メンタル強化 目標・成功

人生の後悔を半分以下に減らす心理学的手法

この知識はこんな方におすすめ

  • 後悔しない人生を歩みたい!
  • 一歩ずつ着実に人生を歩んでいきたい!

人生で重い影響を与える後悔とは?

皆さんは後悔をしますか。あるいは、最近何かしら後悔することがありましたか。過去に対する後悔というものはあるでしょうか。
誰でも過去に対する後悔というものはあると思いますが、同じ後悔であっても、重い後悔であの時あんなことをしなければとか、あの時もっとこうしていたらというような後悔もあれば、まだ笑って話すことができるくらいの軽い後悔もあると思います。
人間はそもそもどのようなことに後悔しやすいのでしょうか。
どのような選択をしたり、どのようなことをしたりしなかったりすることで、その後悔が重いものになりやすいのかということを紹介させてもらいます。

要するに、人間がどのようなことをしたり、あるいは、しなかったりすると後悔しやすくなるのかということを調べてくれた研究があります。
僕たちが人生において何をするべきなのかということに関しては、科学的にこれをすべきだと言い切れるものはそれほど多くありません。
例えば、健康になるにはどのようにすればいいのかとか、集中力を上げるにはどうすればいいのか、どうすれば給料が上がりやすいのかというようなことについては、科学はそれを示してくれることはありますが、例えば、皆さんが人生において今直面している問題をするべきなのか、それともしないべきなのか、あるいは、することで後悔をするのかしないことで後悔をするのかというような後悔の重さに関しては、そのような研究はあまりありませんでした。

今回は、そのようなするべきかしないべきかということではなく、人間にとって重くなりやすい後悔というものはどのようなものなのか、どのようなことに対して僕たちはひどく落ち込み後悔するのかということを調べてくれたというものになります。
ですから、今回紹介させてもらうような後悔を避けるように生きていけば、少なくとも後悔に苛まれたり過去にとらわれる人生を送らなくてもすむということになります。
皆さんが今悩んでいること、あるいは、今考えていることは重い後悔になってしまう可能性が高いのか、それとも、少ないのかという判断基準にしていただけたらという内容になります。

理想への後悔と義務への後悔

この研究はコーネル大学の研究です。トーマス・ギロビッチ氏という非常に有名な方で、比較的最近では『その部屋のなかで最も賢い人 ―洞察力を鍛えるための社会心理学』という洞察力に関する非常に素晴らしい本を出された方がいます。今回のおすすめの本としても紹介しておきますので興味のある方は是非チェックしてみてください。

いわゆる意思決定などに関するとても有名な方ですが、この方の行った研究でいくつかの実験を行っていますが、研究チームは人間の後悔を二つのパターンに分けて分析を行っています。この二つのパターンの後悔で、どちらの方が僕たちの人生に影を落としやすいのか、後々まで引きずりやすいのかということを調べてくれています。
皆さん自身の胸に手を当てて自分はどうだろうかと考えながら読んでいただけたらと思います。

1. 理想への後悔

自分が生きたいような人生を生きることができなかったとか、なりたいような人間になることができなかったといったもので、例えば、会社を起業したいと思っていたにも関わらず、なんだかんだ会社に残ってしまい自分の可能性にチャレンジすることができなかったというように、自分の理想や夢を追い求めることをしなかったということに対する後悔です。
これは自分の行動に対する後悔です。自分の行動としてその理想を追い求めたのか追い求めなかったのかということに対する後悔です。

2. 義務への後悔

やるべきなのにそれをすることができなかったとか、しなくてはいけないことをしなかったことに対する後悔です。義務的にやらなければいけないタスクに対する後悔です。
それはしなかったことによって社会的にダメージを受けたとか、周りの人たちから批判や軽蔑をされてしまったというような他者が関わる義務に対する後悔です。

つまり、僕たちには、この理想や夢に対する後悔とやるべきだったのにしなかったということに対する後悔の二つの後悔があり、このどちらの方が重い後悔になってしまうのかということを調べてくれたのが今回の研究です。
自分がしたかったことに対する後悔とやるべきだったことに対する後悔で、どちらの方がより重くなるのか、人生にダメージを与えてしまうのかということを調べようとしたわけです。

実験の参加者は数百人程度のレベルですが、全員に対して人生で後悔したことを尋ねて、様々な後悔した出来事を出してもらいますが、その後悔の内容を理想への後悔と義務への後悔とに分類しました。
その上で、どちらの後悔の方がより重い後悔になり得るのかということを研究者たちは調べました。

大半の人が理想に対する後悔を持っている

その結果わかったこととしては、人間が抱える後悔そのものに偏りがあるということが分かっています。大半の参加者は自分は理想への後悔を抱えていると答えています。参加者のうち72%の人は自分の理想への後悔を持っていました
こんなふうに生きたかったとか、あんな仕事をしたかった、こんなことにチャレンジしてみたかったといった自分がしたかったことに対する後悔は72%の人たちが持っていたということです。
一方で、やるべきだったことをやらなかったという義務への後悔は、わずか28%の人達しか持っていなかったということです。
ですから、後悔のしやすさとしては倍以上の開きがそこにあったわけです。

人生で抱える後悔のほとんどが理想に対する後悔

人生における後悔をこの研究では複数リストアップしてもらい、その中で一番後悔するものは何なのかということを調べていますが、そのリストの中には当然理想への後悔もあれば義務への後悔もありました。その両方が出てくるわけですが、そのリスト全てを見てみると、その半分以上が理想への後悔になっていました。
おそらく、皆さんも自分自身の後悔を紙に書き出してみてもらうと、同じような偏りが出てくるかと思います。
さらに、その中でも自分の人生の中で最も後悔していることを参加者に選んでもらったところ、なんと76%の人たちが理想への後悔だと答えたということです。

僕たちがやるべきことをやらなかったことに対する後悔のダメージは確かに大きいものです。仕事でも勉強でも、もっとこれをしておけば得することができたのにとか、あるいは、それをしないように我慢してきたのに、それをちゃんと我慢することができていればもっといい人生だったはずなのにというように、義務に対しての後悔というものは短期的にはかなり辛いものではあります。
例えば、このやるべきだったのにやらなかったという後悔について、皆さんは今何を思いつきますか。
実際に考えると分かると思いますが、このやるべきだったのにやらなかったという後悔というものは、短期的にはそれにより怒られたり損をしてしまうことはありますが、人生をその後経ていくことによって、先々まで影響を引き取ってしまっているという可能性は結構少ないものです。

例えば、僕の場合であれば、高校生の頃に受験勉強を頑張ってはいましたが、東大に入るべきだと思っていましたが入ることができませんでした。それはもちろん勉強が足りなかったということでしょうし、センター試験で酷いミスをしてしまったということもありました。
科目のマークを間違えてしまい東大をそもそも受けることができませんでした。
その時に、予備校などに行ってセンター試験の内容について理解しておくべきだったのにと当時はとても後悔していました。それさえ知っていれば自分は東大に入ることができたのかもしれないと、するべきだったということに対して後悔していました。

ところが、今でもその後悔を抱えているかというと、むしろ、その間違いがあって良かったとさえ思うことができます。
おそらく、それでもし東大に入っていたら、僕は自分の人生に満足してしまっていたと思います。
結局慶応に入りましたが、自分は東大に入ると言い切っていたのに浪人をするのも辛くて慶応に入ってしまったと考えていました。
ですから、自分は本当はなりたかった人間にならなければならないと考えて、そのためには他の人と違うことをしなければいけないと思いメンタリストになり今があります。

このように考えると、やはり義務に対する後悔というものは薄れていく可能性が高いということです。
ところが、理想に対する後悔というものは取り戻すことができないものです。

あの時に留学したかったけれどしなかったとか、あの時自分が挑戦しようと考えていたのに実際には挑戦できなかったという後悔というものは取り戻せないので、いつまでも残りダメージを与えてしまいます

人間はなぜか義務に対する後悔を感じる可能性の高いものを優先してしまう!

さらに、理想に対する後悔がなぜ多くなるのかということに対して研究者はとてもいい考察をしてくれていて、人間は理想に対する後悔を感じる可能性があるものよりも義務に対する後悔を感じる可能性があるものを優先的にしてしまうということです。

例えば、挑戦したいとか起業したいとか考えても、どこから手をつければいいのかがわからずなかなか出来ないというものが多いのではないでしょうか。
自分がしたい理想に対することは、どこから手をつければいいのかがわからずなかなか行動することが出来ないということが多いと思います。

つまり、理想に対する後悔を感じる可能性のあることは、先延ばししやすいものです。
一方で、義務に対する後悔が、なぜ比較的ダメージが小さくなり量も少なくなるのかというと、例えば、書類を提出しなくてはいけないとかノルマをこなさなくてはいけないというように、やるべきこととはタスクであり明確になりやすいからです。

ですから、僕たちはそもそも自分の理想よりも、それをやりやすいからということで義務ばかりに対処してしまうということです。
その結果、僕たちの人生の中で実際にすることは義務ばかりで溢れてしまい、やらなくてはいけないことは沢山あるし、やるべきことばかりが溢れていると慌てている間に、自分の理想をどこから手をつければいいのかわからないということを理由に先延ばししまくって、結局僕たちの人生に対して重くのしかかってくるのは、理想に対する後悔になってくるということです。
多くの人達は義務的なタスクばかりをしてしまい理想を後回しにしてしまうことで、その結果として、理想に対する後悔ばかりを抱えてしまうわけです。

理想を追う時にはタイミングを見計らうとか考えることもあると思いますが、それはタイミングを待とうとしているのではありません。ただ単に、どこから手をつけていいのかが分からないので先延ばしにしているだけです。にもかかわらず、手をつけやすい事務的なタスクばかりをこなそうとしてしまいます。

この考え方自体が僕たちの人生に後悔をもたらしているものです。
ということが今回の研究から示唆されることです。

理想を先延ばしして後悔に苛まれないために

僕たちは理想を常に先延ばししてしまい、義務ばかりにとらわれています。
そして、人生の後半においては、忘れ去られた義務は置いておいて、自分がしたいけれどできなかった理想に対する後悔に苦しめられてしまうわけです。

ではどうすればいいのでしょうか。
今から皆さんの選択や判断を変えればいいわけです。
僕たちが今自分がしようとしていることは、義務なのか?理想なのか?ということを考えて、1日の中で必ず一定の時間だけは理想に捧げる時間にしてください。その方が絶対に人生の後半で後悔しないことにつながります。
そして、義務はできるだけ最短の時間で終わらせるようにするという戦略が人生において良い戦略となると思います。

後悔しない選択の仕方については、過去に本も出させてもらっています。もしよければ『後悔しない超選択術』も是非参考にしていただけたらと思います。
今回のおすすめの本としてこちらも紹介しておきますので是非チェックしてみてください。
失敗しない選択というものは未来が分からない以上はできないものですが、後悔しない選択というものは今回紹介した内容のように様々な方法があります。そんな選択の仕方を解説していますので参考にしていただけたらと思います。

なぜ理想を先延ばししてしまうのか?

今回の最も大切なポイントとしては、どうすれば理想に対して先延ばしすることなく、人が理想とちゃんと向き合い、自分の人生の後半で後悔しないように選択することでした。先延ばしを防ぐことが大切だということになります。

そもそも自分の理想とは一番大切なことだと分かっているはずなのに、なぜ人は先延ばししてしまうのでしょうか。
僕達は義務については、仕事の場合でも、給料をもらっているから怒られない程度にこれぐらいしておけばいいかなぐらいに気軽に考えます。

ですが、理想に対しては誰でも高くそれを持とうとします。自分の夢を追うためにもっとお金を稼ぎたいとか、もっとクオリティの高いものをと考えます。もっとちゃんとしないといけないとか、もっと高いレベルを求めようとすることで完璧主義になってしまい、それが、環境が整わないから挑戦することができないと考えさせてしまい、結果的に先延ばししてしまうことになります。

あるいは、中途半端にチャレンジして、自分の理想とあまりにも違いすぎるからと自己嫌悪になってしまいます
このような完璧主義と自己嫌悪のせいでどんどん僕たちは大事なことほど先延ばししてしまうようになります。

そして、これにより大事なことを先延ばししてしまうとどのような人生が待ち受けているのかというと、人生の後半において自分の人生の前半を悔やんでしまう人生が待っているわけです。
誰でもそんな人生の後半を迎えたくはないはずです。

大事なのはこの先延ばしを防ぐことです。
新しいことを始める時には出来なくて当たり前です。最初から結果が出なくて当たり前ですし、うまくできなくても当然です。
それを仕事ではできるのに、自分の理想だから完璧にしたいとかより高いレベルを求め過ぎてしまいます。

ではどうすればいいのかというと、ありのままの自分を一旦受け入れた上で、そこから一歩一歩階段を上っていくように前に進んでいくことが大切です。
この自分をまずは受け入れて、できるところから着実に前に進んでいくためには、自分をありのままに受け入れる技術であるセルフコンパッションを身につけることが必要です。

このセルフコンパッションを学んでもらえれば、より完璧なレベルを求めているのに完璧ではない自分を受け入れることができれば一気に前に進んでいくことができるようになります
実際に、様々な研究によりセルフコンパッションの技術を身につけている人は先延ばしをしづらいということも分かっています。
今回はそんなセルフコンパッションの技術を学んでもらいたいと「先延ばしを防ぐセルフコンパッション入門」をおすすめの動画として紹介しておきます。

今の現状をまずは受け入れて、そこから前に進んでいくことができるようになる方法を解説させてもらっています。後悔しない人生を歩むためにぜひ合わせてチェックしていただけたらと思います。

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本内容は、参考資料から考察した科学の面白さを伝えるエンタメです。あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Femo0000326
https://www.nicovideo.jp/watch/1496026865
https://www.nicovideo.jp/watch/1475577172

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