僕たちは仕事選ぶ時にどのようにして選べばいいのか。科学的に正しい仕事の選び方はあるのでしょうか。
僕も『「好き」を「お金」に変える心理学』という本を出していますが、好きなことを仕事にするということではなく好きなことをマネタイズする方法を考えるというものですから混同しないようにしてください。
自己啓発本や自己啓発セミナーで自分の好きなことを仕事にしよう!と言っていたり、好きなことをして生きていこう!と言っているユーチューバーもいたりします。
これらは心理学的には怪しいということが言われていて、幸せを追いかけると不幸になるという研究があります。
理想と現実のギャップ
幸せになろうとすればするほど今が不幸だと思うようになります。好きなことを仕事にしよう、好きなことで食べていこうとすると、より理想の仕事に就こうと考えるようになります。
理想の仕事に就こうと思うと、その仕事に就くまではその理想とは違う仕事をしているというギャップに苦しむようになります。そして、僕たちが思っているほど理想的な仕事は理想的ではありません。どんな仕事にも嫌なことや面倒だったりうまくいかないことも沢山あるわけです。理想の仕事に就いたとしても、理想を追い求めていた人は理想と現実のギャップに苦しむようになります。
これが理想の仕事に就いても幸せになることができない理由です。
夢や情熱を追いかけても天職は見つけられないという話も紹介させてもらいましたが、好きなことを仕事にするということは怪しいものです。
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僕が本で紹介したのは、好きなことを仕事にするのではなくマネタイズしようということを書いたものです。
僕の場合であれば、自分が本を読むことが好きなのでそれを仕事にしようと考えたのではなくそれで儲ける方法はないのかと考えました。その結果今のスタイルがあるわけです。マネタイズの方法を考えるのと仕事にすることを考えるのでは違ってきます。
とはいえ、多くの人は自分の好きなことをマネタイズするのは難しいことだと思いますので、科学的に正しい仕事の選び方とはどんな方法なのかということを紹介しておきます。
仕事の選び方
皆さんの性格別の良い仕事の選び方があります。
自分の仕事に対する考え方次第で仕事の選び方が変わります。そうすると、天職と呼べるかどうかはともかく自分が納得することができる仕事になる可能性が高く結果的にそれが好きになるかもしれません。
ミシガン大学が行った研究で、272名の参加者に対して複数の聞き取り調査を行い仕事に対する考え方が個人の幸福レベルとどのぐらい関係するのかということを調べた実験があります。
僕たちが仕事を選ぶ時には二つのパターンで選んでいます。皆さんが、二つのうち自分がどちらか考えてみてください。
- 自分にピッタリ合う仕事がどこかにあるはずだと考えている
- 仕事は続けているうちに好きになれるはずだと考えている
皆さんはどちらのタイプですか?
心理学的には、
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適合派:自分にピッタリ合う仕事がどこかにあるはずだと考えている
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成長派:仕事は続けているうちに好きになれるはずだと考えている
と呼びます。
この二つがどちらが良いとか悪いとかということではありませんが、それぞれどのように仕事を選べばいいのかということはわかっています。
適合派の皆さん
自分にピッタリ合う仕事がどこかにあると考えている適合派の皆さんは、給料が低くてもいいから自分に合っていて自分がやりがいを感じるような仕事に就きたいと思う人達です。この人たちは転職率が非常に高い傾向があります。仕事をしていても自分に合わないと感じるともっと合う仕事を探そうとするようになります。
研究によると大半の人が適合派でした。理想的な仕事がどこかにあるはずだと思っている人の方が圧倒的に多かったということです。
成長派の皆さん
仕事は続けているうちに好きになれるものだと考えている成長派の皆さんは、そんなに仕事が楽しくなくても仕事は続けていこうとします。続けている以上は当然給料は欲しいと考えます。どんな仕事を選んだとしてもやっているうちに好きになれるのだからどうせなら給料は高い方がいいと考えますから、転職率は比較的低いです。
適合派の方が幸せになれそうな気がしますが、長い目で見るとどちらも仕事に対する満足度や幸福度は結果同じになりました。
つまり、自分に合う仕事を追い求めようが、そのうち好きになれるだろうと続けようが幸福度にはあまり差がなかったということです。
好きなことを仕事にしてもそうでなくても長い目で見ると幸福度には差がないわけです。
なぜかと言うと、両方のメリットデメリットが相殺し合うからです。
メリットデメリットを知ることが大事
適合派の人は自分に合う仕事を探すのが上手いですが、実際にはもっといい仕事がどこかにあるのではないかと考えてしまい、理想と現実のギャップにも苦しむので最終的にはどこかで妥協しなくてはいけなくなってしまいます。自分に合う仕事を探すのはうまいけれど理想が高すぎるために理想と現実のギャップに苦しみ結局妥協することになるから、幸福度で見ると結果そこそこの部分に落ち着いてしまうということです。
成長派の人は新しい仕事や難しい仕事があったとしてもこれをこなせば、そのうち好きになれるだろうと耐えることができるので物事をコツコツと続けることもできて結果や成果を残しやすいです。ただし、その分ブラック企業などにはまりやすくなってしまいます。ひどい環境であっても我慢しすぎてしまう傾向があります。
どちらのタイプにも良いところも悪いところもあるということです。
ではどうすればいいのかと言うと・・・
適合派の人達は理想と現実のギャップを知る必要がありますから、理想の仕事を追い求めることも大事ですが、就いた仕事である程度成果をあげようとか、どうすれば自分が仕事にやりがいを感じることができるのか、全てが理想的な仕事はないのでどんな仕事にもいいところと悪いところがあり、その中でも良いところを探していくということを考えることが大事です。
成長派の人達は一つの所に留まる可能性が高いので仕事をしながら好きになっていくということももちろん大切ですが、新しいチャンスを求めることも時には必要です。
どちらのタイプもメリットデメリットをしっかり理解しておくことが大事です。自分が適合派なのか成長派なのかを考えた上で職業を選んで頂けたらと思います。
自分が前に進んでいるという感覚を得られる職業に就くことが一番いいと思います。自分のスキルが上がっているとか誰かの役に立てているということを実感できるようにしておくことが大切です。
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参考文献
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0146167215596988