周りが敵ばかり・・・
自分の周りがみんな敵に見えてしまうというような人が時々いると思います。あるいは、自分だけが酷い扱いを受けているというように感じたりする人もいます。
実際に周りから敵意を向けられているわけではなくても、周りが敵に見えてしまう条件というものが実はあります。
今回はそんな周りが敵ばかりに見えてしまう本当の理由について紹介させてもらいます。心当たりがある方は参考にしていただけたらと思います。
その理由は・・・
睡眠不足です。
睡眠不足になると、様々なネガティブなことが起きるということが分かっていますが、睡眠不足により周りの人が敵に見えてくるというカリフォルニア大学が行った興味深い研究があります。 人を嫌いになってしまう生活習慣 知らないうちに人を嫌いになってしまう生活習慣があります。 思いがけない行動が人嫌いを加速 ... 続きを見る
もともと睡眠が足りない人は友達に嫌われやすくなったり、実際に嫌われてしまったり、孤立しがちになるということも分かっています。
知らないうちに【人嫌いが加速する】習慣とは
相手の表情を読み取れなくなる?
他人が敵に見えるというのは、例えば、あの人はあの時とても嫌そうな顔をしていたので、本当は自分の意見に対して反対なんだとか、良かれと思ってしたのに嬉しそうじゃなかったとか、考える人がいると思いますが、実際には客観的に見るとそんなことない場合が結構あります。
つまり、相手の表情を読み間違えているということです。
この相手の表情から感情を読み取る能力が睡眠不足により低下するのではないかと言われていて、今回の研究は、実際に睡眠不足によりその能力が下がるということを示したものです。
この研究では16人の男女に様々な感情を示すような人の表情の画像を見てもらいました。有効的な表情から敵意を向けるような表情まで様々な表情があり、徐々に敵意が増していく表情に変わっていきます。どの表情で敵意を感じるかということを二つのグループに分けて見分けてもらいました。
熟睡した直後に行った場合
24時間起きていた直後に行った場合
その結果、24時間徹夜して睡眠不足の状態で行うと、ほとんどの参加者たちが友好的な表情と敵意を向けてきている表情に区別がつかなくなってしまい、全ての表情の画像を敵意があると判断したということです。
つまり、睡眠不足の状態では全ての表情が自分に対して敵意を向けているものだと感じてしまったわけです。
ですから、睡眠不足のせいで周りが敵に見えてしまうということが大いにあるということです。
実際に脳の状態が変わる
さらに、睡眠不足の参加者たちの脳をスキャンすると、脳の頭皮質と前帯状皮質という場所の働きが非常に鈍っているということがわかりました。これは感情を読む能力を司っていると言われていますので、そのために人間の表情を見分ける事が出来なくなっているのではないかということです。
睡眠不足により、自分に対して敵意を向けてくる人と自分に友好的な人の表情の区別ができなくなってしまいます。
研究者のコメントとしては、睡眠不足というものは人間の感情からポジティブなものを取り除いてしまい、全てのものがネガティブに見えてしまうとしています。それにより相手に敵意があると感じてしまうわけです。
見分けられなくなっているというよりは、全員が敵に見えてしまうということです。
孤独にならないためにも睡眠は大事
過去の実験でも、睡眠が足りない人ほど社会的に孤立するし孤独感を味わうということが分かっています。
睡眠が足りなくなることによって、相手の感情を理解する脳の力が低下し、相手の表情や行動が全てマイナスなものに見えてしまい、全員が敵に見えてしまいますのでコミュニケーションがうまくできなくなり、友達がいなくなってしまいます。
人間関係においては嫌なことも苛立ちを覚えることも誰でもあるはずです。人間はレム睡眠の間に脳内にコミュニケーションにおいて分泌されたストレス系の神経伝達物質が減ります。嫌な感情や嫌な記憶というものが和らいでコントロールしやすくなるわけです。レム睡眠の質が高くなればなるほど、人間は人間関係におけるストレスを緩和することができるし、人の表情や仕草も正しく読めるようになります。
コミュ力を高めようと色々頑張るよりも、まずはしっかり寝ることから始めた方が人間関係は良くなると思います。
是非参考にしてみてください。
睡眠の質を高めるためのおすすめ動画
スッキリ起きれるメンタルの作り方
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1538925063
Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://www.jneurosci.org/content/35/28/10135.abstract