この知識はこんな方におすすめ
- いつまでも挑戦できない
- 全てを受け入れて前に進みたい
完璧主義の人たちとは?!
今回は、完璧主義を治すための日記の書き方について紹介させてもらいます。
基本的には、完璧主義というものはデメリットになる心理特徴のひとつです。
完璧主義の人が完璧に至ることはありません。
結果に対して完璧にしたいと考えるのはいいと思いますが、そもそも完璧というものがどの辺りになるのかということは手をつけてからでないと分からないし、何をするべきなのかということも見えないので、まず手をつけない限りは完璧に至ることはありません。
ところが、完璧主義の人たちとは、完璧な準備ができて、準備が完璧だからゆえに自分の手に入る結果が完璧に得ることができるということを確信してからしか行動しない人たちのことです。
準備の段階で完璧になるものなんてこの世には存在しません。
僕たちは、ある程度の準備が整ったら始めて、そこから常に改善を積み重ねていき、そこから自分が望んだ結果に近いところにたどり着くことはできます。
このような最善主義は存在しますしいいと思いますが、完璧主義というものは、そもそもこの世にないものを追い求めているので、いつかは白馬の王子様が迎えに来てくれること待っているようなもので現実的には無理です。
それを待ってしまうというのが完璧主義のデメリットであり正体です。
ですから、もし皆さんが準備が整うまでは行動ができないとか、何かしらの今行うべきではない理由をつけてしまい先延ばししてしまうとか、失敗するのが怖いので試すことさえもできないとか、これらに身に覚えがあるというのであれば、それは完璧主義に陥っている可能性がありますので、ぜひ今回紹介する方法を使っていただき完璧主義を治してみてください。
完璧主義を治すための日記の書き方
まずは、完璧主義なのか最善主義なのかということを見極める方法を知ってください。
今回2つの方法を紹介しますが、ひとつは毎日の日記でできる方法です。
日記が面倒だという人は毎日のスケジュール帳などでもいいと思いますが、夜お風呂に入る前やお風呂に入った後などに、自分が今日何をして何を感じたのかといったことを日記として書くことはメンタルにいいという話を紹介したことがあります。
この時に以下の要素を追加してください。
「今日自分が完璧主義者のような行動を取ってしまったのは何だったのか」
「今日自分が最善主義者として行動を取ることができたのは何だったのか」
これを日記に記録してもらい、完璧主義の行動と最善主義の行動の数を比べるということをしてもらえると、自分はこのような時に完璧主義な部分が出てくるとか、もう少し最善主義にしたほうがいいといったことが見えてきます。
無限に書き出してしまうと終わらなくなってしまいますので、今日自分がしてしまった完璧主義者のような行動を5つと、最善主義者としての行動を5つ記録して、過去に同じような事をしていないかということをチェックする方法でもいいと思います。
こちらの方が、完璧主義はほっておくとまた再発してしまうものですから、自分でチェックするという意味ではいいのではないかと思います。
完璧主義については、分かりやすく言うと「こんなことではだめだ思考」と言えます。
こんなことではだめだ、もっとちゃんとしないといけないと考えるのが完璧主義です。
一方、最善主義というのは、「まあ、こんなもんか思考」です。
よくベストを求めるよりもベターを求めるべきだと言われますが、そのベターを常に求めていく思考です。
例えば、完璧主義の人たちがよくするのは、失敗することを極端に恐れるとか拒否するとか、辛い感情や悲しい感情などのネガティブな感情や強烈なストレスを拒絶したり、小さな成功の積み重ねを否定して大きな成功ばかりに目を向けます。
さらに、現実から目を背けることも多く、今日は準備ができなかったのから行動しなかったけれど、準備さえ整えば自分も出来ると現実逃避してしまいます。
つまり、完璧主義者が拒絶するものは4つあります。
失敗
ネガティブな感情
小さな成功
目の前の現実
これらから逃れている人は完璧主義者である可能性が非常に高いです。
こんなことではだめだと考えているから、この4つから逃れているわけです。
一方で、最善主義者の人は逆です。
こんなものかと受け入れる能力が高い人です。
失敗を受け入れて学ぶことができる
ネガティブな感情を受け入れて前に進む方法を知っている
小さな成功を大切にして自分の成長を感じることができる
目の前の現実を受け入れることができる
この大きな違いがとても大切です。
この4つをリストとして持っておき、それを踏まえながら、毎日日記を書いてみるのがいいと思います。
完璧主義を治す文章完成ワーク
そして、より効果的な方法ももうひとつ紹介しておきます。
文章完成ワークというものですが、前半の文章が決まっていて、その前半の文章をもとにして後半の文章を考えていくというだけのワークです。
これはポジティブ心理学や認知行動療法などでも使われている方法で、人間は前半の文章があると後ろの空白を埋めたくなります。
その後半の文章を埋めることによって自分と向き合うというワークです。
今回は、そんな文章完成ワークの中から完璧主義対策として使えるワークを紹介しておきます。
これからいくつかの前半の文章を紹介しますので、その後ろの文章を1つの文章に対して6つ考えてみてください。
これをちゃんとしようとするとおそらく20分ぐらいは時間が必要になると思いますが、この20分はとても重要な時間で、自分のメンタルや自分のネガティブな感情と向き合うためには紙に書くのが一番いいとも言われていますし、以前紹介したエクスプレッシブライティングの代わりに文章完成ワークを使ってみるのもいいと思います。
「自分も人間であると許すならば・・・」
「自分の素直な感情を拒絶した時には・・・」
「あと5%だけ完璧主義でなくなれば・・・」
「あと5%だけ現実的になれば・・・」
現実的になるということは、諦めるということではなく受け入れるということです。
あと5%だけその現実を受け入れることができれば、自分はどうなるだろうかということを想像してみてください。
「最善主義者になれば・・・」
最善主義者になったとしたら、自分の気分や自分の仕事や人生がどのようになるのかということを想像してみてください。
「自分の小さな成功をあと5%だけ正当に評価するのであれば・・・」
完璧主義の人は、自分はもっと大きな成功ができるはずだと考えて、自分の小さな成功を見ていません。そうするとモチベーションはどんどん下がっていきます。
そんな自分の小さな成功をあと5%だけ正当に評価するとしたら、どうなるのかということを想像してみてください。
「失敗を受け入れれば・・・」
自分が失敗を受け入れることができるようになれば、自分の気分や行動がどのように変わるだろうかというようなことを想像してみてください。
「私が恐れていることは・・・」
自分が恐れていることと向き合うことはとても重要なことです。
完璧主義の人は何かを恐れて自分から逃げている人です。そのために現実から目を背けたり失敗から目を背けたり、自分の小さな成功からも目を背けるということが起きてしまいます。
「私が望んでいることは・・・」
この文章を完成ワークが最初に出てくると、おそらく完璧主義の人は完璧な未来を想像してしまうはずです。
これまでの文章を完成ワークを行って、自分が完璧主義ではなく最善主義になろうという気分になっているところで、この自分が本当に望んでいることは何なのかということを考えてみてください。
「この文章を完成ワークを行うことによって分かってきたことがある。それは・・・」
それぞれの文章に対して 6つずつ書くことができたら、それらを眺めてもらって、これぐらいならできるだろうとか、これが簡単そうだと思えるものを見つけて、それを翌日から実践してみてください。
これは一度行って終わりでもいいと思いますが、できれば毎日行なってもらえるといろいろな発見もあると思います。
これは直感で構いません。
あまり難しく考えて悩んでしまうと、1つの文章に6つ書き出すわけですから結構大変です。
あまり悩まずに、自分に向き合うためのトレーニングと思って直感で取り組んでみてください。
これにより徐々に完璧主義から脱することができて、最善主義者になることができて行動力も上がると思います。
今回は、完璧主義対策を2つ紹介させてもらいました。
ぜひ試してみてください。
重要なことを先延ばしにしないためのおすすめ
完璧主義の危険なところは、完璧に準備ができないと行動できないので先延ばししてしまうし、完璧に情報が揃っていないと決断することもできないというところです。
そうなると物事を決めることができなくなってしまい、決めることができないから前に進むこともできないし、先延ばしになってしまいます。
面倒だから先延ばししているのではなく、意思決定ができないから先延ばししているのではないかということに気づくことがまず必要です。
今回のおすすめの動画としては、そんな対策として使える動画を紹介しておきます。
完璧主義対策には今回紹介した方法だけでなくたくさんの方法があります。
その対策を行うことによって、皆さんの決断力を高めていく方法をさまざまな研究から紹介し解説しています。
先延ばしが起きてしまう原因としては、今回の完璧主義以外にも原因がたくさんあります。
その理由と対策について解説した内容になっています。
ぜひチェックしてみてください。
今回のおすすめの本としては、先延ばし対策のおすすめの本を2冊紹介しておきます。
まずは、『先延ばしする人は早死にする! 「あとで」を「すぐやる」に変える心理学』です。
これは僕の本ですが、先延ばしに関する最新の研究をリサーチして、それをまとめた内容になっています。
ちなみに、タイトルで先延ばしする人は早死にするとしていますが、大事なことを先延ばしする人ほどかえってストレスが溜まってしまいます。
このストレスによって実際に心臓にとても負担がかかってしまいます。
ですから、大事なことを先延ばしする人は心肺機能が衰えたり心疾患にかかるリスクが高くなるという研究が実際にあります。
皆さんも特に大事なことを先延ばしするのはやめたほうがいいと思います。
そして2冊目は、『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』です。
これは先延ばし研究で有名な方の本で、これも先延ばしの原因と対策についてわかりやすくまとめてくれているので、とても参考になると思います。
ぜひチェックしてみてください。
リサーチ協力の鈴木祐さんの論文解説チャンネルもオススメです
Supported by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
本内容は、参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Ben-Shahar, Tal (2009)Even Happier: A Gratitude Journal for Daily Joy and Lasting Fulfillment