目標・成功 習慣

いざ始めてみると【急にやる気がなくなる】のはなぜか

DaiGo MeNTaLiST

この知識はこんな方におすすめ

  • 勉強や仕事もいざ始めると…
  • ダイエットや読書もいざ始めると…

「やる気はあったのに…」

いざ始めてみると急にやる気がなくなってしまうのは何故なのでしょうか。
そんな誰でも経験したことがあるような現象について、今回は紹介させてもらいます。

何かしらの目標を決めて、よし頑張るぞと思い勉強でも仕事でも取り組むことはあると思います。なのに、なぜかいざ始めてみたらやる気がなくなり捗らなかったりするのはなぜでしょうか。
本を買う時も、たくさん読書すると意気込んで買っても、いざ買ってみると結局積読になってしまうということもあると思います。

人間というものは不思議なもので、やり始める前や序盤の頃にはモチベーションがあっても、なぜか突然急激にモチベーションが落ちてしまうことがあります
この現象がなぜ起きるのかということを解説させてもらいます。

実は、僕たちが何かしらの作業をする時に、注意を向けている方向が間違っているという研究があります。
今回は、いざやり始めてみると、やる気が突然なくなってしまう現象を止めるにはどうすればいいのかという話まで紹介させてもらいます。

大きな報酬があっても努力は続かない

クイーンメアリー大学の研究で、2つの実験を通して調べてくれています。
159人を対象に、体力を使う作業か頭を使う作業のどちらかを選んでもらいました。体力を使う作業としては、重いものを一生懸命運ぶとか、頭を使う作業としては、難しいパズルや数学のような問題を解いてもらうということをしてもらいました。
その体力を使うか頭を使うかの作業をしてもらう際に、より努力が必要な大変な作業を選んだ人には賞金を出すということを伝えました。

つまり、体力を使う作業が頭を使う作業のどちらかを選んでもらい、選ぶ際に、より努力が必要な大変な作業を選んだ方がお金がたくさんもらえると伝えて、実際に作業をしてもらい参加者がどんな反応を示すのかということを調べたわけです。

その結果としては、まず当然ですが、ほとんどの人はより多くのお金をもらえる作業を選びました。
これは、どうせするのであればたくさんお金が欲しいというのは当たり前のことですから、頷ける話だと思います。

ところが、実際に作業を始めると、その作業を終わらせたら大金がもらえるとわかっているし、そんな作業をしているにもかかわらず、その作業が始まった瞬間に皆努力をやめてしまいました

要するに、大変な作業と簡単な作業を提示されて、より大変な努力が必要な作業を選んだ場合にはお金がたくさんもらえて、どちらを選ぶかということを尋ねられた際には、それを選ぶ人たちは、たくさんお金をもらおうと意気込んでより大変な作業を選ぶわけです。
ほとんどの人が、大変な作業を自分の意思で、お金がもらえるからという明確な目標とモチベーションがある状態で選んでいるにもかかわらず、実際に作業を始めると、お金をたくさんもらえる作業なのにみんな努力をやめてしまったということです。

ですから、僕たちは目標の先に大きな成果があったり大きなご褒美がもらえると分かっていても、実際に、作業に着いた瞬間に努力をやめてしまうということです。

「痩せた自分を想像して器具を買ったけれど…アレどこいったっけ」

皆さんも経験があるのではないでしょうか。
例えば、一生懸命筋トレをしたり食事制限をすれば、かっこいい体を作ることができるということが分かっているし、やろうと張り切ることはあってもなかなか実際にできなかったりするのではないでしょうか。

通販で運動するダイエット器具を思い切って買ったけれど、いざ届いたらほとんど使わなかったりするものです。
英語をできるようになりキャリアアップすると意気込み英語を勉強するための本を買っても、最初の2ページとか3ページをしただけでいつのまにかやめてしまいます。
読書の習慣を身につけて、たくさんの知識をインプットしようと本を買っても、最初の2章や3章でいつのまにかギブアップします。
なぜこのようなことが起きるのかということについての答えがここにあります。

大きな報酬では努力の量は増えない

このような結果が出たことに対して、研究チームのコメントとしては、普通に考えると、見返りが期待できる大きな仕事ほど努力の量も増えるものですが、人は大きな成果を手に入れるためには努力が必要だということが分かっているにもかかわらず、実際には、報酬やインセンティブが大きいだけでは、その大きな成果を達成するために必要な努力につながるモチベーションを引き出すことができないということが分かっています。

人は、大きな目標があれば頑張ることができると思うものです。
例えば、仕事を頑張った先に1億円もらえるとなると、死ぬ気で頑張れるような気がします。逆に、仕事頑張っても10万円ですと言われると、そんなに頑張れないような気がします。

ところが、今回の実験でわかったことは、もらえる報酬の量と実際にそれに取り組む人の努力の量が比例しないということです。
つまり、高額な報酬がもらえる時の努力の量も報酬がそんなに高くない時の努力の量も変わらなかったということです。

ですから、僕たちの努力の量というものは、報酬により引き出せるものではないということです。
そんなシュールな研究結果でした。

そのため、大きな目標を立てる人ほどうまくいかなくなるわけです。
大きな目標を立てれば努力すると人は思います。大きな目標を立てれば鼓舞されて社員はみんな頑張ってくれると経営者は考えます。
ですが、実際にはそうはなりません。そんなことでは変わらないということです。

努力に必要な視点とは?

では、大きな成果を求めてはいけないのかとか、経営者は社員に大きな報酬をあげてはいけないのかと考える人もいるかもしれませんが、そういうことではありません。

僕たちの努力には違う視点が必要だということです。
僕たちが目標を決める時には、それを達成すればどんな成果を得ることができるのか、どんな見返りがあるのかということを考えるものです。
僕たちは、常に目標を達成した後に手にすることができる報酬を考えるものです。

その報酬に僕たちは焦点を合わせますが、実際に達成しようとする場合には、どんな成果を手にすることができるのかということよりも、実際に、目の前のことに対してどれぐらい努力をしていくのか、自分がどれぐらいの努力であれば続けることができるのかというように、自分の努力に対して焦点を合わせる必要があります。

努力を続けることが大切なわけです。
例えば、ダイエットしたいという人が、一週間で10キロ痩せるというのは無理な話です。
このような無理な目標を達成しようとすると、どんな見返りを手にすることができるのかということに焦点を当ててしまうので、そこにたどり着くための無謀な計画を立ててしまいます。

人は計画を立てる時に成果しか見ていないということです。
そこにたどり着くための努力が、現実的に自分の力で続けることができるかどうかということを見ていません。

僕たちは、実際に作業をする前には、目標と成果に焦点を合わせます。
ですが、実際にその作業を始めると、「毎日こんなにたくさんの運動をしないといけない」「毎日こんなに食事制限をしないといけない」「毎日こんなにたくさんの仕事をこなさないといけない」というように、急に実際の努力に焦点が向くようになります。

このように、視点が仕事を始める前には手にすることができる成果だけに向いていて、実際にそれが始まると、急に努力に対して視点が向くようになります。
これにより、目の前の作業量や必要とされる努力の量に圧倒されてしまい、やる気もなくなり挫折してしまうということが起こります。

ですから、急にやる気がなくなってしまう理由は何なのかと言うと、やる気がある時には将来の成功に焦点を向けすぎているからです。それにより実際の努力が見えていないからです。
実際の努力の量が見えていないので、やる気が上がっているように感じるわけです。やればできると思うわけです。

ところが、実際に始めると、目標ではなく、目の前の作業や自分の努力量に急に焦点を向けなくてはいけなくなるので、それにより現実を知り挫折するということです。

人間は、成果に目を向けている時には、必要以上にモチベーションが高まり非現実的なレベルまで上がってしまいます
腹筋を割ろうと考えると、腹筋がバキバキに割れてかっこよくなっている自分を想像して、絶対に基本あってやると意気込みモチベーションが高まっています。
ですが、いざダイエットやトレーニングを始めると、食事の制限も必要になりますし、筋トレを毎日続けて仕事で疲れていても運動しなくてはいけないとか、目の前の美味しいケーキを我慢しなくてはいけないなど、異常な努力に目を向けるようになるので、それにより手に入れることができる報酬に目が行かなくなってしまいます。
その結果、モチベーションが落ちていき挫折するということになります。

報酬から努力への焦点移動を踏まえバランスを

では、そうならないためにはどうすればいいのでしょうか。
このような現象について、科学者は、報酬から努力への焦点移動と呼んでいます。
モチベーションが高い時には報酬に目が向いていて、作業が始まると努力に目が向きすぎてしまうので、モチベーションが低下してしまいます。この人間の焦点の移動が問題だとされています。

対策としては、バランスをとることが必要です。
問題としては、計画を立てるときにモチベーションが高すぎて、高すぎるために無謀な計画を立ててしまい、実際に行動する段階に入ると、その努力の辛さに目が向くことです。
そうなると、始める前のモチベーションが高ければ高いほど、異常な努力の量が無謀なレベルに目標を設定するので、行動する段階に続けることができなくなってしまいます。
ですから、そのバランスをとることが必要になるということです。

目標を立てて作業を始める前は、自分がどんな報酬を得ることができるのかということをちゃんと見積もることも大切ですが、それよりも大切なのは、達成するためにはどんな苦労を乗り越えないといけないのか、どんな障害を乗り越える必要があるのか、どんな努力が必要になるのかということに目を向けておかないと、目標設定は大きくなりすぎて非現実的なレベルになってしまいます。

目標を立てようとする時にはテンションが上がるものです。テンションが上がるのは構いませんが、そこでそのために必要な作業量を見積もることが必要です。

勉強に対する目標を立てたという場合であれば、その目標を達成するためには、1日どれぐらい勉強することが必要になるのかということを考え、それを続けることができるのかということを自分に問うことが必要です。
そう考えれば、実際に現実的な数字が見えてくるはずです。

その数字から考えると、目標が高すぎるのか期間が短すぎるということも見えてくるはずです。
そこから、その現実的な数字を積み上げた結果として、目標を達成するためにはどれくらいの期間が必要なのか再計算するようにします。

このように作業をする前にはただモチベーションを上げるだけではなく、現実的なところまで落とし込んでおかないと、そもそもそれは続けることができないので、目標にたどり着くことはできなくなるわけです。

努力をちゃんと始める前に見積もっておくことが大切です。努力の辛さを見積もっておくということがまず最初のポイントになります。

そして、実際に作業を始めた後に、その努力の辛さや自分のしていることに対するしんどさに目が向きすぎてしまうと、モチベーションが続かなくなるわけです。
ですから、適切な努力量までに抑えた状態で、その努力を続けた先に何があるのかということに目を向けてください

その努力をあと半年続けることができたら、その半年後にはこんな成果が手に入るとか、手に入る成果を思い出すようにしてください。
このようにしてバランスをとるわけです。

つまり、目標を設定する前には、モチベーションが高くなりすぎることにより目標を高く設定しすぎないように、努力しなくてはいけないことや乗り越えなくてはいけない障害を思い出して、まずは目標を現実的なレベルに設定します。

そして、一旦自分がその行動を始めたら、目の前の作業や努力にばかり目が向いてしまうと、モチベーションはどんどん下がってしまうので、努力に目が向きすぎないようにするために、その努力から自分が逃げたくなった時には、その努力を続けることによって、いつどんな世界が自分に待っているのかということを思い出してください。
行動する段階では、努力ばかりに目を向けるのではなく、自分の目標を時々思い出すようにすることが必要です。

目標設定段階:報酬に目が向きやすい

必要な努力や障害にも目を向け、まずは目標を現実的なレベルに設定する

実際の行動段階:目の前の努力に目が向きやすい

現実的なレベルの努力から自分が逃げたくなった時には、手に入る報酬を意識する

実際に行動する段階においては、大きな視点から手に入る報酬やゴールを意識し直さないと、僕たちのモチベーションを保つことはできないということがわかったということが今回の研究です。

要するに、目標を設定する時には、それを達成するために必要なしんどいことなども思い出し、実際に始めたら、自分の大きな目標を時々思い出しモチベーションを充電することが必要だということです。

以前紹介したことがありますが、皆さんはWOOPの法則を覚えていますか。
僕の『倒れない計画術』の中でも紹介していますが、これは、計画倒れしないために、おそらく最も科学的に正しい計画の立て方です。

ガブリエル・エッティンゲン氏という方が開発した方法で、これを実践すると、目標の達成率が2倍から3倍にまでなるということが長期にわたる調査でも確認されています。
これはぜひ実践して頂きたいので、『倒れない計画術』は今回のおすすめの本に紹介しておきますのでチェックして下さい。

ガブリエル・エッティンゲン氏の『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』も今回のおすすめの本として紹介しておきます。

WOOP(ウープ)の法則
  • Wish:願望
  • Outcome:成果、結果
  • Obstacle:障害
  • Plan:計画

自分がこうありたいという夢・目標を定めます(1.Wish:願望)
得られる成果を具体的に想像します(2.Outcome:成果)
普通の人はここで終わってしまいますが、ここで終わらせることなく
3.Obstacle:障害と4.Plan:計画を行うことが大事です

モチベーションだけに頼らない

成果やゴールを思い出してもモチベーションが続かないという人もいると思います。
この場合の原因としては、同じように目標が高すぎるという場合もあると思いますが、習慣にすることができていないということもあります。

モチベーションというものは永遠に続くものではありません。
今回紹介したように、目標を立てる際には無謀なレベルにならないように、WOOPの法則を使い、目標を現実的なレベルまで引き戻すことがまず最初のステップです。
そのようにして現実的な目標を立てて、その目標に向かって遂行していく段階になったら、大きな目標を思い出しながら、目の前の努力に目を向けすぎないようにするのが次のステップです。

そして、そのモチベーションも永遠に続くわけではありませんので、大きな目標を思い出しながらモチベーションを高めて継続しつつ、それを習慣にしていくということが必要になります。
最終的には、歯磨きをするのと同じように意識しなくてもできるような習慣にしてしまえば、後は、時間さえ経過すれば自然と目標を達成することができるようになります。

この3つの段階が必要だということを覚えておいてください。

1. 現実的な計画を立てるフェーズ

2. モチベーションを維持するための報酬を思い出すフェーズ

3. 習慣化をして自動的に目標を達成するフェーズ

今回のおすすめの動画としては、そんな計画の立て方を解説した「できなかったことをできるようにする科学的に正しい計画の立て方」と、
目標を自動的に達成するための習慣化の技術を解説した「3日坊主でも続く【習慣維持の7つのルール】」を紹介しておきます。
ぜひチェックしてみてください。

いざ始めるとやる気が出ない対策は
今回のおすすめ本

リサーチ協力の鈴木祐さんの論文解説チャンネルもオススメです
Supported by Yu Suzuki  https://ch.nicovideo.jp/paleo

本内容は、上記の参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166432819313889?via%3Dihub#!

他のカテゴリーもチェック


他の人はこちらも検索しています

知識をさらに検索

この知識はどうでしたか?

-目標・成功, 習慣
-,

Translate »

© 2020 Mentalist DaiGo Official Blog