お金があれば幸せになれるのか?
お金がなくても幸せになれる方法、というよりも、お金があってもこれをしていないと幸せになれないという方法を紹介します。
ブリティッシュコロンビア大学の研究で、収入と幸福度に関してと、どうすれば幸せになれるのかということを調べてくれています。
お金をとても稼いでいるのに不幸そうな人も結構いるものです。逆に、お金は全然なくてもとても幸せそうな人もいます。この違いは何なのでしょうか。
お金を稼いでも不幸を減らすことはできますが幸せにはなれません。確かに、お金に余裕があれば、面倒なことを減らすことが出来たり、毎月支払いに苦労するという事もないでしょうし、困ることを減らすことができます。そういう意味では不幸を減らすことができるわけです。ところが、不幸が減るということが、幸せになるということではないわけです。
お金の力でマイナスをゼロにすることはできてもプラスを作ることはできないということです。
お金で不幸は減る
ブリティッシュコロンビア大学の研究では、12291人の幸福度に関するデータを統計処理していて、その結果、収入が増えても幸福度には関係がないということが分かっています。つまり、お金があってもなくても幸福度に関しては関係がなかったということです。ですが、日々の悲しみや怒りなどのネガティブな感情に関しては、収入が増えることによって減るということも分かっています。
ですから、皆さんの人生の問題がネガティブな感情を抱えやすいということにあるのであれば、それをお金を稼ぐことで解決することができるかもしれません。
幸せの反対が不幸ではない
多くの人は不幸の反対が幸せだと考えていますが、そうではなく、不幸と幸福はそれぞれ独立して存在しているものです。
不幸がなければ幸福かと言えばそうではなく、幸福な人生を歩んでいるから不幸なことがないかといえばそんなこともないわけです。
このように不幸と幸福が全く別のものだということを示してくれたのが今回の研究です。
幸福感には2種類ある
ちなみに、『ファスト&スロー』で有名なダニエル・カーネマン博士の2010年の論文でも、同じようなことが分かっています。
この論文では、結局、僕たちの幸せというものはお金を稼いでも得ることはできず、お金を稼ぐことで感じることができる幸せと、お金を稼ぐことで感じられない幸せがあるのではないかとされています。
人間の幸福感には2種類あります。
1. 記憶ベースの満足感
2. 経験ベースの満足感
記憶ベースの満足感
過去や未来を考えた時に感じる満足感で、例えば、去年行った旅行が楽しかったとか、来年はどんな旅行をしようかなと考えることによる満足感です。
経験ベースの満足感
今目の前で感じていることに対する満足感で、例えば、今食べている食事が美味しいと有用なことによる満足感です。
記憶ベースの満足感というものは、収入が増えれば増えるほど上ります。未来への心配はなくなりますし、過去に対する満足感を感じる機会も増えるので、この満足感は上がるわけです。
ところが、経験ベースの満足感というものは、およそ年収75000ドルで頭打ちになるということが分かっています。
満足感や幸福感というものはお金により左右されるものとそうでないものがあるということです。
過去や未来のことを考えるときに幸福感を感じるのは、自分の人生は自分でコントロールできているかということが大事です。これはある程度はお金でなんとかなるわけですが、今目の前で感じていることに対する幸福感というものは、お金があってもどうにもならないということです。
今目の前のことに集中できるかどうか
お金に余裕があれば、不幸なことに対しても対処しやすくなりますし、万が一のことがあっても自分で対処することができます。そうすると、困ったり余計なことをすることは減りますので、それが不幸が減ることにつながる可能性はあります。
ところが、今目の前で起きていることに対する満足感というものは、集中力やマインドフルネスが大切で、今目の前のことに集中することができているかが大事になるということです。
目の前のことに集中できる能力を高めるようにしないと、お金があってもいつになっても幸福にはならないのではないでしょうか。
友達と楽しいことをしている時もスマホを触っていたり、楽しい時にも余計なことを考えていると、当然楽しむことができないわけです。
目の前のことに集中できる能力を鍛えた方が、お金を稼ぐよりも幸せになれるのではないかということです。
是非参考にしてみてください。
目の前のことに集中するためのおすすめ動画
Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1948550614568161?papetoc=
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2944762/