人間関係

表面的な人間関係しか作れない人がやりがちなコミュニケーションの間違いとは

空気を読んで会話することの無意味さが判明しました。

実際にはコミュ力がないと思っている人の方が人の感情を察する能力に長けていてコミュ力自体は高いのに、その能力が高いからこそ余計に相手のことを気にしすぎてうまくコミュニケーションを取れていないだけということが多いものです。
そんなコミュ力に自信のない人がコミュ力が低くなるのは空気を読んで喋るからです。もっと言うと、空気を読むというよりは自分の本心を隠して相手に一生懸命に表面上合わせて会話しようとするからコミュニケーション能力が低いように見えるということが分かっています。

自分の意見を言う人と言わない人

気まずくなりそうだからこの話は黙っていようかとか、相手が間違っていることや自分の意見とは違うことを言っていても機嫌悪くなっては困るからあえて批判はしないようにしようとか、あるいは、自分がいいアイデアを思いついたとしても周りを気にして黙っておこういいようなことを僕たちはついついしてしまいます。

つまり、自分が思っていることを言わないコミュニケーションをする人と、自分が思っていることをちゃんと言うコミュニケーションをする人で、どちらの方が人間関係が良くなるのかということを今回紹介します。

空気が読めない人は叩かれたりもしますが、空気が読めない人というのは話の的が反れている人が多いものです。
例えば、みんなでおいしいレストランについて語っていたとします。その時に自分の学生時代のサークルの思い出などを話し始めたら、なんなのこの人とみんな思うわけです。このような論点がずれるということと、自分が思っていることを言わないで相手に合わせようとすることは意味が違います
論点がずれるというのは当然良くはありませんが、今目の前のみんなの論点の中において自分の思っていることを言うということは良いコミュニケーションなのではないかということが科学でも色々と議論されています。

自分の気持ちを抑えてもメリットは無い!

シカゴ大学の論文で、自分の気持ちを隠して嘘をついたり自分の気持ちを言わないでコミュニケーションをすると人間関係には逆に良くないのではということが分かっています。
むしろ、正直にコミュニケーションをした方が人間関係が良くなりました。

自分が我慢して言いたいことを言わないでコミュニケーションをした場合の方が自分は人間関係をうまくすることができていると錯覚します。実際の相手との関係や長期的な関係を見てみると、正直に物事を言わない人は人間関係が崩壊してしまうということです。

この論文の研究では3つの実験で構成されていて、僕達は相手と喋る時に結構ためらっていて正直な気持ちをぶつけたりすると気まずくなるから、それを恐れて自分の本性を明かさないことが多いのではということを研究者たちは考えて、それは科学的にどうなのかということを調べてくれています。

最初の実験では150名の男女を集めて3つのグループに分けています。

  • 3日間できるだけ正直にコミュニケーションをしてもらうグループ
  • 3日間できるだけ相手に対して親切に気を使ってコミュニケーションをしてもらうグループ
  • 3日間できるだけ自分の会話や行動が相手に対して適切なのかとか喜んでくれているのかということを意識しながらコミュニケーションをしてもらうグループ

正直にコミュニケーションした場合と、親切にしようと心がけてコミュニケーションした場合と、自分の言動が正しいのかチェックしながらコミュニケーションした場合の3つの場合で、人間関係の良し悪しがどのように変わるのかということを調べたものです。

それぞれ3日間コミュニケーションしてもらった後に、全員に会話をどのぐらい楽しめたのか、相手との人間関係の繋がりがどのくらい変わったのか、長期的に見て相手との関係がどう変わったのかというようなことをチェックしました。
その結果、正直に自分の思っていることをぶつけたりというような会話をしたら、全く問題がなかった上に、コミュニケーションへの悪影響も全く観察されませんでした

僕たちは相手に対して正直に自分の思っていることを話すことに偏見があります。正直に言ったら嫌われるだろうとか引かれるてしまうだろうと考えてしまい、正直な会話を避けてしまいます。ところが、実際は正直な会話をしても全く相手との関係は変わらないということです。

さらに別の実験で、参加者を2つのグループに分けて、

  • 研究者が作った話題のリストに基づいてそのとおりに会話をしてもらったグループ
  • 特に話題の指定はなく自由にできるだけ正直に会話をしてもらったグループ

その後全員に会話の満足度などを確認したところ、結果としては先ほどの実験と同様に、みんな正直に自分の思う事を話すと良くないと考えていても、実際には悪影響はないどころかお互いに関係性を高めるために役立ったということです。

僕たちは正直に話すことに対してネガティブなイメージを持ちすぎているために正直に喋ることをしませんが、実際には正直にしゃべっても問題はないし、むしろ、正直に喋った方が人間関係は良くなるということです。

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別の実験でも、相手と交渉をする時に自分の素やキャラクターを隠して交渉する人が多いですが、自分の本心を隠すと人間は能力が下がってしまい、交渉力や発言力、表現力や判断能力が下がってしまい結果的に交渉が失敗しやすいということが分かっています。
自分の正直な素をどのぐらい出すことができるのかということが大事ということです。

この素を出して正直に相手に言うことができるかどうかということが、コミュニケーション能力に関しては一番重要な部分です。
人間はついつい自分の正直な感想や感情というものを隠してしまいがちですが、それを堪えてあえて言ってみるようにした方が人間関係は良くなります

ちなみに、間違えないでほしいのは相手をディスるとか相手に対して嫌なことを言うということではなく、自分の感じている感情はちゃんと表現するべきということです。
相手が言っていることに対して自分が間違っていると感じたとして、ただ間違っている!というと喧嘩になってしまいますが、相手の意見も受け止めた上で自分の意見も反対意見であっても丁寧に表現するということです。
相手と自分の意見が違っても相手に自分の意見をちゃんとを表現する努力をすることが大事だということがこれらの研究で示唆されたことです。

コミュニケーション能力とは相手に合わせて空気を読むことと思っている人が多いですが、これではいつまでたってもコミュニケーションは上手くならないし、人間関係は良くなりません。自分の感情をしっかり表現しないと相手には伝わりません。自分の感情を丁寧に表現する努力をすればコミュニケーション能力は上がるし人間関係も良くなっていきます

是非参考にしてみてください。

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参考文献
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2910067

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