この知識はこんな方におすすめ
- 台風や災害で被害を受けた方
- 辛く苦しい状況にいる方
- ストレスや不安に苛まれている方
- 人生を幸せに過ごしたい全ての方に
メンタルを立て直すためには
台風や災害が続いていて、それによる被害を受けたり未だに辛い状況が続いている人も大勢いると思います。
テロに巻き込まれた人たちを対象にした研究をもとに、そのような痛ましいトラウマレベルの被害から、できるだけ早くメンタルを立て直しにはどうすればいいのかということを紹介させてもらいます。
4つのポイントがありますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
先日、辛い時こそ何に小さな親切をすることが自分のためになるという話を紹介させてもらいました。 台風や災害に限らずテロや事故など人間の心に傷を残すものは色々とあり、このような時は人間は非常に大きなストレスを感じます。このストレスをそのままにしておくとネガティブな影響が起きたりすることがあります。自宅が被害を受けたとか大切な人が亡くなったというのであればもちろんそのショックを引きずるというのは当然ですが、そうでない人でも、大きな災害や自分の心にトラウマを残すようなストレスをうまく乗り越えることができないと、その災害を乗り越えた後にも不眠症を抱えてしまったり、それが原因で何に対してもネガティブになってしまうということもあります。 続きを見る
台風や災害の不安を乗り切るための心理学
今回はこれをさらに推し進めて、自分のメンタルを強くするためにも他人に親切な行為をする際に、どのようなポイントを押さえておけば、より効果が高くなるのかということを4つのポイントからまとめてくれている研究がありますので、そこから紹介させてもらいます。
感情や時間に余裕が生まれる
親切の効果に関する研究は色々とありますが、社会の役に立つような行動のことを市民的関与と呼び、これを今回は親切な行為と定義します。ボランティアをしたり困っている周りの人を助けたりといった行為です。
実際に、他人への親切というものは僕たちのメンタルにとても良い効果があるということが分かっていて、例えば、トラブルが起きてもへこみづらくなったり、感情やメンタルの浮き沈みが改善されたりなど、様々な良い影響があります。
親切な人の方がモテるということも分かっていますし、自分の時間がなくて焦っている時こそ、他人に親切にすることによってのに時間の余裕があるのではないかという錯覚が生まれ、それによりパフォーマンスと効率が上がり実際の時間的な余裕も生まれるということも分かっています。
幸福度の35%を左右する
オタゴ大学の研究で、クライストチャーチモスク銃乱射事件の後に何かしらのボランティア活動に参加した530人の若い男女を対象に調べられたものがあります。
そのボランティアとしては、例えば、食事などの差し入れ、犠牲者のためにお花を手向ける、被害者のための募金、車で送迎を手伝うなど、それぞれ思い思いの親切を参加者たちはされていたそうです。
この参加者たちに、市民的関与と呼ばれる親切な行為を普段からどれぐらいしているのか、これからもそれを続けるつもりがあるのか、ということを尋ねたり、落ち込んでも立ち直る能力であるレジリエンスがどれぐらいあるのかということを調べたり、日常的に人生に対してどれぐらい幸福度を感じているのかということを調べました。
このようなデータを全て分析したところ、このような他人への親切やボランティア活動の量が多ければ多いほど、やはりその人の人生に対する幸福レベルは高かったということです。
なんと人間の幸福度の35%は、他人への親切の量で説明することができるということが分かっています。
ですから、自分のことばかり考えて他人に親切にすることをしない人は、幸福度を基準に考えると、35%も人生を損しているということです。
幸福度の1/3以上は他人に親切にするかどうかで決まってくるわけです。
人間関係が充実している人ほど人間は幸せになるし、お金を持っている人よりも満足する人生を送ることができるということも実際に研究で分かっていますが、おそらくこれは親切な行為によるものだと考えられます。
他人と良い人間関係を築いていくためには親切な行為というものは欠かせません。あるいは、親切な行為というものはその先に必ず良い人間関係というものが待っているはずです。
ですから、親切な行為により良い人間関係が充実し幸福度に大きな影響を与えるわけです。
レジリエンスの5%を左右する
自分が折れてしまった心を立ち直らせるレジリエンスの5%は、他人への親切により説明することができるということが分かっています。
幸福度の35%に比べては影響は少ないですが、レジリエンスが5%も上がるということは、これはかなりメンタルが強くなることだといえます。
研究チームによると、他人や社会に対して貢献することと個人の幸福というものは、コインの表と裏のようなものだとされています。
他人に親切にすると、人間はメンタルが強くなり幸福度は高く、レジリエンスも強くなっていくということです。
もちろんこれは横断研究ですので、長期的に研究を行った場合には細かいデータが変わってくる可能性もありますが、他の様々な研究においても親切のメリットは確認されていますので、他人に親切にすること自体は積極的に行った方が間違いなく良いということになります。
特に、やはり自分のメンタルが落ち込んでいる時こそ他人に親切にすると、レジリエンスが高まり自分の心が強くなりますので、自分が何かしらのダメージを受けてしまったと感じているのであれば、まずは他人に小さな親切を心がけてみてはいかがでしょうか。
親切の4つのポイント
特に幸福度を高めてくれる親切の仕方について4つのポイントでまとめてくれていますので、ぜひこの4つのポイントを頭の中に置いておいて、周りの方々に親切にしていただけたらと思います。
ポイントその1 :市民的意図
これは、これから先も人のために親切なことをしていくぞという意気込みのことです。
つまり、今自分が落ち込んでしまっているから、そのメンタルを立て直すために他人に親切にするけれど、自分が回復したらもうそれでいいというのではなく、その親切な行為を続けていくことができるかということをちゃんと考えて、続けることができる親切をしていくことが大事だということです。
自分に負担がのしかかってしまうような親切では続ける事も出来ませんし、これぐらいであれば自分は続けることができるという親切をずっと続けていくと考えることが大切になります。
ポイントその2 :社会的信頼
これは社会に対してどれぐらいの信頼を持っているかということです。
もちろん中には悪い人もいるし一時的には悪いことをする人もいるかもしれないけれど、基本的に人間というものは信頼できるものだと考えていることです。
都会にいたり生き馬の目を抜くようなビジネスをしていると、なかなかこれを感じることができず幸福度が落ちる傾向があります。
被災地ではボランティア活動頑張ってくれている方々が大勢います。こんな人たちを見て、意外とこんなに人というものは信頼しあえたり助けられるのだと感じた人も多いはずです。災害などが起きて辛い状況になった時には周りが助け合うわけです。そして、その辛い状況を乗り越えた先には、その人たちの幸福度は上がります。
これは、意外と思っていたよりも人は信用できるし、困った時にはみんな助け合えるということを実感できたからです。人はこのような追い詰められたり辛い状況を経験すると、社会的信頼というものが大きくなるということです。
ポイントその3 :帰属意識
これは自分がどのコミュニティに属しているのかという感覚です。
災害や辛い状況に追い込まれると、自分だけが辛いと思いがちですが、自分がこのコミュニティに属しているということを実感できることが大切になります。
困った時に同じ思いで助け合える関係を作っていくことで、 新たなコミュニティ帰属意識が生まれるようになります。
ポイントその4 :隣人補助
これは自分の身の回りの人達を助けていくというものですから、最も簡単なのではないでしょうか。
人間は不思議なもので、遠くにいる親戚よりも隣の人と仲良くした方が人間の幸福度は上がるということが分かっています。
これは親や親戚を大事にする必要はないということでは決してありませんが、近くで頻繁に会う人に親切にしたほうが、人間は幸福度が上がるということです。
これは、人間の脳は100人ぐらいの群れで生活していた頃のままで、現代のように何百キロも離れているところに簡単に移動できる環境に対応していないからです。
困った時こそ近所の人や身の回りの人に親切に心がけてみるのが良いのではないでしょうか。
親切のポイント
ポイントその1 :市民的意図
ポイントその2 :社会的信頼
ポイントその3 :帰属意識
ポイントその4 :隣人補助
辛い状況から立ち直るためのおすすめ動画
悲劇的逆境から立ち直るための7つの習慣
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1551498063
リサーチ協力:Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
参照:https://web.a.ebscohost.com/abstract?direct=true&profile=ehost&scope=site&authtype=crawler&jrnl=0112109X&AN=135983579&h=8L5UxAhSF8LS8tww8DuyFaaeIyXmO7JFrh7GD2%2fNi7Z1m2S6%2fwK%2bm7P%2b%2fIYFvraPScHmNhenWcwFrdFLSCuk8w%3d%3d&crl=c&resultNs=AdminWebAuth&resultLocal=ErrCrlNotAuth&crlhashurl=login.aspx%3fdirect%3dtrue%26profile%3dehost%26scope%3dsite%26authtype%3dcrawler%26jrnl%3d0112109X%26AN%3d135983579