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台風でも出社させる企業は何考えているのか解説します

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この知識はこんな方におすすめ

  • 台風の時に出社するのが辛かった
  • 台風なのに何のために苦労して出社したのかわからない
  • 会社が何を考えているのか謎
  • 経営者やリーダー

台風でも出社させる経営者の心理とは?

これは質問をいただいた内容ですが、皆が危険を感じるほどの台風なのに社員を出社させる会社って何を考えているのかという話をされている人がいました。
もちろん、出社しなければいけない人達もいます。僕たちが生活していくために大切なインフラを維持管理してくれている人たちが人の命を預かっているお医者さんなど、どうしても行かなければいけない人たちもいるとは思います。
ところが、別に行かなくてもいいし特に緊急性もない仕事なのにわざわざ出社させたとか、物流関係でも特にどうしても今日届けないといけない荷物でもないのにドライバーの方を出社させたとか、万が一の危険が考えられる台風が予見できる時には早めに休みにする判断をしてその準備をすればいいはずなのに、それをせずにいつも通りに出社させる企業やお店もあったようです。
今回はこの意思決定の問題について解説させてもらいます。

正常性バイアス

この原因のひとつ目は、正常性バイアスというものです。人間というものは非常事態に対して非常に鈍感にできています。自分にとって都合の悪い情報は無視しやすくなります
例えば、台風や災害の時に非難する必要が迫られたときに人間がどのように判断するかと言うと、そんな言うほど大きな被害はないのではないかと考えてしまいます。

人間は予期しない事態に対して対応しなくてはいけませんが、その度に不安を感じたり怯えたりしていては心がもたないので、ある程度以上の不安が高まらない限りは、まだ大丈夫だろうと思ってしまうバイアスを持っています。これは正常性バイアスと言います。
ですから、災害や事故の際もその危険性を早めに理解し対処しておけば防げた場合でも、まだ大丈夫だろうと軽い判断をしてしまい、大きな被害に繋がってしまうということが起きるわけです。

ある意味、人間の心を不安やストレスから守るための鈍感さが悪い方向に働いた時に正常性バイアスというものになるわけです。
特に、権力者や組織のトップの人達はリスクに対して鈍感な傾向があります。もちろん全員ではありませんが、リスクを取って挑戦しなければやってくれなかったこともあると思います。それもあり、台風ぐらいであれば問題ないだろうと考える人も中にはいるわけです。

ですから、電車が止まっていてもとりあえず出社しろと社員に言うような、冷静な意思決定ができない人たちはそのようなバイアスも働きリスクに対して鈍感になってしまっているわけです。

共感能力の低下

さらには、人は権力を握ると共感能力が落ちるということも分かっています。
社長や経営者は車やハイヤーで出勤したり、いざとなればタクシーで帰ればいいと思いますが、一般の社員の人たちはそういうわけにはいきません。ただでさえ混雑している満員電車の時間帯にもかかわらず、台風の影響で電車の本数も減っていたり、下手をしたら駅に取り残されてしまう人もいるわけです。そのような状況にまで頭が回らなくなっています。そのような状況を理解するだけの共感能力を持っていません。
これは経営者をディスってるように感じる人もいるかもしれませんが、共感能力が高すぎると経営者になれないとこうこともあります。ある程度は会社を守るために冷酷な判断もできないといけませんが、台風のような場合にはさすがに気づいてもらいたいとは思います。

他人に厳しくなる

権力者に関する研究は色々とあり、権力を持てば持つほど他人に厳しく自分に甘くなるということも分かっています。正義を他人に振りかざす独善的に自分の考えを押し付けてしまうような偽善者になりやすいということです。

権力を持つと人は他人に厳罰を求める傾向が強くなります。2009年の論文では参加者たちを2つのグループに分けて実験を行っています。

自分が権力を持ったところを想像させたグループ

自分が無力だと感じた時のことを思い出させたグループ

これによりどのような違いが現れるのかということを調べようとしたものです。
その結果、人間は自分の無力さを感じると他人に優しくなりますが、自分が権力を持っているということを感じると、他人に対して厳罰を処するようになるということが分かっています。
例えば、仕事における交通費を不正請求した社員に対してどれくらいの罰を与えた方がいいですかという質問に対して、権力を持ったところを想像したグループは、無力さを感じたグループに比べて有意に厳罰の重さが大きくなったというです。
お客さんのために自分も一緒に出社するからみんなで出社して頑張ろうというのであれば百歩譲って理解することはできますが、社長は出社しなくていい会社ほど台風や危険性がある時にも社員を出社させることが多いのではないでしょうか。

自分には甘くなる

この現象は他人に厳しくなるだけならまだしも自分には逆に甘くなってしまうということが起こります。
お客さんのために自分も一緒に出社するからみんなで出社して頑張ろうというのであれば百歩譲って理解することはできますが、社長はわざわざ出社しなくていい会社ほど台風や危険性がある時にも社員を出社させることが多いのではないでしょうか。
同じ研究で、サイコロを使った実験を行っています。サイコロを振って出た目の数によってその枚数の宝くじがもらえるというものです。いくつの目が出たのかというのは参加者の自己申告になっていて、その自己申告した数字によってもらえる宝くじの枚数が決まるわけです。
その結果、権力を持ったところを想像したグループは、自分の無力さを思い出したグループに比べてはるかにズルをする傾向が高くなりました。
つまり、実際に自分がサイコロを振って出した目の数よりも多い数を申告して余分に宝くじをもらおうとしたわけです。
権力を持ったところを想像したグループは偶然のレベルを遥かに超えて統計的にありえないレベルである平均を20%も上回る数字を申告していました
一方、自分の無力さを思い出したグループは、平均をやや上回る程度の数字だったということです。いずれにせよズルはしているのかもしれませんが、やはり人間は無力さを感じている時の方がズルをしにくくなると言えます。

権力を持つとズルをしやすくなるというよりは、そのズルを正当化しやすくなるということです。自分は権力や力があるのだからこれぐらいのズルは問題ないだろうと考えてしまうわけです。
そのため、人間は力を持つと倫理的な過ちなどを犯しやすくなってしまいます。

交通費の不正請求の実験がありましたが、別の状況で自分が処罰されるかもしれない状況になった場合にはどうなるのでしょうか。
約束の時間に遅れそうでスピード違反をしてしまったという状況でどれぐらいの罰を与えるべきなのかということを調べるという実験を行っています。
そうすると、基本的には、権力を感じたグループはより厳しい厳罰を求めて、無力さを感じたグループはほどほどの厳罰を求めました。
ところが、自分が処罰される場合にどれぐらいの罰が適切だと思うかということを尋ねたところ、無力さを感じているグループに関しては、他人に与える罰よりも少し軽いぐらいでしたが、権力を感じているグループに関しては、自分は重要な人物だし普段から重要な行動をしているからスピード違反ぐらいは問題ないだろうと考えてしまう傾向が確認されています。
力を持っていると感じている人は、他人には厳しく自分には甘くなってしまうということです。

結局、台風でも出社させる経営者は・・・

台風の時にも出社させる上司が何を考えているのかと言うと、結局は何も考えていないわけです。しいて言うならば、自分には甘くなっているので、自分は多少の甘い汁を吸ってもいいと考えていて、他の人はルールに従い必死に頑張らなければいけないと考えているわけです。
そんな上司や経営者がいる企業にくれぐれも気をつけてください。

こんな会社にいると体を壊してしまう!避けるべき企業の特徴TOP10

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