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プーチン大統領の心理状態を解説してみた

この知識はこんな方におすすめ

  • 人間の恐ろしい心理を理解しておきたい
  • 人間関係のトラブルを抱えたくない

プーチン大統領のハマる加害者の被害者意識

ロシアがウクライナに侵攻して世界が大変なことになっています。
この問題についてその情勢や政治的な解説をする人はたくさんいますが、プーチン大統領個人の心理的な状態について解説する人はあまりいないと思いますので、今回は心理学的に考察してみたいと思います。

加害者の被害者意識

実は、僕も含めて多くの人がハマりやすい心理現象が関わっているのではないかという仮説を立てて解説させてもらいます。
加害者の被害者意識という問題があります。

これは世界的なレベルでなくても、皆さんの身の回りにもいるのではないでしょうか?
明らかに加害者であるにも関わらず被害者に対して逆ギレしてくる人です。

例えば、「お前なんか許さない」と言われたら、それによって加害者なのに逆ギレして、むしろ自分が被害者なんだと言ってくる人です。
これは僕も含めて人が誰でも陥りやすい心理的な罠です。

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加害者であるにも関わらず「被害者が許してくれない」という条件が加わると、「むしろ許さないあいつの方が悪い」と被害者意識を持って逆ギレします
この心理現象については様々な研究が行われています。

被害者の反応で加害者の考え方がどう変わるのか?

クイーンズランド大学の研究で、参加者を集めて誰かに対して「心から謝った体験」を思い出してもらいました。
その際、半分の参加者には「謝って許された状況」を、残りの半分には「謝ったのに許されなかった状況」を思い出してもらいました。
被害者が許してくれた時と許してくれなかった時で、メンタル的にどのような違いが現れるのかということを調べようとしたものです。

例えば、「どれくらい被害者の反応が常識からずれていると感じるか」「被害者がどれぐらい自分の尊厳やプライドを脅かしていると感じたか」「自分が謝罪したことを後悔したのか」「謝罪した相手とどれぐらい若いしたいと思ったのか」ということをチェックしています。
これらによって、被害者の反応で加害者の考え方がどう変わるのかということを調べようとしたわけです。

今回のプーチン大統領の件であれば、今後国際社会から様々な批判や制裁も受けると思います。
プーチン大統領が許しを請うことはないでしょうが、許されることではありません。
つまり、プーチン大統領が世界中から批判を受けた時に、どんな暴挙に出るのかということが考察できます。

結果 :「許されないと激しく逆ギレ」

大方予想通りではありましたが、被害者から許してもらえなかった人は、許してもらえた人に比べて、「相手の反応」を激しく批判する傾向がありました。

許さない相手は常識人ではなく、確かに自分は悪いことをしたかもしれないけれど、そこまで言われるのは間違っていると考えます。
そうなると自分にも正当性があると主張し始めます。
自分が悪いことをしているのに相手の方がむしろ悪いという反応をします

プーチン大統領であれば、最初はウクライナ東部のロシア派の人たちを守るために自分たちが行動しているなどと言っていたのに、途中から、アメリカがずっと約束を破っているからいけないのだと言い始めました。
そもそもの論旨が変わり始めました。
ロシアの人達からもさすがに間違っているのではないかと言われ始めました。
このように国内外から批判されればされるほど、自分がやっていることは正しいことであり、むしろ周りの方が悪いという考えが強固になっていきます

相手が非常識だと思うのと同時に「自分の尊厳やプライド、人として大事なものが脅かされた」と考え始めます。
プーチン大統領はウクライナの人たちの命や生活を脅かしています。
それなのに、むしろ世界の方が間違っていると考えてしまいます。
自分が批判されるなんて世界の方がおかしいと考え恐ろしい決断をしてしまう可能性があります。

情勢はもちろんですが、個人の心理的な状態も考えておかないと本当に危険なことになってしまうような気がします。

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許されなかった人は被害者意識が強くなります。
だからといってプーチン大統領の行動を許す必要は全くありませんが、個人間のトラブルがあった時に「絶対に許さない」という反応をしてしまうことは結構あると思います。
最後までそれを通してしまうと加害者の被害者意識が強くなってしまいます。
しかも、反省することもないし人として変わることもなくなります。

日本でも間違った人を叩き過ぎる傾向がどんどん強くなっています。
失敗した人を批判すればするほど、相手は改心することはなくなりますし、こんなにも言われるということはむしろ自分は被害者だと考え始めます
相手と和解したい気持ちも弱まりますし、謝罪したことを後悔するようにもなります。
謝罪というものは相手と和解したい気持ちから行う行為ですが、その和解したい気持ちさえもなくなってしまいます。

この研究では、この実験以外の追加で行われた2つの実験でも同じ現象が確認されています。
仕事でもプライベートでも、どんなシチュエーションであっても加害者の被害者意識の問題は確認されました。
被害者の許してくれない状況になると、むしろ自分が被害者なのではないかと思い込むようになります。
人間には誰にでもこのような傾向があるので気を付けなければいけません。

注意すべき3つのポイント

皆さんがこのような状況になった時に気をつけてほしい3つのポイントを紹介しておきます。

ポイント1 :加害者のコントロール能力

被害者は「加害者がどのような責任を取るべきなのか」など委ねますが、加害者はそれによってコントロール能力を失います。
自分の力で自分の未来や自分の行動を決定できるコントロール能力が失われます。

人間は本能としてこのコントロール能力を失うことを極端に恐れます。
「相手が許してくれるかどうかわからない」「自分の未来がどうなるかわからない」という状況になるとコントロール能力を失います

このコントロール能力を取り戻すためであれば人間はどんなことでもします。
他人に自分の行動や未来を委ねられている状況が恐ろしいので、このコントロール能力を奪いすぎると加害者は何をするかわからない状態になります

ですから、この加害者のコントロール能力をある程度残した状態で謝罪させるということがポイントになります。

ポイント2 :尊厳への脅威に注意

許してもらえないということは、自分の人生において自分の力で物事を決める権利や尊厳を奪われていると考え始めます。
それによって、自分は大切な尊厳を奪われている被害者だと思い込みます
加害者なのに被害者意識が強くなります。

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加害者でも被害者でも、人は誰でも自分の自由や尊厳を守るために行動します。
謝罪する時には、当然悪いと思って謝罪しているわけですが、結局のところは、人間は自分のコントロール能力や尊厳を取り戻したいと思っているから謝罪しています。
自分の立場を取り戻したいと思って謝罪します。

ですが、謝罪してもそれらを取り戻すことができないのであれば、何をするかわからなくなるのが人間の恐ろしさです。
相手の尊厳に対する脅威になりすぎていないか、注意を払う事も重要です。

人間関係のトラブルでも離婚問題でも国際情勢でも同じです。
相手の尊厳への脅威に意識を向けることができないとお互いの被害者意識が強くなりすぎることがあります。

だからといって許すべきだというわけではありませんが、相手にある程度何かを選ぶ余地を残しておかないと、相手は何をするかわからないので危険だということです。

今ロシアに対しての制裁ももっと激しく行うべきではないかと主張している人もいます。
これもあまりやり過ぎてしまうと尊厳への脅威レベルの話でなくなってくるので、本当に何をするか分からなくなってしまいます。
それもあって世界は様子を見ている状態なのだと思います。

ポイント3 :加害者からの圧力に注意

プーチン大統領もおそらくこれからすると思いますし皆さんもやられたことがあると思います。
「加害者からの謝罪を受け入れるべき」という圧力に注意する必要があります。

先行研究などを見てみると、加害者が謝罪してもなかなか許してもらえなくて加害者の方が立場が強い場合、「自分の謝罪を受け入れるべきだ」と被害者に対して社会的圧力をかけるという訳のわからないことが起きます。

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これからロシアがウクライナに対してどう出てくるのかはわかりません。
国際的な議論になればいいですが、おそらく世界中から「もう受け入れてあげればいいのではないか」となると思います。
ヨーロッパやアメリカの中からもこのようなことを言う人が出てくると思います。

ウクライナに対して違う方向からロシアの主張を受け入れろと世界的圧力がかけられる可能性もあるので、この部分にも気をつけておく必要はあるような気がします。

例えば、皆さんも会社でひどい目にあったからこんな会社嫌だと辞めると激怒して自分が被害者なのに、加害者からの圧力で周りの同僚から「お前のことを思っているからここは水に流した方がいい」などと言われることも結構あると思います。
これも加害者が持っている被害者意識から出てくる行動です。

今回は人間の持つ恐ろしい面について紹介させてもらいましたが、このような状況になった時に対応できるかどうかが重要です。
加害者のくせに被害者面する人はたくさんいます。

このような人の中にはカバートアグレッションと呼ばれる性質を持っている人もいます。
カバートアグレッションは自分が加害者だということを上手く隠した状態で皆さんに近づき、罪悪感や恥の感情に訴えて皆さんをコントロールしようとする人です。
どんなカバートアグレッションの見抜き方と対策法については今回のおすすめの動画でチェックしてみてください。

さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。

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参考:https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/01461672211062401?journalCode=pspc

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