この知識はこんな方におすすめ
- 仕事でミスが多い
- 人間関係のトラブルが多い
- 職場が楽しくない
職場の問題をまとめて解決する能力とは?!
今回は職場の人間関係を楽にする方法を紹介させてもらいます。
今までも様々なコミュニケーションのテクニックや不安を減らしたりメンタルを安定させる方法などを紹介してきました。それにより仕事のストレスなどを減らすための知識を紹介してきたわけですが、それでもやはり仕事のストレスやトラブルを抱えることもあると思います。
仕事でうっかりミスをしてしまったり、同僚や取引先との間のコミュニケーションに失敗してしまい誤解を与えてしまうということもあるかと思います。
このような仕事における人間関係の問題をまとめて解決するためにはどのような能力が必要なのかということを紹介していきたいと思います。
2018年のハーバードビジネススクールのフランチェスカジーノ博士の研究で、ビジネスにおけるある能力のメリットについて調べたレビューをもとに紹介させてもらいます。
このある能力を手に入れると、判断ミスや仕事上のトラブルが減ったり、あるいは、トラブルが起きたとしても解決しやすくなったり、コミュニケーション能力も高まり周りから皆さんに対する誤解が減って人間関係の問題も起きにくくなります。
仕事に関する悩みやストレスのほとんどは人間関係に関するものですが、とある能力をひとつ鍛えるだけで、このような人間関係やコミュニケーションに関する問題を解決しやすくなるということが分かっています。
ちなみに、これはいわゆるコミュ力ではありません。
ですから、喋るのが苦手だとかお世辞を言うのは得意ではないとか、同僚と仲良くコミュニケーションを取ろうとか無駄な飲み会に参加したいと思わない人もでも結構使える方法です。
今回のこの研究や関連する研究を見て思ったことでもありますが、おそらく僕はこの能力だけでコミュニケーションをまかなっています。
もともと僕はどちらかというとコミュ障で人と話すのが得意なほうではありませんし、元々いじめられっ子で人間関係も良い方ではありませんでした。ニコニコなどを見て喋るのがうまいと言ってくれる人もいますが、これはカメラに向かって一人で喋っているだけでそもそもコミュニケーションではありません。ある意味壮大な独り言をしているだけです 笑。
フランチェスカジーノ博士が調べた能力とは「好奇心」です。
ちなみに、僕が一番大事にしてみる価値観のひとつに好奇心があります。
好奇心は僕たちが人生で戦い抜くために必要な力のひとつで、好奇心を鍛えれば鍛えるほど色々な力を身につけることができます。
今回はそんな好奇心がもたらしてくれるメリットの中でも特に人間関係で役に立ち職場でも役に立つ力を紹介させてもらいます。
好奇心を鍛えると判断ミスが減る!
まずはひとつ目ですが、好奇心を鍛えると判断ミスが減るということが分かっています。これは仕事だけでなくプライベートでも使えるものです。
この研究を見てみると、人間は好奇心が高まっている時は思い込みの影響を受けにくくなるということが分かっています。
つまらない仕事や退屈でいつも通りの仕事だと、それが当たり前でいつも通りの方法なんだと考えてしてしまいますが、自分の好きな趣味やスポーツをしている時には色々な方法を試行錯誤すると思います。スポーツでは方法や打ち方を色々と変えてみたり、バランスの取り方を工夫してみたりするはずです。
このように好奇心を発揮している時には、色々な角度から物事を見ようとするので思い込みの影響を受けづらくなります。それにより思い込みから起きる判断ミスが減るので、実際に仕事に対しても好奇心を持って取り組むと判断ミスが減ってくるわけです。
人間関係においてもコミュニケーションは大事ですが、やはり思い込みによる問題というのは少なくないと思います。あの人はこういう人だからとか、こんな人はどうせ〇〇だからと考えてしまいがちですが、好奇心を発揮することができる人は人に対しても毎回違う目線で考えるようになるので、思い込みに左右されにくくなり余計な失敗も少なくなるわけです。
好奇心を鍛えるとイノベーションの確率が高まる!
フランチェスカジーノ博士の研究によると、仕事においてイノベーションの確率が高まると言われています。
トラブルが起きた時にそのトラブルを前向きに解決していく能力が高まるので、その結果、意外な発見に辿り着いたり新しい解決策を生み出すことができるようになるということです。
要するに、問題を突破していく能力を高めてくれるので、誰でも仕事上の問題を抱えたり人間関係の衝突は避けたいものだと思いますが、それを解決する自信がついてくるので、自分の意見もはっきり言うことができるようになるし、相手の意見に対して無駄に我慢してストレスを抱えることもなくなります。
この研究でおよそ200人の人達に対して4週間にわたり行った実験を見てみると、参加者たちを2つのグループに分けていて、片方のグループには毎日好奇心を掻き立てるようなメッセージを送り、もう片方のグループには特に好奇心を掻き立てるわけでもない事務的なメッセージを送りました。
たったこれだけで、好奇心を掻き立てるようなメッセージを送られたグループの人たちは、ただテキストでメッセージを送られていただけにも関わらず、実際の日常生活の中で好奇心を発揮するということが起きて、その結果、問題を解決する能力が高まっていたということが分かっています。
仕事でいつも色々な問題を抱えてつらいという人もいると思います。仕事のことを考えるのも嫌だという人もいるかもしれませんが、最初だけで結構ですので頑張ってそこに対して好奇心を発揮することができれば問題がスムーズに解決していきます。
同じ問題でも解決していくのであればとても楽しいことになります。例えば、掃除をする前には面倒に感じていても、いざ掃除を始めて部屋が綺麗になっていくとモチベーションがいつのまにか高まって、気がついたら他の部屋まで綺麗にしていたというようなこともあると思います。
これと同じようなことが仕事で発揮されたら大きな成果が出ると思います。
そういったところから問題解決能力が高まり、新しい問題解決方法を見出すことができてイノベーションが生まれる可能性も高まるわけです。
これは仕事だけで考えると難しいかもしれませんが、皆さんが普段している生活の中や人生の中でイノベーションが起きるとどのようなことになるかというと、ずっと抱えたままになっている問題や自分はこの問題だけはずっと解決することができないと思っているような問題を解決することができるかもしれません。
自分はコミュニケーションが苦手だとか彼女いない歴が〇年という人もいるかもしれませんが、そのような人も好奇心を鍛えることができれば新しい角度から物事を見ることができるので、意外な自分の可能性に気づくこともできるはずです。
そういう意味では、何かしらの問題にぶつかっているという人は好奇心を鍛えるべきだということが科学的には言えるわけです。
好奇心を鍛えると社内の対立が減る!
好奇心を鍛えると社内での対立が減るということも研究により判明しています。
やたらと好奇心が溢れて、子供のようにいつもなんでなんで?と質問してくるような人がいたとしたら普通に考えるとうざいと感じると思います。
ところが実際には違います。好奇心を発揮して色々と質問してくる人はめんどくさいイメージがありますが、実際には、好奇心を持っている人の方が他人の立場で物事を推定しやすくなります。
ですから、ビジネスをする場合でも自分の立場だけでなくお客様や他の見ている人たちがどのように考えるのかということにまで考えが及ぶそうです。
好奇心が他人の立場で考える能力を高めてくれるので、自分のスタンスだけにとらわれることがなく相手の考え方も理解することができるので、無駄なトラブルが起きることが減り無駄な社内の対立も減って、結果的に楽に仕事をすることができるようになるということも言えるわけです。
昔パフォーマンスで僕も人の心を読むようなことをしていましたが、その一番簡単なアドバイスとしては、自分が相手の立場だったらどのような行動をするか、自分が相手と同じような場所に座って同じようなことを言われたとしたらどのように答えるかということを考えた方が、ただ単に相手が何を考えているのかということを想像するよりもはるかに相手の思考を読みやすくなるという研究もあります。
好奇心というものは相手の心理状態を推定する上でも大事なことですので、交渉なども上手くなるということが言えるのではないでしょうか。
好奇心を鍛えるとコミュニケーションがスムーズになる!
最後のポイントとしては、好奇心が高い人の方がコミュニケーションがスムーズになるということもわかっています。
先ほどの相手の立場に立つことができるということももちろん大切なポイントではありますが、好奇心が強い人は情報を共有する可能性が高いと言われています。
フランチェスカジーノ博士の研究では、リーダーシッププログラムという組織のトップやチームのトップに立つ人たちを育成するプログラムを行っていて、その際に、一部のグループの人たちに対して好奇心を鍛えるためのトレーニングを行いました。
その結果、好奇心を鍛えられた人達はそうでない人達に比べて情報共有をするようになっていたということです。
別にそれを意識しているわけではないのに、自分の考えていることや新しい情報を組織やチームに対して積極的に共有するようになり、その結果、組織やチーム自体のパフォーマンスが高まるということに繋がっていました。
周りの人達の意見をちゃんと聞くようになったし、周りの人達もそれに触発されて他の人の意見を聞くようになったそうです。
ですから、皆さんの職場でなかなか他の人の意見を聞いてくれないという人や自分の意見ばかりを通そうとする人がいたら、皆さんの好奇心を発揮するとその人たちもそれに触発されて他の人の話を聞くようになる可能性も結構あるということも考えられます。
コミュニケーションをスムーズにして人間関係の面倒さをなくすという意味でも、好奇心というものはとても重要になってくるということです。
今回は好奇心がもたらしてくれる4つの仕事上、あるいは、コミュニケーションにおけるメリットを紹介させてもらいました。
1つ目が思い込みやバイアスが減って判断ミスが減るということで、2つ目は問題解決能力が高まり様々な問題を乗り越えることが簡単になるということ、3つ目が会社の中の無駄な対立が減って仕事がスムーズにできるようになり、4つ目がコミュニケーションがスムーズになるということでした。
仕事において面倒を感じるほとんどの事を解決してくれるのが好奇心だったということです。
逆に、好奇心がなくなるとどうなるのかというと、この4つのメリットが全部逆になると考えてください。
思い込みに支配されまくり、トラブルに目を背けることでトラブルは余計に大きくなっていき、自分のことしか考えない人たちばかりの集まりになり、他人の意見を聞かない状況になります。こんな会社は普通に潰れるでしょうし、誰もそんな会社では働きたくないはずです。
そんな会社で働いているという人もいるかもしれません。もちろん、皆さんが好奇心を発揮するようになったところで会社の全員が変わるかどうかはわかりませんが、状況が確実に良くなるのは確かだと思います。
もし本当に周りが変わらなかったとしても、好奇心が高い人は出世しやすいし能力も高くなりやすいので、自分の好奇心だけ高めておいて転職を考えるという選択肢もあると思います。
是非好奇心を高めることを意識してみてください。
長く同じ職場で働いていると好奇心を発揮するのも難しいという人もいるかもしれませんが、今回はそんな人でも好奇心を発揮するために参考になる本をおすすめの本として紹介しておきます。『リズ・ワイズマン の ルーキー・スマート』では、いわゆるベテランになって今更好奇心なんて考えられないという人たちが、どのようにして新しい視点を持ち楽しく仕事をすることができるのか、新しい発見をすることができるのかということをまとめてくれています。これを読んでもらえれば確実に仕事が楽しくなると思いますので、是非チェックしてみてください。
好奇心が大切だということは分かったけれど、それを鍛えるにはどうすればいいのかがわからないという人もいると思います。好奇心は生まれつきのもので鍛えることができるものではないと考えている人もいると思いますが、実際には後から鍛えることができるものです。
今回のおすすめの動画としてその方法を解説した「若いうちから成功したい人のための【好奇心の鍛え方】」を紹介しておきます。
好奇心を鍛えるための方法を科学的にまとめて解説しています。
これは子供にも使える方法も紹介していますので、子供のおられる方は親子で試してみるのもいいと思います。子供が好奇心が強いまま大人になればきっと凄い成果を出してくれるようになるはずです。
好奇心は方法さえわかれば確実に鍛えていくことができる能力ですし、人間が人生で成功するために必要な能力のうちのひとつだとも言われています。
ちなみに、僕が今自由に生きることができているのもこの好奇心が強かったことが理由だとも思います。是非皆さんも好奇心を鍛えていただけたらと思います。
続きは
子供の好奇心をそもまま育むためにはこちらも参考に 親のある行動によって子供が嘘ばかりをつくようになってしまい、恥や罪の感情に襲われて負の感情に苛まれる可能性が高くなる上に、自己中心的で他人を操ったり攻撃するようになってしまうということが分かっています。そんな子供が他人を攻撃する嘘つきになってしまう親の育て方を紹介させてもらいます。親の何気ない行動が子供の性格を歪めてしまうという興味深い研究があります。 続きを見る
子供がウソを平気でつく人間になる【ヤバ親の特徴】
リサーチ協力
Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
本内容は、参考資料から考察した科学の面白さを伝えるエンタメです。あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Francesca Gino(2018)The Business Case for Curiosity
https://www.nicovideo.jp/watch/1580671684