今回は、男らしさについてです。
男らしい人は、実は鬱になりやすいという研究があります。
これは男らしい人というよりは、男らしい自分であろうとする人が、鬱になったり不安に取り憑かれたりしやすくなるということです。
「男らしさ」の害
アメリカ心理学会(American Psychological Association:APA)が、一般的によく〇〇らしさと言われますが、「男らしさ」には害しかないからもうやめたほうがいいということを警告をしていて興味深かいので紹介させてもらいます。
いわゆる伝統的な男らしさにこだわる人は、あまり良くないのではないかということで、最近よくジェンダーフリーの活動をされている人もいますが、LGBT とか男性とか女性とか偏見をなくすことももちろん大事ですが、男はこうあるべきだというような考え方自体が、そもそもメンタルに良くないということを指摘してくれています。
アメリカ心理学会が定義する男らしさとは、女々しいという意味に対して対義語としての男らしさ、物事を達成しないといけないとか弱さを見せてはいけない、冒険心を持って事に当たらないといけない、リスクを取らないといけないというようなものです。
このようなカテゴリーの人はこうあるべきだという考え方には害しかありませんが、男らしさというものも同様なのではないかとするものです。
このような昔ながらの男らしさに対する価値観が、現代の男性のメンタルにネガティブな影響を与えているのではないかとされています。
男性のうつ病も自殺率も増えている
実際に男性のうつ病が急激に増えたのは世界的に見るとリーマンショックの以降です。リーマンショックの直後には男性のうつ病が急激に増えて女性に比べて自殺率も増えてしまいました。
これは昔ながらの男らしさのせいではないのかと考えられたものです。例えば、男であればこうあるべきだとか、男は稼がないといけない、男が女性よりも強くいなければいけない、というような考えを持っている経営者が、リーマンショックの影響で会社を失ったりしたことでうつ病になったりというような問題が起きたのではないかということです。
男性同士のコミュニケーションをとる時にも、弱さを見せないようにしようという意識が働くので、これがメンタルに良くないともされています。
嫌なことやへこみそうなことがあった時には、女性は女性同士のコミュニケーションの場においてそれを吐露することでメンタルを保つことができますが、男性の場合はそのようなことがあった時にコミュニケーションを取るのではなく引きこもってしまいます。自分の情報を周りに出さないように一生懸命になってしまうので、それがメンタルに対しての害になっているのではないかということです。
実際に、このような自分の感情を偽る男性独特の考え方がよくなくて、感情を偽れば偽るほど体を壊してしまうという研究があります。免疫力が下がったり風邪をひきやすくなり、人間関係を壊す原因にもなるということです。
「〇〇であれば・・・しなければいけない」
このように伝統の男らしさには害しかないので、もうやめたほうがいいということをアメリカ心理学会が指摘しているわけです。
別に男らしくあってはいけないということではありませんが、男らしくできない自分も別にいいし、男らしいかどうかではなく、今の自分を客観的に見てそのまま受け入れるということをしないと、メンタルをどんどん病んでしまうということです。
「男であれば・・・、大人なら・・・、女性であれば・・・〇〇しなければいけない」という考えには、デメリットしかありません。
このような考え方で生まれた不安は、実際にうつの原因にもなりますので、気をつけてください。
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Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://www.apa.org/about/policy/boys-men-practice-guidelines.pdf