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自粛要請中も資金集めする政治家はなぜ生まれるか考察

自粛要請中も資金集めする政治家はなぜ生まれるか考察

DaiGo MeNTaLiST

この知識はこんな方におすすめ

  • 信用できる人を見抜きたい
  • 権力や地位を持っても失敗したくない

「物理的に中止が無理だった」?

出版記念という名目で資金集めをされていた議員さんがいたようです。200人から300人ぐらいの人を集めて開催されたそうです。
これだけ国全体として自粛しようと言っているにも関わらず開催したそうですが、その際に、言い分としては物理的に中止が無理だったと言われていました。
しかも、この方は首相補佐官という立場にある偉い国会議員の方らしいですが、資金集めのためのパーティーを行ってしまったということです。

今これだけ自粛ムードになっていて、アーティストの方々もライブを中止にしている状況です。ライブなどはおそらくかなり前から準備していたでしょうし、急遽それを中止にした場合には誰がその損失を被るのかという話にもなるかと思いますし、そこはかなり難しい問題だろうとは思いますが、ファンの皆さんのことなどを考えて自粛しようとみんながしている中で、何万人もの人たちが集まる規模のライブを中止にしているのに、200人から300人ぐらいの規模のパーティーで、しかも自分の支持者の人たちですから、延期するのも難しくないはずだと思いますが、それでも物理的に中止することができなかったとこの方は言い訳をしたわけです。
言い訳としては、首相が自粛を要請したのが26日の午後で、私のパーティーは夕方だったので物理的に中止はできなかったと言われています。
200人から300人ぐらいの人間に連絡して対応することすらできないような行動力しかない人が国を動かしているということです。そんなレベルであれば水際対策もできないわけです。

政治家が悪いの?そんな政治家を選んだ国民が悪いの?

ただ、これは政治家の人達だけが悪いというわけではありません。なぜかと言うと、その政治家を選んでいるのは僕たちだからです。
つまり、もちろん政治家本人が良くないわけですが、その人を当選させるためにその人に投票した数十万人が愚かだということなのではないかという議論もあるわけです。
これについて皆さんはどのように思いますか。

もし僕が政治家で同じ立場であったらどうするかというと、直前だけれどやめるということをみんなに伝えて大々的にそのパーティーを中止にします。そうすれば、例えば、そのパーティー会場も懇意にしているところだとは思いますが、原因が原因ですから会場の費用負担についても理解を示してくれるでしょうし、直前での首相の発表ですから、会場の費用など色々な負担も被らなければいけないかもしれないけれど、それでも自分は政治家として国民の安全を守る立場にあるので急な事で申し訳ないけれどいは中止しますと言い切ればいいはずです。
そんな決断力と行動力を示していれば、逆にもっと支持を集めることができたはずだと思います。
にもかかわらず、目の前の200人から300人のパーティーで集まる資金に目がくらんだのか決断できずそのまま開催してしまって批判されてしまったわけです。
どう考えても叩かれて当然だと思いますし、国会議員がそれぐらいの想像力も働かなかったのかと思うと恐ろしい話です。

このような問題は最近でもよく起きますが、もちろんどちらもよくはないのでしょうが、政治家が悪いのでしょうか、それとも、選んだ国民が悪いのでしょうか。
国民が悪いのかというとおそらくそれは微妙なところです。
なぜかと言うと、人間というものは何十万人という人に自分が選ばれて高い地位についてしまうと、人間の判断力は様々な点から歪んでしまうということが分かっています。
おそらくは、この政治家の方もみんなが投票してこの人を信じようと思った時には、まともな考え方を持っていた可能性もあります。
ですが、権力の階段を登るにつれてどんどんその思考が歪んでいくということが様々な業界でも確認されています。
ピーターの法則でも近いことが言われていますが、今回は、政治家がどのように権力の階段を登り愚かになっていくのかという話を紹介させてもらいます。
念のために言っておきますが、これは全ての政治家が愚かで間違っているということを言っているわけではありません。
ですが、そうなってしまいしやすい構造がそこにはあるので、かなり注意を払って強い自制心を持っていないと、基本的に人は偉くなるとバカになっていきます。
僕も基本的にはファンミーティングとかオフ会はしませんし、リプライも見ないようにしています。なぜかと言うと自分がバカになってしまうと分かっているからです。
僕は意志が弱い人間なので、気持ちがとても嬉しいですが、ファンですとか言われたりおだてられると自分の思考が歪んでいくのが分かっているので、そのような情報に触れないようにしています。

ダニング・クルーガー効果の亜種

このような権力者の問題に関しては3つのポイントがあります。
まず1つ目ですが、ダニング・クルーガー効果というものをご存知でしょうか。このダニング・クルーガー効果というものは、能力がない人ほど自分の能力は高いと思い込んでしまう現象のことです。
例えば、何かのテストを受けたとして、自分がどれくらいの点数を取れたと思うかということを参加者の人達に尋ねると、平均点よりも下の点数を取っている人たちの方が自分の点数は平均を超えていると思い込むというものです。
つまり、能力のない人ほど、自分の能力に対して客観的に見る知性も持っていないので、自分はできると思い込んでしまうわけです。

実は、このダニング・クルーガー効果には逆もあります。
これは専門家やエキスパートになった時に起きてしまうものですが、このダニング・クルーガー効果と近い現象が起きるということがいわれています。
何かの専門家やプロフェッショナルという立場になってくると、未来に対しての考え方が甘くなってしまいます。自分は地位も能力も高いので、先のことは普通の人達よりもしっかり予測することができているはずだと思い込んでしまうという現象が起きます。

これは、実際に行われた研究では、金融に関するプロフェッショナルという人達を集めて、全員にどれぐらいの金融に関する知識を持っているかということを質問しました。
全員にその質問に答えてもらった上で、金融に関する単語を15個見せました。その15個の単語のうち3つは造語でした。それっぽい言葉ではあるけれど実際には金融用語にはない言葉が含まれていました。
それを見抜くことができるのかということを調べたわけです。
当然ですが、ちゃんと知識があれば、この言葉は見たことがないとかでたらめの言葉なのではないかと分かるはずです。
ところが、自分は金融に関する知識を持っていると思い込んでいる人ほど、そのデタラメな用語を見たときに自分はその言葉を知っていると答えたということです。
つまり、自分はプロフェッショナルで知識も経験も豊富で判断能力があるので、自分はそのデタラメな言葉も知っていると思い込んでしまうわけです。

自分は能力が高いので判断は間違っていないと思い込んでしまう!

ダニング・クルーガー効果は、物事が起きた後に自分を過大評価するというもので、能力がない人が自分の能力に対して過信してしまうというものですが、それとは逆に、力や権力を持った人も、よほど普段から客観性を保つ訓練をしていない限りは、自分は能力が高いので全てのことを知っているはずで、未来のことも見通すことができて判断は間違っていないはずだと思い込んでしまいます
そうすると、今回のようにパーティーを開催しても自分の支持者たちであれば大丈夫だろうと思い込んでしまい、どう考えても批判され叩かれると容易に想像することができる間違いを犯してしまうわけです。

共感能力の低下

2つ目は、今までも何度となく紹介してきましたが共感能力の低下です。
残念ながら、人間というものは上に上がれば上がるほど、先生先生と呼ばれれば呼ばれるほど、支持してくれる人が増えれば増えるほど、他人に対して共感しなくなります
つまり、他人の気持ちがわからなくなってしまうわけです。

地位が高くなればなるほど人が何を考えているかがわからなくなる!

ですから、当選した後の政治家というものは基本的には他人の気持ちが分かりにくくなるわけです。
これは当然のことで、地位が上がれば支配する側に回るので、他人と共存する必要はなくなります。ですから、地位が高くなれば共感能力は低くなります。逆に言うと、生活に苦しんでいる人や他人と協力しないと生きていくことができない状況にいる人は、共感能力が高くなるということが分かっています。
お金もあり何でも手に入るような人は誰かと仲良くする必要もないので共感能力も低くなっていくということですが、政治家の人たちは、地位が上がっても支持を集めることが必要ですので、たくさんの人との関わりは避けて通ることができません。
そのためには共感能力を維持することが必要ですが、何もしていなければどんどん下がっていくものです。
そのために、こんな批判されるようなことをしてしまうわけです。

正直さと信頼性が欠如する条件

そして、3つ目としては、権力者はなぜこのようなことを言うのだろうと思いませんか?
物理的に無理だと言われたわけですが、実際に物理的に無理なはずはありませんし、首相の発表が午後でその日の夜だったから無理だと言うわけですが、首相補佐官ですから首相に近いところにいるのであれば、その発表が決定される可能性があるという段階でも知り得たはずです。
であれば、事前に何かしらの対応もできたかもしれませんし、なぜか政治家はこのような時にわかりやすい嘘をついてしまいます。

人間には嘘をつきやすくなってしまう条件がいくつかあります。
例えば、面白い研究では、海外に行く経験が多い人は嘘をつきやすくなるというものもあります。
これは様々な文化に触れることによって物事に対する色々な見方を知ることができますので、そうするとなぜか人間は嘘をつきやすくなってしまうということです。
自分の嘘を受け入れやすくなったり、それが道義的にまずいと思いにくくなるそうです。
例えば、日本では新幹線でも電車でも2分とか3分遅れただけで謝罪をしますが、イギリスやフランスでは1時間遅れても平気ですし突然ストライキをしたりもします。
これも最初は驚いてもそこでしばらくいると慣れてきます。これと同じようなことが自分の嘘に対しても起きるわけです。
様々な文化に触れることによって、嘘もみんなついているし悪いことではないというように考えてしまうのかと思われます。

それとは別で、もう一つ嘘をつきやすくなってしまう条件があります。
自分の正直さと信頼性が欠如することがあることと比例しているということが言われています。
もうなんとなくわかると思いますが、それが権力です。

強い権力を持つほど正直さと信頼性が低下する!

カリフォルニア大学の研究を見てみると、地位が高く強い権力を持っている人ほど、正直さと信頼性が低くなるということが分かっています。
これは別にお金を持っている人はお金を持っていない人よりも信頼できなくて他人を裏切るやすいということではなく、個人の正直さや嘘をつくかつかないかという信頼性は、自分と会話する相手の権力の差によるということです。
つまり、相手が自分と同じくらい権力を持っているか、少し下ぐらいの場合には人はそんなに嘘はつきません。
人は、相手と自分との間に地位の格差がどれぐらいあるのかということを常に見ているわけです。
権力を持っている人は、自分を脅かす可能性がある人を裏切ったり騙したりすれば自分が痛い目を見る可能性がありますので、力関係を意識してできるだけ相手に失礼がないようにします。

ですから、相手が自分を裏切るかどうかというのは、相手と自分の地位の格差をその相手がどう捉えているかということによってその相手の正直さや信頼性は変わってくるということです。
相手がもし自分のことを格下だと思っていた場合には、その相手は短期的な要求を満たすような行動を取りやすくなります。
それにより手っ取り早く頭だけ下げて票をもらっておこうと考えてしまうわけです。
そうなると長期的に見ると僕たちにとっては大きなデメリットになってしまいます。

相手の捉えている地位の格差により信用できるかどうかは決まる!

皆さんがすごいお金持ちや地位が高い人を信じるのも構いませんが、それは切り捨てられる可能性が高いので、自分より少し上か同じぐらいの人を信じていく方がいいとは思います。
これは難しいところですが、政治家の場合には、そんな目線が低い政治家を信じたところで、その人によほどの自制心がない限りは先ほどのダニング・クルーガー効果の亜種が起きて、自分は判断能力が高いと思い込むことで判断を間違ってしまうし、共感能力は低下していくので僕たちが何を考えていて何に困っているのかということが見えなくなってしまう上に、さらに、権力の階段を登るごとに正直さは低下していき有権者を裏切るようになっていくという状況になってしまいます。

そういう意味では、政治家の人達と一般市民の力の差として考えると、当然ですが政治家は法律を作っている人達ですから、力の差としてはゲームマスターとの戦いのようになってしまいます。
そうなると、よほどの政治家でない限りは基本的には嘘をつきやすくなると言えます。

有名なアーティストのライブを中止したら何万人という規模の人たちが集まらなくなるわけですが、満員電車はどれくらいの人たちが移動しているかご存知でしょうか。朝の8時台だけで首都圏で200万人が移動しています。
そう考えると、限られた時間だけでも200万人が移動しているところになんの対策も打たないで、ライブや集まりだけ自粛しようというのも不思議な話です。

新型肺炎に対する対策としては、以前にも紹介しましたが、20分から30分ぐらいの少しきつめの早歩きか軽いジョギングぐらいの定期的な運動と、お風呂に入ってしっかり温めてから30秒だけ冷水を浴びるということを行うことで、風邪など感染症への罹患リスクが半分ぐらいになったという研究もありますので、僕はこれを普段からしています。
その上で、しっかりこまめに手洗いをするようにしてできるだけ余計なものに触らないようにしています。
やはり普段から免疫を高めておくぐらいしかできないのかなと思います。

信頼できる相手を見抜くには?

今回は地位が上っていくと人間は変わってしまうという話を紹介させてもらいましたが、政治家に限らずこれは皆さんの周りでも起きることでもあります。
人間が相手を信用できるかどうかを見るときに、その相手の性格や正直さ、信頼さで見るわけですが、今回紹介したように権力の階段を上っていくだけで、人間というものは性格が変わるし、それ以外にも様々な条件により人間の信頼度というものは変わっていきます。
皆さんは自分が人を見る目があると思いますか?
人間が信用していい相手と信用してはいけない相手を正しく選び分けることができる確率はどれぐらいだと思いますか?
実際にはこの確率は50%程度です。
そう考えると、2人信じるとそのうち1人は裏切られるということになってしまいますのでかなりシュールな話です。
この確率を上げる方法はないのかということを調べてまとめた放送をニコニコで以前にさせてもらっています。
今回のおすすめの動画として「味方になる人、敵になる人の見分け方【バージニア大学研究から】」を紹介しておきます。
これを政治家を見抜くために使ってもあまりメリットはないかもしれませんが、皆さんの日常生活ではきっと役に立つと思います。
どのような人を信じれば裏切られる確率を減らして成功することができるのかということを解説させてもらっています。是非チェックしてみてください。

そして、地位が上って性格が歪んでいくという話を紹介させてもらったわけですが、自分はそんな人になりたくはないという人もいると思います。
ですが、残念ながら悪い人の方が出世するものです。様々な理由があり特定の部分が悪い人間は出世しやすいということが分かっています。
このようなことを理解しておくと、別に皆さんが悪くならなくても、そんな人たちがしている似たような行動だけを利用すれば出世することができるというようなことを書かれている『悪いヤツほど出世する』を今回のおすすめの本として紹介しておきます。
なんであんな人が出世するのかとか、悪い人ほど上に行くのはなぜなのかと疑問に思う人もいると思いますが、その人はこの本を読んでいただけるとすっきりすると思います。是非チェックしてみてください。

今回のおすすめ動画
味方になる人、敵になる人の見分け方【バージニア大学研究から】https://www.nicovideo.jp/watch/1582739885

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References
Supported by Yu Suzuki  https://ch.nicovideo.jp/paleo

本内容は、参考資料およびチャンネルの過去動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:David DeSteno (2014 )Who Can You Trust?


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