先日プロテインが食欲を抑えてくれるしダイエットにもいいということを紹介したら、管理栄養士の方からプロテインは体に毒だからやめたほうがいいと言われたというようなお便りをもらいましたのでそれにお答えしようと思います。
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結論としては、
全く大丈夫です。
もちろん、ありえないぐらいの量を飲んでしまうと健康被害も考えられますが、それはどう考えても飲めないぐらいの量ですから安心して飲んでください。
高タンパク質のデメリット
タンパク質を摂りすぎた時のデメリットもありますので一応紹介しておきます。タンパク質の摂り過ぎのデメリットは2つあります。
タンパク質を分解するときにアンモニアが出てアンモニアは強烈な毒素ですからこれが出過ぎるとよろしくありません。そして、腸内細菌がタンパク質を分解すると毒素を出しやすくなります。
実際にはこのようなデメリットもありますが、メリットの方が大きいのではないかというのが今回の話です。
タンパク質は体内でエネルギーやグルコースを生成する時にアンモニアが出ますが、通常は肝臓で尿素に変えられて尿として外に出るので本来は問題ありません。ところが、プロテインを摂りすぎるとその処理能力を超えてしまうのではないかという話があります。
少し古いですが1973年にこのことを調べた研究があります。その研究の結論としては、1日に230 g からのタンパク質を摂るとその処理能力を超えるのではないかとされています。これは上限と考えられますので常識的に考えて1日に150 g から200 g ぐらいまでであれば飲んでも大丈夫なのではないかとされています。
これはプロテインの量ではなくタンパク質自体での量ですから現実的には問題にならないと思われます。
よほど激しい運動をしている人やボディビルダーの人を除いた普通の人の目安としては、体重に対して1 g 程度、つまり体重65 kg の人であれば65 g ぐらいは全く大丈夫ですし、運動する場合はもう少し増えても大丈夫です。
1日に摂っている総摂取カロリーの30%程度をベースに考えるといいかと思います。
もうひとつの腸内細菌の問題に関しては、炭水化物を食べた後は腸内細菌が酪酸やプロピオン酸というような体にとって良いものを作ってくれますが、タンパク質を食べた場合は硫化水素やインドールという有害物質を作りやすいです。おならがやたらと臭い人がいますがそれはこの硫化水素です。高タンパクな食事をし過ぎるとおならが臭くなるということです。肉食動物の排泄物が臭いということにはこのような理由もあります。
例えば前回紹介したホエイプロテインであれば、腸の壁に穴を開けてしまういわゆるリーキーガットというものがありますがこれを治す働きがあったり、適切に摂れば腸にとっても悪いものではありません。
高タンパク質な方がむしろ・・・
古い研究だけだと疑問を持つ人がいるかもしれませんので最近の研究もご紹介しておきます。
最近の研究ではタンパク質はもっと摂った方が良いのではないかと言われています。先ほどの研究では体重に対して1 g 程度としましたがもっと摂っても大丈夫です。近年の科学会では体重1 kg 当たり 1.5 g から2.2 g ぐらいまでは摂った方がいいとされています。2 g までは摂った方がいいと覚えておいてください。僕の場合は体重が65 kg なので130 g は摂っても良いということになります。130 g のタンパク質となるとかなりの量ですから気にしなくてもいいと考えられます。
プロテインは肝臓や腎臓に負担をかけるという話もよくされますが、調べてみると、腎臓病の患者さんがタンパク質の摂取量を制限したら腎臓の機能が良くなったという研究を誤読していただけです。
腎臓はタンパク質が代謝した時に出てくる毒素をフィルタリングしてくれています。確かに腎臓がうまく機能しなくなると血圧が維持できなくなったり様々な問題が生じます。ただしこれは腎臓の調子が元々悪い人のデータです。腎臓が健康な人が高タンパク質な食事をしてダメージが出たような研究はありません。腎臓が健康な人であれば高タンパク質な食事をしても問題はありません。
例えば2014年にコクラン共同計画が行った系統的レビューによると、過去に行われた腎臓とプロテインに関する30件のデータを精査したものですが、高タンパク食は腎臓のフィルタリング速度を上げてくれて尿として排出される尿素やカルシウムや尿酸の量を増やします。これは高タンパク食によって腎臓が適応してしっかり処理をしてくれているということです。
腎臓に病気を抱えたりしているわけでもなければ高タンパク食は全く問題ないということです。
そもそも、人間の体はたんぱく質の量を満腹感によって調整できるようになっています。
プロテインのことを気にするぐらいであれば、それよりも砂糖を気にしたほうがいいと思います。
タンパク質よりも精製された砂糖を気にした方がいいです。腎臓の働きは肝臓と密接に結びついていてジャンクフードやコンビニスイーツなどの精製糖がたくさん使われているお菓子を食べると腎臓への負荷が大きくなります。
高タンパク質は太らない
タンパク質は体重1 kg 当たり 1.5 g から2.2 g ぐらいまでは摂った方がいいというのが今の科学会のトレンドということでしたが、上限としてはどこまで摂ってもいいのかということをノバ サウスイースタン大学が調べてくれています。
14人の普段から筋トレが大好きな人たちを対象に超高タンパク質な食事を1年間続けてもらうという実験を行っています。筋トレをしているのでもともと1日に2500キロカロリーを摂っている人達でした。ここにカロリー16%分のタンパク質を上乗せしましたから1日に2900キロカロリーも摂りました。実験前の参加者の平均タンパク質量は体重1 kg あたりに対して1日に2.5 g でしたから元々結構多い方です。 これを3.3 g まで増やしましたからこれはボディビルダーを上回るぐらいのレベルです。
その状態で1年経った結果として、超高タンパク質な状態でも悪影響はありませんでした。しかも、ライフスタイルは一切変えずに2900キロカロリーまで摂取カロリーが増えているのに太ってもいませんでした。
1年経った後の超高タンパク食の人と従来の普通の食事をした人を比較すると、腎臓の機能に関する差は全くありませんし、肝臓の健康状態にも全く影響がありませんでした。コレステロールや中性脂肪にも影響はなく体重もほぼ変わりませんでした。
つまり、摂取カロリーはかなり増えているのに太ってもおらず健康マーカーにも影響がなかったということです。
元々筋トレをしている人ですしサンプル数が少ないというのもありますが、やはりタンパク質は太りにくいのではないかと考えられます。
というわけで、プロテインは飲んでも大丈夫です。
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参考文献
http://europepmc.org/abstract/MED/4727456
https://www.hindawi.com/journals/jnme/2016/9104792/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16509933
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26046414