気弱な人は、他人に言い負かされたり、言い返したいけれど言い返すことができず、うまいこと丸め込まれてしまい損をするということもあると思います。気弱な人が1.8倍も言い負かされないようになるための方法を紹介します。
承諾誘導のテクニック
ザールラント大学の研究をもとにしていますが、気弱な人が他人と交渉をしたり他人と会話をするときに言い負かされないようになるためにはどうすればいいのかということが分かっています。
いわゆる相手に YES と言わせる為のテクニックである承諾誘導を身につけておくと、自分が交渉において相手に YES と言わせたい場面でも使うことができますし、逆に、自分が損をしてしまうことに対して YES と言われそうになっている時にもそれに気づくことができます。
ですから、ハードな交渉をする人はもちろんですが、普通の人でも身につけておくべきテクニックでもあります。
感情に揺さぶられていると失敗する
この研究では約200人の学生を対象に、全員を3つのパターンに分けて架空のセールスの交渉を行ってもらい、その交渉力の差を調べるという実験を行いました。
普通に交渉をしてもらったグループ(コントロール群)
相手が挑発してきて自分が怒っている状態で交渉してもらったグループ
相手が怒っている状態で交渉してもらったグループ
つまり、普通に交渉をした場合、自分が怒っている場合、相手が怒っている場合で、どれぐらい交渉による成果に差が出るのかということを調べたものです。
結論としては、やはり普通に交渉した場合が圧勝でした。自分が怒っていても相手が怒っていても、交渉がうまくいく可能性は半分以下まで低下したということです。
感情に揺さぶられている時には交渉は上手くいかないわけです。
交渉のテクニック
別の実験で、交渉のテクニックを教えたらどうなるのかということを調べたものがあります。これも3つのパターンに分けました。
普通に交渉をしてもらったグループ(コントロール群)
交渉のゴールを事前に設定したグループ
if then プランニングを使ったグループ
その結果、if then プランニングを使ったグループが圧勝しました。
よく交渉の場面では事前にゴールを設定することが多いと思います。相手が値引き交渉をしてきたらいくらまでだったら応じるけれど、それを越えたら断るというようなことを決めることがあると思いますが、そのゴールに進まなかったら決裂してしまうこともよく起こります。
ゴールを設定しないよりはした方がいいですが、if then プランニングを使った方が交渉力を発揮して柔軟に交渉を成功させることができるということです。
if then プランニング
このif then プランニングとは、「もしAが起きたらBをする」という条件を事前に決めておく方法です。あらかじめ自分が陥りやすいことをAとして、それの対策をBとして、決めておきます。
例えば、もし相手が強い態度を示してきて自分が負けそうになったら、あくまで自分と相手は対等だということを思い出すとか、もし相手が強硬な姿勢に出てきたら、自分はその商談を断ることもできるということを一旦思い出すというように、事前に決めておくということです。
このif then プランニングを設定するだけでも、単にゴールを設定するよりも、交渉がうまくいく確率が高くなりました。
気弱な人は特に相手の感情により自分も影響を受けてしまいます。そのような時も自分の弱気になった感情を一旦リセットすることができます。
細いif then プランニングを設定していた方が1.8倍も交渉がうまくいくということが分かっていますので、是非実践してみてください。
気弱な人は、もし相手が無理難題を言ってきた時には、自分と相手は対等だということを思い出すでもいいですが、もっと細かく設定してもいいです。例えば、僕の場合は、割と先の予定だと受けたくもない仕事もついつい受けてしまうことが多かったので、もし一か月以上先の予定を言われた場合には、必ず予定を確認する約束だけをしてその場ですぐ答えないとしました。このようなことを決めておくだけでも、ついつい流されて承諾してしまうことが減ります。
今回のおすすめ動画
ロンドン大学の脳神経科学的説得術
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1549080364
Researched by Yu Suzuki http://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/10463283.2015.1112640?journalCode=pers20