この知識はこんな方におすすめ
- 時間を大切にしたい!
- 集中力も大切!
- 人間関係も重要!
皆さんは自分が1日何時間くらいスマホを触っていると思いますか?
今回はスマホ依存に関する内容です。
以前にも紹介したことがありますが、『デジタル・ミニマリスト』というとても良い本があります。
SNS が使い方を間違えるとメンタルに悪影響を与えるという話を以前にも紹介したことがありますが、僕たちから、時間や集中力や人間関係というものを奪っていくのがスマホ依存症です。
このスマホ依存というものは結構簡単に皆さんにも起きるものなようです。
皆さんは自分が1日何時間くらいスマホを触っていると思いますか?
皆さんがこれぐらいかなと頭の中で想像した時間に対して、実際にはその3倍ぐらい触っていると言われています。
ですから、今1時間ぐらいかなと思った人は実際には3時間ぐらい触っていて、この3時間を超えてくると結構やばいです。
例えば、その3時間を皆さんが読者に使ったり、大事な人と過ごす時間に充てたり、将来のための勉強の時間に充てたら、それは人生にとって大きな影響を与えるものです。
ですから、これはいわゆる依存症の定義の中にも含まれているものですが、僕たちがそれをしなければ本来は手に入れることができていたかもしれないチャンスを奪っているもののことを依存症といいます。
スマホ依存は診断可能な障害?!
2010年ぐらいからスマホ依存は特定の行動を止めることができない行為依存として、すでに依存症として認められていました。
2010年のドラッグやアルコールなどの濫用に関する論文で、このような行為依存が多くの領域において麻薬や大麻などの物質依存と現象が似ているということを示す証拠が結構出てきているということが言われています。
ですから、スマホ依存は麻薬の依存などと非常に近く、麻薬ほど激烈な害を僕たちにもたらすわけではありませんが、確実に、僕たちの時間や人間関係や可能性を削り続けているということが示されています。
2013年には、アメリカの精神医学会がうつ病などの指標やチェックリストを発表しているDSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)という本で、この行為依存が診断可能な障害として追加されています。
このようなスマホ依存というものが結構身近にあり危険な状況だということをまず理解しておくべきです。
スマホ依存が起きてしまう3つの理由
スマホ依存が起きてしまう理由としては大きく分けて3つの原因があります。
この3つのポイントさえ押さえておけば、スマホ依存はある程度止めることができるかもしれないとされています。
さらに、悪い癖を直すような方法についても今回のおすすめの動画で紹介していますので、これらも取り入れてもらえれば、皆さんがスマホ依存により失っている時間を取り戻すことができるのではないかと思います。
先ほど紹介した通り、1日1時間ぐらい使っているかなと思っている人は実際には3時間使っているわけです。
そうなると、2時間ぐらい使っているかなと思った人は6時間も使っているわけです。
これは、仮に1日5時間スマホに使っているとしたら、それは1週間で35時間になります。
35時間あればそれだけで十分に副業ができるぐらいの時間になります。
もちろん、スマホを仕事に使っているとか本を読むために Kindle の機能しか使っていないというようなことであれば構いませんが、ただ漫然とスマホを使っているという行為は、「スマホを触る」という行為に依存しています。
スマホ依存が起きる理由 その1 :間欠強化
間欠強化については、有名なところでは1965年にマイケル・ゼイラーさんが行なった実験があり、決まったパターンでご褒美をあげるよりも予想できないパターンでご褒美をあげる方が、人間はドーパミンの分泌量が多くなるということが確認されています。
この実験では鳩を使って実験を行っています。
鳩は結構頭が良くて、鳩がくちばしでボタンを押すとエサが出てくるという仕組みを作り、それによりハートがどれくらいボタンを押すという行為を一生懸命するのかという実験です。
まずボタンを押せばエサが出てくるということを教えて、その状態にした上で2つのグループに分けて、片方のグループには数回に1回しかエサが出てこないようにしました。
数回に1回しか出てこなくなると、当然ですがやる気がなくなってしまうはずです。
ですが、間欠強化の心理がちゃんと鳩にも備わっていて、数回に一回しか出てこない場合の方が後は必死になってボタンを一生懸命押し続けていました。
これは僕たちにも全く同じことがあります。
例えば、パチンコやギャンブルというものでは、毎回当たったらドーパミンは出ません。人はそんなにそれにハマることもありません。
ですが、時々大当たりをするから、それを止められなくなってしまう人が大勢います。
SNS も全く同じで、SNS で自分の投稿にいいねがつくかどうか、新しいメッセージが届いているのではないかと思ってスマホを開いていると思います。
毎回手に取るたびに同じようなメッセージが来ているのであれば、人はそんなにスマホに熱中することはないでしょうが、時々開けると好きな人からメッセージが届いているとか、時々開けると上司から嫌なメッセージが届いていたとか、いろいろなメッセージのバリエーションやイベントがたくさんあるので、それに僕たちはハマってしまうわけです。
これがまさに間欠強化です。
実際に、人のこのような現象を上手に使ってSNS やネットのサービスやアプリというものは作られているようです。
トリスタン・ハリスさんという方がいて、今はこのようなスマホ中毒やWeb サービスの危険性について積極的に発信する側になられていますが、有名なアプリや Web サービスは、そのような予測不明なパターンにより使っているユーザーに報酬を与える仕組みをあちこちに散りばめていると言われています。
これによりアプリの利用時間が延びたり、サービスの利益につながっているということです。
つまり、僕たちが依存症になりやすい理由としては、時々いいことがあるけれどそれがない場合もあるという状況が原因になるということです。
僕たちがスマホに依存しやすくなるのは、この間欠強化が1つめとしてあります。
スマホ依存が起きる理由 その2 :承認欲求
これはおそらくわざわざ説明しなくても皆さん理解できると思いますが、人に見つめられたい、いいねを押してもらいたい、自分の意見が正しかったと周りに評価してもらいたいというような欲求を誰でも持っていると思います。
ただ、なぜこのような欲求があるのかということを理解しておくことがとても重要です。
人間というものはもともとは小さな群れの中で生きていました。100人いかないぐらいの群れの中で生活していて、協力し合いながら生き残ってきた社会的な動物です。
人間は他の動物のように高い身体能力があるわけではないので、協力し合うことで生き残ってきました。
つまり、自分がその群れの中で認められているかどうかということがとても重要になり、もし有能な人間で群れに必要な人間だと思われなくなったとしたら、生きていくことが出来なくなってしまいます。
ですから、人間はそもそも承認欲求を気にするようにプログラミングされているということです。
周りの人に対して役に立っているだろうか、必要だと思われているだろうか、というようなことを常に気にしていて、他人からどう思われているかということを気にせず生きることができなかったわけです。
今の時代では、家族や近しいほんの数人の友達からどのように思われているかということは気にする必要もあるでしょうが、そうではない人からのどうでもいい意見や誹謗中傷などは見る必要もありませんし、いちいち気にする必要もないはず。
その人たちがいなくても、その人たちに認められなくても、皆さんは生きていくことができるはずです。
SNS でいいねがもらえなくても、それでビジネスをしているわけでなければ生きていけるはずです。
ところが、僕たちの本能には「認められないと生存できない」という本能が刻み込まれているので、それによりスマホで SNS を見てしまい、いいねの数やリプライがあるかどうかというようなことを気にしてしまうわけです。
この承認欲求というものは、本来は僕たちの生存を司っているものだから、止めることができなくなってしまうということです。
先ほどの間欠強化も同じですが、僕たちの本能としてそのような特性が備わってしまっているので、スマホ依存が加速してしまいやすいわけです。
スマホ依存が起きる理由 その3 :暇になると社交が促進される
人間というものは何もしていない時がぼんやりしている時には、社交が促進されるということが分かっています。
つまり、人間は暇になると他の人と喋りたくなるということです。コミュニケーションを取りたくなります。
このようなことについて心理学者のマシュー・リーバーマンさんが行なった研究があります。
人間の脳というものは、何も考えずぼんやりしている時には特に動いていないような気がすると思いますが、実際にはそんなことはなく、僕たちはぼんやりしている時でも脳はとても活発に動いています。
これをデフォルトモードネットワークと言いますが、このデフォルトモードネットワークが動いている時というのは、人と繋がりたいとか会話をしたい、コミュニケーションをとりたいとかSNS を見たいという欲求が生まれるそうです。
このデフォルトモードネットワークというものは、僕たちが何かをしている時には、その活動が低下するという変わった領域です。
人間の脳のどの領域がどのような役割を果たしているのかということを昔から科学者たちはいろいろと調べてきました。
例えば、勉強している時には脳のどこが動いているのか、文字を読んでいる時にはどこが動いているのか、計算している時や想像している時、運動している時など、どんなことをしている時に脳のどこが動いているのかという話は皆さんもよく目にすると思います。
科学者たちは人間にいろいろな活動をさせて、人間の脳のどこの部分がどのように動いているのかということを脳をスキャンしながら一生懸命調べたわけですが、どんな活動をさせてもなぜか活動が低下してしまう場所がありました。
不思議なことに何もしていない時に活動量が増える場所がありました。
この領域がデフォルトモードネットワークと呼ばれ、このデフォルトモードネットワークが活性化するのは休憩中や何もしていない時でした。
そして、後に行われた研究で、このデフォルトモードネットワークが、人とコミュニケーションをとったり社交を意識している時に活性化するということが分かっています。
何か他のことをしている時には活性化するどころか逆に低下するのに、そこは社会的に認められたいと人間が思った時には活性化していたということです。
つまり、僕たちは暇になると SNS を見たくなるように脳がなっているわけです。
暇な時や何もすることがないような時についつい SNS を開いてしまうのは、これが原因だったということです。
生まれた時からの本能?!
さらに、これが本当に本能によるものなのかということを研究者たちは調べています。
現代では SNS が発達し、そんな便利なコミュニケーションを僕たちが学んでしまったために起きている現象なのか、それとも、人間の本能なのかということをさらに研究者たちは調べたわけです。
その結果わかったこととしては、赤ちゃんを対象にした実験でも、おもちゃで遊んだりお母さんが話しかけたりしない何もしない状況を作ると、やはり、デフォルトモードネットワークが活性化していたということが確認されています。
ですから、社交を求めるのは人間に生まれつき備わっている本能です。
これはなんとなく考えるとわかることで、赤ちゃんはお母さんや誰にも構ってもらえなくなると、一生懸命泣いて大人の注意を引こうとすると思います。
親にかまってもらわなければ赤ちゃんは生きていけないですから、暇になった時にはお母さんを呼んだり周りの大人を呼ぼうとするわけで、これは人と繋がるという行為をするようにプログラムされていると考えることもできます。
他者との繋がりを断つと身体的痛みと同じ痛みを感じる?!
別の研究でも、人間の他者とのつながりというものは、人間にとってかなり強力にプログラミングされているという証拠がかなり示されています。
人間関係を失ったり、とても重要な人だったわけでなくても人に嫌われるのは誰でも嫌なはずです。
このような他者とのつながりが失われることに対して、僕たちは、怪我をした時のような身体的苦痛と同じ苦痛を感じるようになっているということも分かっています。
ですから、僕たちは暇さえあれば人と繋がりを持とうとするようにプログラミングされているということです。
そして、それはデフォルトモードネットワークによる社交性の促進によって、スマホ依存症が止められなくなってしまう原因になります。
こんなにも強力なスマホ依存を止めるには?
こんなにも人間の本能に強くプログラミングされているわけですから、もはやスマホ依存はどうにも止めることもできないような気もしてきます。
今回のおすすめの本としても紹介している『デジタル・ミニマリスト』では、このような厳しい状況の中でも、どのようにしてスマホ依存をなくしていけばいいのかということを解説してくれています。
スマホ依存をなくすための方法としては、悪い癖をなくすための方法がそのまま使えます。
この『デジタル・ミニマリスト』の中でも、改善するための方法を後半で紹介してくれていますが、結構ハードな方法です。
例えば、スマホをやめて昔のガラケーに変えるとか、SNS のアプリを全て消してしまうとか、後半の部分には書かれています。
僕もこの本は前半の部分はとても参考になりましたが、もともと僕は仕事でしか SNS を使わないですし、皆さんに SNS のアプリを全て消しましょうと言ってもなかなかできないと思います。
ですから、そのための方法として悪い癖をなくすための方法について解説した動画をいくつか紹介しておきます。
悪い癖をなくす方法
スマホに限らず何年も直らないような悪い癖がある人も結構いると思いますし、改めて考えてみるとスマホに使う時間がこんなにもあったのであれば、それは少しでも減らしてもっと自分のために使うようになりたいと気付いてくれた人もいると思います。
あるいは、ついつい Netflix を見過ぎてしまい時間を無駄にしてしまう悪い癖を直したいと言うような人は、こちらの動画でそんな悪い癖を直すための方法について学んでいただけたらと思います。
今回紹介したとおり人間がスマホを使いたいと思ってしまうのは、間欠強化と承認欲求、そして、デフォルトモードネットワークによるものですから、この3つを理解していないと対策が非常に難しくなります。
お勧めとしては、この3つを満たすスマホ以外の活動を見つけてほしいと思います。
例えば、スマホを触る時間を減らして、その代わりに人と繋がりたいという欲求を満たしつつも自分の能力を高めるために、オンラインの英会話のアプリを入れてみるとか、趣味の繋がりを増やすために、土曜日だけはスマホを触らないと決めて新しくスポーツを始めてみるなど、代わりのものを用意するというのが結構いい方法だと思います。
これは禁煙する人も使うことができますし悪い癖を直す時にも使えるものです。
癖になってしまった何かを止めようとして止めるのはかなり難しいものです。ですから、この代わりを用意するというのが結構役に立ちます。
タバコの場合であれば、タバコを吸いたくなったらガムを噛むというようにすると禁煙しやすくなったりもしますし、ポテトチップスを食べなくなったら我慢するではなく、ポテトチップスを食べたくなったらナッツを食べるというように代替行動を用意すると悪い癖は減らしやすくなります。
おそらく、このような方法の方が現実的にできる方法になるかと思いますので、そんな方法について解説したこちらの動画を参考にしていただけたらと思います。
家族や大切な人の悪い癖を直す方法
もし皆さんのお子さんや大切な家族、親しい友達などがもしこのようなスマホ依存などに苦しんでいたり、食事中も SNS をチェックしないと我慢できなくなっているような状況だとしたら、それが大切な人であればあるほど当然直してあげたいと思うはずです。
人のそんな悪い癖を直すというのはとても難しいものですが、方法はありますので、そんな方法についてまとめているのがこちらの動画になっています。
こちらもスマホ依存に限らずいろいろな悪い癖を直すために使うことができますので、ぜひこちらもチェックしていただけたらと思います。
大切な時間を無駄にしないための方法
スマホに使っていた余計な時間を取り戻して、自分のやるべきことをやる時間に充てることが重要です。
つまり、大事なことに使う時間を生み出すのがスマホ依存対策でもあります。
そういう意味では、他にも時間の作り方としてはいろいろなテクニックがあります。
こちらの動画ではそんな時間の作り方について解説していますので、こちらも参考にしてもらいより時間を有効的に使っていただけたらと思います。
自分の人生で本当に大切なことに時間を使えるようになっていただけたらと思います。
大切なことに集中するためのおすすめ本
今回のおすすめの本としては、本当に大切なことに集中するための本をいくつか紹介しておきます。
こちらの本は具体例もたくさん載っているので、とても評価は高いです。ただ、科学的な統計などを見たいという方は少し物足りないかもしれませんが、とても参考になる内容ですのでおすすめです。
やはりひとつの事に集中するということがとても重要になりますので、その点ではこちらの本がとても役に立つと思います。
ひとつの事に集中するにはどうすればいいのかということを教えてくれます。
世界中の研究から集中するためにはどうすればいいのかということについて、人間の本能からアプローチする方法で解説してくれています。
もともと集中力が全くないとか、今までいろいろ工夫してみたけどどれもダメだったというような人でも、本能的に集中力を蘇らせるための方法について解説してくれています。
ぜひこちらもチェックしてみてください。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックが無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
1人1冊ですが完全に無料で、無料の期間が終わっても一度ダウンロードしておけばずっと聞くこともできるそうですので、まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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本内容は、参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Newport, Cal (2019)Digital Minimalism: Choosing a Focused Life in a Noisy World