この知識はこんな方におすすめ
- 自宅で仕事が捗らないし疲れてきた
- 自宅での自習に不安を感じてきた
なぜ自宅では集中できないのか?
最近は自宅で仕事をしたり作業をされる方が多いと思います。
そんな中で、なかなか家だと集中できないという人も少なくないのではないでしょうか。
今まで会社に行っていた人が、いきなり会社に行くのをやめて家で仕事をしなくてはいけなくなったり、学校や予備校に行けなくなり家で自習しなくてはいけないとなると、集中力が途切れて結構大変だと思います。
自宅で集中できない3つの理由
今回は、そんな人が家で集中できない3つの理由を紹介させてもらいます。
この3つの理由を潰していけば、普段通りに、あるいは、普段以上に集中することができるようになると思います。
なぜ家で集中することができないのかというと、まず1つ目としては、当然ですが誘惑が多いということがあります。
2つ目のポイントとして、制限がないということもあります。
会社に行っていたり学校や予備校だと時間にも制限があります。ところが、家でするとなるとやろうと思えばいくらでもすることも出来ますし、先延ばしもできてしまいます。
いざとなれば睡眠時間を削るということもできたりしますし、朝会社や学校に行かないといけないからもう寝なくてはいけないということもないと思います。
このような時間に関するリソース制限がなくなるということが2つ目の大きな問題です。
そして、3つ目のポイントとして、ルーティンが壊れてしまうということもあります。
これらの3つについて紹介していきます。
問題1 :誘惑が多い
皆さんは、人間が誘惑にさらされた時に、どれくらいの確率でその誘惑に抗うことができると思いますか?
例えば、食べたいものを目の前に出された時に、お腹は空いているけれどダイエット中だから我慢するとか、読みたい漫画が目の前にあり、勉強する前に読みたくなってしまったけれど、それを我慢して勉強するとか、このような確率はどれくらいだと思いますか。
これについてはいろいろな研究がありますが、大体50%ぐらいだとされています。
つまり、僕たちが誘惑に抗うことができるかどうかということは、コインを投げて決めるのと同じぐらいの確率でしかないということです。
2回に1回は誘惑に抵抗することができないわけです。
ですから、そもそも誘惑に立ち向かおうという戦略自体が大きく間違っています。
重要なのは、誘惑を自分の視界から取り除くということです。
これはもちろん処分しても構いませんが、処分できない場合には、ダンボールに入れてガムテープで蓋をしてしまうとか、倉庫がある場合には倉庫にしまっておくということでもいいと思います。
とりあえず、誘惑を視界からなくすということがポイントになります。
スマホをついつい触ってしまうという人には、おすすめのグッズでタイムロッキングコンテナというものがあります。
今回のおすすめのアイテムとしても紹介しておきますが、これは入れ物の中にスマホを入れて蓋を閉めると一定の時間の間スマホを取り出せなくなります。
つまり、設定した時間がたたないと開けられないということです。
これはかなり強力なので、スマホでいつも集中が途切れてしまうとか、ついついゲームをしてしまうというような人はスマホを入れたり、ゲームのコントローラーや電源ケーブルを入れてもいいと思います。
漫画が目に入ってしまうという場合であれば、Amazon で安いベッドシーツなどを買って、それをかぶせて見えないようにします。
このようにして自分の視界から消すだけでも、実際にはかなりの効果があります。
間食に関する研究では、お菓子をテーブルの上に置いた場合と、お菓子を引き出しの中に入れた場合で比べると、引き出しの中に入れるだけで33%もお菓子を食べる量が減るということが分かっています。
まずは、誘惑を視界からなくすということを試してみてください。
これが1つ目のポイントです。
問題2 :制限がない
そして2つ目のポイントとして、人間が時間をうまく使うことができなくなる時というのは、時間が無限にあるというような感覚を持ってしまった時です。
例えば、出かけるまでに20分しかないとなると20分で準備ができるけれど、出かけるまでにまだ2時間あると考えてしまうと、ギリギリまで2時間かけて準備してしまったりすることが起こります。
このように人間はたくさんあると思ってしまうと、そのリソースを無駄に使いやすくなってしまいます。
そんな人間が家にいると、いつ仕事が始まりいつ終わるのかということがなくなってしまいますので、リソースが無限にあると感じてしまいます。
いざとなったら睡眠時間を削ればいいなどと考えてしまいます。
ちなみに、これは残業する人の方が仕事ができないという理論と全く同じです。
ですから、自分がしていい行動を時間に割り当ててください。
1時間でこれをするという方法では、その時間を伸ばしてしまうとなってしまいますので、お勧めとしては、仕事をしていいのは何時から何時までの間だけとか、勉強していいのはこの時間だけとか、数学をするのは午前中だけというように決めてください。
その決めた時間はどんなに進まなかったとしても守るようにしてください。
それにより、今やらなくてはできなくなってしまうという感覚になってきます。
おすすめの方法としては、食事の時間や友達と電話をする時間などのプライベートな時間を先に決めて、それをずらせないようにしておきます。
オンライン飲み会やオンラインでゲームをする時間を決めておきます。
そうすると、そこまでにはするべきことをしておかないといけないというように時間が制限されます。
このようにして、この時間だけはしてもいいというように制限をしないと、僕たちは無限にあるリソースを無駄に使ってしまいやすくなるものです。
実際に、シカゴ大学の実験でもこれは分かっていて、時間がない人と時間が余っている人、リソースがない人とリソースが多い人を比べると、もちろん、リソースがたくさんある人の方が結果をたくさん出すことはできますが、一定時間の間にこなすことができる作業量はリソースが少ない人の方が多くなります。
当然ですが、少ないリソースなのでそれを無駄に使わないようにできるわけです。
ですから、2つ目のポイントとして、自分なりにリソースを制限してみるというのがおすすめです。
問題3 :プレパフォーマンス・ルーティン
そして、これが最も重要ですがルーティンの問題です。
ルーティーンの問題だというと、自分は会社にいるのと同じように朝起きて仕事をしているからルーティンは崩れていないという人もいると思います。
人間は、プライベートモードから仕事モード、あるいは、リラックスモードから集中モードに切り替わる時にどんな作業をしているのかということが重要になります。
プレパフォーマンス・ルーティンと呼ばれるものですが、何か行動をする前に自分がしている行動が変わったり無くなったりすると、人間は急にスイッチが入らなくなることがあります。
僕の場合であれば、朝からバービージャンプの激しい運動をていますが、これをすると一気にスイッチが入り、1日の仕事がとても捗ります。
ただ、これをしない時には気分が乗らなくなってしまいます。
おそらく、今まで普通に会社に行って仕事をしていた人や、学校に通っていた学生の方や予備校に通っていた受験生の方は、通勤や通学の時間に、家を出てから会社や学校の自分の席に着くまでの一連の流れがルーティーンになっていたのだと思います。
それが切り替えのスイッチになっていたのだけれど、それがなくなってしまったことによって、パフォーマンスが落ちてしまいます。
ですから、プライベートから仕事、リラックスモードから集中モードに切り替わる時の自分がする行動を決めておいてください。
スイッチをオンにする行動とスイッチをオフにする行動を決めておきましょう。
今回の参考文献としているマンハイム大学などが行った実験で、これについて示されています。
3分から5分ぐらいでできる行動の方がいいとは思いますが、それぞれスイッチをオンにする行動とスイッチをオフにする行動を決めておいてください。
例えば、スイッチをオンにする行動としては、バービージャンプを20秒行うとかでもいいですし、リラックスする時には20秒ゆっくり深呼吸するとか、他のタイミングではしない行動に決めてください。
スイッチをオンにする時とオフにする時以外はしない行動を決めて、オンとオフを自分で作るようにしてみてください。
これによりプレパフォーマンス・ルーティンを作ることが大切です。
このマンハイム大学などの研究では、151人のビジネスマンを対象に620日間かけて追跡調査を行い、仕事ができる人とできない人の違いについて調べています。
620日間かけて2つのポイントについて調べています。
1つ目が、プライベートの気分から仕事モードに切り替えるために、どんな行動を取っているのかということを調べています。
2つ目として、仕事中の集中力の高さについて調べています。
その結果わかったこととして、まず仕事モードに切り替えるための自分なりのルーティンを持っている人ほど、仕事中の集中力が実際に高いし、仕事の生産性も高く目標を達成できる確率も高かったということが分かっています。
ですから、僕たちは仕事をしている最中や、勉強をしている最中の行動ばかりに目を向けがちですが、大事なのは、それをする前に何をしてスイッチを入れているかだということです。
この行動としてはどんなものが効果的なのかということについては、これは何でもいいそうです。
自分でこの行動をとったら仕事モードに集中モードに入るということを決めてさえいれば、行動の内容はどんなものでもいいのです。
シャワーを浴びるとかコーヒーを飲むということでもいいと思います。
おすすめはある程度条件付けの力が働いてくると思いますので、その時以外はしない行動にしておいたほうが僕はいいと思います。
だらだらといつまでも仕事をしてしまうという人は、オフにする行動も決めておいたほうがいいと思います。
リラックスモードに切り替える行動も決めておいて、それ以降は集中力を発揮するようなことはしないというようにするのがいいのではないでしょうか。
僕の場合であれば、激しい運動をすることでスイッチを入れて、お風呂に入ることでスイッチをオフにしています。
皆さんも自分なりのルーティンを決めてみてください。
仕事を始めたり勉強を始める前に、何かしらの集中するという意味合いを込めた行動を決めてもらい始めてもらえると、集中できるようになると思いますので、ぜひ実践してみてください。
ポイント1 :誘惑を視界から消す
ポイント2 :時間のリソースをあえて制限してみる
ポイント3 :行動する前のルーティンを決める
自宅で集中するための方法として実践してみてください。
今回は自宅で集中するための方法について紹介させてもらいました。
集中し始めてもすぐに集中が切れてしまうという人もいると思います。集中モードには入れるけれど10分ぐらいしたらすぐに切れてしまうというような場合には、切れそうな集中を維持するための方法が色々とあります。
そんな方法を解説した動画を今回のおすすめの動画として紹介しておきます。
「切れそうな集中力を維持する11の心理テク【カルガリー大学研究から】」では、カルガリー大学の研究をベースとして、切れそうな集中力を元に戻してくれる11の心理的なテクニックを紹介しています。
11種類もあればどれか自分に合うものを見つけることができると思いますので、ぜひチェックしてみてください。
今回のおすすめの本としては、集中力のためにおすすめの『ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45』を紹介しておきます。
45種類の集中力を引き上げるためのライフハックがまとめられています。科学的な信憑性もあるテクニックが求められていますので、ぜひチェックしてみてください。
リサーチ協力の鈴木祐さんの論文解説チャンネルもオススメです
Supported by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
本内容は、上記の参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Sabine Sonnentag et al.(2019).Morning Reattachment to Work and Work Engagement During the Day: A Look at Day-Level Mediators