悪夢対策
悪い夢を見ることはありますか?
いわゆる悪夢というものに悩まされる人もいますし、夜中に起きてしまうということもあると思います。
悪夢を見なくなる方法が見つかったという興味深い研究があります。とても簡単な方法ですので、悪夢に悩まされている人はぜひ参考にしてみてください。
ドレスデン工科大学が行なった研究で、戦場に行って自分の親友が目の前で飛んでしまったというような強烈なレベルのトラウマに苦しんでいる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の40人の男女を対象に二つのグループに分けて実験を行っています。
このPTSDでは、いわゆるフラッシュバックという現象がよく起こります。思い出したくないトラウマの原因になっているその瞬間が、突然思い出されたりすることでパニックを引き起こしてしまいます。これがひどくなってしまうと、日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。
この方々に二つのグループに分けて眠ってもらいました。それによりどのようにすれば悪夢を見る確率が減るのかということを調べたものです。
いい香りを嗅ぎながら眠ってもらったグループ
普通に眠ってもらったグループ
これによりどのような違いが出るのかという事を調べました。
その結果、なんといい香りを嗅ぎながら眠ると悪夢を見る確率が飛躍的に下がったということです。
ちなみに、この実験で使われたいい香りというのは、バラやラベンダー、オレンジやピーチなど、一般的なアロマオイルなどである香りです。香りを嗅ぎながら眠ってもらうグループには、この4種類の香りの中から好きな香りの部屋を選んでもらって眠ってもらいました。5日間その経過を確認して、どれぐらい悪夢を見るのかという事を調べました。
その結果、いい香りを嗅ぎながら眠ったグループの人達は悪夢を見る確率が下がり、さらに、何の副作用も確認されませんでした。
香りの効果
昔からアロマオイル(特にラベンダー)で睡眠の質が上がるという研究は結構ありますが、睡眠の質が上がるだけではなく、悪夢を見なくなる効果まであるということがこの研究では分かったということです。
このような効果の原因としては、不安が減少することによります。
不安感や恐怖感というものが悪夢を見せたり、あるいは、悪夢を見たと思い込ませたりします。いい香りを嗅いでいるとこの不安感や恐怖感が減少するので、その結果悪夢も見なくなり、不安に苛まれることも減り、リラックスして眠ることができるようになります。
嗅覚と感情のコントロール
PTSDの方でなくても、いい香りを嗅ぐことでよく眠れるようになりますし、悪夢対策にもなります。
研究者のコメントとしては、人間の嗅覚というものは感情のコントロールに大きな役割を果たしているということです。確かに、香りを嗅ぐことによって感情や映像が湧き上がることがあるはずです。紅茶の香りを嗅ぐと紅茶の映像が思い浮かびます。
このように人間の嗅覚と脳は密接に結びついていて、進化論的に見ると、感情を司っている脳のエリアは嗅覚を司っているシステムから分岐して生まれたとされています。人間は嗅覚を発達させて感情を作ったという可能性さえあるわけです。
ですから、良い香りにより感情やメンタルのコントロールができるわけです。
女性は比較的アロマやいい香りが好きな人が多いですし、男性よりも香りに敏感な人が多いです。よく女性は感情の生き物と言われますが、感情的な能力が高いので元々の分化元の嗅覚の能力も高いのだと思われます。
このような側面もあるのかもしれません。
おすすめのアロマオイルなどを紹介しておきますので、是非参考にしてみてください。
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Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jts.22359