先延ばしの原因を二つ紹介します。
感情のコントロール
先延ばしは色々な原因により起きるものですが、科学的にもっともその原因になっているとされているのは、感情のコントロールです。
僕たちが本当に先延ばしをしないようになりたいのであれば、感情を感じることなく行動できる方法を探すことです。
例えば、皆さんが、面倒な仕事や運動をする時に面倒だとか辛いと感じることはあっても、歯磨きをしたりトイレに行ったり、水を飲んだりする時には、特に何の感情も感じないはずです。面倒だとか辛いと感情を感じると先延ばしが起こり始めます。
このような感情を感じないでできるようにするか、感情のコントロール能力自体を高めるということが重要になります。
対策その1
瞑想や運動習慣を作ることで、自己コントロール能力を高めるということが重要になります。
対策その2
物事は習慣にすることによって感情を感じなくなります。自分にとってつまらないことや面倒なことは、それを習慣にすると、感情を感じることなくできるようになります。
しかし、習慣にすることによって、マイナスな感情もゼロになりますが、プラスの感情も0になります。つまり、楽しいこともそれを繰り返して習慣にしてしまうと、その楽しさを感じなくなってしまいますので、気をつけてください。
この二つの対策を行うことによって、感情に振り回されることなくできるようにすることが、先延ばしを防ぐポイントになります。
感情以外にもあった先延ばしの原因
とはいえ、常に先延ばしが起きるわけでもないし、時々うっかり先延ばしをしてしまうということもあるかと思います。急になんだかやる気が起きないということもあると思います。
アムステルダム大学がこの原因を調べてくれています。
この研究によると、寝不足が先延ばしの大きな原因の一つだということが分かっています。
今までは感情のコントロールや計画の立て方により先延ばしが起きるとされていましたが、感情のコントロールや、習慣化や計画がしっかりできている人でも、寝不足により先延ばしが起きる可能性があるということが分かりました。
睡眠不足により先延ばしが起きる
一度ある程度習慣になっていても、つい途切れてしまうことがあります。計画をしっかり立ててしばらく進んでいたのに途切れてしまうこともあります。それは、睡眠不足により一度途切れさせてしまい、一度途切れてしまうと再開するのが面倒になってしまうのではないかということです。
睡眠不足が習慣を途切れさせてしまう可能性があるということを覚えておいて、睡眠不足が続きそうな日は、あらかじめその習慣の休みを設定しておくということも大切かもしれません。やらなくてはいけないと思っていながらできなかった時には、自己否定感を感じてしまいますので、あらかじめチートデイを設定しておくということです。
アムステルダム大学の研究では、平均50歳の男女71人を対象に、被験者の職業を色々と変えて実験を行っています。
先延ばしは、結局セルフコントロール能力の低下により起きるので、セルフコントロール能力を測定することで、先延ばしが起きたかどうかが分かるのではないかとして、それぞれの人たちのセルフコントロール能力をチェックして10日間程度記録してもらいました。これにより睡眠不足のタイミングの前後でそれが変われば、睡眠不足が先延ばしの原因の一つと言えるのではないかとしたものです。
お昼前の眠くなる時間帯に、昨夜どのぐらい眠れたかということを5点満点で採点してもらったり、午後の4時ぐらいに、その日に仕事をどれぐらいテキパキとこなしたかというようなことを採点してもらいました。その日のやる気や、その日やるべきでこなしたタスクなどを記録してもらいました。
その記録を全てまとめたところ、予想通りの結果が出ました。
前の日によく眠れなかった人ほど、その日の仕事をダラダラとこなしているということが分かっています。さらに、セルフコントロール能力も低下していたので、睡眠不足によりセルフコントロール能力が低下し、それにより先延ばしが起きていたのではないかということが分かります。
時間だけでなく睡眠の質も大事
睡眠不足というと、ただ単に夜更かししたということもありますが、実は、睡眠の質が悪かった人にもこのような影響が出ています。つまり、睡眠時間が少なかったり徹夜をしてしまった人にもこのような影響は出ますが、普段から睡眠の質の悪い人や、強烈なストレスが一時的にかかったことによって睡眠の質が悪くなっている人にも、同じ影響が起きているということです。
睡眠の質はセルフコントロール能力のためにも大事だということです。
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睡眠に問題を抱えている人は、まずはそれを解決してからでないと、自分がやるべきことにチャレンジできないという可能性はあります。
よほど強い鉄の意志を持っている人であれば別だと思いますが、セルフコントロール能力の低い人ほど、いい質の睡眠をとるようにしないとネガティブな影響を受けやすくなります。
時間を無駄にしたくないのであれば睡眠を大事にしたほうがいいということです。是非参考にしてみてください。
Researched by Yu Suzuki http://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30450062