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言いづらいことも言える【関係の作り方】キール大学研究より

この知識はこんな方におすすめ

  • いつも言いたいことがなかなか言えない
  • なぜか誤解や行き違いばかり
  • 心から信頼しあえる関係をつくりたい

言いづらいことを言えるようになるために!

今回はアサーションにまつわる話です。
アサーションとは、簡単に言うと自分の気持ちを相手に上手に伝えるコミュニケーションテクニックです。
特に近しい人や恋愛関係、親友や深い関係になりたい人とのコミュニケーションにおいて必須となるコミュニケーション方法です。

人間関係というものは面倒なことが多く、誤解を与えてしまったり言いたいことが言えなかったり、相手のことを気にし過ぎてしまい、そのせいでコミュニケーションがうまくいかなくなってしまうということがよく起きるものです。

このような状況をなくすためのコミュニケーションテクニックが、アサーションと呼ばれるものです。

このアサーションにはいろいろな方法がありますが、今回は特に言いづらいことをどのようにして伝えればいいのかという内容になります。

例えば、恋愛関係であれば、その相手は一番信用している人のはずですから全ての事を言えるはずですし、家族や仕事で信頼している人、親友なども同じですが、本来は信頼関係があるのであれば言いたいことが言えるはずです。

ところが、僕たちは時々相手との関係を守りたいとか変に嫌われたくないというようなことを考えて、そのために言いたいことが言えなくなるということがあると思います。

この言いたいことが言えないという感覚をどのようにすればなくしていくことができるのでしょうか。
ここで難しくなってくるのが、アサーションのテクニックとしても言いたいことは言わなくてはいけませんが、だからといって怒りをぶつけたり感情ぶつけたり、相手に批判の意味を込めたことを言ってしまうと相手は心を閉ざして話を聞いてくれなくなります。

ですから、言いたいことをちゃんと言うけれど拒絶されないという絶妙なところを考える必要があるわけです。

よく人に嫌われたくないとか他人を怒らせたくない、人と揉めたくないという人がいると思いますが、だからといって相手の言うとおりに全てしていては意味がなくなってしまいます。
かといって、言いたいことを言い過ぎてしまい関係がこじれたり、あいつは言いたいことばかり言ってと周りから後ろ指さされるようなことになると人間関係でも困ります。
恋愛でもお互いに言いたいことを言い合えるような関係は隠し事がなくて素敵だとあげると思いますが、言いたいことをすべてその言いたいがままに口に出していると、当然関係が壊れることもあるわけです。

その絶妙なバランスを取るためにどうすればいいのかという答えがアサーションというテクニックにあります。

言いたいことはちゃんと伝えて相手と分かり合えるけれど、相手を傷つけることはないというコミュニケーションの仕方がアサーションになります。
心理学でも、このアサーションのテクニックが上手に使える人の方が恋愛関係が長続きしたり、仕事でも相手と良い関係を築くことができるとか、コミュニケーションに自信を持つことができるというようなことが分かっています。
ぜひ皆さんに身につけていただきたいテクニックになります。

アサーションに重要な要素:「自己尊敬」

まず言いたいことがズバッと言うことができる人と、なかなか言えない人がいると思います。
これは相手がそれを受け入れてくれるかどうかということとは別で、言いたいことを自分が入れた時に相手にちゃんと伝わる人と、なぜか誤解されてしまうという人がいます。
この違いは一体何なのでしょうか。

どのような違いがそこにあり、そのせいで何かしらの誤解が生まれたりうまく物事が伝わったらなかったりということが起きるのかということを今回は解説していきます。

このアサーティブなコミュニケーションをするために最も欠かせないとされているのが、自己尊敬というものです。

自己尊敬と表現すると、いわゆるプライドとか自分に自信があるというようなイメージを持つ人が多いと思いますが、実際にはそうではなく、自己尊敬というのは簡単に言うと周りと同じぐらいに自分に自信を持っているということです。

例えば、変に自信を持って自分が常に上で自分の周りはバカばかりだというように人を見下すのではなく、自分は周りに比べて全然価値がない人間だというように自分を卑下することもない状態で、周りの人と自分はフェアな関係で同じ立場に立っていると思えるかということです。
つまり、人並みに自分のことを認めることができているかどうかというのが、この自己尊敬になります。

自分が持っている権利は相手も持っているし、相手が持っている権利は自分にもあるというようにちゃんと考えることができるかどうかというのが自己尊敬の度合いです。
そんな人並みに自分を認める能力のことです。

自己尊敬尺度

今回の参考文献は2016年にキール大学の心理学研究所が343人の男女を対象に行なった研究です。
参加者の平均年齢は33歳ぐらいで、彼らを対象に独自に開発した自己尊敬尺度という度合いを測るテストを行っています。

具体的には、以下の質問に賛成するかというようなことを答えてもらっています。
皆さんも自分の胸に手を当ててこれからご紹介する質問に答えていただけると、どれぐらい自己尊敬度があるのかということを理解できます。

質問1 :日常生活の中で、私はいつも自分のことを他人と平等な権利を持つ人間だと思っています。

自分の事を周りよりも権利が低いとか価値がないなど考えるのではなく、自分は周りと同じぐらいに平等な権利を持っていると思っているかどうかということです。

質問2 :私はいつも自分のことを他人と同等の価値がある人間だと思っています。

先ほどの権利と近いですが言い方を変えています。
権利ではなく自分に対する価値についてどう考えているかということです。

質問3 :私は他のすべての人間と同じ尊厳を持っていることを意識しています。

ここまでは我慢できるけどこれ以上は我慢できないというような人間の尊厳というものがあると思います。
絶対に譲れないこだわりのようなものがあると思いますが、その尊厳をどれくらい持っているかということです。

質問は以上で、周りと同じぐらいに権利と価値と尊厳の3つをどれぐらい持っているのかということを確かめるということです。
この3つに対してどれぐらい YES と言えるかどうかということで、自己尊敬度を測るわけです。

この研究ではこれ以外のポイントについてもチェックしています。

自分の能力に対する信頼度:自分の能力をどれくらい信頼しているのか

自尊心:自分を認める能力

アサーティブのレベル

これらをチェックして全てのデータをまとめてみたところ、自分の言いたいことを相手を傷つけることなくちゃんと言うことができるアサーティブの能力と人間のどんな性格的な特性が関わっているのかということが分かっています。

全ての要素がアサーティブの能力と関わっていたということです。
つまり、

自己尊敬の度合い

自分の能力に対する信頼度

自尊心

これら全てがアサーティブの能力が高い人の特徴だったということです。

ですから全て重要になるわけですが、そんな中で最も重要だったのは自己尊敬のレベルでした。

自分は周りと権利が同じ

自分は周りと価値が同じ

自分は周りと尊厳が同じ

と思っているかどうかということが、言いたいことをちゃんと相手を傷つけず言うことができるかどうかということを左右していたということです。

さらに、この研究では調査の開始時点で強い自己尊敬の度合いを示していて、自分は周りと平等でフェアな関係だという気持ちを持っていた参加者は、9ヶ月後に再測定を行ったところ、アサーティブネスが増加していたということも分かっています。

ですから、自分の権利と価値と尊厳において周りと同じだという平等感の強い人は、時間が経過すればするほど周りに対して言いたい事がちゃんと言えるようになったり、周りと言いたいことが言い合えるような関係を作ることができていたということです。

「言いたいことが言えない」は「自己尊敬」の問題

自己尊敬の感覚を持っていると、人間はどんどん言いたいことが言えるようになってきます。
例えば、僕もいじめられっ子でしたので理解できますが、いじめられていたころには自分の権利は周りより低いものだと思っていました。
自分は価値がない人間だと思う思っていましたし、虐げられていたので尊厳を感じることもありませんでした。

そうなると言いたいことをどんどん言えなくなってしまいます。
僕の場合はいろいろあり、いじめから脱却するために相手にやり返したのですが、そのやり返したことによって、自分もちゃんとやり返すことができる権利を感じることができて、それができるということは自分にもちゃんと人としての価値があり、自分の力で自分の尊厳を守ることができるという3つの感覚が成り立ってくることによって、先ほどの自己尊敬のレベルが人並みになってきます。

この自己尊敬のレベルが上がってくると言いたいことが徐々に言えるようになってきます
当然ですが、権利も同じで価値も同じで尊厳も同じですから、変に気にすることもなく言いたいことを言うことができるようになるわけです。
そうなると、徐々にアサーティブのレベルが上がり言いたいことを言い合える関係を築くこともできるようになってきます。

ただ、これに対する逆の相関はありませんでした。
自己尊敬のレベルが下がってきた人が言いたいことが言えなくなるのかと言うと、そういうわけではなかったということです。

これは、もともと言いたいことが言える人がメンタルが落ち込んだからといって、言いたいことが言えなくなるのかと言うとそういうわけではないということになります。
自己尊敬のレベルが高くなっていくことによりアサーティブになっていくことはあるけれど、もともと言いたいことが言えていた人が自己尊敬のレベルが落ちたからといって言いたいことが言えなくなるわけではありません。

この研究ではこの逆の相関がなかった理由については詳しく説明されていませんが、おそらく、自己尊敬の感覚を一度ある程度身につければ、仮に自分の自己尊敬のレベルが落ちることがあったとしても、ちゃんと周りに自分の思っていることを伝えられるので、周りとの良い人間関係を作ることができて、その人間関係に支えられて自己尊敬のレベルが元に戻るのではないかと思われます。

自己尊敬の問題は日常の中でかなり深いもの

要するに、自己尊敬のレベルが上がれば言いたいことをちゃんと言うことができるようになるということでした。
これは考えれば当然だと思う人もいるかもしれませんが、特に仕事や恋愛ではこれが問題になる場合が結構あります。

仕事でも

例えば、自分は仕事ができない人間だと思ってしまう場合であれば、自分は周りの職場の人間よりも権利が少ないし、価値も低くて自分は仕事に対してプライドを持てるような尊厳はないと思ってしまうと、仕事でも言いたいことが言えなくなってしまいます。

上司の言いなりになってしまったり、嫌な先輩や同僚からの仕事を押し付けられてしまったりすることがあっても言い返すことが出来なくなってしまいます。
この感覚が自己尊敬が低いということです。

自分には権利もないし価値もないし尊厳もないと思ってしまうと言いたいことが言えなくなってしまい、言いたいことをちゃんと言わないからみんなにいいように利用されてしまうというわけです。

恋愛でも

恋愛でも同じで、例えば、女性がずっと憧れていたイケメンの彼氏と付き合ったとします。
実際に付き合ってみたら、遊んでばかりで浮気もするし、そんな悪いところを直してほしいとずっと悩んでいたとします。

そんな時に、女性は、夜遅くなったり朝帰りをやめてほしいとか、女の子がいる場には行かないでほしいなど、いろいろ思うところがあるはずです。
ところがその女性はその言いたいことを言えません。

あんなにすごいイケメンでモテる素敵な男性が自分のことを選んでくれたわけだから、そんな彼に比べたら自分は権利が少ないし、彼はとてもモテるけど自分はそんなにモテないから、彼に比べて相対的に価値が低いと思ってしまい、そうなると尊厳もなくなってきますので、そうなると言いたいことを言えなくなってしまい、積もり積もっていずれ感情が爆発してしまうわけです。

性格ではなく自己尊敬の問題

ですから、この自己尊敬の問題というものはかなり深いもので、言いたいことが言えない原因は何なのかと考えた時に多くの人はそれを性格の問題にしてしまいます。

自分は言いたいことが言えない性格だとか、自分はあまり喋るのが得意な性格ではないからだとか言う人が結構いますが、実際には性格の問題ではありません。
それらはすべて自己尊敬の問題です。

言いたいことが言えるようになりたいなら「周りと平等でフェアな感覚」を!

さらに、この研究ではもうひとつ重要なことが確認されていています。

言いたいことを言える人というのは、生まれつきの天才や自分の能力を高めた人、他の人よりも大きな成果を出した人が言いたいことを言えるのではないかと感じる人もいると思いますが、実際にはそれもそんなには関係がありません。

自分の能力に対する信頼度と自尊心に加えてセルフアクセプタンスの要素と比較した場合でも、やはり、自己尊敬が最も言いたいことが言える力であるアサーティブネスと相関していたということです。

ですから、自分のことを受け入れることができているかどうかということもとても重要ではありますが、自己尊敬というものがとても重要になります。
言いたいことが言えるようになりたいのであれば、自分はすごい人間になろうとか思う必要は全く無く、自分は周りと平等でフェアな関係であり、周りと同じことをしてもいいしそれができると考えることができるようになるだけで、言いたいことは言えるようになるということです。
ぜひこのことを覚えておいてください。

セルフコンパッションで程よい自信を

そういう意味では、僕もいつも紹介しているセルフコンパッションも結構使えると思いますので、今回のおすすめの動画としてセルフコンパッションについて解説した動画も紹介しておきます。

挫折の自己嫌悪をなくす【7つのセルフコンパッション】

自己尊敬を身につけるという意味では、セルフコンパッションは程よい自信を身につけるためにとても役に立つと思います。

言いたいことが言えるようになる技術を詳しく学びたい方へのおすすめ

このセルフコンパッションの技術を身につければ自己尊敬のレベル上げていくことはできますが、そんなに簡単に急にスイッチを切り替えるかのように自分を好きになることができる人はそうはいないわけです。

ですから、自分を受け入れるためにもアサーションのコミュニケーショントレーニングを行い、言いたいことが言えないというのは自己尊敬の問題なわけですが、自分が言いたいことをちゃんと言えるようになり認められるようになると、自分が周りに認められているという感覚が、自分が周りと同じように発言したり行動してもいいという感覚も育ててくれます。

アサーティブなコミュニケーションができるように言いたいことが言えるようになる技術を身につけることによって、自己尊敬のレベルは上がっていき、自己尊敬のレベルが上がっていくことにより、アサーションの能力が高まっていくということも起きていきますので、今回の続きの動画としては、簡単に言いたいことが言えるようになるテクニックについて解説していきます。
興味のある方はそちらもぜひチェックしてみてください。

言いづらいことの伝え方【感情伝染フィードバック】ケンブリッジ大学研究から

言いたいことを言えるような関係を作るためにはどうすればいいのかということを解説していきます。

相手に対して怒りを伝えたい時、相手に直してほしいところを伝える時、相手に文句を言う時など恋愛関係や夫婦関係ではよくあると思います。

これをただ言うだけであれば誰でもできると思いますが、どのように伝えるのかが重要になります。
相手に文句をぶつけるだけなら誰でもできますが、重要なのは自分が望むことを相手に受け入れてもらうことです。
このテクニックがアサーションですから、ぜひこちらの動画もチェックしてみてください。

おすすめ本

今回のおすすめの本としては、同じようにアサーションやセルフコンパッションについてのおすすめの本をいくつか紹介しておきます。

アサーションを身につけるためのおすすめ本

どちらもアサーションを身につけるためにはとても参考になる本だと思います。

セルフコンパッションを本で学びたい人へのおすすめ本

他人が自分を責めている気がする方へのおすすめ本

少し違いますが、他人が自分のことを責めている気がするというように、周りに対してゆがんだ目線で捉えてしまっている人もいると思います。
これに対してはその認知の歪みを直す必要がありますので、この2冊が役に立つと思います。

さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックが無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
1人1冊ですが完全に無料で、無料の期間が終わっても一度ダウンロードしておけばずっと聞くこともできるそうですので、まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。

今回のおすすめ動画

▼続きはこちら

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本内容は、参考資料および、動画を元に考察したもので、あくまで一説であり、真偽を確定するものではありません。
参考:Daniela Renger(2016) Believing in one’s equal rights: Self-respect as a predictor of assertiveness
Hatfield, E., Cacioppo, J., & Rapson, R. L. (1994). Emotional contagion. Cambridge University Press.
Speed, B. C., Goldstein, B. L., & Goldfried, M. R. (2018). Assertiveness Training: A Forgotten Evidence‐Based Treatment.

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