「クアトロメセス サクラ」
お花見の季節になってきたにも関わらず、世の中何かと自粛中でお花見にも行けない人が多いと思います。
外食にも行けず、ストレスが溜まる毎日を過ごされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方におすすめのサクラワインを紹介させてもらいます。
サクラワインといっても、別に桜をワインに使っているわけではありませんが、桜をモチーフにした限定ラベルのスペインのワインです。
僕は、フランスやイタリア、いろいろなワインを紹介させてもらうこともありますが、例えば、1万円くらいのワインとなると、お祝いの時に飲むと言うのであればわかりますが、2万円や3万円するワインは高すぎてなかなか飲めないと思いますし、1万円ぐらいのワインも普段飲む気にはならないと思います。
では、普段気軽に飲めるぐらいの価格でワインを探そうとすると、フランスのワインでは、2000円台ぐらいで日本で買える美味しいワインはほとんどありません。
やはり、そこには空輸のコストなども発生しますし、フランスのブルゴーニュなど、そもそも良いワインは高いということもあります。
ですから、コスパを考えると、むしろ、スペインやイタリアの方が安くて美味しいワインが色々とあります。
僕のお気に入りの作り手の方がいて、ファン・ヒルという方で、この方のワインを僕は結構紹介しています。
このファン・ヒルさんのクアトロメセスというワインが僕が好きで、このクアトロメセスの桜バージョンでとても綺麗なボトルのワインがあります。とても綺麗なバトルなのでおしゃれな気分になれると思います。
コスパ最高のワイン!
お花見ができないなら、家でお花見の気分を味わっていただけたらと思います。
2000円ぐらいのワインですが、おそらく、下手なボルドーのワインよりもずっと美味しいと思いますので、味としては15000円から2万円ぐらいの価値があると思います。
僕がこのような安くて美味しいワインをお勧めする時に気をつけていることがあります。
まず、飲みやすい事が一つ目です。そして、料理に合わせやすいということです。
ワインは料理に合わせることによって力を発揮するものです。
アメリカのワインなどは、ワインだけで飲んでも結構完成されているものですが、ヨーロッパのワインはできれば食事と一緒に味わっていただきたいと思います。
食事と合わせようと考えると、普段の家庭料理と合うワインを探すのは結構大変だったりします。
例えば、フランス料理ではフォンといって日本でいう出汁を煮詰めていき、それにワインを合わせるので、なかなか家庭ではそれができないと思います。
ですから、普段家庭で食べるような肉じゃがとかすき焼き、ちょっとした中華のような家庭料理に合うということも重要になります。
普段の家庭で食べているような食事にも合うワインということが、僕がワインをお勧めするときの二つ目のポイントになります。
そして、三つ目のポイントとしては、女性でも飲みやすいということを考えています。
赤ワインを飲むと頭が痛くなるとか、赤ワインは渋くて飲めないという女性も多いと思いますが、そんな方でも飲みやすいワインを探すようにしています。
ちなみに、 赤ワインを飲んで頭が痛くなるというのは、酸化防止剤が原因だったりします。安いワインには結構これが含まれていることが多いです。
これら三つのポイントをクリアしていると僕が思うのが、ファン・ヒルさんのクアトロメセスサクラというワインです。
味としては結構濃いです。色々なベリーを凝縮したような味がしますが、程よく酸が入っているのですっきり飲めると思います。
ワインを飲んだ時のすっきりした感じのためにはこの酸が結構大切で、いい造り手の方は酸を重要にされています。
酸は酸っぱいほど感じなくても、程よく入っているとすっと抜けるように味わえるものです。ですから、女性でも飲みやすいと思います。
ですから、普段家でさっと作る肉料理や中華など、酸味と合わせやすい料理と結構相性が良く楽しめると思います。
このワインは凝縮した濃さはありますが、渋みはそんなにありませんので、ワインをあまり飲み慣れていない方にも是非飲んでもらいたいワインです。
ワイン初心者や普段ワインを飲まないという人にもお勧めできる赤ワインです。
ワインは、一度開けたら全部の前ないといけないと考える人も多いと思いますが、赤ワインであれば、1日は2日おいても別に飲めますし、白ワインであれば3日とか5日おいても飲めるようなものもあります。
白ワインには、開けてから1日置いておいた方が美味しくなる場合もあるぐらいです。
今回のワインは2018年のものですから、お勧めとしては、みんなで飲もうとかご家庭で飲もうと思ったら、その1時間から2時間前ぐらいに開けてもらい、しばらく空気に触れさせてから飲むと、より飲みやすくなるのではないかと思います。
あとは、あまりお行儀はよくありませんが、ちょっと硬いなとか香りが今ひとつ感じられないとか思った時には、大きめのグラスや表面積の広い器にワインを入れて空気に一度触れさせてから、ワイングラスに注ぐようにします。そうすると香りが開いて飲みやすくなります。
冷蔵庫に入れる時には、普通に冷蔵の所に入れてもいいとは思いますが、できたら野菜室ぐらいがいいと思います。
その土地の歴史を味わう
クアトロメセスサクラは、モナストレルというブドウ品種を100%使っていて、これはあまりメジャーなブドウではありません。
おそらくその土地に元からある土着の品種だと思いますが、少し混ぜたりする時には使われるもので、これを100%使って作るワインはかなり珍しかったそうです。
クアトロメセスは4ヶ月という意味ですが、バリックという樽に入れて4ヶ月熟成させるのでそんな名前を付けたそうです。
かなり期待できるワインだと思いますので是非楽しんでみてください。
ワインはググったり検索すると色々出てきますが、どのような土地で育っているかがとても大切になります。
ワイン畑が広がる光景イメージできると思いますが、大切なのは土の部分です。ワインのブドウはとても根を深く伸ばします。
例えば、フランスのワインであれば、土の上に出ている木の部分は1.5メートルぐらいしかないのに、土の下では70 m とか80 m といったところまで根が伸びている木もあるそうです。
下に根を伸ばすようにするために、周りに伸びる根を切る作業をして、土の下の方まで根が伸びていくと、その土地の地質に入っていきミネラルウォーターや地下水などを吸い上げて、そこからブドウにその味が宿ります。
安いワインや適当に作っているワインは、根を切るような作業をしないので、この根が普通に横に広がっています。そうすると、上から降ってきた雨水を吸いますので、味が薄くなるわけです。
ファン・ヒルさんの畑はかなり広くて120ヘクタールぐらいありますが、砂や石の多い結構痩せた土地です。
ブドウはかなり強い植物で、根を下に伸ばすようにした方がいいので、痩せた土地で育てた方が美味しくなるものです。
例えば、フランスの高いワインを作っているような畑では、ジュラ紀の地層があったりします。アンモナイトなどが砕けてできた地層からミネラルを吸い上げているので、地球の歴史を飲んでいるようなものです。
モナストレルというブドウ品種を100%使っていると紹介しましたが、この品種は元々ブレンド用でしたので、これをメインに作る人はいませんでした。
ブレンド用だったので、おそらくあまり気にして作る人がいなかったのかと思いますが、ファン・ヒルさんは、その品種の品質を高めるために収穫量を制限しました。
これは当然のことですが、一本の木にできるブドウの量を制限することで味の凝縮感が変わります。収穫量は落ちますが、凝縮感や香りが強くなります。
ここの畑は標高がとても高く、いわゆる大陸性気候なので涼しくて海風が来るような場所です。
モナストレルというブドウは熟すまでにとても時間がかかるので、その涼しい気候のおかげでより熟すまでに時間がかかり、少し酸が効いたような感じのブドウになります。
畑は石や砂利が多い土なので、あまり虫もいないために病気にもなりにくいということもあります。
ですから、農薬をほとんど使わなくても作ることができるそうです。
このワインは農薬を極限まで使わないで作っているワインです。そして、収穫は全て手摘みで行い醸造されています。
このファン・ヒルさんのワイナリーは、1916年ぐらいからされているそうで、気候としては、夏は40°ぐらいまで上がり冬は氷点下になるぐらい寒い寒暖差の激しいところで、年間で3000時間も日照時間があるにも関わらず、降水量は300ミリしかないというとても乾燥した土地で作られています。
そんな土地で、ブドウの木が地中深くに頑張って根を伸ばし作られたワインですから、そんな地球の生命力を感じながら飲んでいただければ、とても楽しめるのではないかと思います。
僕がワインを好きになった理由
今回はおすすめのワインを紹介させてもらいましたが、僕がワインを好きになった理由は、ワインというものは創造力を高めるものだと思っているからです。
お酒が創造力を高めるということはありますが、ワインは面白いもので、開けるタイミングによって味が変わったりもします。1時間前に開けたらどうなるのかとか2時間前に開けたらどうなるのか、1日経ったら味はどう変わるのか、料理と合わせることでどのように味が変わるのかというように、ワインは変化がとても激しいものです。
このようなことを考えながら味わってもらえると、ワインは飲むたびに新しい発見があります。
当たり前になっていることに対して、変化を付けたり新しい発見を考えることはなかなか難しいことですが、ワインは好きになって飲んでいると、そんな力が勝手についてくると思っています。
一つの物事に対して色々な見方をすることができるようになるので、それで僕はワインが好きになりました。
そして、ワインは教養にもなります。
僕がワインが他のお酒と一番違うと思うのは、種類も背景も多すぎるし、土壌のことや気候のこと、ブドウのことや作り手のことなど色々なことを勉強しないといけないので、勉強した人が一番得をします。
今回ご紹介したようなその土地や背景のことを知った上でワインを飲むと美味しくなります。
勉強した人が得をするということが僕は好きなので、そんな意味でもワインにはまりました。
今回のおすすめの動画としては、思いつくための力を解説した「【思いつく力】 ほぼ全ての人生の問題を解決する力を身につける13の習慣」を紹介しておきます。
是非この動画を見ながら、クアトロメセスを飲んでみてください。
2000円ぐらいで買えるけど5倍の価値があるオススメワイン
Juan Gil 4(クアトロ) メセス 2018 “サクララベル” フミーリアDO (赤) 750ml/スペイン
通常版はこちら ファン・ヒル ドス・メセス(シルバーラベル) 2016
リサーチ協力の鈴木祐さんの論文解説チャンネルもオススメです
Supported by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo