嫌な体験を利用して自分の脳を鍛える方法があります。
誰でも嫌な体験はあるかと思います。どうしても生きていく上ではある程度はあるものです。
今まさに嫌な体験をしているという人もいるかもしれませんし、これからそんな体験をしてしまうということもあるかもしれません。 過去の嫌な体験を引きずっている人もいるかもしれません。
そんな体験を全てプラスに変えてしまうテクニックです。
辛い体験が脳を鍛える
トラウマや嫌な体験が脳を鍛えてメンタルを強くしている、判断能力を高めているということが分かっています。
皆さんもトラウマレベルまではいかなくても嫌な体験をしたり思い出すことがあれば、このおかげで自分判断能力が高まったかもしれないと考えるとその体験に意味を見出すことができてそれを乗り越えていくこともできるようになります。
何度か紹介もさせてもらっていますが、PTSG(Post Traumatic Stress Growth):心的外傷後ストレス成長といいトラウマによりメンタルが強くなる現象があります。
命の危険にさらされ生還した人、事故や災害を経験した人の方がメンタルが強くなったり、クリエイティビティが上がり創造性が高くなるということが分かっています。
きつい体験や苦しい体験をすると物事をそれまでとは違う面から見ることができるようになります。僕は挫折だけが人生を変えてくれると考えていますが、挫折や辛い体験をすると僕たちは人生に新しい視点を見出そうとします。これによって多角的に様々なものを見ることができるようになるので新しいことも思いつきやすくなります。新しいことを思いつきやすくなるから問題も解決することができて乗り越えていくことができるようになります。
挫折だけが人生を変えてくれるということについてはこちら↓
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嫌な体験というものは古い価値観を打ち消す効果があります。
辛い体験で高くなる能力とは?!
ケンブリッジ大学が行なっている研究で、トラウマが脳トレになるというものがあります。
トラウマを持つ学生48人を選び、参加者に60個の単語を見てもらい三つの指示を出しました。
- 出てくる60個の単語をできるだけ覚えてください
- 次々にモニターに出てくる単語が緑色の文字だったらその単語を読み上げてください
- 赤の文字だったら読み上げないでください
さらに、単語の穴埋めクイズのようなものをしてもらいました。
これらのタスクの成績をトラウマがある人とない人で比べた場合どうなるかという実験です。
その結果、60個の単語を覚えるという記憶力のテストと穴埋めクイズに関しては、トラウマがあってもなくてもスコアに差はありませんでした。
ところが、赤色の文字だったら喋らない、緑色の文字だったら声に出すという瞬時に声に出すかどうかという判断はトラウマがあるグループの方が成績が良かったということです。
つまり、過去にトラウマや辛い体験をしている人は自分の思考を瞬時に止めるのが上手いということです。自分の思考をコントロールするのが上手くなっているので、文字が赤色か緑色かということに対してその一瞬冷静になれるということです。
これは結構重要な能力で、人間は余計なことを考えてしまったりネガティブな感情や感じる必要のない不安というものがどうしても出てくるものです。それをコントロールすることができなくなる人は結構います。集中すべき時に、このような余計なことを考えてしまったり余計な感情に襲われてもそれを止める能力がトラウマいや辛い経験をしている人の方が高いということです。
余計な思考や感情をコントロールして本来の自分に引き戻すことがトラウマを経験した人の方が上手いわけです。
うつ病の原因になるネガティブなことをぐるぐると考えてしまう反芻思考もこの能力を使って止めることができます。
トラウマを味わったり辛い体験をした人は脳の特定の部位が鍛えられて自分をコントロールするセルフコントロール能力が鍛えられているということです。
もちろんトラウマや辛い体験はできれば避けたいものですし好んで求めるものではありませんが、結果として経験した先には良い効果もありメンタルコントロールのスキルを発達させてくれるということがこの研究により分かったものです。
トラウマをたくさん乗り越えている人や辛い経験をしている人はレジリエンスを身につけます。
もちろん、トラウマや辛い体験と一括りに言っても中にはあまりにひどすぎる体験でPTSDになる人もいると思いますが、それほどまでではない体験であれば脳を鍛える助けになると思いますので、面倒なことや辛いことがあった時もそれにより自分は脳を鍛えられてセルフコントロール能力が高まり色々な可能性が広がるはずだと考えることで、目の前の辛い体験自体も乗り越えやすくなるかと思います。
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ちなみに、以前紹介したスーパーエイジャーの話を覚えていますか。
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年をとっても脳が老けることなく新しいことにも次々に挑戦できる人達です。肉体的な健康も大事ですが脳の健康もとても大事で、脳が老けない人は常に不快感を味わっているそうです。何か新しいことに挑戦しようとすればどうしても辛いことや面倒なことなど不快感を味わうようになりますが、これを味わい続けている人の方が脳が老けないという研究もあります。
辛い体験を自分から進んでする必要はありませんが、辛いことがあった場合には脳トレになっていると考えていただくと皆さんの脳にもいいし辛いこと自体も乗り越えやすくなるのではないでしょうか。
辛い体験にも意味を見出してみてください。
辛い体験を乗り越え前に進んでもらうためのおすすめ動画
負の感情、嫉妬を前に進む力に変えるには
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ネガティブな感情の正しい使い方
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トラウマの先の圧倒的成長=PTSGを目指すストレスを力に変える心理学
▶️https://www.nicovideo.jp/watch/1454041141
参考文献
https://psycnet.apa.org/record/2018-34715-001