皆さんの周りにネガティブな人や、皆さんに対してネガティブなことを言ってくる人はいますか。
このような人たちと付き合うとどれくらいヤバイのでしょうか。
受動ストレスの感染力は強い
受動ストレスという考え方があり、周りの人のネガティブなストレスや感情に触れるだけでも、脳は影響を受けてしまうということが分かっています。
いわゆる嫌なやつや面倒な奴は、振り払いやすいものです。自分に対して攻撃してきているのであれば当然攻撃し返すこともできるし距離を取ることも出来ます。
自分がこんなに苦しんでいるんだとか、ストレスを抱えているんだ、抱えているネガティブな感情を分かって欲しいというところから、自分で解決する努力もせず悲劇のヒロインかのように、周りに自分のストレスを撒き散らす人がいます。このような敵ではないから距離を取るわけにも行かない、愚痴ばかりの人がそばにいるとどんな影響を受けてしまうのかということです。
1993年の研究で、人間の感情は結構簡単に伝染して、例えば、皆さんの周りにネガティブな事ばかりを言う人がいるだけでも、皆さん自身の考え方も変わりネガティブになっていくということが分かっています。さらに、自分の表情や物事に対する姿勢も変わってしまい、声のトーンが下がり話題もネガティブになったり、本来はネガティブ思考でない人も飲み込まれてしまうことが起こります。
自分の脳にもダメージが?!
2004年の研究では、他人のネガティブな感情に一定期間さらされた被験者たちは、脳の海馬の活動が優位に低下していたという結果が出ています。
海馬は記憶や物事を推察したり判断する機能を司っていて、これがダメージを受けてしまうということです。
さらに、たった2分間ネガティブな人を見るだけでも、脳の働きは低下するということも1981年の研究で分かっています。
他にも、ストレスの溜まった人の映像を見るだけでも、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが上がったという研究さえあります。
ネガティブな人が周りにいると、自分もネガティブな思考になってしまうだけでなく、脳がダメージを受けてしまうということです。
こんなにもネガティブを周りに撒き散らす人は害だということです。
もちろん、自分が苦しんでいることを分かって欲しいという気持ちで周りに話すのは結構ですが、解決策を探し出したいから協力をしてほしいという協力の申し出であれば問題はありません。一緒に問題を解決しようとなりますので、相談した人も前に進もうと出来ますし、相談された側も頼られた感覚になりますので、お互いにプラスになります。
そうではなく、ただ単にネガティブなことを吐露して、解決を図ろうとしない人もいると思います。このような解決を考えないネガティブは突き放すのが、皆さんのためにはとても大事です。
ネガティブの感染力は7倍?!
受動ストレスの問題は、ポジティブな感情よりもネガティブな感情の方が感染が起こりやすい点です。
2003年のマサチューセッツ大学の論文で、一般的なオフィスでの受動ストレスに関する研究を調べると、ポジティブな感情よりもネガティブな感情の方が7倍も感染していく確率が高かったということが分かっています。こんなにも感染率に差があるので、組織にわずかでもネガティブな人がいると、それは全体に広がる可能性があるということです。
ちなみに、このネガティブな人というのは、目の前にいなくても、画像や動画、ツイートとかでも受動ストレスの害を広めてしまいます。
僕はよくネガティブなニュースに触れる必要はないのでテレビは見ない方がいいとか、そのようなサイトも見ない方がいい、ツイッターはネガティブな投稿が溢れているので見ない方がいいと言っていますが、別の研究ですが、ツイッターで他人が喧嘩しているのを見たり、テレビで人生に疲れているような人の映像を見るだけでも、皆さんの脳や体にダメージを受けてしまうからです。
ですから、短期的な対策としては、そのようなものに触れないようにすることも大事ですし、自分がネガティブな感情を感じてきたら、その感情を自分のやる気に変換するリフレーミングをしたりするのがオススメです。
長期的には瞑想を行い、自分の感情を一歩引いて考えることができるようになれば、ネガティブな感情に巻き込まれそうになっている自分に気づいて距離を取ることもできるようになり、自分をコントロールしやすくなります。
組織の中では難しいところもあると思いますが、皆さん受動ストレスには気をつけてください。
受動ストレスを感じなくていい立場になるためのおすすめ動画
社内で自由になるための5つの権力獲得戦略~社内政治力を身につける科学
▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1557073383
Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
reference:https://www.biologicalpsychiatryjournal.com/article/S0006-3223(04)01011-X/references
https://link.springer.com/article/10.1007%2FBF00987285?LI=true
https://link.springer.com/article/10.1007%2FBF00987285?LI=true
https://www.sciencedirect.com/journal/psychoneuroendocrinology
https://www2.bc.edu/~kensinel/Kensinger_Emo04.pdf