学習法・記憶法

読んだ本が頭に入りやすくなる【目次の読み方】解説

この知識はこんな方におすすめ

  • もっと読書をしたい
  • 積読が多い
  • 読んだ内容を活かしたい
  • 読書好きな子供になってもらいたい

記憶に残る読書術

読書が好きな方も多いと思いますが、読んでもその内容すぐ忘れてしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
せっかく読んだことがなかなか頭に定着しないので、本を読むこと自体が楽しくなくなってしまい最近あまり本を読んでいないという人もいるかと思います。
今回は、どのようにすれば頭に残りやすくなるのかという内容を紹介させてもらいます。本を読む前にちょっとした事をするだけで、かなり記憶への残り方が変わってきます。

映画を見たときや漫画やアニメを見たときには、皆さんそのストーリーを覚えていると思います。情報量としては膨大なものなのに鮮明に覚えていると思います。
ところが、勉強のために読んだ一冊の本となると、細かいところは何も残っていないということも少なくないと思います。
例えば、子供の頃に見たアニメに関しては大人になっても大筋のストーリーは覚えていますが、高校生の頃に読んだ数学の本の概要や公式はほとんど覚えていない人が多いと思います。

この違いは、実は先日の宿題に関する記事の中でも紹介しましたが、外的報酬と内的報酬のどちらで情報を入れたのかということが大きな違いになります
外的報酬というのは、例えば、いい点数を取るために勉強するとか資格を取得するために勉強する、褒めてもらうために勉強するといった、自分の内側から湧いてくるものではなく外からくることに対するモチベーションで、ノルマやタスクと考えることができるものです。
これに起因するものであると、人間は学習意欲や記憶として頭にどれぐらい残るかということが全く違ってきます。
モチベーションは湧いてきても、自分から求めて学んでいこうとはならないので、さっさと早く終わらせようと考えてしまうようになり、苦痛にすらなってしまうことが起きます。

僕も自分に対してノルマを課して本を読もうとした時もありましたが、そうするとだんだん本を読まなくなってしまいました。本を読むことが大好きな僕であっても、そうなってしまうわけです。
このように外からくるモチベーションをベースにしてしまうと、意欲としても記憶としても損をしやすくなります。

好奇心や知りたい欲求を使う

では、どうすればいいのかというと、内的なモチベーションを使うようにします。
知りたいという気持ちを引き出してもらい、頭の中でその答えや内容を想像し、謎解きのように答えを求める状態に自分のメンタルをした上で、本を読み答えを探そうとすると、その答えが見つかった時には喜びを感じます。この喜びは、お金をもらったりご褒美をもらった時の喜びよりも強い喜びとして人間の脳は感じるということをい言っている人もいるぐらいです。

この本を読むことによって自分は何を知りたいのか?自分が何を求めているのかということを考えてから、本を読むということをするだけでも、この内的報酬を刺激することができて、本に書いてある内容は頭に入って来やすくなる上に、本を読むことが辛くなくなるのではないかということが、今回参照している研究から示唆される提案になります。

仕事に必要なためとか課題で与えられたという状態になると、義務感となってしまいやる気は出ないと思います。
そのような他人から与えられたタスクに対して皆さんの好奇心を刺激されるでしょうか。
このような他人から与えられた単純作業などであっても、自分の知的好奇心を刺激される人がいればそれは最強だとは思いますが、実際にはそんな人はほとんどいないと思います。
このような場合は、それをしないと怒られるとか、逆にすることで褒められるということをベースに考えてしまいます。
ですから、報酬を得るためにはこのような仕事や勉強も価値はあるわけですが、自分の頭で考えたり創造的な思考を鍛えるとか、本を読むことでその内容を様々な場面で活かしたいというようなことを考える場合には、このような外的な欲求からくるモチベーションは役に立たないわけです。

好奇心を刺激するとモチベーションも記憶の定着も全く違う

人間の記憶のシステムを考えてみると、勉強をする時は本を読む時に、どのようなメンタルの状態で行うかということがとても重要になります。
例えば、本を読むときも、好奇心に基づいたり、自分の悩んでいることに対する答えがその本に書いてあるかもしれないというような気持ちで取り組むと、周りの人からすると、そんなものが面白いのかというものであっても、自分自身の好奇心が刺激されていれば、人間はそれに対するモチベーションが強くなりますし記憶の定着も良くなります

わかりやすい例で言うと、例えば、子供でも大人でも鉄道のことが好きな人であれば、鉄道に関する本を読むととても楽しいし、鉄道の名前など細かいところまではっきりと覚えていられます。おそらく、読んだ内容は楽しそうにしたにも説明するかと思います。
ところが、鉄道に全く興味のない人であれば、同じ本を読んでも眠くなるだけだと思います。
好奇心というものは、このような違いに現れるわけです。

本を読んだり勉強する時には、いかに自分自身が面白そうだという考え方を持ってできるかということで、その効果は大きく変わります。
ですから、読書をすると頭がいい子になるとか読書でも勉強でもそれに関する考え方は色々と世の中にありますが、結局実際に効果があるかどうかということは、本人の取り組み方によってかなり記憶のされ方が変わります。
そう考えると、大人が子供たちにできることとしては、どうすれば子どもたちの好奇心を刺激することができるのかということを考えることだとも思います。

本を読み始める前にまずは・・・

子供の勉強や読書に限らず、例えば、皆さんが何か資格を取るための本や新しい本を読みたいと思った時には、いきなり読み始めるのではなく、まずは本を開く前に、「その本を読むと自分は一体何がわかるのだろう?」「その本によって自分の人生がどのように変わるだろう?」ということを考えてください。自分の習慣が良い方向に変わるだろうとか、自分の考え方が変わって仕事がうまくいくかもしれないなど、色々と考えを巡らせてみてください。
そうやって考えていると興味が湧いてきます。
そして、そこまで考えたら目次を見てください。その目次から想像する内容と自分の人生や考え方とを結びつけて、より細かく想像を膨らませてみてください
このようにして自分自身の好奇心を煽ってから、ようやく本文に取り掛かってください。

最初から真面目に本文を読もうとすると、どうしても興味がわかないところもあるでしょうし、その本を読んだ先にどんな未来があるのかということもわからないので、当然ですがモチベーションも続かないわけです。そうなると、なかなか最後まで読みきれなくなることも増えますし、頑張って最後まで読み切ったとしても、ただ文字を追いかけているだけになってしまいます。
その本を読むことによって自分が何を手に入れたいのかということを考えてから読むという癖をつけるだけでも、かなり読書がはかどると思います。
ぜひ実践してみてください。

ちなみに、僕の場合は、本を読み始める前に、自分がなぜこの本を読むのかとか、その本を読むことで自分の人生をどのように変えたいのか、その本の中に隠されているであろう自分の知りたいことなどを考えて、本についてあるしおりの裏や付箋に、なりたい自分とそのためにその本から手に入れたいと考えていることをいくつか書き出しておきます
それをしておくだけでも、自分の求めているものを探す宝探しのような感覚になり、本を楽しめるようになります。ただ真面目に最初から本を読もうとする人よりも、本を楽しめることができますし頭にも残りやすくなります。

一冊を1分で読めるようになるというような速読は全て嘘ですが・・・

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今回の参考
かんき出版
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リサーチ協力
Tatsuya Daikoku Ph.D in Medicine University of Cambridge Department of Psychology https://www.researchgate.net/profile/Tatsuya_Daikoku

本内容は、以下の参考文献を元にした、DaiGoの独断と偏見を含む考察により、科学の面白さを伝えるエンターテイメントです。そのため、これらは、あくまでも一説であり、その真偽を確定するものではありません。
より正確な情報が必要な方は参考文献・関連研究をあたるか、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。
訂正や追加情報があれば、随時修正や追記をします。
参考文献:Deci EL, Vallerand RJ, Pelletier LG, Ryan RM. Motivation and Education: The Self-Determination Perspective. Educational Psychologist. June 1991:325-346. doi:10.1080/00461520.1991.9653137
Ryan RM, Koestner R, Deci EL. Ego-involved persistence: When free-choice behavior is not intrinsically motivated. Motiv Emot. September 1991:185-205. doi:10.1007/bf00995170

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