皆さんの周りにもいるのではないでしょうか。
頑固なバカと言うと言葉が悪いですが、間違っていることや間違ってる人のことを信じ続けている人のことです。そういう人をなんとか説得したいとか、間違っていることになんとか気づいてほしいけれど、どうすればいいのだろうかもう悩むこともあると思います。
基本はスルーですが、説得したい場合は・・・
このような人たちをどのようにして説得すれば良いのでしょうか。
その人と利害関係がないのであればスルーするのがいいかもしれませんが、今回は何とか説得したいという方のためにできる方法を紹介します。
基本的には説得の技術が使えます。
前提:無駄に終わる可能性が高い
科学的に分かっている説得のテクニックが色々とありますので、それを使うことができますが、間違った情報を信じきっている人を説得するということは無駄に終わる可能性が高いので気を付けた方がいいということがイリノイ大学の研究で分かっています。
1994年から2015年の間に行われた間違った情報を信じている人を改心させる方法を調べた研究の中から、質の高いものを集めて6878人分のデータをもとにメタ分析を行なっています。
結論としては、他人の間違った思い込みを完全に修正するのはほぼ不可能だということが分かっています。
例えば、参加者の人達を集めて、あえて間違った情報を伝えます。現在国が行なっている医療改革は老人を殺すための陰謀が紛れているというようなめちゃくちゃな話を伝えました。普通に考えれば信じないようなものですが、一度それを受け入れてしまうと、参加者の人達に正しい内容を新しい情報として伝えたり、何の根拠もなく間違った内容だったと修正したり、あるいは、相手の感情に訴えかけて間違った情報に流されないようにアドバイスも行うなど、あらゆる方法を試しましたが、それを修正するのはかなり難しいものでした。
あらゆる説得を試みても、頑固なまでに自分の思い込みにしがみついたということです。
一応、色々試した中で、思い込みを修正するのにかろうじて効果があったとされているポイントが見つかっています。
間違った思い込みにしがみついている人を修正することはかなり難しいですが、それを修正する可能性が少しでもあるポイントを紹介します。
1. 相手が間違って信じているニセの情報の細部を繰り返してはいけない
例えば、最近流行っていたホメオパシーというものがあります。ホメオパシーとは、簡単に言うとアレルギーの原因になるような物質を薄めて少しずつ摂取することで、体を慣らせようとするものです。最もひどかったのは、原発の事故が起きた際に、放射線で汚染されている土を100倍の希釈を何度も繰り返してから摂取することで放射線に体が慣れて云々・・・というようなことを言う人たちまでいました。このような人たちを説得しようとしたら、その根拠とされている部分を掘り下げて論破しようとしてしまいがちです。
ですが、そのような話をしてはいけないということです。
相手が間違った情報を信じている時に、その間違った話の根拠になっている部分を論破しようとしている過程の中で、その内容を繰り返して話してしまうと、相手は頑なになってしまいその内容に固執するようになってしまいます。
相手が信じている内容をひっくり返すために、相手が入っている内容を何度も繰り返すのは危険だということです。
2. 新しい内容の細部を伝える
例えば、ホメオパシーにはその根拠となるまともな論文がひとつもなく、RCT(ランダム化比較試験)も1件もないしメタ分析も行われていないし、効果が実証された論文も既に覆っているというような説得はありだということです。
相手が信じていることを間違っていると指摘することは意味はありませんが、そうではなく、それを認めた上で最新の情報ではそれが覆っているというように、新しい情報を細かく伝えるということは、まだ説得につながる可能性はあるということです。
頭ごなしに否定しても聞く耳をもってくれませんが、相手が勝手にその新しい情報を調べたり、気づくきっかけを作ることが大事です。
新しい正しい情報を伝えようと思うと、それを調べること自体もかなり難しかったりすることもあります。そのような場合は、もう少し調べてみることを促すだけでもいいのではないでしょうか。
相手が自分の考えを変えるきっかけになるような新しい情報に触れさせることを考えてください。そのための新しい情報を提供する、あるいは、新しい情報に触れるように促すことが大事です。
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Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/0956797617714579