嫌な体験を前に進む力に変える
イライラに振り回されないようになるためにはどのようにすればいいのでしょうか。
仕事や人間関係でイライラしてしまうことはほとんどの人があるのではないでしょうか。
仕事はしないといけないし、人間関係のイライラはどうしてもあるので、その原因自体を消すことはなかなかできないわけです。
ですから、そのイライラをなくそうと考えるよりも、振り回されないことがとても重要になります。
イライラしている体験に振り回されるのではなく、それを受け流したり再解釈して自分の力につなげていくことが大切なわけです。
このような仕事や人間関係のイライラに振り回されて人生で損してしまうのはもったいないことですから、そのためのメンタルハックを今回は紹介させてもらいます。
「ジェネリックユー」
2017年にミシガン大学が600人の男女を対象に実験を行い効果を確認し提唱したテクニックで、「ジェネリックユー」という書き換えのテクニックです。
これは自分の体験をことわざのようにするテクニックで、自分の体験を個人の体験ではなく一般的な体験やよくある体験に変換することによって、人間はそのイライラを受け入れやすくなったり振り回されにくくなって、前に進むことができるようになるということが分かっています。
例えば、「上司が私に嫌味を言ってきた」という体験があったとすると、「嫌味を言ってくる上司も存在している」といった感じに言い換えます。
自分が嫌味を言われたことに対して感情的になるのではなく、嫌味を言う上司はやはり会社の中にはいて、わざわざ嫌味を言ってくるような人もいるよなと「あるある化」します。
他には、「自分が本番で大変な失敗をしてしまった」ではなく、「誰でも本番で緊張してしまい思うようなパフォーマンスを発揮できないこともある」言い換えます。
このように、ネガティブな体験を個人ではなく一般化するのが「ジェネリックユー」というテクニックです。
一般化することで広く捉えることができる
実際にこれをしていただけると分かってもらえると思いますが、簡単なことですが意外と効果があり本当にイライラがおさまってきます。
人間は一般化することによって、その体験自体を広く捉えることができてそこに意味を見いだすことができるものです。
自分だけが苦しんでいるわけではないと考えて距離を取ることができるようになります。
一般化して考えることによって、その場に仲間がいなくても他にも同じような苦しみを体験している人もいるので自分もみんなも頑張ろうと乗り越える気持ちを持ちやすくなります。
ネガティブな感情を持ってしまった時には、その気持ちを広く捉えることがとても大事なので、辛いことがあったり失敗してしまったりイライラしてしまうようなネガティブな体験があった時には、誰でもある体験だと一般化することによって、自分の体験を距離をとって見つめ直すことができるようになります。
その結果、そのネガティブな感情は少し軽減されます。
ネガティブな感情はそのままではただ振り回されてしまうだけですが、この軽減されることによって、そのネガティブな体験からも学びを得ることができるようになります。
ここから前に進んでいくことができるようになります。
「失敗ノート」
皆さんも、イライラすることがあったり、悲しい体験や辛い体験などネガティブなことがあった時には、ぜひ「ジェネリックユー」を使ってみてください。
この書き換え方としては、自分の頭の中で書き換えても結構ですが、紙に書き出すことがおすすめです。
僕も失敗ノートをとっています。自分の失敗や他人の失敗を書くノートですが、これも一般化して書くようにしています。
例えば、「微妙な仕事だと思ったけれど受けてしまって後悔した」という体験があったとしたら、「時に望まない仕事を受けて後悔する人もいる」といった感じで一般化して名言ぽく書きます。
これにより、その体験から意味を見出すことも出来ますし、名言ぽくすることによって頭に残りやすくもなります。
同じような失敗をしないために、そのネガティブな体験を自分のものにすることができるわけです。
是非皆さんも試してみてください。
ネガティブな思い込みをなくすためのおすすめ動画
リサーチ協力:Yu Suzuki http://www.nicovideo.jp/paleo
参照:https://science.sciencemag.org/content/355/6331/1299