房さんに学ぶデジタルマネーの未来
今回も、房さんにお越しいただきデジタルマネーについて学ばせてもらいます。
ここ数回にわたってデジタルマネーについて解説させてもらいましたが、その参考文献にもさせていただいたのが、房さんが出されているこちらの本です。
大変勉強になりますので、ぜひチェックしてみてください。
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デジタルマネー戦争
房さんはデジタルマネーの専門家でもありますが、投資家としての目線も含めて、デジタルマネーの加速によってどのような業界に変化が起きるのかという話を伺いたいと思います。
「コロナ予備費」12兆円の使途不明金?!
日本政府のコロナ対策の9割が使途不明金だという話が出ていました。
これも完全にデジタル化すればお金の流れを追うことができるので、起きるはずのない問題でもあります。
もちろん、個人情報の管理も完璧なシステムであれば誰でもわかるわけではなく、裁判所が認めれば使途不明金を追うことができます。
当然ですが、9割も使い道がわからないということは、そもそもデジタル化以前の問題ではあります。
これはコロナ以前からも当たり前のように起きていた事なのでしょうが、さすがに今回は額が大きすぎるので話題になっただけかもしれません。
個人情報やプライバシーの問題については、誤解の部分とそうでない部分があります。
例えば、ブラジルでは中央銀行が直接個人口座を開設することができるようになりましたが、中央銀行は税務署に個人情報を横流ししないとは言っているものの本当にそうなのか疑問だとの声が多い状況です。
自分がKYC(Know Your Customer)を受けた銀行にしかわからないのが今の世の中ですが、それと同じような状態をシステム化するところまでしなくてはいけません。
房さんの会社では、そこまで考えてシステム化していますが、同じレベルまで考えているところは今のところないので不安に考える人が多いのも事実だと思います。
例えば、急に法律を変えて検察が裁判所の許可なく取引状況を見れてしまうのは問題があります。
弁護士が見たいと請求したら見れてしまうというのも問題があります。
やはり、そこにはある程度のハードルがあり、その上で確認できるようにする必要があります。
そこまで出来るシステムはまだあまりありません。
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個人情報・プライバシーに対する意識の違い
中国やシンガポールのデジタルマネーのシステムでは、個人情報についてそこまで考えられていません。
仮に、中国のシステムを他の国が使ったら、その国の情報は全て中国に筒抜けになると思った方がいいです。
同じように、EU は GAFA に対して個人情報によって狙い撃ちをかけているという話もありましたが、これも個人情報を本人の許可なく使用できるシステムになっていることが問題なわけです。
アメリカや日本では、プライバシーの保護は法律としては扱われていても憲法には含まれていません。
ところが 、ドイツやフランスでは憲法の中で謳われています。
プライバシーに対する考えやレベルが国によってかなり違います。
これがヨーロッパと日米の違いです。
電子カルテは誰のものなのか?
これは電子カルテの扱いにも差として現れています。
日本とイギリスでは、法律的に見るとカルテはそれを書いた医者の所有物です。
ですが、それは本来患者のものですから、これはまずは法律を変える必要があります。
もし国の首相や、それこそプーチンの病歴やアレルギーなどの情報がわかれば色々なことができてしまいます。
これはある意味弱みをつかむことができるということです。
ウクライナの難民が出た時に問題になったのが、母親たちが子どものワクチンの接種記録などがわからなくなってしまったということがありました。
これもポーランドに避難したとしても、電子化しておけば確認することができたことです。
これはウクライナの問題だけでなく、海外に行って急に病気になったりした時にも、プライバシーが確保された状態で電子化されていれば適切な医療を早く受けることもできます。
現状では、電子カルテが共有されていないので、万が一事故にあったり病気になった時には、血液検査など1から全てを行います。
これも現地の医者が電子カルテにアクセスすることができれば、余計な検査などを省いてすぐに必要な治療を行うことができます。
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デジタルマネー化で解決する問題
これと同じようにお金に関してもデジタル化によって大きな変化が起きます。
お金のデジタル化に関して、プライバシーの問題と同じようにマネーロンダリングの問題があります。
現金が使われていることの問題は大きいものとして2つあります。
1つは現金輸送車を使っている物流面の問題で、国中走り回って温暖化を生み出している原因でもあります。
日本の場合であれば、毎年現金の流通を行うだけで8兆円も使われています。
そして、もう1つの問題がマネーロンダリングだとか賄賂といったものです。
これらの問題も、デジタル化することによって、ある程度のハードルを超えたところでは記録を簡単に追うことができます。
それができれば、警察や検察の仕事はかなり効率化されます。
現金は、僕が1万円札を誰かに渡した瞬間に、それを僕が持っていたという記録はなくなりますが、デジタルマネーになれば適切な手続きを経た上では履歴を全て確認することができます。
そうなれば、マネーロンダリングも不可能ですし、反社にお金が渡るというような問題もなくなります。
ということは、賄賂を受け取っている政治家や反社との関わりがある人以外は反対する理由はありません。
デジタルマネー加速で変わる5つの業界
これからデジタルマネーは加速していきます。
それによって大きな変化が訪れるであろう5つの業界があります。
1.ヘルスケア
スイスは財政的にはとても優秀な国でしたが、コロナ前から赤字になっています。
これは高齢化と寿命と健康寿命の差が開き始めているからです。
これが先進国の財政を苦しめていくであろうことは明らかです。
寿命と健康寿命の差が開けば開くほど医療費はかさみ国の財政も苦しくなります。
先進国では高齢者の医療費を国が負担しているので、1人1人が健康寿命を延ばすにはどうすればいいのか考えることが必要になります。
これも電子カルテの延長線上にありますが、ヘルスケアをデジタル化することでその問題を解決することができるのではないかと言われています。
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2.医療・保険
ヘルスケアと医療は同じ分野と考えることもできますが、それに付随して保険業界も変化が起きると考えられています。
例えば 、ケニアではM-PESA(エムペサ)と呼ばれる送金サービスが導入されていますが、これに基本的には医療と保険がくっついてきます。
医療を受けると保険会社が自動的に医療機関に対して支払いを行ってくれます。
日本の場合は、ほとんどが保険を申請してから保険金がおりるまで90日とか180日とかかかったりします。
この支払いサイトが長いためにたくさんの医療機関が困っているという話もあります。
それをケニアの場合にはシステムによって既に解消しているわけです。
デジタルマネー化することによって医療機関も保険業界も両方が助かります。
ケニアは非常に進んでいて日本はかなり遅れをとっています。
ここから先も 、房さんに様々な業界のデジタル化も含めて世界がどう変わっていくのかということを伺っていきます。
続きは今回のおすすめの動画でチェックしてみてください。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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本日の先生
房 広治(GVE CEO)
1982年に早稲田大学理工学部卒業を機にイギリス留学。1987年に英国系のインベストメントバンクに就職し、M&Aを手がける。1998年にはUBS信託銀行の社長に就任。2000年にクレディ・スイス証券にて、同社が買収したDLJディレクトSFG証券(現:楽天証券)の社外役員を務めた。2004年に独立し、2005年2月からサンドリンガムファンドを始めた。2006年にはEMCOM傘下の上場会社が買収し、EMCOMの取締役に就任。EMCOMで高速FXシステムの開発をし、日本のFX市場の過半数のマーケットシェアを獲得。2017年にGVE株式会社を創業する。
リサーチ協力:パレオチャンネル