学習法・記憶法

速読の嘘〜本を早く読めるようになる科学的手法

2019年4月23日

DaiGo MeNTaLiST

速読ができるようになりたいと思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

単なる読み飛ばし

科学的に効率よく本を読む方法や、本の内容を頭の中に残すための方法はありますので、何度も読み返すことなく早く本を読むことができるという意味では速読とも言えます。
そういう意味ではなく、一冊を1分で読めるようになるというような速読は全て嘘です。研究により、そのようなトレーニングは全て意味がないということが分かっています。
速読として有名なテクニックは、満足度を上げるけれど理解度を下げてしまいます。つまり、読んだ気分になってしまうだけということです。

科学的に正しい正しい速読はひとつしかありません。それは、「慣れ」です。基礎知識に対する慣れです。例えば、心理学の本を読もうと思えば、心理学の基礎知識を頭に入れて読むと、書いてある内容に対する予測ができるようになります。それにより、良くも悪くも読み飛ばすことができるようになり、本を早く読めるようになるわけです。
基礎知識をしっかり入れて、そのジャンルに慣れ親しむことによって、読まなくてもいい場所を判別することで、結果的に一冊の本を読む時間を短くするという意味での速読はあり得ます。

僕たちが新しい知識を身につけるためには、インプットした後に、何も情報を入れない時間が一定時間必要です。知識を頭に入れたら、その後、しばらく何もしない時間を取るようにしないと、記憶は定着しません。ですから、仮に速読ができて、理解できたとしても、頭に残ることはありません。

例えば、カリフォルニア大学の研究で、科学的に正しい速読の方法とはどんなものがあるのかということを調べてくれたものがあります。過去に行われた速読の実験データを集めてレビューを行っています。
結論としては、速読は単なる読み飛ばしであり、書いてある内容が難しい本や、自分が知らない内容を書いてある本に関しては、速読は発揮できないということが分かっています。

速読術・速読トレーニングの嘘

よくある速読術は、目の動きや周辺視野という視覚トレーニングがほとんどです。ランダムに書かれている単語を組み合わせて意味のある文章を作るとか、本を開いたら、面で捉える、かたまりで捉える、2〜3行ずつ読む・・・色々言われていますが、ほとんど無駄です。
このカリフォルニア大学の研究によると、大概の速読術は、目の動きや視野をトレーニングしようとしていますが、その時点で既に間違っていて、僕たちの読書時間を決めている要素の中で、目の動きは10%以下です。
目の動きがどんなに早かったとしても、書かれている単語の意味や文脈が何を表しているのかということに対する基礎知識がないと、それを脳が理解するまでに一定の時間が必要なので、理解度とは関連しないということです。

なかなか理解できないとか、何度も読み返してしまうという人もいると思いますが、最初はそれが当たり前です。たくさんの本を読んで、同じジャンルの知識を学んだり基礎知識を吸収していくことで、初めて効率的に読めるようになるわけで、普通の人は、同じ文章を何度も読み返したり見返したりしながら、徐々に理解を深めていき、脳に基礎知識を作っていきます。それを怠って、最初から速読をしようとすると、ちゃんと理解をする前に前に進んでいってしまうので、誤読が生まれます。間違った知識が定着してしまいます。間違った自信が生まれてしまいます。

海外には速読チャンピオンという人がいます。速読の協会が開催している速読選手権のようなものがあります。ハリーポッターの最新刊を読んだところ、チャンピオンは47分で一冊を読み切りました。そして、その小説を以下のように纏めました。

これはページを読む手が本当に止まらない素晴らしい一冊だ。最高に楽しかった。子供たちには大人気ですし、子供が好きそうなシーンもたくさんあります。でも、ちょっと悲しいシーンもありますね。

たったこれだけです。
小学生でももっとマシな感想文を書くはずです。

結局、速読によって読んだ気分になっているだけです。速読チャンピオンは47分間でハリーポッターを読んだという満足感に浸ってはいるけれど、実際には内容を全くつかめていないので、この程度の感想しか出てこないわけです。

こんな無駄な満足感を得たり、読む時間を自慢したくて、僕たちは本を読むわけではありません。

科学的に正しい速読

では、科学的に正しい速読の方法とは何でしょうか。

情報処理能力を上げることが唯一の方法です。そのジャンルに対する情報処理能力を上げることです。
結局、知っている知識が増えることによって、効率的に読むことができるようになるということしかありません

最初はコツコツと基礎知識を頭に入れて、慣れてきたら、知っている内容は読み飛ばして、新しい知識だけを読もうとする、あるいは、知っている内容しか書いていないと思ったら途中で読むのをやめる能力が大事です。

  • 基礎知識をしっかり頭に入れる
  • 読み飛ばす・読むのをやめる決断力

この2つが、科学的に正しい速読です。
基礎知識を十分に身につけた上で本を読んだ場合に関してだけは、速読が可能になるということです。

基礎知識を十分に身につけていると、読むべき場所を判断できるようになります。さらに、基礎知識を十分に身につけていると、読むべき本はそんなにないことにも気付きます。
一般的に売っている本は、過去の知識を踏襲した上で著者の意見が10%から20%程度入っていたり、新しい事実が10%から20%入るということがほとんどです。基礎知識をちゃんと頭に入れて、ある程度読み慣れたジャンルの本を読むのであれば、僕たちが読むべき場所は7%から11%ぐらいしかないと言われています。目的をもって新しい知識を手に入れようと思ったらそれぐらいしかないということです。
このわずかな読むべき場所を探すという方法に移行していく方法が速読です。

読書の楽しみを

知らないことがあることは素晴らしいことです。
知らないからこそコツコツと最初はゆっくり読んで、徐々に早くなっていく楽しみもありますし、知識が少なければ少ないほど、どんな本を読んでも学ぶことがあるはずです。

徐々に基礎知識が身につけば、理解力も高まり自然と読むスピードは速くなります。その先に、もっと早く読みたいのであれば、読むべき場所や本を判断する力を高めていくということです。
巷に溢れている科学的根拠のない速読術に惑わされて、本を読む楽しみや本から知識を得る楽しみを忘れないようにしてもらいたいと思います。

おすすめ動画はこちら
クリティカル読書術
https://www.nicovideo.jp/watch/1537721283

参考文献
https://journals.sagepub.com/stoken/rbtfl/0GSjhNaccRKTY/full
https://marginalrevolution.com/marginalrevolution/2006/12/how_to_read_fas.html


他の人はこちらも検索しています

-学習法・記憶法
-,

Copyright© Mentalist DaiGo Official Blog , 2019 All Rights Reserved.