいので、投薬中の人を邪魔するつもりはないのに、つい話しかけてしまいます。
ベストを着ているだけで、みんなその人には話しかけないようにしようと気をつけて、それによって集中して投薬することができるようになりました。
その結果、半年間で投薬ミスが47%も減りました。

それまで、投薬ミスを減らすために研修会をしたり、様々な取り組みをしてきましたが、このベストを着るというだけで半分近くも投薬ミスが減りました。
これも環境を変えるだけで人が変わったということです。

これも環境に注目しなければ、投薬を行う看護師さんの性格や不注意を指摘してしまいがちです。
投薬ミスの原因を看護師さんの性格に求めて指摘していましたが、実際の問題は、投薬中に周りから話しかけられやすいという環境がミスに結びついていただけです。

航空業界の事故を減らした方法

航空業界では、ちょっとした操作ミスなど細かなミスをなくしていくことが大切です。
飛行機は、世の中にあるあらゆる乗り物の中で事故が少ない乗り物です。
過去に様々な事故も起きて、その都度安全対策を徹底しているからこそ安全が保たれていますので、そういう意味で航空業界はかなり参考になる事例があります。

航空業界では、どんな環境下で事故が起きるのかを調べます。
それを調べたところ、1万フィート以下の時に最も事故が起きやすいということが確認されました。
それによって、飛行機の高度計が1万フィート以下になった時には、操縦に関わる話以外は一切禁止するというルールを作りました。
これがステライル(無菌)コクピットというルールですが、とてもシンプルなルールです。
これだけで事故がかなり減りました。

IT 業界のキャリア期間を短縮した方法

IT 業界の事例もあります。
とある企業がソフト開発を行っていましたが、その開発期間を3年間から1年間に短縮したいと考えました。
経営陣は、それを短縮できるだけの環境を作りました。
ただ上から指示するだけでなく、環境を作ったわけです。

その企業が行った対策とは…

「週に3日の午前中を沈黙時間に設定」

というものです。

これによってそれぞれのエンジニアたちが作業に集中できるようにしました。
環境を作ることで、邪魔されることも減って邪魔することも減りました。
これによって、自分がいかに他人の邪魔をしていたか理解できたという人が多かったそうです。

仕事をしていると、同僚やチームメンバーに伝えたりお願いしなくてはならないことを思い出したりすることがあります。
普段ではそれを思いつくたびに自分の手を止めて行動していたわけですが、ほとんどのことは、午前中に伝えなかったからといって問題になることはありません。

この取り組みによって、自分がいかに他人の邪魔をしていたのかということが理解できて、自分の仕事に集中して向き合うことも出来るようになりました
その結果、3年間かかる開発が9カ月で完成したそうです。

仕事に集中して取り組むことができるとか、仕事の早い遅いということについて考える時にも、人はその人の性格や能力に注目してしまいがちです。
それよりも環境や状況の違いに目を向けてください。
環境にちょっとした工夫をするだけで、3年かかる仕事も9ヶ月で終わらせることができます

環境の制約をデザインする

人が変われない多くの理由は、いわゆる理性によるセルフコントロールの問題だと考えられがちです。
自分も他人も、集団も、それを変えたいと思うのであれば、それらのセルフコントロールに期待したり頼るのではなく「環境を楽にする」ことが大事です。

例えば、痩せたいと思うのであれば、あらゆる食器を小さくしなさいと指摘している研究もあります。
お皿も茶碗もスプーンもフォークも小さくすると、自然と食べる量が少なくなります。
これは人間の意志力だけでは到底達成することができないようなレベルまで食欲を落とすことができます。
洗い物も楽になって一石二鳥です。

以前に紹介した「20秒ルール」も同じです。
ジムウェアをバッグに詰めて玄関に置いておくと、それだけでジムに行く頻度が多くなります。
僕が運動できる格好で寝ているのも、朝起きてすぐに運動できるようにしているからです。
20秒その行動がしやすくなる環境を整えるだけです。

朝起きてすぐにコーヒーを飲むのは健康上おすすめはしませんが、目覚ましの代わりに、コーヒーマシンにタイマーをつけたという研究があります。
それを寝室に置いておくと、朝コーヒーの香りで目を覚ますことができます。

人間は制約で自由を得ることができます。
この制約というのは、「望ましくないことがしづらい環境」です。

その環境を作ることで、自分の欲求に抗う必要もなく、自由にやるべきことをできるようになります
環境の制約をデザインすることが重要です。

環境を作ることができても、常に一定の環境にいるわけでもないし、それでも変われない人もいると思います。
大きなポイントは3つありますが、残りの2つはDラボで詳しく解説していきます。
続きは今回のおすすめの動画からチェックしてみてください。

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まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。

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