この知識はこんな方におすすめ
- 不安や悩みを気にしすぎる
- 何かと気にしすぎて目の前のことが手につかないことがある
- 脳を効率よく使いたい
気にしすぎて目の前のことが手につかない
わずか8分でできる気にしすぎ対策を紹介します。気にしすぎの意外な原因についても紹介させてもらいます。
何かが不安だったり気にし過ぎてしまい手につかなくなってしまうとか、頭の中に湧き上がってしまった不安がなかなか消えない、何かが気になってしまうと目の前のことに集中できない、そんな気にしすぎを直すにはどうすればいいのでしょうか。
これは8分の筆記開示になります。
僕も実際に使っている方法です。人間というものはネガティブなものの方に反応しやすいものですから、ネガティブなほうにどうしても目が向きやすくなります。実際にはポジティブなものが圧倒的に多くそのネガティブなものはごく一部なのに、そのごく一部のネガティブなものばかりに目が向いてしまいそこから離れられなくなることがあります。そんな状況から逃れるために使えるテクニックです。
8分間の筆記開示
筆記開示とは、自分の悩みやネガティブな感情をひたすら紙に書きなぐるだけです。これを8分間行います。
たったこれだけでとても手軽ではありますがかなり効果が高い方法です。
この筆記開示をたった8分間行うだけでもかなりメンタルが改善するということが研究によりわかっています。
ミシガン州立大学の研究で、心配症に悩んでいる学生44人を集めて実験を行っています。心配性のレベルを測るテストのPenn State Worry Questionnaire(PSWQ)で61点以上の方々を対象に参加者を2つのグループに分けています。
8分間だけ自分の悩みをひたすら書き出してもらうグループ
8分間だけ前の日に起きた日記を書いてもらうグループ
つまり、自分の悩みを8分間ひたすらノンストップで書いたグループと昨日起きたことを8分間書いてもらったグループでどのような違いが現れるのかということを調べようとしたものです。
筆記開示により悩みやネガティブな感情は軽減されましたが、それだけではありませんでした。
ネガティブな感情や悩みの一番の問題というものは、悩みを抱えてネガティブになりすぎたり、気にしすぎてしまうことで目の前のことに手がつけられなくなってしまうことです。実際に、プレッシャーやストレスにより脳の作業効率が落ちるということも分かっています。
つまり、解決しなくてはいけない問題が目の前にあるのに、気に過ぎてしまう人は、その問題に取り組めないぐらいそのことに脳の利用効率が落ちてしまっているわけです。これが結構大きな問題につながってしまいます。
気にしすぎてしまう人は、困った時ほど自分の脳の利用効率を落とさないようにすることが大切になります。
この実験では、脳の機能を測るテストを両方のグループに行ってもらい、さらに、脳の機能を測定する脳波計(Electroencephalograph:EEG)での計測も行いました。
その結果2つのグループには大きな違いが現れ、筆記開示を行ったグループの方が脳の機能が向上していて、脳の利用効率も高くなっていました。
ですから、筆記開示をして自分の悩みをただひたすら8分間ノンストップで書き出すだけで、脳のリソースが解放されて自分の脳をより効率よく使うことができるようになるわけです。
脳のマルチタスクを避ける
なぜただ書き出すだけでこんなにも効果があるのかというと、心配性な人は客観的に物事を見れなくなっている可能性がありますので、それを紙に書き出すことによって、自分の悩みに対して客観的になることができるというのが多くの人が考えることかとは思います。
実は、心配症の人の脳の中では、マルチタスクな状態が起きています。常に何かを気にしているから、目の前のことに取り組んでいるときも常にマルチタスクになっています。そうなると、脳も疲れやすくなってしまい集中力も上がりにくくなります。
研究者のコメントとしても、心配性の人は常にマルチタスクになっているようなものだということを言われています。心配事に対する感情を一生懸命抑えようとしながら、目の前のタスクに取り組んでいるということです。
この筆記開示を使うことで、その悩みの原因自体がなくなるわけではありませんが、そのマルチタスクのような状態を一旦クリアにした状態で目の前のことに集中することができるようになるわけです。
これは別にネガティブなことや悩みでなくても、自分がただ気になることや気にしながらも先延ばししていることを書き出すのもいいと思います。
例えば、自分が仕事や読書などに集中したいと思った時には、その前に気がかりになっていることを紙に8分間だけひたすら書き出します。これは終わった後にチェックリストとして使うこともできます。
不安や悩みでなくてもマルチタスクを避けるためにも理論上は使うことができるテクニックです。
気にしすぎる人は、目の前のことに集中しているように見えて実際にはマルチタスクになっている可能性があります。それを防ぐために参考にしていただけたらと思います。
気にしすぎてしまう人のためのおすすめ動画
リサーチ協力:Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
本内容は、以下の参考文献を元にした、DaiGoの独断と偏見を含む考察により、科学の面白さを伝えるエンターテイメントです。そのため、これらは、あくまでも一説であり、その真偽を確定するものではありません。
より正確な情報が必要な方は参考文献・関連研究をあたるか、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。
訂正や追加情報があれば、随時修正や追記をします。
参考文献:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/psyp.12990