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NHKから国民を守る党【立花代表の当選理由を心理学的に解説】

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NHKから国民を守る党 立花代表の当選理由を心理学的に解説

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今回もまた心理学的に時事ネタを解説してみます。
NHK から国民を守る党の立花さんが当選し、しかも、2%の壁を突破し政党要件を満たしたというすごいことが起きています。これに対しては、政治に関して無知の人たちのせいでこんなことが起きたと批判している評論家もいますが、民意とはそもそもそういうものです。
そもそも政治に興味がないような人たちがほとんどで、だからこそ政治家という専門家がいるわけです。みんなが政治のことを分かっているのであれば、政治家なんて必要ないわけです。

そういう意味では、N国党の件は政治的な民意だと言えます。
スピーチに関しても批判されていましたが、はっきり言って上手だったと思います。そのへんの政治家よりもはるかにスピーチが上手でした。
皆さん、他の政治家が今まで何をした人なのか、答えることができますか?
政治ではキャッチコピーが難しいものです。長年していて上手い人もいますが、下手な人もたくさんいます。その政治家が何をしたい人なのかが分からないし、人にそれを伝えるのもはっきり言って難しいです。
これは、政治家のスピーチがいかに下手くそかということを表しています。
それに比べて立花さんはうまかったと言えます。
今回は、このあたりを心理学的に解説させてもらいます。

1. ユーモアを活用したスピーチ

皆さんは政見放送を見られましたか?NHK の政見放送で「 NHK をぶっ壊す」ということを連呼するというところもありましたが、考えはともかくとして見た人は興味を持ち笑ったと思います。
スピーチにはユーモアがとても重要です。

例えば、「NHK をぶっ壊す!」と軽いガッツポーズとともにお笑い芸人さんのようなエンターテイメント要素もあり、かなりきわどい発言もされていて笑ってしまいましたが、このようなユーモアやギャグセンスというものが、その人の仕事に対する評価にどれくらい影響を与えるのかということを調べたハーバードビジネススクールの研究があります。

この研究では3つの実験を通して、ユーモアの効果を確認しています。
例えば、ペットの汚物処理を行う会社を舞台にした実験では、家などで犬や猫が粗相をしてしまった時にその清掃してくれる会社があり、社員の方々に、他の同僚を評価する文章を書いてもらうお願いをしました。その際、2つのパターンに分けています。

真面目に同僚の仕事ぶりを評価する文章

ユーモアを交えて同僚の仕事ぶりを評価する文章

これにより、真面目に評価を語った場合とユーモアを交えて評価を語った場合で、どちらの方が評価が高くなるのかということを調べたものです。
ユーモアを交えた文章はいわゆるブラックジョークも交えたかなりきつめのものでしたが、ユーモアを間違えた方が評価が高く有能だと思われやすいという結果が確認されています。

ですから、彼は不倫路上〇〇を連呼したり放送の切れ方も計算していて、ユーモラスにより興味を引こうと考えたのだと思います。しかも、興味を引くだけでなく彼自身が有能に見えるという特典も付いてきたわけです。
それにより、興味を持つこともできないような他の政見放送に大きく差をつけて、あれだけの躍進を遂げたのではないでしょうか。

ユーモアを上手に使いこなせる人は、有能に見えるものです。彼の場合は、前半にユーモアを交えて興味を引きつけておいて、後半に真面目な話もしっかりするという素晴らしい構成だったと思います。

2. 子供でもわかるスピーチ

2つ目のポイントとして、子供でもわかるスピーチをしていることがあります。
政見放送は当然ながら有権者を対象にした内容ですから、投票権を持っていない子供に対しては軽視している人も多いです。

はっきり言いますが、大人でも子供と同様の理解力しかない人がほとんどです。大人と子供の違いとしては、もちろんバックグラウンドになる知識の違いはありますが、子供は目の前に出されたものに対して興味を持った場合には、全力でそれを知ろうとするので、僕たちよりもはるかに子供達の方が、例えばゲームの好きな子供であればゲームについての知識は豊富ですし、車や電車が好きな子供であれば驚くほど詳しかったりします。スマホやパソコンでも大人顔負けに操る子供達もたくさんいます。子供たちは興味を持つことにより知識不足を補うわけです。
ところが、大人は興味がないので、自分自身に前提とする知識があったとしても積極的に情報を仕入れることができません

ですから、子供でもわかるようなスピーチにしないと、大人も理解してくれません。特に興味を持ってくれない大人には理解されません
彼は、その点をとても上手に使っていて、専門用語も出来るだけ使わないように工夫していました。
例えば、最初に「NHK をぶっ壊すというのはどういう意味かと言うと、これは NHK を見たくない人には電波を止めることを目指すということです。それは専門的な言葉で言うとスクランブル放送をかけるということです・・・。」というように、専門用語で押し通すのではなく、分かりやすく説明をしていました。

さらには、子供でもわかるようなストーリーも作っていました。例えば、NHK で自分が内部告発をしたらいじめられたという話から、正直な子供が大人になれと言われて嘘をつく大人になっていってしまう、そして、嘘をつく人が得をして正直者がいじめられる世界はおかしいというように、一貫して政治を知らない子供でもわかるようなストーリーをしていました。

これは国民の一番の真意を理解していると言えます。
国民の一番の真意とは何でしょうか? それは、政治に興味がないということです。ですから、投票率も低いですし、平和な国民ほど政治に興味がなくなるということが数々の調査でも分かっています。
ですから、そんな政治に興味がない人達に見せないといけないということを彼は分かっているので、ユーモアや子供でもわかるようなストーリーにより共感を煽ったわけです。

さらには、韻を踏むような文章も含めていました。小泉さんもとても上手かったですが、韻を踏む文章を作ることによって説得力はあがるということが分かっています。ことわざなども韻を踏んでいるから説得力が高くなるわけです。
例えば、海外での実験ですので英語で行われていますが、「急がば回れ」ということわざを「回らば急げ」というように意味のわからない形に置き換えても説得力はそれほど変わらなかったという研究もあります。つまり、文章の韻を踏んでいる構造が説得力を作るということです。

ですから、彼は、「弱いものいじめをしない正義感、失敗を他人のせいにしない責任感、公のために尽くしたい使命感」というような韻を踏んだ文章を随所に盛り込んでいました。

他には、例え話が上手いというのもありました。具体的な話よりは、例え話がストーリーを使った方が人間の心は動くということが研究により分かっていますので、例えば、大塩平八郎の百姓一揆の話などしていましたが、自分の言いたいことはNHK をぶっ壊してスクランブル放送をかけることだけでも、それを様々な例え話やストーリーを使ってフォローしていました。
ワンメッセージ・ワンアウトカムといって、ひとつのスピーチで伝えたいことはひとつにしないといけないという原則も守っていました。

また、「NHK をぶっ壊せ」は何度も連呼していましたが、不倫路上〇〇の話など、ひとつひとつのトピックを必ず3回から5回程度繰り返していました。
これは広告では常識とされているテクニックですが、デイヴィッド・オグルヴィという現代広告の父と呼ばれている方が言っている広告反応の原則として、人間は広告やメッセージに3回以上触れた時に初めて反応するものだから、3回から5回は触れるようにしないといけないとされています。
実際に、心理学者が行った研究でも、相手を説得する際に3回以上繰り返した場合には説得確率は46%で、10回繰り返した場合には説得確率は82%まで上がるということが分かっています。

他にも、政治家ですと言わず、政治家ユーチューバーですと言ったり、政治家になりたいということよりもどちらかというと変えたい制度を具体的に言ってスピーチをしていましたので、科学的に見た場合ですが、他の政治家よりもちゃんと政治家をしているという印象も受けました。

3. 大衆を動かす3つのポイント

世の中を変えようとする革命家や時代を動かす政治家、あるいは宗教家がいますが、このような人たちが必ず使っていた大衆を動かすための3つのポイントがあります。
彼はこの3つのポイントを全て押さえていました。

<1>社会的証明の利用

<2>仮想敵

<3>大義名分

これらを使ってる人が意外と少ないものです。

<1>社会的証明の利用

彼は誰よりもネットの使い方が上手い政治家だと感じました。ネットはもちろんバズりやすいとか色々な人が見てくれるという特徴もありますが、彼の YouTube のチャンネルにはかなりの登録者数もいました。
社会的証明というものは、多くの皆がその人を支持しているということを知ると人はそちらになびく特性です。みんながいいと思っているものや流行っているものは、多くの人が欲しくなるというものです。これは多くの人が選んでいるものは正しい選択だという心理が人間にあるからです。彼はそれをちゃんと数値化していました。政治家はたくさんいますが、かなり有名な人を除けばその人がどれぐらいの支持を受けて当選したのかということは僕たちは分かりません。ところが YouTube や SNS は如実に登録者数が現れます。この登録者数や再生数を出して行くことによって、この社会的証明が働きその考えにも一理あるかもと思わせることができるわけです。
社会的証明が活用できるように YouTube も使っているのが、人を動かすべき立場にいる人が学ぶべきポイントと言えます。

<2>仮想敵

よく政治の世界では、他国を敵にしたり一部の政治家を敵にすることで支持を得るという方法があります。敵を作ることによって団結を作るということはよく使われた手法です。
彼の場合は、自分は庶民派だということをアピールした上で、少数のエリートを仮想敵としています。それにより大衆の支持を得ています。

エリートによる国民からの搾取というものを国民に訴えかけて政治を変えたり革命を起こすということは歴史を遡ってもいくつもありました。このような革命家や宗教家がよく使う対立構造をちゃんと使っていました。
例えば、少数のエリートが何も考えることなく政治をしているので無駄なお金が取られているということを言うことによって、大衆の支持を得ることができていました。さらには、そのようなエリートたちは、誠に遺憾ですとかは言っても、正直に頭を下げてごめんなさいが言えていないし、こんな人たちが政治をするべきではないと、少数のエリートを敵に回すことによって大衆の支持を得ているわけです。

そして、大衆の痛みを理解していました。誰もが嫌がることはお金を取られることです。
NHK はスマホからも受信料を取ろうとしていて、ネットで放送を勝手に始めることによってNHK も見ることができるので受信料を払わないといけないとしようとしているとことに対して、誰がスマホで NHK を見たいと思っているんだと言っていましたが、やはり、ちゃんと大衆の意見を分かっています。

政治家は、普通の暮らしをして普通の人の気持ちが分からないといけないということを言っていた政治家が過去にもいました。
世界で最も貧しい大統領と言われ覚えている人も多いと思いますが、ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領です。
彼は、「政治家や大統領というものは国民の代表で、多くの国民がしている生活と同じ生活をしなくてはいけない。だから自分は贅沢な暮らしはしない。なぜかと言うと、ウルグアイでは皆がまだ贅沢な暮らしをしているわけではないからだ」と言っていました。
このような大衆の心をつかむことをちゃんとしている政治家はほとんどいません。表面的には言葉にしても行動する人はそういるものではありません。

ホセ・ムヒカさんは、キャッチコピーも上手いし、とても興味深いバックグラウンドを持っている人ですので、今回のおすすめの本として紹介しておきますので是非読んでみてください。

<3>大義名分

大義名分は政治家は絶対に掲げなくてはいけないものです。ところが、しない人が結構多いです。
自分の辛さや弱さを正直にアピールして、その中から共感を手に入れ、なぜ今自分がそういう事をしなくてはいけないのかという大義名分をアピールしていることが彼の素晴らしいところでもあります。

例えば、彼が NHK の不正経理を告白したら内部でいじめを受けて退社することになり・・・という話から、正直であろうとした人が心の病で自殺してしまったりする理不尽さを訴え、「国民の気持ちを分かっていない政治家がそんな制度を作っていることがおかしい」ということにまで論理展開をしているということが、とても上手いと感じました。
大義名分で煽っているという点でも素晴らしいスピーチだったということです。

僕も、正直に言って最初は何を言っているんだと馬鹿にしていましたが、ちゃんとスピーチを見てみると、しっかり考えているとも感じました。
中身もなくただ政治家になりたいと思っている人よりは、制度を変えたいと思っている人が政治家になった方ができることは多いとも思いますので、是非頑張っていただけたらと思います。

今回は心を惹きつけるスピーチの話をしました。
彼のスピーチを真似しようと思うとなかなか難しいと思いますが、人の心を動かす為のポイントを要所々々で押さえていました。
普段のコミュニケーションを含めて人を動かす話し方ができる人は得をします。人を操る説得力のある話し方を学んでみるのもいいのではないでしょうか。

言いくるめられて損をしたくない人のためのおすすめ動画
人を操る話し方の極意〜上級者向け
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1539532622

リサーチ協力:Yu Suzuk https://ch.nicovideo.jp/paleo/

参照:https://psycnet.apa.org/record/2016-54537-001

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