この知識はこんな方におすすめ
- なかなか勉強に集中できない
- いつも仕事の効率が悪い気がする
- 気がついたらダラダラと余計なことをしてしまう
- 勉強でも仕事でも高いパフォーマンスを発揮したい
頭脳作業と単純作業
仕事でも勉強でも何かに集中しようとした時に、頭を使わないといけない頭脳作業と単純作業とがあり、ずっと頭脳作業ばかりをしていると疲れてしまいますし、ずっと単純作業ばかりをしていては仕事にも勉強にもならないし、飽きてしまうと思います。
この頭を使う頭脳作業とあまり頭を使わず手を動かせばいい単純作業をどのようなバランスで組み合わせていくと、僕たちのパフォーマンスを最大化することができるのでしょうか。
例えば、作家さんやクリエイターと呼ばれる人たちであれば、自分の頭で色々と考えないといけない時と、とにかく手を動かして進めないといけない単純作業があると思います。普通の仕事でも、企画を考えたりアイデアを創造してカタチにしないといけない仕事もあれば、ただ書類をコピーするだけとかメールを返信するだけの仕事もあると思います。
作家さんを対象に調べられた先行研究でも、このような仕事のバランスをとることが重要だということが言われています。
タスクの切り替えが重要
これは作家さんだけでなく、皆さんにも当てはまることだと思います。
人は同じ作業ばかりを繰り返すと脳の同じ場所ばかりに血液が行くようになってしまいます。脳の特定の部分だけを使い続けると、脳はオーバーロードしてしまい、効率は落ちてしまいます。
そのオーバーロードを防ぐためには、休憩を間に挟んだり単純作業を挟んだりしていくことが必要になるわけです。
本当に何もしない休憩を間に挟むことができれば一番いいのだとは思いますが、普通に会社で仕事をしている場合や勉強している場合には周りの目も気になりなかなかそれもできない場合もあると思います。
そのような時に単純作業を上手に間に挟むことによって、仕事や勉強が進んでいるけれど脳の特定の部位は休んでいて、結果的に高いパフォーマンスを維持することができる状況を作ることが大切になります。
タイプ別に最適なタスクの切り替え方が変わる?!
皆さんの性格や気質によって、どのようなタイミングで、あるいは、どのような比率で、頭脳作業と単純作業を切り替えてバランスを取ればいいのかということが違ってくるということが分かっています。
2019年のフリードリヒ・アレクサンダー大学の研究で、233人の男女を対象に2つのタスクを行ってもらうという実験を行っています。
ひとつは、頭脳タスクで、この実験ではアナグラム問題を使っています。一見意味のないようなアルファベットの羅列である言葉に対して、アルファベットを入れ替えて意味のある言葉をできるだけ多く作るというような問題です。
もう一方は、単純タスクで、多くの書類を渡されてその文字数をただ数えてもらうというタスクです。
全体を2つのグループに分けて頭脳タスクと単純タスクを行ってもらいました。
頭脳タスクと単純タスクを自分達で自由に切り替えてもらったグループ
一方のタスクを終えないともう一方のタスクに取りかかれないグループ
自分たちの気分で自由に頭脳タスクと単純タスクを切り替えてもらった場合と、それぞれの作業が一段落つくまではタスクを切り替えることができない場合で比較しようとしたわけです。
全体の作業のパフォーマンスを計測しどちらの方が効率的なのかということを調べました。
普通に考えると、行ったり来たりせずにひとつのタスクをやりきるほうが効率的なような気がしますし、自分は集中力がないから目の前の仕事をなかなかやりきることができないと考える人も結構多いと思います。
衝動性が低く集中力が高い人は・・・
この実験の結果を確認したところ、人によりかなりバラつきがありました。
衝動性が低く自分をコントロールするのが上手い欲求や誘惑に負けにくい人は、タスクの切り替えタイミングにパフォーマンスが左右されることがありませんでした。
ですから、目の前のことに集中してひとつずつやりきることをした場合も、自分の気分でタスクを切り替えていった場合も実際のパフォーマンスには差がなかったということです。
つまり、衝動性も低く自分は結構自分をしっかりコントロールすることができるという人は、自由に自分の気分でタスクを切り替えれば良いということになります。
衝動性が高く集中力がない人は・・・
大抵の人がこちらに含まれるのではないかと思いますが、衝動性が高く集中力がなく目移りしがちな人は、タスクの切り替えを自由にできる場合の方がパフォーマンスが高くなったということが分かっています。
ですから、自分は集中力がないからこそ目の前のことに集中してなんとかそれをやりきらないといけないと一生懸命頑張る人も多いと思いますが、実際にはこれはパフォーマンスを考えると良くないわけです。
それよりも、頭脳作業と単純作業を自分の中で決めておいて、集中できていないなとか飽きてきたと感じたらそれを切り替えていく、時間というよりは自分の裁量でそれを切り替えていく方が集中力がない人の場合は高いパフォーマンスを発揮することができるということです。
切り替えるタスクを事前に決めておく
僕も元々は集中力があまりない人ですから実際にやっていたコツがあり、ノートの1ページを半分に折り、左側に自分のやるべき事や絶対にやらないといけないこと、どうしてもやりたいことなどタスクを書き出し、その右側に片手間でも出来るような作業を書いておきます。
それを準備しておいて、重要な仕事をしていてそれに飽きてきたら瑣末な仕事をして、それにまた飽きたら重要な仕事に戻るという感じで交互にするようにしていました。
日常の仕事や勉強を頭脳作業と単純作業に自分の中で分けてもらい、集中力のない人はこれをリストにしてすぐ手の届く所に置いておきます。このようにあらかじめ決めて書いておくとタスクの切り替えが簡単にできるようになります。これは書いておかないと、スマホを見たりなど頭脳作業でも単純作業でもない余計な方向に手を出してしまいます。
集中力がないとか衝動性が高いという方は、このリストを事前に準備しておいて、それをもとに自由なタイミングでタスクを切り替えながら進めてもらえると、仕事も勉強も結構捗ります。
僕も未でもこの自由なタスクの切り替えタイミングを使っています。
ぜひ参考にしていただければと思います。
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リサーチ協力:Yu Suzuki http://www.nicovideo.jp/paleo
参照:Alexander Brem et al.(2019).How to manage creativity time? Results from a social psychological time model lab experiment on individual creative and routine performance.