集中力を高めたり短時間で勉強や仕事を効率良く進める方法などは過去にも紹介してきましたが、そもそも仕事が楽しくなくてやる気にさえならないという人はどうすればいいのか?
人によりいろいろな状況があるとは思いますが、作業自体を楽しくする方法をご紹介します。
勉強や仕事、人に頼まれたこと、明日予定されている面倒な仕事・・・といった、つまらない、やる気になれないことをある程度は楽しくする方法です。楽しさを増やす方法です。
仕事の充実感と効率化
たくさん仕事をして満足感を得たり、たくさんやるべきことをつくって仕事の満足感や充実感を得るのが3流だとすると、仕事自体を効率化して短時間で終わらせるのが2流です。では、1流は?
1流はそもそもやらなくてもいいことを全て無くしてやるべきことだけに集中します。
とはいえいずれにしても楽しくなければやる気にもならないわけです。
仕事を楽しくするジョブ・クラフティング
ジョブ・クラフティング(job crafting)という考え方があります。
仕事を自分で創造・加工するというような意味です。楽しい仕事を探そうとかやりたい仕事を探そうという、いわゆる「好きを仕事に」ということもよくいわれますが、人生の満足度という点では、好きなことを仕事にするのは難しいのでそれで苦悩するぐらいであればジョブ・クラフティングを使って今自分の目の前にある仕事を楽しくしたほうがいいのではと言われています。
ジョブ・クラフティングについては様々な論文も出ていますが、仕事を楽しくするための複合的なテクニックです。
119名の医者や看護師を集めてジョブ・クラフティングのトレーニングに関するセミナーを3時間程度行った実験があります。習ったテクニックを使って自分の仕事を楽しくするように促した上でそれぞれの仕事に戻ってもらいました。その3ヶ月後にどのようなテクニックを使った人たちが最も仕事が楽しくなったのかを調べました。つまり、もっとも効果的なジョブ・クラフティングのテクニックは何なのかを調べたわけです。
被験者の医者や看護師たちを3つのグループに分けました。
チャレンジ・シーキング(挑戦を求める)
自分の仕事に結びつくボランティアに参加したり、あえて病院の委員会に参加したりという今まであまりやったことのない作業を取り入れたグループ。
リソース・シーキング(仲間とのつながりを求める)
今まで相談することもなかった同僚に意見を求めたり、助けを求めたりすることで絆を深めることを取り入れたグループ。
デマンド・レデューシング(効率化)
効率的な働き方を考えたり仕事を人に任せてみたり負担や問題の量を減らしていこうとする取り組みをしたグループ。
この結果、どのグループが仕事に対するモチベーションが最も高まったのか?
デマンド・レデューシング(効率化)が最もモチベーションが上がったように思われますが、実際に最もモチベーションが上がったのはチャレンジ・シーキング(挑戦を求める)でした。
新しい挑戦がモチベーションを高める
今までやったことがないことに取り組むチャンスを与えることが働く人たちのモチベーションを高めることにつながったわけです。人間は仕事においては新しいことをしたい生き物です。新しいことに挑戦して自分が成長し前に進んでいる感覚を感じたいわけです。この感覚を感じられないとモチベーションは上がらないし疲れていきやる気が無くなってしまいます。
皆さんが仕事に飽きてしまっていたりやりがいを感じないのであれば、ルーティンワークになってしまい新しいことにチャレンジしていないことが問題かもしれません。
さらに、最も効果がなかったのはデマンド・レデューシング(効率化)でした。やらなくてもいい仕事を無くすのではなく減らそうと効率化を求めていったグループはむしろ毎日の疲労感が増加していったそうです。
この研究ではこの原因まではわかっていませんが、仕事量を減らそうとしたらやることが無くなってかえって暇になったり、仕事量を減らすという仕事に毎日追われるようになってしまったりということが考えられます。
仕事を効率化するのではなく仕事を無くすことを考えるのであればそれは一度きりで終わりますが、減らすとか効率化となると結局はタスク管理やTODO管理に追われるようになってしまいます。そもそも判断すること自体をなくすのでなければ意味はありません。例えば、仕事を効率化しようとして、そのための会議を重ねたりしていてはきりがないわけです。
手間をなくすことは悪いことではありませんが、手間をなくすことにより多くの手間をかけていては意味がないということです。
求めるべきはチャレンジ・シーキング
僕はよく飽き性の人は勝ち組だと言います。僕は余計な仕事や手間といったやらなくてもいいことは全て無くします。そうすると暇になりますからその時間で新しいことに挑戦することを続けていくから人間は前に進むことができるしモチベーションも上がっていくものです。
もうすぐ今年も終わりますが、僕は1年を振り返る時に「何をやってよかったか?」「何をやらなくてよかったか?」を振り返るようにしています。自分がやらなくてもいいことに共通点を見出してそれは来年無くしていこうとします。逆に今年上手くいったことに対しては来年は自動化して手間を最低限まで減らして次のことに挑戦しようとします。
デマンド・レデューシング(効率化)をして手間を減らしてそのままにしておくと、人間は空いた時間で余計なことを始めてしまいます。やらなくてもいいことを全部減らして、空いた時間でやったほうがいいかもしれない、でも今までやったことはないことに挑戦していくことでチャレンジ・シーキング(挑戦を求める)につなげていくべきです。
効率化や無駄をなくすことも大事ですが、無駄をなくすというのは根本的に判断から無くす事が大事で、時間を貯金することはできませんから、さらにその空いた時間で新しい挑戦をしていくことも合わせて取り組むことが大事です。
これにより、可能性もモチベーションも手に入れることができます。
集中力が持たなくても短時間で勉強や仕事を終わらせる方法はこちら、見るかどうかはあなたの自由ですが…
https://nicovideo.jp/watch/1542120963