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マスコミの皆さんにお願いがあります。

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この知識はこんな方におすすめ

  • マスコミの皆さん
  • 誰かを説得し正したい方
  • バイアスに左右されたくない方

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マスコミの皆さんへお願い

今回はマスコミの皆さんにお願いがあります。お願いがありますと言ってもなかなか聞いてはもらえないと思いますが、一応お願いしてみようと思います。
最近の台風や大雨による災害で各地で大きな被害が起きていますが、「こんな大きな被害が起きている」「こんなひどい状況になっている」「こんなに大変な状況だ」というような報道をたくさんしていると思います。
これは別に間違ってはいませんが、もう少し工夫しないとマスコミの皆さんが報道すればするほど、復興しようと思い頑張っている人たちがネガティブな気分になってしまいます。どうせならば良い影響を与えていただきたいと思います。
今までも、マスコミがどのようにして民衆を心理コントロールしていくかというような話をしてきましたが、どうせコントロールすることができる力を持っているのであれば、別にマスコミの皆さんが損をするわけではありませんので、良い方向にコントロールすることを考えていただければと思います。マスコミの皆さんが知らない可能性もありますので、参考にしていただけたらと思います。

人間というものはみんながしていることに無意識に従ってしまったり、みんながしていることは正しいと思い込んでしまう傾向があります
ロバート・チャルディーニさんの『影響力の武器』にも書かれてあるように、例えば、地元の新聞で黒人が白人に暴行されたというニュースが出たとすると、その新聞が配布された地域だけで黒人が白人に暴行される事件が増えてしまいます。
つまり、マスコミが報道すると、みんながそんなことをしていると民衆は無意識に感じてしまいます。それにより無意識にその行動をしやすくなってしまうということです。
例えば、有名人が自殺したというニュースが報道されると、そのニュースが報道された地域やそれを見聞きした人たちの中で自殺率が上がってしまうわけです。
他にも、人間の死に関する事件や事故のニュースが流れると、事故率も上がるということがあります。
これも『影響力の武器』に書かれていることではありますが、例えば、自殺や殺人事件のニュースが新聞で報道されると、その人間の死を連想させるニュース記事の面積に比例して、飛行機の事故率や車の事故率が上がってしまうという調査もあります。
人の死を連想させるニュースがマスな媒体で発信されると、僕たちは無意識に死に向かってしまうということです。
みんながそれで死に向かうわけではありませんが、普段よりその傾向が少し高くなってしまうわけです。そうすると、例えば、思い悩んで自殺を考えていたけれど何とか踏みとどまっていた人が、無意識に危険な運転をしてしまったりして、それにより事故率が上がってしまうということです。

ネガティブなニュースを伝えるのであれば・・・

ですから、マスコミの皆さんはよく有名人や著名人に対して影響力があるのだから発言には気をつけるべきだというようなことを言いますが、テレビや新聞でのニュースというものは、みんながそうしているとか、そう思っていると感じさせる力がとても大きいものです。
そういう意味では、マスコミの影響力というのものはとても大きいわけです。

では、どのように報道すればいいのでしょうか。
ネガティブなニュースを伝える時には、それ以上に、そんな経験をしている人の中にも頑張っている人がいて、立ち直っている人もいるという情報を必ず付けるようにするだけで、効果はかなり変わってきます
例えば、痛ましい殺人事件が起きたとしたら、その事件に対してなんてひどいことなんだということで終わらせるのではなく、それは本当に酷い事件だと伝えても、その後に、過去に起きた同様の事件や事故に巻き込まれた人が、今は立ち直って強く生きているという事例もあるということを付け加えるようにすればいいわけです。
そうすると、辛い事件や事故もあるけれど、そんな状況に追い込まれても頑張っている人もいるから自分たちも頑張らないといけないという方向に多くの人たちをコントロールすることができるわけです。

女性差別の問題でも同様

男女格差の問題についても同じような研究があり、例えば、今回参照している論文によると、女性がセクハラやパワハラを受けているということを報道するのも大事なことだとは思いますが、女性差別が横行しているということを発信するだけでは逆に差別意識が大きくなってしまうということが分かっています。
これはセントルイス大学の研究で、被験者を2つのグループに分けて、片方のグループには女性差別は多く行われていると報道されているけれど実際には珍しいケースだということを伝え、もう一方のグループには女性差別は広く起きている問題で多くの企業で一般的に起きているということを伝えました。
その後に、全員に対して女性にどのような認識を持つのかということを調べました。
普通に考えると、女性差別が一般的に起きているということを伝えられたグループの方が、それにより問題意識を持ち女性を守る方向に動きそうな気がしますが、実際には違いました。
実際には、女性差別が一般的に行われているということを伝えられたグループの方が、女性は仕事に向いていないと答える確率が上がったということです。つまり、女性差別がより加速してしまっていたわけです。
この論文では、経営者を対象にした実験も行われていますが、経営者もやはり同じような傾向が確認されています。
女性差別が多くの企業で問題になっているということを伝えられたグループの方が、女性差別が珍しいケースだと伝えられたグループよりも、女性に対する評価が一様に厳しくなっていたということです。
しかも、この経営者に関しては、女性差別が多くの企業で横行していると伝えられた経営者は、その後のアンケートで、女性を採用したくないと答える確率がなんと28%もアップしていたということです。

なぜこのようなことが起きてしまうかというと、経営者のように自分は自分の意思でちゃんと判断していると考えている人であっても、人間はみんな無意識のうちに大勢の意見に従ってしまう傾向があるからです。
つまり、女性差別が一般的で様々なところで起きていて問題になっているということを伝えると、あくまで無意識にですが、そのような差別が一般的でみんながしていることと思ってしまうわけです。そうなると、女性差別をかえって気にしなくなってしまい、結果女性差別が余計にひどくなってしまうということが起こります。

「そんな中でも克服し乗り越えている人も大勢いる!」

このような女性差別のような問題が起きていることを伝えることは大事です。大事ですがそれだけでは足りないということです。
女性差別が様々なところで起きていて多くの企業で問題になっているけれど、そのような中でも、多くの女性はその偏見を克服し様々な活動をしていていたり、あるいは、その偏見を乗り越えて社会的に成功したりしているとか、男性優位になっている業界の中でも頑張っている女性がいるという情報を付け加えるようにしてください。
このような主張の仕方をすると、先ほどの経営者の実験であれば、女性を採用したいと答える確率が28%逆にアップしたということです。
このような主張に対しても、人間というものは多くの人の意見に従いたいという傾向が無意識に表れるということが分かります。

誰かの行動を正しい方向に変えさせたい場合も

他にもこのような現象は確認されていて、例えば、学生がお酒を飲みすぎるという問題を解決するための実験でも、最近学生がお酒を飲みすぎたために起きた事故が増えていると注意するよりも、優秀な学生ほどお酒を飲んでいないということがわかったと伝えた方が、学生がお酒を飲み過ぎる問題を解決する成功率が上がったという結果が確認されています。

ですから、皆さんが誰かを説得したいと考える時には、大勢の人がそうしているということを伝えるのはしていると思いますが、もし、最近増えてきている問題を正したいと考えるのであれば、「確かに、最近多くの人たちがそのようなことをしているようだけれど、実際には、それを乗り越えようと頑張っている人たちもいるし、その問題を乗り越えて成功している人たちもたくさんいる」ということを伝えるというところまでをしないと、逆効果になってしまう可能性があります。
人間というものはみんながしていることは正義だと無意識に考えてしまいます。それが悪いことであっても皆がすることになると正しいことだとなってしまいます。無意識のうちに、そう感じやすくなってしまうということです。
是非参考にしていただけたらと思います。

性格別説得のテクニック!


基本的にはスルーしたほうがいいですが、こんな人を説得したい場合はこちら


説得のテクニックを学ぶためのおすすめ動画
ロンドン大学の脳神経科学的説得術
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1549080364

リサーチ協力:Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo

本内容は、以下の参考文献を元にした、DaiGoの独断と偏見を含む考察により、科学の面白さを伝えるエンターテイメントです。そのため、これらは、あくまでも一説であり、その真偽を確定するものではありません。
より正確な情報が必要な方は参考文献・関連研究をあたるか、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。
訂正や追加情報があれば、随時修正や追記をします。
参考文献:https://psycnet.apa.org/record/2014-43472-001
Robert B. Cialdini PhD(2009) Influence: The Psychology of Persuasion (Collins Business Essentials) (English Edition) Revised Edition
https://www.collegedrinkingprevention.gov/supportingresearch/journal/journalstudiesalcohol.aspx


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