優柔不断を1.49秒で治す方法ですが、この1.49秒は何の時間だと思いますか。
それは、コイン投げの時間です。
実際に何度か投げてみると平均で1.49秒でした。
優柔不断な皆さん、あるいは、迷ってばかりで決めることができない皆さん、決断の仕方は簡単です。コインを投げて決めましょう 笑。
コイン投げで良い選択ができる?!
コインを投げて決めると良い選択をすることができるという研究があります。
今回のポイントは3つあります。
- 人生において大事な決断はコインを投げて決める
- 迷う時点でコインを投げる
- 決断ルールを決める
シカゴ大学の経済学者のスティーヴン・レヴィットという方がいて日本でも『ヤバい経済学』や『0ベース思考』など結構良い本を出されている方で、『ヤバい経済学』は特に合理的に論理的な思考を得られるのでおすすめです。スティーヴン・レヴィットさんが人生の重要な選択はどうやって決めれば良いのかということを調べてくれています。
例えば、仕事を辞めるべきか否か?結婚するべきか否か?離婚するか否か?家を買うべきか否か?・・・そのような誰にでもある人生のターニングポイントをどうやって決断するべきなのでしょうか。
科学的には難しい問題ですが、どうやって決めたら一番良い選択ができるのかということがわかりたいわけです。
失敗するのが怖かったり迷っている人がどうすれば後悔せずに良い選択ができるのかということを調べたものです。
レヴィットさんはコイン投げサイトを作り、自分がやるべきかどうか悩んでいることがあったらその悩みを書き込み画面上のコインを投げて、表が出たら実行しましょう、裏が出たら止めておきましょうというメッセージが出るだけの非常にシンプルなサイトです。
1年かけて4000人の悩みを収集し、ユーザーに対して追跡調査を行い実際にコイン投げをしたことによって人生がどのように変わったのかということまで調べています。
結論としては、書き込まれた悩みとして一番多かったのは、
- 1位:今の仕事を辞めるべきかどうか
- 2位:離婚するべきかどうか
でした。
コイン投げの結果に対してどれぐらい従ったのかというと、サイトを使ったユーザーの63%が実際にコイン投げの結果に従っていました。意外と多く半数以上の人たちがコイン投げに人生を委ねていました。
コイン投げに従ってその結果はどうだったのでしょうか。
その結果、コインが表だろうが裏だろうが、自分が悩んでいることを実行に移した人の方がその半年後の幸福度は高かったということです。結局、悩んでいるのであればしたほうがいいということになります。
さらには、その悩みのレベルが高ければ高いほど、それを実行したほうが幸福度は高くなりやすかったということも分かっています。
- 悩んでいるのであれば実行した方がいい
- その悩みが大きいものであればあるほど実行した方がいい
ということになります。
現状維持バイアスというまやかし
そもそも僕たちはなぜ悩むのか、悩むくせにどうして取り止めるのかということを、レヴィットさんは上手に解説してくれています。
例えば、今皆さんが持っているスマホを捨てますか?捨てるかどうか悩みますか?悩むこともなく捨てることはないはずです。お財布の中の一万円札をビリビリに破りますか? 破るわけないですよね。なぜかというと必要だからです。つまり、僕たちは悩んだ時点で決まっています。
悩むようなことであればずっと悩み続けてしまうし、悩み続けているとそれが良くなかった場合は後悔してしまうし、悩み続けている間ずっとそのことを考えていないといけないので神経がすり減ってしまいます。今悩んでいるのであれば試した方が、悪い結果になれば学びになるし良い結果になればラッキーということです。いずれにせよそれ以降同じことで悩む必要はなくなるわけです。
僕たちは悩んだ時点でそれを実行したいと思っているわけです。やった方がいいということは分かっているけれど、現状を維持した方が良いという現状維持バイアスが働いています。
やるべきか否かで悩んでいるのではなく、やりたいこととバイアスで悩んでいるわけです。だったらした方がいいということです。
皆さんがもし仕事を辞めるべきかということで今悩んでいるとしたら、きっと自分の中では辞めたほうが幸せになれるし今の仕事よりももっといい仕事があるということはある程度確証を持っているということです。ところが現状を維持しようというバイアスをみんな持っているのでそれにより無駄に悩んでしまうだけです。
コイン投げというのはそのダラダラ無駄に悩んでいることに対して決断をさせるための決断システムにすぎなかったわけです。
やるべきか/やらないべきか
で悩んでいるのではなく、
自分はやるべきだとわかっている/バイアスが邪魔している
により悩んでいるので、一方のバイアスはただのまやかしにしか過ぎません。これが分かっても人間は悩んでしまうものですから、決断ルールを持っておくことが大事です。
コイン投げでも結構ですがスマホを使うという方法もあります。スマホを裏返しておいて自分の好きなタイミングで画面をぱっと見ます。出ている時間の下一桁の数字が奇数か偶数かによって決めるという方法です。このような決断システムを使って悩みをストップさせると現状維持バイアスから逃れることができます。
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多くの人には現状維持バイアスが備わっていて、現状維持させようとするバイアスは間違っている可能性が高いということ覚えておいてください。そもそも現状維持がベストなのであれば迷わないはずです。迷っている時点で現状から脱したいと皆さん思っているはずです。ところが余計な現状維持バイアスというまやかしの選択肢により振り回されているだけなのでそれをなくしましょうということです。
僕が現状維持バイアスに惑わされないためにおこなっているのは、少しずつ工夫を続けるということです。
何かを練習したり勉強するときもずっと同じ方法をしているとどうしても飽きるものです。飽きてしまうし現状維持で満足をするようになってしまいます。それを防ぐためにも方法を少しずつ改善したり変えていくようにします。
新しいことを学ぼうとしたり挑戦しようとするときも、上達の早い人は少しずつ方法を変えたり試したりしますが、なかなか上達しない人はずっと同じ方法を繰り返そうとします。自分のやり方が間違っているかもしれないし、他人のアドバイスも自分には少し感覚が違う場合もありますから、アドバイスは聞きながらも少しずつ自分で方法を変えていくことで現状を脱出することができるようになります。
二択では選ぶことができない選択やそもそも選択肢がない悩みもあるものです。そんな後悔しない選択ができるようになるにはどうすれば良いのか。
つづきは、
より良い選択をするための11のチェックリスト~最新脳科学&心理学実験でわかったニューヨーク大学式「後悔しない選択」の仕方とは
▶️https://www.nicovideo.jp/watch/1522163426
参考文献
https://www.nber.org/papers/w22487