相手の本性を暴くテクニック
相手の本心をわかりやすくするための簡単な方法を紹介します。
よく僕はテレビで心理戦をしていますし、時折企業との交渉もすることはあります。人間は合理的に見えてほぼ心理戦で決まってしまう部分も多いですし、特に企業間の取引においては、新しいビジネスであればなおさら相場がないわけですから、交渉により全てが決まるわけです。
となると、相手がどんな人間なのかを分かりやすくして、どのように交渉すれば勝てるかということを考えることがとても大事です。
相手の本心を暴くというのはとても重要なテクニックだと言えます。
今回はそんな相手の本性を暴く強力なテクニックを一つ紹介します。交渉に限らず恋愛などでも使えるテクニックです。
本性が出る条件はあるのか?
オハイオ州立大学の研究で、102人の学生を集めて独裁者ゲームという実験経済学でよく使われるゲームをしてもらいました。初対面同士でペアを組んで一方にお金を渡して、その人はそのお金を自由に配分する裁量を持たされて、どのように配分がされていくのかを調べるゲームです。
普通に考えると、お金を渡されたらそのまま誰にも配分しなければ良いと考えそうですが、人間は社交的な生き物ですから、ペアを組んで待たされた以上は渡さないのもいけないかなと考えて、いくらかお金を渡すようになります。初対面の人でもほとんどの人が独り占めはしないわけです。
この実験ではお金を配分する条件を細かく変えています。自分の取り分を減らすことによって相手に入る金額が変わります。
自分の取り分を1ドル減らすと、そのまま相手にその1ドルが入るパターン
自分の取り分を1ドル減らすと、相手に10ドルが入るパターン
自分の取り分を10ドル減らすと、相手に3ドルが入るパターン
このようなパターンに分けておよそ200回程度の独裁者ゲームを行ってもらいました。
さらに、相手にいくら渡すかということを決める時に、3つのパターンに分けています。
2秒で決断する場合
10秒で切断する場合
好きなだけ悩んで決断した場合
もともと利己的な人と利他的な人によって、お金の渡し方が変わるだろうと考えると思います。わがままな人は自分の取り分を増やそうとしますし、利他的な人は周りに得なように行動するような気がします。
相手に配分する際の条件や考える時間を変えることによって、 人の行動が変わるのかということを調べたものです。
その結果、好きなだけ悩んで決断してもらった場合には、利己的な人も利他的な人もあまり差がなく同じぐらい相手に配分していました。
ところが、 考える時間を短くして2秒や10秒にした場合は、本心が出やすくなりました。利己的な人は自分の取り分を多くして、利他的な人は相手にたくさん金額を配分するようになりました。
時間制限で本心が出る
要するに、人間は何かを決断する時に十分に考えると性格が現れません。逆に、直感で決める場合には性格が出やすくなります。
相手の本心を暴きたいのであれば、時間制限をつけてください。時間制限をつけて少し焦らせるだけで、その人が生まれつき持っているような性格特性が分かりやすくなります。
例えば、利他的な人は時間制限をつけるともっと分かりやすく利他的になりますし、利己的な人は時間制限をつけるともっとわかりやすく利己的になります。
つまり、時間のプレッシャーによって相手の素の反応が出やすくなります。
この研究ではいくつかの実験を行っていますが、データを見てみると、だいたい思考時間が10秒以下ぐらいだと素のキャラが出やすくなるということが分かっています。
例えば、相手がいい人か悪い人かを見抜きたいのであれば、友達と二人で一緒にいる時に自分が1万円を拾ったとして、それをどう分けるかということを質問して即答で答えてもらってください。
急かしたり時間制限を設けて焦らせることで人は素が出やすくなりますので、本心が分かりやすくなります。
逆に言うと、急かされると本心が出やすくなるということですので、気をつけてください。
相手の心を読めるようになるためのおすすめ動画
ブロマガで読むならこちら
▶︎https://ch.nicovideo.jp/mental/blomaga/ar1774898
Researched by Yu Suzuki https://ch.nicovideo.jp/paleo
Reference:https://www.nature.com/articles/s41467-018-05994-9