この知識はこんな方におすすめ
- 痩せたい
- 健康的なダイエットを考えたい
ジュースクレンズの嘘
今回はジュースクレンズの嘘についてです。
よくファスティングや断食でジュースクレンズが効果があるという話を言われている人がいますが、ジュースクレンズは健康面で有害な可能性が高いという研究が結構出ていますので、今回はこれについて解説したいと思います。
もちろんそれが趣味でしているのであったり、すっきりする気がするからするのであれば別にいいと思いますが、健康を考えてするのはやめた方がいいと思います。
僕はワインが好きだから飲んでいますが、ワインお酒が体にいいからと飲んでいるとしたら誰でもそんなはずはないと理解できるはずです。
僕も基本的には体に悪いと理解した上でワインは趣味で飲んでいるわけなので、趣味でジュースクレンズをしている人を否定するつもりはありませんが、健康のためと考えてするのであれば、それはむしろ体にとって害になる可能性があるということです。
そもそもジュースクレンズとは何なのかという人もいると思いますが、簡単に言うと、コールドプレスジュースを使ったデトックスの方法です。
断食をしながらコールドプレスジュースだけを飲んで、それで体の毒素を洗い流すというような意味でデトックスと言われている方法です。
そもそも毒素を体の外に出すという意味でのデトックスというものは科学的に存在はしません。
人間の体で有毒物質の除去をしているのは腎臓と肝臓ですから、腎臓や肝臓に良いという意味でのデトックスと言うのであればまだ理解できますが、毒素を体の外に出すという意味でのデトックスとしては、それがエステでもジュースクレンズでも結構怪しいと思います。
ジュースクレンズは食事の代わりにジュースを飲んでジュース以外のものは口にしないといういわゆるジュースを使ったプチ断食のようなイメージですが、プチ断食とは違いカロリーがちゃんと摂れてしまうのであまり効果はないと思います。
ジュースクレンズは最大で3日間ほどジュースだけで過ごすということを行い、それから体にいいものを食べて徐々に普通の生活に戻すという方法で、これが体にいいと海外のセレブなどに流行ったというものです。
今でも1杯1200円から1500円ぐらいでジュースクレンズ用のジュースが売られているそうですが、そんなジュースは飲んでいいけれどそれ以外は口にしないというジュースを使った断食もどきのようなものがジュースクレンズです。
これは短期的には何か効果が出ているような気分を得ることはできますし、実際に体重が減ったという人もいると思いますが、基本的には体にとって有害な間違った健康法だということが言われています。
問題点その1 :体重が一時的に減っても痩せるわけではない
まず最初の問題点としては、よくジュースクレンズで体重が減るので時々ジュースクレンズを使って断食をしているという人がいますが、このような人は体重の増減を繰り返します。
これは何となく分かると思いますが体にとって良いはずはありません。
本当に健康的な人であれば体重を落としたらそれを維持することができるはずなのに、またすぐに戻ってジュースクレンズをしたらすぐ落ちてということを繰り返すとしたら何か怪しい気がするはずです。
これはジュースクレンズで減る体重の大半が水分だからです。水分が抜けてその分体重が落ちるだけです。
ですから、痩せているわけでも健康的になっているわけでもなく単純に脱水症状が起きているだけです。
実際に、ジュースクレンズをしてしまうと1日の摂取カロリーが1000キロカロリーにも満たないレベルになってしまうので、これを1日おきぐらいであればまだましですが2日間とか3日間続けてしまうと体は急激なエネルギー不足に陥ってしまい、人間の体に蓄えられているグリコーゲンというものがどんどん消費されてしまうということが起こります。
グリコーゲンというのは糖質が鎖のようにつながった構造をした物質ですが、これは緊急時のエネルギー補給に使われる物質です。
つまり、体にとって本当に危険な状態になった時に使われるエネルギー源だということです。
このグリコーゲンには水分がたくさん含まれていて、人間は一定時間食べることができなくなったり水分をとることもできなくなってもある程度生存することができるのは、このグリコーゲンがありそこに糖質と水分の両方が含まれているからです。
このグリコーゲンが減ってしまうと糖質も水分も両方が減りますので、そのために急激に体重が落ちるということもあるわけです。
グリコーゲンは主に筋肉や脂肪に溜め込まれているものですが、そんなにたくさんあるわけではなく2日間とか3日間低カロリー状態が続くと完全になくなってしまうものです。
よく人間が飲まず食わずで普通に生きることができるのは2日間とか3日間ぐらいではないかと言われますが、おそらくはこのグリコーゲンの量によるものだと思います。
ジュースクレンズを行うと2日間とか3日間低カロリー状態が続き、このグリコーゲンが消費されると確かに体重は減ります。
ジュースクレンズを行うことによって3日間で3 kg とか5 kg 体重が減るということはあり得ます。
なぜかと言うと貴重なグリコーゲンが消費されているからです。
これは別に体脂肪が減っているわけではなく、脂肪や筋肉はそのままで、その中に蓄えられている水分をたっぷり含んでいるグリコーゲンが無くなっているだけです。
ジュースクレンズが終わり普通の食事を再開したらこれは元に戻ります。
ですから、ジュースクレンズを行うことによって減っているのは大半が水分ですから痩せているわけではなくはっきりいって意味がありません。
むしろ、体の健康を考えると有害なだけです。
問題点その2 :筋肉の減少
さらに、2つ目の問題点としては筋肉が減少してしまいます。
1日の摂取カロリーが1000キロカロリーにも満たないことが多いので、人間の血糖値を維持することができなくなり必要なエネルギーを維持することができない状態になります。
そうすると人間の体は無理矢理エネルギーを作り出そうとしますが、この血糖値を維持しようとする時に使われるのは筋肉で、糖質がないと筋肉の分解が始まってしまいます。
2007年のデータを見てみると、だいたい断食を始めてから16時間以上経ってしまうと筋肉の分解が始まってしまうのではないかとされています。
僕もリーンゲインズやプチ断食をおすすめしていますが、16時間以上してしまうと筋肉の分解が始まってしまうのでプチ断食もそれぐらいまでにした方がいいわけです。
ジュースクレンズの場合には糖質が含まれていますので、16時間よりももう少し長くなる可能性もありますが、1976年の実験を見てみると、低カロリー状態では1日に筋肉がなんと約50g も減っていくということが確認されていて、これは体にとって相当な量です。
タンパク質が減ると筋肉は減っていきますが、ジュースクレンズにはほとんどタンパク質は含まれていませんので、筋肉の減少スピードはわりと早いのではないかとも考えられます。
しかも、長期的に考えると筋肉が減ると代謝が落ちますので、かえって痩せづらく太りやすい体になってしまうという可能性もあります。
問題点その3 :免疫系がダメージを受ける
そして、更なる問題点として免疫系がかなりのダメージを受けてしまいます。
ですから、風邪引きやすくなったり今であればコロナに感染しやすくなるという可能性が十分にあります。
タンパク質は筋肉を作っているだけでなく免疫の調整も行っている非常に重要なものです。
例えば、2006年の研究を見てみると、極端な低カロリー状態が2日以上続いてしまうと免疫が著しく弱まってしまうとされています。
これはちょっとした傷の治りさえも遅くなってしまうぐらいのレベルです。
これは当然再生能力が落ちるという意味も含まれていますので、肌が荒れたり肌の老化が進んでしまうという可能性も高くなります。
ですから、女性がジュースクレンズで一時的に水分が抜けて筋肉が分解され体重が3 kg とか5 kg 減ったとしても実際に痩せているわけでもなく、それだけでなく免疫の作用を落として肌の状態も悪くしているわけです。
そう考えると、特に女性にとってはジュースクレンズは意味がないどころかデメリットの方が大きいと言えるのではないでしょうか。
一方で、12時間から36時間ぐらいの範囲で行う日替わり断食やリーンゲインズのようないわゆるプチ断食は免疫系に喝を入れてブーストさせる効果がありますので、そういう意味では、カロリーカットや何も口にしないというようなことをする場合であっても、12時間から36時間ぐらいの範囲で行なった方がいいとは思います。
ですから、僕のしているような1日16時間ぐらいまでのプチ断食か1日おきの断食を36時間ぐらいまでを限度に行うというのがいいとは思います。
問題点その4 :そもそもデトックスとは?
さらに、これはジュースクレンズに限った話ではありませんが、そもそもデトックスとか毒素が出ると言っている時点でかなり怪しいです。
先ほど紹介したとおりデトックスや毒素が出るということ自体科学的にはありえない話です。
何年も前からこのようなデトックスや毒素が出るというものには意味がないという研究がかなり出ていて、大抵のこれらを推進している人にデトックスとは何かという質問をすると毒素が出ると答えると思いますが、ではその毒素とはそもそも何なのでしょうか。
例えば、体内でアルコールなどを分解するのは肝臓や腎臓が行なっていることです。
ですから、肝機能や腎機能を高めるということであればまだ理解できますが、何かしらの毒素を外に出したいと言うのであれば、そもそも体の外から入ってくる有害なものをカットした方がいいです。
加工食品や油がやたらと多いジャンクフードなどを食べるのをやめたりお酒の量を減らしたりした方が肝臓や腎臓に良い生活が出来ますので、これこそが本当のデトックスとなるのではないでしょうか。
問題点その5 :副反応?
さらに、このようなダイエット法でやばいのはいわゆる副反応というものがあります。
ジュースクレンズをすると毒素が体から出て行くので一時的に体に不調が出ることがあるというようなことを言っていたりします。
例えば、頭痛が起きたりめまいがしたり体がふらついたりすることが一瞬ありますが、それは体が一生懸命毒素を外に出している証拠ですというようなありえないことを言う人がいます。
実際にはそんなことがあるはずはなく単なるエネルギー不足です。
体にとっては有害なだけですから決して信じないようにしてください。
問題点その6 :科学的な効果の実証はない
そして、科学的な効果を実証した研究はほとんどありません。
今回紹介したような体に害があるというようなことを示す研究はいくらでも出てきますが、ジュースクレンズが体にいいということを実証した研究は全くありません 。
ジュースクレンズを推奨していたりする人もいますしそれを紹介している本も出ています。
実際に僕もその本を読んでみましたが、集中力が上がった気がするとか肌のツヤが良くなった気がするとか体が軽くなったというような個人的な体験や感想を主張しているだけのものがほとんどです。
科学的な検証が行われたジュースクレンズというものはありませんので 、はっきり言ってお勧めできるものではありません 。
お金は無駄にかかるし痩せるわけでもないし、体に良くはないし科学的な根拠もないということですからする意味はありません。
ジュースクレンズをするぐらいであればプチ断食などを行った方が皆さんの体にとっては良いのではないかと思います。
もちろんジャンクフードを食べまくったり加工食品を食べまくったりするのはよくありませんが、摂るべき栄養はちゃんと取らないと体にはやはり良くありません。
極端なダイエットはやめていただいて、健康的な運動と食生活を心がけていただけたらと思います。
健康的な食生活のためのおすすめ
とはいえ、このような話をするとそもそも何を食べたらいいのかがわからないという人もいると思います。
痩せたり健康的になるだけでなく肌も綺麗になる食材の選び方を科学的根拠に基づき解説した動画を今回のおすすめの動画として紹介しておきます。
肌の綺麗にしてくれる食材の選び方のために
こちらの動画では13種類の肌を綺麗にしてくれて体内の炎症を抑えてくれるとされている食材について解説した内容になっています。
皆さんも身体に良いだけでなく太りづらい上に肌も綺麗になる食生活をこちらを参考に心がけていただけたらと思います。
発酵と腸内環境についてのおすすめ本
今回はそんな健康を考える上で役に立つおすすめの本を2冊紹介しておきます。
いわゆるスーパーフードと呼ばれるものもたくさんありますが、科学的に正しいスーパーフードとしては2種類しかありません。
それは食物繊維と発酵食品です。
食物繊維は野菜をしっかり食べることが大事ですが、発酵食品は腸内環境を良くしてくれるものです。
この腸内環境が良くなることによって肌が綺麗になったり免疫を整えてくれたり、痩せやすい体を作ることができたり食欲を抑えることができるというメリットがあります。
そんな発酵と腸内環境のために役に立つのがこちらの2冊です。
発酵について学ぶのであればこの1冊で十分だと思いますし家で発酵食品を作ることもできます。
さまざまな発酵のテクニックについて紹介してくれている結構マニアックな本ではありますが、一生ものの技術について学ぶことができる本です。
腸内細菌を育てて人生を変えるための方法について解説してくれている素晴らしい本です。非常にわかりやすいのでおすすめです。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
1人1冊ですが完全に無料で、無料の期間が終わっても一度ダウンロードしておけばずっと聞くこともできるそうですので、まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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免責事項:本内容は、心理学の面白さを伝えることを目的として、参考資料や過去の動画を元に大胆な独自の考察したもので、事実を確定するものではなく、あくまで一説です。ここでの結論は、記載された論文とは異なる場合があります。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17413096/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17413096/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16226298/