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【プリスエージョン】厄介な相手の思考を操る心理テク

DaiGo MeNTaLiST

この知識はこんな方におすすめ

  • 商談や交渉をうまく進めたい
  • お願い上手になりたい

しつこい値引き交渉や無理難題を言ってくる相手にどうすれば?

今回は、やっかいなお願いをしてくるお客さんやクライアントなど、面倒な人もいると思いますが、そんな人に対して、相手に気づかれないうちにその相手の意見を変えて説得するための方法について紹介させてもらいます。

これは心理学ではプライミングと呼ばれているテクニックになります。
これに関してはたくさんの研究があるので、研究内容については省かせてもらいますが、人間というものは直前に受けた情報によって結構判断が変わってくるものです。

つまり、その直前にどんなものを見ているかによって、目の前のことに対する判断に大きな影響が与えられるものです。
ところが、ほとんどの人がそれに気付いていません。

例えば、奥さんや彼女と買い物に行こうとなった時に、最初にユニクロに行ってからヴィトンに行くと、ヴィトンがいつも以上に高く感じるようになります。
ユニクロに行っていろいろな服を見て値段を見てからヴィトンに行くと、急に値段が上がったように感じるわけです。
逆に、高級車のディーラーに行って見積もりをしてもらったあとにヴィトンに行くと、同じ値段でもヴィトンが安く思えるようになります。

事前に触れた情報に人は左右される

人間はこのような直前に触れた情報によってコントロールされているけれど、それにほとんどの人が気づいていないので、それを上手に使えばいいのではないかということです。

とはいえ、ちょっと買い物に行こうと言っているだけなのに、いきなりその前にフェラーリを見に行こうなどと言うのは不自然でしかありません。
では、どのようにすれば実践的に使うことができるのかということまで紹介させてもらいます。

例えば、何年も同じように値引き交渉をしてくるような人もいると思います。
ちゃんと見積もりを出しているのに、場合によっては、考慮して値引きもしているのに、必ず見積もりから10%とか20%の値引きを要求してくる人もいるのではないでしょうか。

これは、人によってはあらかじめその値引き交渉を想定して価格をその分上げておくということで対応する人もいると思いますが、当然ですが、これをすれば元々の価格がオープンになっている場合であったり、他でも手に入る商品の場合には他社に行かれてしまう可能性もあります。
相手が常連客でいつも値引き交渉をしてくるという場合であっても、新規のお客の場合でも、問題が出る場合もあると思います。

では、どうすればこのような値引き交渉をしてくるお客や、なんとか無理を聞いてほしいといったお願いをしてくる相手にうまく対処することができるのでしょうか。

しつこい値引き交渉を黙らせた方法とは?

実際に、今回の参考文献でも出てくる例として、何年間も取引している企業で常に10%から15%の値引きを要求してくるという厄介な相手を黙らせたある方法があります。

それは、ちょっとしたジョークでクライミングを入れるという方法でした。
この実際の事例では、プレゼンで7500ドルのものを相手に提示する際に、その見積額が7500ドルだという金額を掲示する前に、「お分かりだと思いますが、このサービスで皆さんから100万ドルをいただこうなんて思いません」という軽いジョークを入れました。
特に面白くもないですが、アメリカ的には受けるジョークではあるそうです。

そして、その100万ドルという金額が頭に残っている状態で、7500ドルと書かれている見積もりを見ます。
そうすると、それだけで安くなったように感じます。

最初から何もなくいきなり7500ドルと提示すると、10%値引きして欲しいとか6000ドルにしてほしいと言ってくる相手でも、直前に100万ドルという数字に触れておくだけで、その後の価格交渉が抑えられたという結果が確認されています。

このように事前に与えられる情報によって相手の価値基準や態度が変わるというのがプライミングです。そして、それを事前に整えておくというのがプリスエージョン(下準備)です。

お願い事にも使える!

これは他にもさまざまな使い方が出来ます。
例えば、奥さんが旦那さんにゴミ捨てをして欲しいと思っている時に、いきなりゴミを捨てといてと言うと断られるのであれば、明らかに無理っぽいことをまず言ってみてください。
子供を送って欲しいとか、どう考えてもすぐに無理だったりひとりでは無理なタンスを運んでおいてほしいなど、旦那さんには無理っぽいことや無理難題を軽く言っておいて、それからゴミだけ捨てといてとお願いするといった使い方もできます。
ずっと欲しかった食洗機買って欲しいとお願いをして、そんなの今は無理だと断られた後で、仕方がないと納得したところでゴミ捨てをお願いするといった感じです。

人間は思っているよりも最初の情報提示で態度が変わってしまうものですから、皆さんが何かのお願いをするとか条件を提示するといった場合には、最初の情報を提示することによって、それが相手の次の選択にどんな影響を与えるのかということを常に考えた方が、一生懸命正論を相手に言って説得しようとするよりもはるかに楽ですし説得効果も高くなります

お店の名前でも!

他にも、実際の研究であった事例を紹介しておくと、例えば、外食で食事をする時にお店の名前が「スタジオ97」という名前の場合と「スタジオ17」という名前の場合でアンケートをとってみると、そのお店で払ってもいいと思える金額が、スタジオ97の方がスタジオ17の場合よりも高くなったという結果が確認されています。

当然ですが、調べてからお店に行く場合でも、偶然通りかかってお店に入る場合でも、お店の名前を見てからそのお店に入るので、そのお店で払ってもいいと思える金額が、無意識のうちにお店の名前にある数字から影響を受けてしまうということです。
ということは、スタジオ97とするよりもお店の名前はスタジオ1997 とした方が払ってもらえる金額は多くなる可能性が高いということにもなります。
こんなことにも人間は影響を受けてしまうわけです。

事前に目にした数字だけでも!

他にもあります。
参加者の人たちを集めて、一方のグループには、それぞれ自分の社会保障番号の中から大きな数字を2つ書き出してもらいました。
もう一方のグループには、逆にその社会保障番号の中から小さな数字を2つ書き出してもらいました。
それぞれにその作業をしてもらった後に、チョコレートを提示して、それを一箱いくらだったら買ってもいいと思うかという質問をしました。

その結果、やはり同じような違いが表れていて、直前に小さな数字を書き出したグループよりも、大きな数字を書き出したグループの方が、全く同じチョコレートであるにも関わらず、高い値段をつける傾向があったということです。

ですから、相手に何かものを売り込みたいという時には、できるだけ大きな数字に事前に触れさせるというのがいいのかもしれないということが見えてきます。

自分の能力の推定にも!

さらに、自分のモチベーションのコントロールにも使えそうな事例もあります。
何かの単純作業や計算をするといった自分の作業効率やスピードを予測する実験が行われていて、その際に、実験の名前が「能力予測実験No.27」とした場合と「能力予測実験No.9」とした場合を比べると、自分がその作業に関する能力がどれぐらい高いのかということの予測が、「能力予測実験No.27」とした場合の方が高く見積もる傾向があったということです。

ですから、おそらくオークションなどの場合でも、オークションナンバー 1番とするよりも、オークションナンバー 20001番 などにしたほうが、そのオークションで払われる金額が高くなる可能性もあるということも見えてきます。

背番号も!

他にも、野球やサッカーなどの選手の背番号についての実験もあります。
同じ選手で、大きな数字の背番号をつけている場合の方が小さな数字の背番号をつけている場合よりも、観客からの能力の評価が高くなったという結果が確認されています。
ということは、2桁までの背番号がつけられるのであれば、99番が最も評価が高くなりやすいということになります。

数字だけでなく視覚的なイメージでも!

ちなみに、これは数字でなくても、ちょっとしたトリックや想像でも使うことができます。
例えば、大学生を対象にした実験で、ミシシッピ川がどれぐらいの長さなのかということを予測してもらうという実験があります。
日本で例えるなら利根川はみんな知っているけれど、利根川がどれぐらいの長さなのかということは答えられない人が多いと思いますが、そんな長さを予測してもらうということを行いました。

その際に参加者を2つのグループに分けていて、一方のグループには、その予測をする前に3本の長い棒線を引いてもらいました。
もう一方のグループには、3本の短い棒線を引いてもらいました。
その後に、ミシシッピ川はどれぐらいの長さだと思うかということを尋ねたわけです。

その結果、質問される前に長い棒線を引いたグループの方が、ミシシッピ川の長さの予測がより長くなったということです。
つまり、僕たちは事前や直前に行った行為によって、考え方がかなり影響を受けてしまうということです。

聴いた音楽や目にしたものでも!

視覚的な長さを感じるだけでも影響を受けるということですが、他には、なんと音楽でもコントロールされます。
例えば、ワインショップを訪れたお客を観察するという実験が行われていて、これによると、お店の中でドイツ語の音楽が流れているとドイツ産のワインを買う確率が有意に高くなるということです。
フランス語の音楽が流れているとフランス産のワインを買う確率が高くなりました。

もちろん、フランス語とドイツ語の区別がつかなければ意味はありませんが、その区別がつく場合には、事前に聞いた音楽や見た国旗によっても人間は買い物の判断さえも変わるということが示唆されています。

正論を一生懸命ぶつけるよりも細かな環境を整える

ですから、意外と人間はこのような細かいところで判断や価値基準は変わってくるものですから、説得をする際に正論をぶつけて相手を説得しようとする人がいますが、喧嘩したいのなら別ですが本当に理解してもらい説得したいと言うのであれば、このような細かいところに目を配った方が相手のことを上手に説得できます

やっかいな人を説得するのは面倒だと思いますが、このような事前に触れる情報を変えるぐらいであればいろいろな方法ができるとも思います。
このようなことを普段からできるようになっておけば、知らないうちに相手をコントロールするということも出来るようになると思いますし、面倒な相手に手こずることもなくなると思います。
ぜひ試してみてください。

効果を知っていても自分に対しても使えます

今回は説得についてプライミングという基礎的なテクニックを紹介させてもらいましたが、これは自分に対して使うこともできると思います。

例えば、勉強する時に分厚い本や難しい本を用意しておいて、それをまず軽く読みます。
それを3分から5分ぐらい読んでから、それを閉じて本来読もうと思っていた本を読みます。
これだけでもその本がかなり読みやすくなります。
これは自分がその効果を理解している状態でも効果はありますので、ぜひ使ってみてください。

説得のためのおすすめ動画

今回のおすすめの動画では、こんな説得に関する技術を少しダークなものも含めて解説している動画を紹介しておきます。

【18万件の議論を分析】相手の意見を変える5つの条件

これは18万件の議論を分析することによって、相手の意見を変えるための説得の方法やポイントを調べた研究をもとに解説した内容になっています。
頑固な人が周りにいてその人の意見を変えたいとか、そんな相手をどうにか抑え込みたいという方は上手な方法が学べると思います。

【恐怖と欲望の説得術】歴史を動かした偉人の話し方 【前編】
【恐怖と欲望の説得術】歴史を動かした偉人の話し方 【後編】

歴史を動かしたような偉人たちが使っていた少しダークなテクニックについて解説しています。
人間の恐怖や欲望さえも利用して、個人や集団を説得するための方法を解説した内容になっています。
長いので前編後編に分かれていますが、かなり強力なテクニックが紹介されていますので、説得の技術を極めたいという方はぜひチェックしてみてください。

人の心を動かすためのバイブル

今回のおすすめの本としては2冊あります。
まずは、何度もお勧めしていますが、説得に関するバイブルとして『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』です。
そして、『ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則』では、人の心を動かすような短い言葉を作る方法を学べると思います。

この2冊でしっかり学んでもらえたら、これからネット上のビジネスや新しいサービスを展開していきたいという場合には、絶対に必要な能力を鍛えることができると思います。
僕も実際に学生の頃にこの2冊を読んで人生が大きく変わりましたので、ぜひ皆さんも読んで頂けたらと思います。

さらに、僕のオーディオブックが Amazon で無料で聴けるというキャンペーンを行っていますので、そちらのリンクも入れておきます。
1人1冊ですが、普段は3000円ぐらいするオーディオブックが無料で聞けるというキャンペーンですので、まだの方はぜひこの機会にチェックしてみてください。

今回のおすすめ動画
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本内容は、参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Robert Cialdini Ph.D.(2016) Pre-Suasion: A Revolutionary Way to Influence and Persuade ‪ English Edition

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