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既得権益をぶっ壊す3つの心理学

既得権益をぶっ壊す3つの心理学

DaiGo MeNTaLiST

この知識はこんな方におすすめ

  • 既得権益をぶっ壊したい!
  • 組織を牛耳る人と戦いたい!
  • 全ての物事を冷静に見極め判断したい!!

既得権益のぶっ壊し方

N 国の立花さんが大きく舵を切っていました。NHK をぶっ壊すということに関しては、特に僕にとっては得もないし損もないですし、別にそのために立花さんを支持する必要もありませんが、既得権益をぶっ壊すということになってくると話が変わってくる人も多いと思います。いつまでも無料にならない高速道路、もはや運用が信じられなくなっている年金など、既得権益には疑問を持つ人が多くいます。そんな既得権益をぶっ壊すということになると指示する人がかなりいるはずです。
今回は既得権益のぶっ壊し方を科学的に解説させてもらいます。
既得権益の中や年功序列の社会の中では、当然ですが若い人は損をしやすくなってしまいます。すでに権力やその既得権益を持っている人と戦う際にどのようにすれば効率よくその人たちを失脚させることができるのでしょうか。そのためには色々な方法がありますが、主に3つの方法があります。

1. オミネム・アタック

相手を攻撃する時に論理で叩くのもいいですが、それだけではやはり弱くなってしまいます。既得権益による許せない事実をただ批判するだけではなく、その事実から考えられる批判する対象の人格を批判するようにします。
そんな既得権益にどっぷり浸かっている人は何を言ったって信じられないというように、その人の過去や属性、性格などを破壊する攻撃の仕方です。

これは週刊誌の記者達がよく使う方法ですが、実は既得権益を破壊するためにも使うことができます。
組織を攻撃し破壊するのはとても難しいものですが、組織を破壊するのではなくその組織を牛耳っている個人を攻撃する方が圧倒的に楽です。
ですから、組織を攻撃する時にはその組織を牛耳っている個人の人格を攻撃するようにします。そうすると権力構造を崩しやすくなります。

これは普通の人間関係で考えるとかなりの暴論ですが、モンタナ州立大学の研究で、500人を対象にした実験で、オミネム・アタックによる強烈な効果が確認されています。
この実験では、500人の学生に架空の論文の評価をしてもらいます。その際に、その論文だけではなく、その研究者の学歴の低さや性格のだらしなさ、過去に起こした失態や不正などの情報を追加しました。
それにより、どのような情報が追加されている時に、論文の評価自体が下がったのかということを調べたものです。
その結果、研究者の学歴の低さや性格のだらしなさの追加情報を加えても論文の評価自体はさほど変わりませんでしたが、過去の失態や起こした不正の情報を付け加えた場合には、それが事実か事実でないかということに関わらず、その論文の評価は著しく下がるということが分かっています。

不正・失態・利益相反などを叩く!

ですから、既得権益を叩きたいのであれば、相手の学歴や性格などのバックグラウンドを攻撃する意味は全く無く、過去に起こした不正や失態、利益相反行為などを攻撃するべきということです。このような情報や疑惑を発信していくことで既得権益をつぶすことにつながるわけです。
当然、既得権益側はそれを否定してくる可能性もありますが、疑惑というものはその否定の仕方をちゃんと知っていないと否定すれば否定するほど余計に火に油を注ぐようになります。
例えば、タレントさんが週刊誌にあることないこと書かれてそれに対して批判したことでかえって火に油を注ぐ状況になってしまうことはよくあると思います。
大抵の既得権益のぬるま湯に浸かっている人達はこのような批判にさらされることに慣れていないことが多いはずですので、その対処の仕方も下手なことが多いはずです。
経営者や組織のトップが謝罪する会見などを見ることも多いと思いますが、ほとんどの場合が下手な納得できない会見ばかりだと思います。これはやはりそのぬるま湯にずっと浸かっていたからです。
ですから、その人の不正や疑惑を取り上げることで相手の評価を大きく下げることができます。

この研究では、200名の一般人を対象にした追試も行われていて、同じような効果が確認されています。
ですから、これはある意味諸刃の剣でもありますので、決して弱い人を叩くために使ってはいけませんが、既得権益をぶっ壊すためには使っても良いのではないでしょうか。

2. シニシズム

既得権益の利己的な疑念を強化するというテクニックです。
人間には誰しも他人のことは自分勝手で利己的だと思うバイアスがあります。その一方で、自分の事は利他的で他人のために行動し貢献できていると考えるバイアスがあります。
つまり、周りのみんなのことは自分勝手だと思い、自分はみんなのことをいつも考えていると思うのが人間だということです。
この人間が誰でも持っていることを利用して、既得権益に対する疑惑を引き出すのがシニシズムのテクニックです。

例えば、華氏911という映画が以前ありましたが、これはジョージ・ブッシュ政権の対応を批判するプロパガンダ映画でした。この映画の中でテロが起きた直後にブッシュ元大統領が7分間も何もせずに過ごすというシーンを強調していました。
これを見た観客たちは多くの人がブッシュ元大統領は無能だとか自分を保身しようとしていると感じました。
実際には大統領の行動というものはシークレットサービスによってかなり制限されるということも分かっていますので、国民の前に出て発言したいとか色々考えていたとしても、まだ安全性が確認されていないからということでその行動も制限されていた可能性もあります。

このように既得権益を持っている人が疑念を持たれそうなシーンを強調して情報を提供するのがシニシズムです。
このテクニックをまとめてくれているローズ博士という方がいて、このシニシズムのテクニックはアメリカの諜報機関がよく使うテクニックで、このテクニックのことをFUD(Fear Uncertainty Doubt:恐怖・不確実性・疑惑)と呼ぶそうです。

ですから、既得権益をぶっ壊したい場合には、人間は誰しも他人のことを利己的で自己中心的だと思っていて、権力者はもっと自己中心的だと思っているわけですから、その疑惑を引き延ばしてしまえばいいということです。
例えば、多くの人たちの未来が脅かされているという恐怖感、このままではうやむやにされてしまうかもしれないという不確実性、なぜか明らかにされていない数々の疑惑などを投げかければいいわけです。

3. トラップ

多くの場合、相手のダメなところを人は叩こうとしますが、一方の側面ばかりを攻撃していると自分はどうなんだと言われる可能性もありますし、それは確かであっても逆にいいところもあるということも考えられるものです。
既得権益のぬるま湯にどっぷり浸かっている人であっても、自分にとっては為になることをしてくれたこともあるとか優しくしてくれたこともあるというようなことを言う人も出てくるわけです。このような人たちが一定数以上はどうしてもいます。
このような人たちにいくら訴えかけても逆向きの返しをされてしまうだけです。そのような時に使えるのがトラップというテクニックです。

既得権益を牛耳っている個人や既得権益を持っている組織の両極の側面を描写して強調するテクニックです。
例えば、先ほどの華氏911の映画の中であれば、ブッシュ元大統領のことを失敗ばかりする愚か者と描いています。それだけでは、失敗ばかりでもないし成功していることもあるというような批判も出てきます。ですから、それと同時に「他人の心を操ることに長けている切れ者である」というように描いています。
つまり、一方では政治で失敗ばかりをする愚か者としながら、周りの人間を囲ったり情報を隠蔽したりすることは上手いと描いているわけです。
このように両極の側面を描写することによって、結局どちらにしても悪党だと思わせるわけです。

人間はただ頭が悪いとか愚かな人というのは驚異だとは思いません。人間が最も脅威だと感じるのは悪意があって頭がいい人です。能力があるのに悪意がある人というのは一番危険です。
ですから、人間というものは能力があるのかということと人として使用することができるかということの2点を相手の印象を決める時に必ず本能的にチェックするようになっています。
ですから、この2つのポイントを陥れることを考えればいいわけです。
つまり、「みんなのためになるような能力がない」「ずる賢く立ち回るのが上手い」ということを強調することによって、どちらにしても結局悪党だというイメージを植え付けることができます。

この現象のことをローズ博士はE.W.Y.G.Y.S.効果: Either Way You Go Your Screwed と呼んでいます。
どちらにせよ悪人だと思わせるために、ある点ではとても悪いことをしているけれど、別の面ではずる賢いことをしているというように両極を強調するわけです。
一点だけを責めて悪い人だと強調すると、反論をされたりそうは言っても良い点もあると返しをされてしまうこともありますが、両極を強調するとその擁護が成り立たなくなります。

このようなプロパガンダに関する研究はとても興味深く相手の心をコントロールするためにとても使えるものです。逆に、政治家や権力者たちが言動に対しては、プロパガンダについての勉強しておくと流されることなくフラットの立場で物事を考えることができるようになります。そのために参考になるおすすめの本と動画を紹介しておきますのでそちらも是非参考にしてみてください。

社内政治を戦い抜きたいならまずはこちら

いい人のふりをして攻撃をしてくる人に対処したいならこちら

既得権益と戦う際に批判に耐えるためのおすすめ動画
不安ストレスを前に進む力に変えるには
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1528813529

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リサーチ協力:Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo

参照:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0192025
Kelton Rhoads (2004) Propaganda Tactics & Fahrenheit 9/11

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