カルト宗教の専門家のプーチン分析
カルト宗教の専門家や心理学者、政治学者など様々な方々がプーチンについて研究を行なっています。
中には CIA の情報をベースにして研究をされている方もいますが、世界中の研究者が調べたプーチンについての研究をもとに、今後プーチンがどのような方向に進むのかということを政治とは違う科学の観点から考察してみたいと思います。
カルトで重要な決定をする人は結構いる!
カルト宗教やカルトのような考え方をもとに重要な意思決定をする人は結構います。
例えば、経営者でも本当に重要な意思決定であるにも関わらず、なぜか重要なことこそ占い師に相談してしまう人が結構います。
自分に自信があり自分の力で重要な意思決定をしてきたからこそ経営者として成功しているはずなのに、なぜ彼らはよくわからないあやふやなスピリチュアルなものに頼ってしまうのでしょうか。
実は、社会的地位が高くなればなるほどカルトのような考え方に汚染されやすくなります。
今回はプーチンがなぜそのような方向に進んでしまったのかということと、心理学的に見た時に今後どのような行動に出る可能性があるのかという事まで解説させてもらいます。
孤立、イエスマン、新型コロナへの恐怖
プーチンの残虐さについてのイメージは強いと思いますが、あまりカルト的なイメージはない人の方が多いような気がします。
ところが 、プーチンが信じているイデオロギーはかなり宗教的なイデオロギーがベースにあります。
それを指摘しているのが、カルト宗教に詳しい精神科医のロバート・ジェイ・リフトン博士です。
多くの研究者たちが指摘していることですが、独裁的な支配をしていると独裁者はどんどん孤立していきます。
自分の意見に反対する人はともかく、新しい発見や示唆を与えてくれる人は誰もいなくなります。
独裁的な支配を長年続けた結果としてプーチンはますます孤立してしまい、周りに相談できる人もいなくなれば自己破壊的な行動をとり始めます。
人が自己破壊的な行動をとれば、普通であればそれを止めてくれる人が周りに少なからずいます。
例えば、友達と一緒にいる時に、とても腹が立つ相手が目の前にいたとして、その相手に友達が殴りかかろうとしたら当然それはまずいと止めるはずです。
周りに心を許せる人がいれば、自己破壊的な行動をしそうになっても止めてくれるのが普通です。
独裁的な支配が長続きすればするほど、誰もプーチンに意見することはできなくなります。
当然です、誰でも余計なことを言って罰せられたり殺されたくないので距離を取ります。
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ロシアの経済もかなり危険な状態です。
これもまさに自己破壊的な行動です。
戦争を続けるにもお金が必要なのに、その元手になるはずの経済も危機的状況です。
まさに国家を揺るがすレベルの自己破壊的行動なのに、それに対して No と言える人が誰もいない状態だと考えられます。
独裁支配を続けたことによって周りにイエスマンしかいない状態です。
そうなると、もはや自分がしていることが自己破壊的な行動なのか正しい行動なのか判断できなくなっています。
さらに、プーチンはかなり新型コロナを恐れていたそうです。
ロシアの平均寿命は結構短いということもあり、その平均寿命を超えているプーチンはコロナにかかったら死ぬだろうとかなり恐れていました。
そのため側近ともかなり距離をとったり、対談する必要がある場合も極端なまでに距離を確保していました。
この新型コロナへの怯えも孤立のひとつの原因のようです。
人は当然ですが孤独になったり人との関わりがなくなればなくなるほどメンタルが病んでいきます。
前回独裁者はメンタル的な問題を起こしやすい遺伝子を持っているという話を紹介しましたが、メンタルが病んだことによってその遺伝子が発現して意味不明な行動を起こしてしまいます。
プーチンが信じるカルト的哲学者
プーチンは異常なまでにある哲学者を信仰しています。
この哲学者は、哲学者と言ってもかなり宗教的かつ政治的なイデオロギーを含んでいる哲学者です。
つまり、宗教的な考え方をもとにそれを政治でも使おうとするかなりヤバイ哲学者です。
歴史を見ても宗教的な考え方を政治に持ち込むと大抵の場合ろくなことになりません。
その哲学者とは、20世紀のロシアの哲学者でイワン・イリインという人です。
プーチンは、そのイワン・イリインに異常なまでに傾倒して彼の著作などを調べてみました。
参考にしている研究によると、プーチンは彼が理想としていたロシアを作ろうとして行動しているのではないかと指摘されています。
これについては、イエール大学の歴史学者であるティモシー・スナイダー博士もその可能性が十分にあると示されています。
プーチンが信じるイワン・イリインのイデオロギーは、キリスト教ファシズムです。
これは昔のナチスかのように、神々しいまでのロシア帝国が世界の中心にある状態を目指しています。ロシアを中心に世界が回るという考え方で、ある意味全体主義的なイデオロギーとも言われます。
だからこそ、ウクライナはもともとロシアだから、むしろそのウクライナを取り返すための聖戦だと本気で彼は考えています。
この全体主義的なイデオロギーは、現在の世界は間違っているからこの間違った世界を一度壊して、新しく作り変えるしかないという思想になっていきます。
今プーチンが行なっているのは、自分の命を懸けてでも理想のロシア帝国を作るという宗教的な目的での行動です。
ですから、いくら経済的に苦しい状況になったとしても止まらないわけです。
全体主義的イデオロギーの危険
この全体主義的なイデオロギーは歴史的にもその危険性が何度も示されています。
例えば、ヒトラーの場合であれば、北欧人種が極めて優秀だと考えていました。その北欧人種にユダヤ人が混じることによって、優秀な北欧人種が毒されて弱体化したから世の中がおかしいことになっていると主張していました。
これがまさに全体主義的イデオロギーで、そこからとんでもない虐殺を行うようになりました。
ですから、この観点から考えるとプーチンが目指しているのは領土でもお金でもありません。
目指すのは神々しいまでのロシア帝国の実現ですから、ウクライナでの戦争が終わったとしてもヨーロッパの他の国に侵攻していく可能性も否定できません。
毛沢東も「技術より心」というイデオロギーを打ち出した時期があります。
毛沢東は1950年代後半から1960年代に中国の工業化を図ろうとしました。
そのために技術ではなく国民一丸となって心を合わせて工業化を図るべきだと主張しました。
中国の鉄鋼の生産量を1年で2倍にするという目標を掲げて、農家の裏庭で小さな製鉄炉を国中に作らせました。
農家の人たちに昼は農業をさせて、夜は裏庭で鉄を作らせようとしました。
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当然ですが使い物にならない鉄ばかりがたくさんできてしまいました。
そもそも鉄鋼を作るための材料が不足している状態で倍増させようとしているので、材料から考えても当然無理な話です。
しかも、それを使って素人が鉄を作ろうとしてもまともなものができるはずがありません。
国民に農業をさせながら鉄を作らせるというのもどう考えても無理です。
その結果、農業に対する労働力が大幅に不足してしまい、幹部による虚偽の水増し報告なども横行してしまい、そこに干ばつが訪れてしまいました。
最終的に、4000万人もの人が打撃を受ける大飢饉となってしまいました。
これは人類史上最悪の災害だとされています。
人は様々な考え方を持っている人がいてバランスが取れています。
全体主義で何かを強制したりイデオロギーを強制すると、よほど頭が良くてバランス感覚を持っているような人でなければ大抵の場合悲劇を招くだけです。
ヒトラーと毛沢東とプーチンの違い
彼らの違いは宗教色の強さです。
ヒトラーや毛沢東よりもプーチンの方が実際にはかなり宗教的で神秘主義で、かつ原始的です。
ヒトラーや毛沢東の場合には、結果的には意味のないことをしたり理不尽なことをしましたが、当時は、全体主義的イデオロギーの中でも政治的あるいは歴史的な事実に対して、無理やりではありますが合理的な主張のもとに行動していました。
ところが、プーチンが信仰するイワン・イリインのイデオロギーだと、あからさまに神秘主義で原始的で本当に宗教じみた傾向があると指摘されています。
イワン・イリインは…
「ロシア国家とは自然と魂の有機体であり、神の計画の現れとして永遠のキリスト教精神で構成された国だ」
「しかし、ロシアはキリスト教終末的な純粋さを失い、国家救済の千年王国形態を失った」
というようなことを言っていました。
もはや何を言っているのかわかりません。
これがプーチンが信じているイワン・イリインのイデオロギーです。
この考え方に立っているとしたら、もはや合理的な妥協点をこの戦争に見いだすことは難しいかもしれません。
ここから先はさらにディープな話になっていきます。
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参考:Is Putin Beyond Influence? How to stop a man on a mission. By Robert Jay Lifton, M.D.March 14, 2022 Reviewed by Hara Estroff Marano
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