この知識はこんな方におすすめ
- 仕事で成果を出したい!
- 職場選びで失敗したくない!
職場の人間学
最近、Dラボで「職場の人間学」をテーマに、職場でどんな人間関係を作ればいいのか? どんな人と職場では親しくなるべきなのか? あるいは距離を取るべきなのか? ということについて解説させてもらっています。
これは、そもそもどんな人間関係を築けそうな職場を選ぶべきなのかということにもつながります。
仕事は好きだけれど人間関係は面倒、仕事はいいけれど上司と気が合わない、そんな理由で仕事を辞めてしまう人が結構います。
これはとてももったいないことです。
なぜかと言うと、人間のモチベーションというものは人間関係から決まってしまいますので、自分の能力がどんなに高くても、どんなに志が高くてやりたい仕事があったとしても、人間関係がグダグダだと意味がなくなってしまうからです。
そんな人間関係の選び方について、今回のおすすめの動画で紹介していますので、ぜひDラボの方もチェックしてみてください。
【職場の人間学】近寄るべき相手と距離を取るべき相手の見分け方
仕事の満足度と実際のパフォーマンス
そんな中で、今回は意外な職場選びに関する研究をもとに紹介させてもらいます。
多くの人は、仕事を選ぶ時に、仕事に対する満足度や、どれくらいやりがいがあるか、そんな観点から選ぶのではないでしょうか。
就職でも転職でも、そのような基準で考える人が多いと思います。
それはやめたほうがいいかもしれない、そんな意外な研究がありました。
仕事の満足度と実際の仕事のパフォーマンスには、ほぼ関係がないかもしれない、だから、仕事の満足度をベースに仕事を選ぶのはやめたほうがいいかもしれない、そんな意外な結果を示す研究です。
満足できそうな仕事だ、やりがいを感じそうだ、そのようなことをベースにして仕事を選ぶと、思うように成果を出せずその仕事を嫌いになってしまう可能性もあるのではないかということです。
ライト州立大学の研究で、過去に行われた5つのメタ分析をさらに再検証して、仕事の満足度と実際のパフォーマンスが本当に関係しているのかということを調べています。
この際に、人間の性格が与える影響についてコントロールしています。
例えば、とても外向的な性格の人であれば、みんなで一緒に頑張ろうという姿勢が重要になる営業の職場であれば、性格の影響でパフォーマンスが高くなるということも考えられます。
そのような人間の性格の影響を全て排除して、本当に仕事の満足度と実際のパフォーマンスを比較しています。
つまり、その仕事がどれだけ楽しいか、どれくらい仕事にやりがいを感じているかというような仕事の全体的な満足度と仕事のパフォーマンスが本当に比例するのかということを調べようとしたものです。
その結論としては、ほぼ関係なかったそうです。
つまり、仕事に対する満足度が高くて、楽しく仕事をすることができて自分にとって適職だと思っても、だからといって仕事のパフォーマンスが上がるわけではなかったということです。
要するに、やりがいがある仕事に就いて頑張っていけば成功するというようなことを言う人がいますが、どうやらそういうわけではないようです。
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大きな影響を及ぼしていた別の要因とは?!
仕事のパフォーマンスは、仕事の満足度とは関係がないわけです。
であれば、一体何が重要になってくるのでしょうか?
もちろん、仕事の満足度ややりがいがないほうがいいというわけではありません。
仕事に対する満足度は高い方がいいのは当然ですが、仕事のパフォーマンスや成果とは関係がないということです。
そこには大きな影響を及ぼしていた別の要因がありました。
それをベースに皆さんが仕事を選べば、仕事の満足度も高くなりますし、仕事のパフォーマンスも高くなり成果を出せる可能性も高くなります。
例えば、転職する際にもっと給料が高い会社を選んだり、もっと別の自分のやりたい仕事を選んだりする人もいると思います。
重要なのは、仕事の満足度が高く働いていて楽しいし、それと同時に、ちゃんと成果を出せるような仕事に就かなければ、結局ツラくなってしまうだけです。
満足度も高くやりがいもあるけれど、結果を出すことができないわけですから、認めてもらえることもなくツラいだけの仕事になってしまいます。
誰でも満足度の高い仕事に就きたいはずですし、満足度の高い仕事であればその仕事で成果を出したいはずです。
その両方を左右している要素がこの研究では見つかっています。
組織内自尊感情
そんな仕事の満足度とパフォーマンスの両方に影響を与えていたのは、「組織内自尊感情」と呼ばれるものでした。
この組織内自尊感情の与える影響というものは、働いている人の性格や仕事に対する自己評価の高さよりも、仕事の満足度と実際のパフォーマンスの両方に対して、はるかに大きい影響を与えていたそうです。
では、この組織内自尊感情とはどのようなものでしょうか。
4つのポイントとして説明することができます。
ポイント1 :組織の中で自分の役割がある
まず自分が組織の中でちゃんと役割があるという状態です。
例えば、自分には得意な分野があり、それを任せてもらっているというように、自分の役割がちゃんと明確になっているかどうかです。
これが明確になっていないというのは、自分が会社や部署の中で何を求められているのかがはっきりせず、なんとなく作業していて、手が空いたらよくわからないまま指示されてまた次の仕事というような状態になってしまうと、この組織内自尊感情が低くなってしまいます。
このような職場に行ってしまうと、仕事のパフォーマンスは上がらず結果を出すこともできませんし、仕事に対する満足度もだんだん下がってしまう可能性があります。
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ポイント2 :組織の中で自分らしくいられる
これは結構難しいことではありますが、2つ目のポイントとしては、組織の中で自分らしくいられるかどうかです。
例えば、僕の場合であれば、今しているように知識を紹介したり何かを学ぶことは、好奇心の塊のようなタイプですから元々好きな人間でした。
もしそんな僕が会社員になるとしたら、その組織の中でもそれを保つことができるかどうかです。
要するに、好奇心をもって色々なことにチャレンジさせてもらえたり、新しい知識を学んだり経験することができて、実際にそれを使って仕事をすることができるかどうかです。
ポイント3 :組織で自分が受け入れられていると思える
3つ目のポイントとしては、自分が組織の中で周りの人から受け入れられていると思えるかどうかです。
僕もそうですが、人間には誰しもダメなところがあります。
人間というものは不完全な生き物ですから、致命的なダメなところもあれば少しダメなところもあり、逆に、飛び抜けて良いところもあり、様々な面を誰でも持っています。
そんな良い面も悪い面も含めて、組織の中で同僚達が自分を受け入れてくれているかどうかです。
分かりやすく言うと、自分のネガティブな面やコンプレックスといったものを組織の中でオープンにしても、それを受け止めてくれるかどうかです。
そんなことないと優しく言ってくれたり、それもそれでいいのではないかと肯定的に受け止めてくれるかということです。
そんな職場であれば、組織内自尊感情が高まるわけです。
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逆に、自分の弱い面や悩んでいること、コンプレックスなどを職場の同僚やチームの仲間に言えない、言いづらいという感情がある場合には、組織内自尊感情は低いということになります。
例えば、僕の場合であれば、昔から時間を守れないとか遅刻しまくるというネガティブな面がありますが、チームの仲間たちは許容力が大きいので、僕のマイペースなところも受け入れてくれます。
その代わり、僕は自分の得意なところでみんなに貢献したいと考えるわけです。
誰でもネガティブな面もあればポジティブな面もあります。
それらを含めて、職場の中でみんなに受け入れられているかどうかです。
ポイント4 :安心できる場所である
仕事をする上では不安がつきものです。
毎日新しいチャレンジをしたり時には失敗したり色々なことがあるわけですが、どんな時でもサポーティブな関係があるかどうかということが重要です。
挑戦する時も、成功する時も失敗する時も、周りの仲間が助けてくれるかどうかです。
何も挑戦しないことを安心できる環境だと勘違いしてしまう人がいます。
新しい事をしない、大きなミスにつながる可能性があることはしない、リスクを取らない、それを安心だと捉えてしまう人がいますが、それは安心ではなく単なる逃避に過ぎず逃げているだけです。
そうではなく、本当に仕事で安心できる場所というのは、助けてくれる人が近くにいる環境です。
自分が失敗した時には助けてくれるし、自分が挑戦しようとする時にも誰かがサポートしてくれる、どんな時も1人ではなくチームで戦える職場かどうかです。
組織内自尊感情が高まる職場とは?
この4つのポイントを満たす職場で働くというのがとても重要です。
ポイント1 :組織の中で自分の役割がある
ポイント2 :組織の中で自分らしくいられる
ポイント3 :組織で自分が受け入れられていると思える
ポイント4 :安心できる場所である
これらの要素は、内発的モチベーションやポジティブな行動を引き出すと昔から言われてきたものです。
ですから、経営者や組織を管理する立場にある方は、これを常に考えておくべきです。
この組織内自尊感情の4つのポイントを保つことができると、社員の人達は内側から湧いてくるモチベーションで自然とやる気が高まり結果的に成果を出してくれます。
高い給料でやる気を引き出そうとしたり、場所を与えることで無理やり働かせたりする必要はありません。
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人間の行動を引き出すという点では、勝手に内側から湧いてくる内発的モチベーションが最も強いです。
そんな内発的モチベーションを引き出して、さらに、会社のために自分で色々考えて行動できるようになります。
会社の今後を自分事として社員に考えてもらいたいのであれば、組織内自尊感情を高めるようなマネジメントが絶対に欠かせません。
もし仕事を選ぶ際に、その仕事で大きな成果を出したいと思うのであれば、経営者や管理職がこの組織内自尊感情のポイントを大事にしているかどうか、そんな環境を作ってくれているかどうかということに注目するようにしていただければ、皆さんの仕事に対する満足度も高くなりますし、仕事に対するパフォーマンスも高くなりますのでより高い能力を発揮することができるようになります。
人間は高い能力を発揮することができて、自分が前に進んでいるという感覚を持つことができれば、さらに、どんどん努力するようになりますので、能力もスキルも高くなっていきます。
転職することによって、自分の能力が高くなったと感じられるのは、この組織内自尊感情が高い職場だということですから、そうなればどんどん成果を出すことができて出世する可能性も高くなります。
転職する際のポイント
転職する際のポイントとしては、それによって給料が高くなるということではなく、自分の能力がより発揮できる職場に行くと考えることが重要です。
年齢によって自分の能力の発揮の仕方というものは変わります。
僕の場合であれば、テレビに出始めた頃はフォークを曲げたりパフォーマンスをしていましたが、しばらくすると、自分の能力は知識を解説することだということを知り、動画配信の方向に進んだりということがありました。
その知識を使って様々なビジネスを始めたりしました。
自分の能力の活かし方というものは、歳を重ねるごとに変えていくものです。
転職というものはそのように自分を見つめ直すいい機会であり、その結果、自分の能力が同じ能力だったとしても、より良い形で結果を出すことができる職場を選ぶことが重要です。
転職はただ給料がより高い仕事に移るものだと考えず、自分の成長をベースに仕事を選ぶことをお勧めします。
あとは、当然ですが、自分のモチベーションを削ぐような上司や同僚がいないかということも重要なポイントです。
そして、何よりも自分の良いところも悪いところもちゃんと受け入れることが重要です。
自分に対する思いやりであるセルフ・コンパッションもとても重要ですので、自分のコンプレックスやネガティブな面を受け入れることができず、職場へ仲間に言いづらいという方は、こちらの今回のおすすめの本を是非使ってみてください。
マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック
ワークブック形式になっていますので実践的で使いやすく、自分を受け入れることができるようになる本です。
これを使うだけでも、自分を受け入れることができるようになり、仕事でパフォーマンスを発揮できるようになる可能性もあります。
さらに、職場の人間学として、職場での人間関係の作り方や選び方についてはDラボの今回のお勧めの動画で解説しています。
転職する場合だけでなく、今いる職場でより結果を出せる人間関係を作るにはどうすればいいかということも大切しています。
今回紹介した組織内自尊感情が高い職場を見分けるにはどうすればいいのか、そんな職場の人間学について学びたい方は、ぜひ今回のおすすめの動画からチェックしてみてください。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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【職場の人間学】近寄るべき相手と距離を取るべき相手の見分け方
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📚参考とオススメ
マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック
リサーチ協力:パレオチャンネル
参考:Bowling, N.A. (2007). Is the job satisfaction-job performance relationship spurious? A meta-analytic examination. Journal of Vocational Behaviour, 71, 167-185.