ウクライナ危機の末路と核戦争の始まり
様々な研究者たちがプーチンについて分析しています。
そこから、ウクライナ危機がどのように終わるのか?
この戦争は本当に核戦争に突入してしまうのか?
未来のことはわかりませんが、もしそうなってしまうとしたら、どのような条件のもとに核戦争は起きてしまうのか?
このようなことについて考察していきたいと思います。
ウクライナ危機の末路については、過去にソ連がフィンランドで行った戦争が非常に参考になります。
今回のウクライナ侵攻のように、過去にソ連はフィンランドに侵攻したことがあります。
当時のソ連は今のロシアよりもさらに超大国だったにも関わらず、小国であるフィンランドに侵攻して失敗しています。
これがなぜ失敗したのかということを読み解いていくと、今回の戦争でウクライナがこんなにもロシアと対等以上に戦うことができているのかということが見えてきます。
人間の行動はかなり心理に依存するものです。
ウクライナの人たちがあんなにも頑張ることができているのはなぜなのかということは、当時のフィンランドの人達の心理状態から考えると理解できます。
政治学的にではなく心理学的に考察してみたいと思います。
ウクライナ侵攻と冬戦争の類似点
ワシントン大学のデビット博士がウクライナ危機の展開について考察された研究があります。
1939年から1940年にかけてソレントフィンランドが戦った冬戦争と呼ばれる戦争があり、この戦争には今のウクライナとロシアとの類似点があります。
当時のソ連とフィンランドは、今のロシアとウクライナ以上に軍事力でも経済力でも圧倒的な差がありました。
今のウクライナのように他国からの支援を受けることもできなかったので、まさにフィンランドの孤軍奮闘でした。
人口だけ見ても、当時のソ連は約1億7,500万人だったのに対して、フィンランドは400万人という状況でした。
しかも、フィンランドには戦車はおろか対戦車兵器もありませんでした。戦闘機もごくわずかで、いわゆる重火器と呼ばれる兵器はほとんどない状況でした。
当時ソ連を率いていたスターリンは、およそ50万人の4つの軍隊で攻撃して残りを予備にする決断をしました。
当時のフィンランドは大人も子供も合わせて400万人しかいない国なのに、そこにソ連は50万人の軍人を投入して攻め入ったわけです。
今のウクライナよりもフィンランドに不利な状況でこの戦争は始まりました。
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今のロシアとウクライナの戦争を見てみると、3倍の戦車と10倍の軍事予算を持っています。
参考にしているレポートが出た段階では、ウクライナの兵力は20万人強でロシアが90万人ほどとされています。
ロシアの経済が苦しい状況になっているとしても、圧倒的に豊富な軍事力を蓄えています。
この状況を見る限りは、どう考えても圧倒的な軍事力を持っているロシアが勝つような気がします。
ですが、現状ではウクライナがかなり攻勢に出ていて、ロシアは1日に3兆円もの軍事予算を垂れ流していると言われています。
ロシアの国家予算は35兆円ほどしかないそうですので、この戦争がどのような形で終わったとしても、その後ロシアは長い年月にわたって大きな打撃を受けるのは間違いありません。
なぜここまでウクライナが善戦することができているのかについては、フィンランドの戦い方を見れば見えてくることがあります。
スターリンが犯してしまったミスとプーチンが犯してしまったミスが全く同じです。
それは何かと言うと「愛国心」です。
プーチンもスターリンも、相手の国のナショナリズムや愛国心、それに基づく設備やお金だけではない軍の実力を軽視しています。
これによってスターリンは失敗しています。
フィンランド人は今のウクライナ人と同じぐらい祖国に対する激しい愛情を持っていて、一般の人も兵士となって戦う勇気を持っていました。
さらに技術力も高いので、これが今ウクライナがロシアに対抗している理由ではないかと考えられます。
幽霊と呼ばれたフィンランドのスキー部隊
スターリンはフィンランド人の愛国心を軽視して自分の国の軍は最強だと考えていました。
フィンランドは幽霊と呼ばれた雪の中で戦えるスキー部隊を持っていました。
真っ白い服を着ていてどこから現れるかわからないということで、ソ連の兵士から幽霊と呼ばれて恐れられていました。
そのスキー部隊は、ライフルや機関銃のような装備しかなかったにも関わらず、ソ連軍の隊列を破壊しては消え、また突然現れて隊列を破壊しては消えるということを繰り返しました。
相手は重火器と戦車で攻めてくるのに、フィンランドはスキーとライフルで対抗したわけです。
これをスターリンは軽視していたので負けました。
ソ連は形としては勝利したことになっていますが、到底勝ったとは言えないような終わり方でした。
フィンランドは140日間もこの圧倒的な軍事力の攻撃に耐えました。
当時のフィンランドの大統領であるカール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム氏は、まさにウクライナのゼレンスキー大統領と同じように強いリーダーシップを発揮して、50万人もの軍人の猛攻に140日も耐えて、その間他国の支援を求めたけれど結局どの国も助けてはくれず、やむなくソ連側の講和を受け入れました。
スターリンも短期的にフィンランドという国を支配することができたとしても、ここまでの愛国心を持った人たちを長期的に支配し続けることは無理だと考えました。
仮にソ連に統合したとしても反乱を起こされる可能性もあるし、自分がコントロールすることができないと考えたようです。
その結果、フィンランドは北部の領土の9%をソ連に譲渡することで合意に至りました。そこにいた住民が南部に避難することで終結しました。
今の戦争を見てもウクライナはかなり善戦していて、この戦争が終わった後のロシアはかなり貧しい国になるのは間違いありません。
おそらくはプーチンがそろそろ戦争を終わらせたいと思うぐらいまでゼレンスキー大統領は頑張ると思います。
その後に親ロシア派が多いとされている地域を放棄して、フィンランドと同じような形になるのではないかと想像することができます。
プーチンとスターリンの共通点
当時、スターリンはフィンランドへの侵攻を解放作戦と呼んでいました。
これは侵攻ではなく開放だと言っていました。
プーチンは、ウクライナで特別軍事作戦を展開していて、新ロシア派の人たちを救うためだと言っていて、スターリンが言っていたことと似ています。
ウクライナのロシア系民族の保護と麻薬にまみれたナチス指導者を一掃することが目的だというようなことを言っています。
このような超大国がはるかに小さな小国を征服しようとして失敗した事例は歴史上にたくさんあります。
今回の戦争も同じような展開になるのではないかと、様々な専門家たちが見解を示しています。
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ウクライナの一部を手に入れたとしても、ロシアは世界から孤立して経済的にもかなり苦しい状況になります。
ウクライナも苦しい状況にはなるでしょうが世界中から支援が入るはずです。
もちろん 、たくさんの命が奪われたり住む家を失ったりあまりにも悲しいことが起きています。
ただ、この戦争が終わった後に苦しいのは間違いなくロシアです。
歴史は繰り返すとよく言われますが、まさにそういう結果に落ち着くような気がします。
以前に、プーチンが精神的な障害を持っているとかカルト宗教にはまっているという話も紹介させてもらいました。
逆の観点で、まともな人間が異常な政治的な決断をする時とはどんな時なのかということを解説してくれている研究者がいます。
プーチンがまともな人間だったとして、その人間がどんな時に異常な決断をするのかということを考えていくと、核戦争も見えてきます。
そんな分析については、今回のおすすめの動画で解説していますのでDラボでチェックしてみてください。
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参考:David P. Barash, Ph.D.The Winter War Ghost Haunts Putin's War Today.The Russo-Finnish War was a near-disaster for Stalin, presaging Putin's war.March 11, 2022 | Reviewed by Tyler Woods
Nassir Ghaemi, M.D., M.P.H., What Will Vladimir Putin Do Next? Putin is sane, and his leadership decisions thus far are not surprising.March 11, 2022 | Reviewed by Kaja Perina
Ian H. Robertson Ph.D. The Winner Effect The Danger That Lurks Inside Vladimir Putin's Brain Contempt is key to Putin's troubling psychological profile. Posted March 17, 2014
Uriel Abulof, Ph.D., Self-Determination Is Key to End Putin's Charade and Avoid Escalation Commentary: A moment before midnight, poll the people.March 14, 2022 | Reviewed by Michelle Quirk
Eric Haseltine Ph.D.A Cognitive Bias That Could Trigger Nuclear War There is danger in thinking we know what is unthinkable to someone else. Posted March 13, 2022
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