この知識はこんな方におすすめ
- マインクラフトに夢中
- どうぶつの森に夢中
皆さんはゲームが好きですか?
僕は最近は本ばかりを読んでいますがゲームが好きだった時期もあります。ファイナルファンタジーには結構長い時間を使ったとも思います。
最近ではOculus QUESTというVR のゲームでBeat Saberに結構ハマっていたりもします。
今回は、皆さんもおそらく大好きであろうマインクラフトやどうぶつの森のようなゲームをすると創造性が高まり問題解決能力が高まったりいいアイデアを思いつく能力が鍛えられて、ある意味脳トレになるのではないかという研究がありましたので、これをもとに解説したいと思います。
ゲームで創造性が高くなる?!
参考にしている研究はざっくりまとめると、大学生にマインクラフトをしてもらい創造性を測るテストを行ったところそのスコアが高くなったという研究です。
どのようなゲームが創造性を高めてくれて、逆にどのようなゲームが創造性を下げてしまうのかということを調べてくれています。
312人の学生を対象に、過去2年から3年の間にどれぐらいゲームをしているのかということをチェックしたり、ゲームによりどれぐらい創造性を得られると思うかといったアンケートに答えてもらっています。
そして、普通にただマインクラフトをするグループとクリエイティブにマインクラフトを楽しんでみてくださいと言われてゲームをしたグループとただテレビを見たグループ、そして、車を運転するゲームをしたグループの4つのグループに分けています。
それぞれ45分間遊んでもらいました。
その上で人間の創造性を測るためのテストを受けてもらい、それぞれのグループでの創造性の変化を調べるということを行っています。
その創造性を測るためのテストとしては4つ行われていて、1つ目は創造性に関するアンケートに答えてもらう自己評価形式のもので、2つ目はモノの通常とは違う使い方を考えてもらうというテストです。
これは、例えばペットボトルを渡されてペットボトルとは別の使い方を考えてみてくださいというようなテストになります。
よくあるテストでは、レンガを渡されてレンガの新しい使い方を考えてみてくださいというような代替利用法テストとも言われるテストです。
次は謎解きのようなテストで、3つの単語が並べられてその関連性を考えるようなテストです。
例えば、「水・砂・場」の3つを提示されて答えとしては「風呂」というような共通点を思いつく感じです。
それに加えてお絵かきを使った創造性のテストも使って、さまざまな方向から参加者の創造性をチェックしています。
その結果分かったこととしては、特にゲーム歴の長い人は創造性が高まっているという結果が確認されています。
ゲーム歴の長さが創造性の高さと正の相関がみられたということです。
ただし、残念なこともありGPA(成績指標値)のスコアが下がっていました。
ですから、学校の成績は少し下がるかもしれないけれどゲーム歴が長くなればなるほど創造性は高くなるということです。
この研究では、元々の頭の良さが関係しているといけないのでその点もちゃんと調整して分析を行っています。
そこでは、流暢性や独自性、収束思考や創造的制作能力などいろいろと調べられていますが、流暢性に関しては特に指示のされなかったマインクラフトをしたグループが一番増加していて、独自性や収束思考に関してはそれほど差が出ていませんでした。
これは要するにオリジナリティーが出るわけではないということです。
ですが、創造的制作能力はクリエイティブにゲームをしてくださいなど余計な指示をされることなくマインクラフトをしたグループが他のグループよりも高いスコアを示していたということです。
自由度を発揮することができるゲームで創造性は鍛えられる!
では、ここが重要なポイントだと思いますが、なぜ特に指示をされなかったグループの方が指示をされたグループよりもスコアが高くなっていて、さらに、同じゲームなのに車を運転するゲームよりもマインクラフトのようなゲームの方が創造性が高くなっていたのでしょうか。
運転をするゲームでスコアが上がらなかったのは、そのゲームが運転を正しくするというように型にはまった状況で行うゲームだったからではないかと言われています。
つまり、思考が固定されているわけです。
正しく行えば答えにたどり着くことができるというゲームの場合には、創造性は高まらないということです。
ですから、自分の自由度を発揮することができるゲームの場合には創造性が高まるのではないかということです。
マインクラフトでは自分で量子計算機を作るというような人もいるぐらいですから、いろいろなことができて自由度が高いわけです。
どうぶつの森も同じようにかなり自由度が高いと思います。
このゲームの中ではこれをすればクリアというものがなくて、人によって株を買ってもいいし釣りをしてもいいしいろいろなことができると思います。
このような自由度が高いゲームをすれば、それにより創造性が高まるのではないかということが示唆された研究です。
ですから、普通にマインクラフトをしたグループの方がクリエイティブにマインクラフトをしてくださいと指示されたグループよりも創造性が高くなっていたのは、おそらくはこのクリエイティブにしてくださいという指示をされたことによって、クリエイティブな仕方について余計な考えが巡ったことにより自然と制限が生まれて自由度が減ってしまったということも考えられます。
できるだけ自由にいろいろなことができるゲームの方がクリエイティビティは高くなるということです。
マインクラフトやどうぶつの森のように、人と違うことがいくらでもできて他の人が思いつかないようなこともできるゲームを楽しんだ方がおそらくは創造性が高まるのではないかということがこの研究から示唆されたことです。
そのあたりを意識してより自由に楽しんでもいいのかもしれません。
ゲームの力をさらに活かすためのおすすめ
今回はそんなゲームの可能性について紹介させてもらいましたが、ゲームには他にもたくさんの学ぶべきところが実はあります。
ゲーミフィケーションといってビジネスや学習においても注目されている領域があり、ゲームにはついつい夢中になっていつまででもしてしまうような感覚があると思います。
なのに、読書はできないし勉強も続かない、仕事はやる気にならないということもあるのではないでしょうか。
これはゲームというものに人間の脳を刺激して全ての集中力をそこに発揮することができるようにとても上手に作られている部分があるからです。
このゲームに夢中になってしまう人間の性質がどのような部分から来るのかということを調べて、それを勉強や読書、仕事で使うことができたらとても素晴らしいのではないでしょうか。
そんな方法について調べられているのがゲーミフィケーションという領域です。
そのゲーミフィケーションについて解説している動画を今回のおすすめの動画として紹介しておきます。
こちらの動画ではゲームに使われている要素を仕事や勉強に取り入れることによって、まるでゲームに夢中になっているかのように仕事や勉強がはかどるようになるということを解説した内容になっています。
ゲーミフィケーションにおける13の基本テクニックをどのように日常生活の中で使うことができればゲームをしているかのように仕事や勉強が進むのかということが学べます。
これは結構使える内容になっていると思いますので、ぜひ日常生活に取り入れていただけたらと思います。
発想力とゲームにまつわるおすすめ本
こちらは僕の新刊で現在予約受付中になっています。
創造力を高めて人生を切り開くための方法について解説した内容になっています。
いいアイデアを思いついてもそれを形にすることができれなければ意味がありません。そんな方法について紹介しています。
こちらの2冊はどちらもゲームを使って人生を変える方法とそれにまつわる科学を学ぶことができる本ですので、ゲーム好きの方には特に読んでもらいたい本です。
ゲームと言われると時間の無駄のように考えて、ゲームをし過ぎた時に自分を責めてしまう人もいるかもしれませんが、別に自分を責める必要はなくその特性の使い方をしているかどうかの方がはるかに大切です。
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1人1冊ですが完全に無料で、無料の期間が終わっても一度ダウンロードしておけばずっと聞くこともできるそうですので、まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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本内容は、記載された参考資料のみならず、過去の動画を元に大胆な独自の考察したもので、あくまで一説です。ここでの結論は、記載された論文とは異なる場合があります。
参考:Blanco-Herrera et al., “Video Games can Increase Creativity, but with Caveats”, Creativity Research Journal (2019)