人間関係 読む・操る

【炎上】無駄に議論したがる奴らの正体

この知識はこんな方におすすめ

  • やばい人達の正体を理解したい
  • そんな人達に振り回されたくない

無駄な議論、どうでもいい炎上に必死になる人達

ネット上で無駄な議論を一生懸命したり無駄な炎上に必死になる人たちがいます。
例えば、Yahoo ニュースなどを見てみると、芸能人の不倫問題であったり、最近であれば、有名人の箸の持ち方がどうなのかといったどうでもいい議論が好きな人たちがいますが、このような人たちはそもそも何のためにそれをしているのでしょうか。
このようなネット上のどうでもいい議論やどうでもいい炎上に加担する人たちとはどのような人たちなのかということを今回は解説させてもらいたいと思います。

これは道徳的スタンドプレーという行動で、このような人たちは結構やばい人達ですので、間違いなく近づかない方がいい人達ですし、皆さんの周りにも、このような事が大好きで炎上系のニュースは大概追いかけていて知っているという人がもしいたら、普通に縁を切った方がいいのかもしれません。
この人たちの正体について科学的に暴露していきたいと思います。

人の上に立っている感覚を得たいだけ…

まず結論から言うと、ネット上で一生懸命無駄な議論をしたり、炎上に加担してバトルをする人たちがいます。別にそれにより自分が得をするわけでも損をするわけでもないですし、どちらかと言うと、時間が無駄になるわけですから損をするはずなのに、例えば、芸能人の不祥事とか問題はそのことから被害を被っているわけでもないので関係がないはずなのに、それについてわざわざなぜ一生懸命議論するのでしょうか。

実は、彼らは他人を支配したいだけだということが研究からわかっています。
ネット上で一生懸命議論をしたり無駄な議論をしている人達は、自分が正義のためにしているとかいいことをしているということではなく、ただ単に他人の上に立って誰かの上に立っているという感覚を感じたいだけです。

つまり、弱っている人や社会的に追い詰められている人に対して一生懸命ディスったり議論に参加することによって、その人たちの上に自分は立っていると思いたいわけです。さらには、自分は含蓄があることを言っているから、その炎上で騒いでいる人たちよりも自分の方が上だと思いたいだけです。
炎上の当事者を見下すことによって自分を上に上げて、さらに、議論に参加して他の人よりも自分がたくさんコメントしたり他の人を論破したつもりになることで、自分は他の炎上に参加している人たちよりも上にいると思いたいだけだということです。

ネット上の議論や SNS 上の議論というものは、最終的には単なる罵詈雑言であったり何の役にも立たない方向に進んでいきます。
以前も紹介しましたが、ネット上の炎上に加担する人たちはネットユーザー全体のわずか0.47%だけだと言われていますので、総数としてもほぼ無理無視してもいいぐらいです。

ですが、この一定数の人たちがいつまでもしつこく炎上を繰り広げます。
この一部の同じ人たちが全ての炎上に加担し続けるというわけですが、なぜそんなにも無駄なことを一生懸命するのでしょうか。
それはそれをすることによって自分が他人の上に立っている感覚を持つことができるからです。
ですから、このようなネット上の議論や SNS 上の議論というものは、どんどん過激かつ不快な言葉が増えてくるということがいわれています。

道徳的スタンドプレーの特徴

このようなことについて調べてくれた研究があります。
ネット上の議論や炎上が荒れていくのは、道徳的スタンドプレーということが行われているからだとされています。
彼らは他人に自分を印象付けたいと思っています。要するに、他人に構ってもらいたいわけです。自分はここにいるということを言いたいだけです。

それと同時に、社会的ステータスを手に入れたいと考えています。自分は他の誰かよりも含蓄があることを言っている、あるいは、他人を見下したり他人を論破することによって、自分が社会的に上にいるということを実感したいわけです。
これが道徳的スタンドプレーと呼ばれるものです。

ですから、さも自分がいいことを言っているように見えて、実際には、激しい議論をすることによって自分が社会的に上に立っているという感覚を持ちたい、あるいは、実際に社会的に上に立ちたいという欲求が現れているのが道徳的スタンドプレーです。

芸能人の不倫とか不祥事とか、その人が復帰しようがしまいがほとんどの人には関係がないわけですから彼らが何をしようが構わないはずです。テレビに映るのがどうなのかという議論はまだ分かりますが、YouTube に出る出ないということはただ見なければいいだけなので尚更関係がないはずです。そんなことに対してまで文句を言っている人たちがいます。
これは結局、その文句を言うことによって上に立ちたいだけという人間としての器の小ささが現れているだけです。

今回の研究では、この道徳的スタンドプレーにはいろいろな形があり、ネット上に限らず皆さんの日常生活の中でも、どうでもいいところにわざわざ首を突っ込んで行って上から目線で物事を言って満足して帰っていくような人もいると思いますが、これも道徳的スタンドプレーに含まれるものです。
彼らがしたいことというのは、共通して周囲に対して自分を印象付けたいということです。ですから、綺麗事やよくわからない正義感、道徳的な非難といったものを振り回して、道徳や正義、常識を盾にして他人を非難します。
その避難を押し付けることによって、他の人が見ているところで恥をかかせたいと考えています。他の人が見ているところでその人をディスることによって、その人は論破されたりして下に落ちているところをみんなに見せたいわけです。自分がその人を叩き落したということをみんなに見せつけたいと考えているわけです。

それにより自分が上に上がっている感覚を持ちたいということです。
ですから、公共の場で他人に恥をかかせたり、自分に同意しない人の間違いを一生懸命高らかに宣言して大げさな感情表現を使うことによって、自分がいかに凄いかということを周りの人達に見せつけたいだけであって、彼らは別に正義の味方でも何でもありません。正義や道徳のためではなく自己満足のために一生懸命しているだけです。
これが道徳的スタンドプレーの特徴です。

道徳的スタンドプレーの度合いが高い人達とは?!

確かに、ネット上の炎上などを考えてもほとんどがこのような感じで進んでいきます。
この研究では、研究チームはまず道徳的スタンドプレーの度合いを測るテストを作りました。全部で10問の質問がありますが、簡単に言うと、自分の考えや道徳的な発言といったものが他人に対してどれくらい影響を与えるのか、どのようにあるべきと考えているのかといったことであったり、自分に反対する人たちを攻撃したり不快にするために、政治的な信念や常識や道徳といったものをどれぐらい利用しているかということをチェックするテストを作りました。

さらに、研究チームは他にもいろいろな研究も行っています。
1000人以上のアメリカ人の男女に対して、この道徳的スタンドプレーの度合いを測るテストやその人達の性格を分析するためのパーソナリティテストを行い、政治的なポリシーも調べました。
そして、参加者たちがどれぐらい他人に対してマウントしたりディスったりするかということを調べました。

この結果全体的に一貫したパターンが見えてきました。ネット上の無駄な議論や炎上が好きな人たちの正体が見えてきました。
この道徳的スタンドプレー度合いが高い人、つまり、他人をディスったり炎上や議論に加担することによって、自分はすごい人間で社会的に認められていると思いたい欲求のレベルが高い人ほど、ネットで激しい言葉を使ったバトルを行うということが分かっています。
ただ単に、激しい論調で主張するだけであれば構いませんが、このような人たちはバトルをするわけです。そのような違いもありますが、彼らはやはり激しい言葉を使ったバトルが好きだったということです。

さらに、自分の仲間や自分の周りの人たちから名声を集めたいという欲求は、実は、性格でいうとナルシストの性格と外向的な性格と高く相関しているということが確認されています。
要するに、道徳を振りかざしたりして炎上に加担する人たちは、自分中心で物事を見て周りにも自分中心で考えて欲しいナルシストの特性があり、さらに、外交的なので多くの人に自分のすごいところを見てほしいと考えている超見栄っ張りでめんどくさい性格です。

この他人を支配したいという欲望は、自己愛性敵意という自分の利益のために他人を捨て駒のように扱い利用する傾向と強く相関しているということも確認されています。

ですから、ネット上で無駄に激しい議論をするような人達は、ナルシストで自分が大好きで、自分の事をもっとみんなに知ってもらいたいと考えていて、さらに、他人のことを利用して自分の利益に変えていくことを何とも思わない人達です。
さらに、誠実性が低く物事をコツコツと成し遂げることがとても苦手で、協調性が低くチームワークがなく周りに合わせることもできず、おまけに、開放性も低いので新しいことに興味を持ったり新しい意見や考え方に目を向けることがとても苦手です。成長することもなくずっと同じところに留まっているという性質とも相関していることが確認されています。
ネット炎上が好きな人たちはこんなにも悲惨な性格をしているわけです。

このようなことも政治的な信念によるのではないかと考える人もいると思います。
ですが、どんな政治的信念を持つかということと道徳的スタンドプレーの度合いとは関係がなかったということも分かっています。
政治的にどんな考えを持っていようと、それとは別で道徳的スタンドプレーは現れる可能性があるということです。

速やかに距離を取り相手にしない!

ちなみに、この道徳的スタンドプレーの度合いが高い人達のしがちなネット上の行動もあり、自分に賛成する人たちをやたらとリポストやリツイートします。それと同時に、自分と意見が違う人達をからかうためにも盛んにリポストします。
いずれにせよ、こういう人たちはリポストやリツイートがやたらと多い傾向があります。
基本的に、このような人たちの欲求は自分が炎上を率いることで名声を獲得したいという欲求他人を叩き落とすことによって自分が他人を支配したという感覚を持ちたいという2つの欲望で動いているのではないかということが、この研究から言えるわけです。

ずっと炎上に加担したりいつまでも騒いで無駄な議論をしたい人達は、要するに、自分が大好きなナルシストで、かつ、外向的で見栄っ張りで、さらに、他人を自分の欲求のためならいくら利用してもなんとも思わないマキャベリストで、真面目さは低く周りに合わせることができない新しいことを受け入れることもできない人達です。
このような人を見かけた時には速やかに距離を取るようにしたほうが賢明です。相手にしないのが一番です。

相手にするべきではないと言われても、一般の方でもTwitterで変な人に絡まれたりすることもあると思いますし、そんな時にはどうすればいいのでしょうか。
なかなか難しいですが、サイコパスの特性に学ぶことができます。
サイコパスというとやばい人をイメージすることが多いと思いますが、彼らの特徴は自分の感情にも他人の感情にも鈍感になることです。そうなると、あまりイライラすることもありませんしスルーする能力がとても高くなります。
皆さんはこのサイコパスになるわけにはいきませんが、サイコパスが使っているスルースキルの戦略だけを学べば、他人をスルーすることができるようになります。

今回のおすすめの動画として、その方法を解説した「サイコパス式スルーの技術」を紹介しておきます。
人間関係で面倒な人に絡まれたりした時に、無駄にイライラすることなくラクにスルーするためにぜひチェックしてみてください。
そして、見るからに面倒な人だとわかる場合であればまだ構いませんが、いい人だと思っていたのに影で裏切るような人もいます。
このような人をカバートアグレッション(隠れた攻撃性)と言って、隠れている分より危険でもありますので、見分けるための方法を解説した「いい人のふりして攻撃してくるカバートアグレッション対策」も紹介しておきます。
このような人は皆さんに人気があったり調子がいい時には仲間のようなふりをして近づいてきますが、皆さんの弱みを握ったり皆さんが追い詰められるようなことがあった時にはその弱みをネタに脅してきたりします。このような人たちは内側にいる隠れた敵ですから、早めに対処しておかないとかなり危険です。こちらもぜひチェックしてください。

今回のおすすめの本としては3冊紹介しておきます。
『他人を支配したがる人たち』は、カバートアグレッションの研究をされているジョージ・サイモン博士の本で、他人に取り入って陥れたりするやばい人たちがなぜそんなことをするのかということを理解することができます。
サイコパスに関することも書かれていますが、『良心をもたない人たち』もおすすめで、理解することができれば対処することができるようになります。
そして、『ネット炎上の研究』はネットの炎上というものが実際にどのようにして起きるのか、ネットの延長に関するわずか0.47%の人たちがどんな人達なのかということを詳しく紹介してくれています。
この3冊を読んでもらえれば、今回紹介したようなやばい人達の理解は進むと思います。無駄に炎上や議論に、そして、それに加担しているやばい人達に振り回されないように参考にしていただければと思います。

Dラボでおすすめ動画をチェック
サイコパス式スルーの技術
いい人のふりして攻撃してくるカバートアグレッション対策

被害者ヅラして他人を攻撃する人達を見抜く!

偽善者を見抜く!

今回のおすすめ本
¥2,420 (2023/03/30 07:39:46時点 Amazon調べ-詳細)
¥880 (2023/03/30 12:17:03時点 Amazon調べ-詳細)
¥836 (2023/03/30 08:47:34時点 Amazon調べ-詳細)

リサーチ協力
Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo

本内容は、参考資料から考察した科学の面白さを伝えるエンタメです。あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0223749
http://www.midss.org/maladaptive-covert-narcissism-scale-mcns
George K., Jr., Ph.D. Simon ‬(2010) In Sheep's Clothing: Understanding and Dealing With Manipulative People

他のカテゴリーもチェック


他の人はこちらも検索しています

知識をさらに検索

この知識はどうでしたか?

-人間関係, 読む・操る
-, , ,