この知識はこんな方におすすめ
- いつも優柔不断で物事が決めれない
- 同じ失敗を繰り返してばかり
読むだけで判断能力が上がる本とは?!
あるジャンルの本を読んでいる人はそうでない人に比べて、思い込みが少なくて判断能力が高いという研究があります。
思い込みにはまって愚かな判断ミスをしなくて済みます。
判断能力がないとか人に騙されやすいという人は、今回紹介するようなジャンルの本を読んでみていただけると判断能力が上がる可能性があります。
意思決定したり判断するのが苦手な人が結構いると思います。
当然ですが、人間は全てのことに対して決断をすることはできません。
ですから、ある程度ルールを作った上で、本当に重要なことについては自分でしっかり考えるけれど、その重要な部分に影響を与えない瑣末な事に関してはそのルールで自動化することで早く決断することができます。
人生において本当に重要な決定はそうはありません。
本当に一部の重要な決定と大部分の大して重要ではない決断があります。
とはいえ、この重要ではない決断もミスると余計な時間を取られたりお金が無駄になったりダメージが起きます。
大して重要ではない決定をミスることなく自動的にさばくためのテクニックと、重要なことに集中するための判断能力や決断力を伸ばすためのテクニックについては、今回のおすすめの動画で詳しく解説していますので、そちらもチェックしてみてください。
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今回のおすすめの本としては、まずは『決定力! 正解を導く4つのプロセス』ですが、自分の判断や決定をミスらないようにするための4つのポイントをわかりやすく説明してくれている本です。
この著者の方は本当に面白い本しか出さないと言えるぐらいですので、読んでみていただけたらと思います。
ぜひチェックしてみてください。
決定力! 正解を導く4つのプロセス
他のおすすめの本としては、文学作品も紹介していますが、それをなぜおすすめしているのかという話をしていきます。
読書と意思決定
フィクションと意思決定に関する2020年のウェストミンスター大学の研究があり、これによると、ある特定の文学作品を読んでいる人は、そうでない人に比べて思い込みに左右されにくくなるようです。
文学作品が脳に与える影響についての研究を集めて、そこから興味深い結論を示してくれています。
その結果、上等なフィクションや文学作品を読むことによって、人は効果的な意思決定が可能になるということが示されています。
僕たちは決断力を上げようと思った時には、ビジネスでの決断力であれば成功者の本を読んだりビジネス本を読んだりすると思います。
ところが、意思決定の質を高めたいのであれば上等なフィクションを読むのが一番いいようです。
どんな小説でもいいわけではなく、小説の中でも意思決定の質を高めてくれる小説のジャンルがこの研究の中では特定されています。
文学作品は「認知的完結欲求」を下げてくれる
例えば、2013年の調査を見てみると、文学作品は個人の認知的完結欲求を下げてくれるということが示されています。
認知的完結欲求というのは、答えがないものや賛否両論のものよりも、結論がはっきりしているものを好む性質のことです。
どんなことにも白黒はっきりつけたいとか、ドラマハッピーエンドでないと嫌だとか、謎はすべて解決しないと我慢できないなど、物事は全て結論をつけてはっきりさせて欲しいという欲求のことを認知的完結欲求と言います。
この認知的完結欲求が上等な文学作品をたくさん読んでいる人は低い傾向があるということです。
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つまり、物事に対して簡単に結論を出そうとはしません。自分で決めつけたりしないわけです。
「A という答えもあれば B という答えもある、もしかすると C という答えもあるかもしれない」というように、複雑な決定を決めつけることなく、可能性を残しながら複雑性を理解することができるということです。
上等な文学作品をたくさん読んでいる人は、この認知的完結欲求が低いので複雑な状況や問題をちゃんと受け入れることができるわけです。
認知的完結欲求が高いと一部の情報だけで決めつけてしまう
認知的完結欲求が高いと、わずかな情報やわずかな視点から物事の判断をしてしまいます。
人は最初に自分が思ったイメージを補うような視点を持ったり思い込みをするものです。
例えば、最初に頭が良さそうだと思った人がいたとしたら、その人が少し変な行動をしていたとしても「やはり頭のいい人は他の人とは違う」と考えてしまいます。
一方で、最初に頭が悪そうだと思った人が同じような行動をしたら「やはり頭の悪い人はこんなことをするのだろう」と考えます。
このように人は最初に入ってきた情報で物事を決めつけてしまう性質があります。
この性質と非常に近いのが認知的完結欲求です。
最初の情報で決めつけて判断した方が楽ですし、認知的完結欲求が高い人は自分が最初に思った直感を信じたいわけです。
自分の直感の通りで自分の直感はやはり冴えていると思い込みたいだけです。
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目の前に提示されている小さな情報やごく一部の部分しか見ていないのに、そこから判断してしまいます。
ちゃんと情報収集もしないし、複雑な状況を加味することなく決めつけてしまいます。
その結果、判断ミスが多くなってしまいます。
いつも衝動的にすぐ決めて結果的に後悔ばかりしている人も多いと思います。
逆に、優柔不断でいつまでも判断することができない人もいます。
意思決定ができないという点では、優柔不断でいつまでたっても物事を決めることができない人も、早い段階で決めつけてしまったことで情報収集することもなく間違った判断にずっとしがみついている人は同じようにエラーが出ています。
優柔不断を否定して即断即決することが大事だと主張する人もいると思いますが、ほとんどの人はこの認知的完結欲求を持っているので、自分が最初に思った直感に従って行動すると満足します。
複雑な状況や世の中は常に移り変わっていくことを見なくて済むので、多くの人が楽をしたいだけです。
だから世の中では即断即決する人がもてはやされたりするわけです。
ですから、皆さんは認知的完結欲求を下げないと判断ミスが増えてしまいます。
認知的完結欲求を下げることができれば、細かな情報や複雑な状況を読み取ることができるので、判断ミスが少なくなります。
効果的なジャンルの小説は?
さらに、トロント大学の研究でも同じような研究が行われています。
これによると、エッセイよりも短編小説を読む人の方が認知的完結欲求が低いという傾向が確認されています。
エッセイのような短い文章よりも、ある程度長いストーリーになっていて頭を使って考えることが必要になる小説の方が効果的だということです。
この結果について、研究チームは、文学を読み理解するためには、キャラクターの性格や小説の中にある布石など、時間をかけて大量の情報を取り込み結論を探していかなくてはいけないので、そのために何度も思考を変える必要があると言われています。
普段の生活の中では、突然人の性格が変わったりするようなことはそうはありません。
ところが、小説の中ではずっと味方だと思っていた人が急に豹変して敵になったり、色々な出来事が起こります。
この急な変化も受け入れながら情報を取り込んでいく必要があります。
この急な変化を受け入れるトレーニングが短編小説を読むことによってできているということです。
小説を読む過程では、何度も思考を変えなくてはいけないので、偏った決めつけをすることも少なくなりますし、最後までアンテナを張って情報を集め続けることができるようになるのではないかとされています。
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どんなジャンルの小説がいいのかということについては、詳しくはまだわかってはいませんが、基本的には「簡単に結論が出ることがなく問題を2分化しないような作品」が適しているとされています。
要するに、敵と味方が分かれている、正義と悪が分かれているなど、どちらが正しいのかがはっきりしていて結論もなんとなく予想できるものよりも、「どちらが正しいのかがわからない」「ハッピーエンドとも言えるけれどバッドエンドとも言える」「主人公たちにとってはよかった結論かもしれないけれど、別の視点から見ると本当に良かったのだろうか」というような、視点を変えると見方が変わったり賛否両論になるような小説の方が適しているようです。
解釈の余地や考察の余地が残るような小説を読むことによって、認知的完結欲求を下げることができて、判断能力を高めることに役に立つということです。
具体的に言うと、研究の中でもおすすめされているのが、今回のおすすめの本としても紹介していますが、有名なカズオ イシグロさんの『日の名残り』や、ジョウゼフ・コンラッドさんの『コンラッド短編集』がいいのではないかとされています。
この2冊を今回のおすすめの本として紹介しておきますので、そこからたどっていくと近いような作品も出てくると思います。
そんな中から自分が興味を持てそうな作品を探してみるのが良いのではないでしょうか。
ここから先は、さらに意思決定の質を高めていく方法について詳しく解説していきます。
続きは今回のおすすめの動画からチェックしてみてください。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
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リサーチ協力:パレオチャンネル
参考:https://daigovideoapp.page.link/hq3P