この知識はこんな方におすすめ
- 論破されて不快な気分になりたくない
- 面倒な議論に巻き込まれたくない
論破して勝ったところでメリットはない
論破や議論に勝つための方法については過去にも色々と紹介したことがあると思います。
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上から目線を叩き潰す論破テク【アナロジー乱用】を解説
少しえげつない論破のテクニックをひとつ紹介させてもらいます。今回紹介するテクニックは、どんな相手でもほぼ通用するもので、特にその相手が偽善者であればあるほど相手を論破することができるようになる強烈なテクニックです。
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結構強力な方法も紹介したことはありますが、これは誰かを打ち負かしたいという人ではなくても、その方法を理解しておくことでもし論破されそうになった時にそれを打ち返すということも出来るようになるものではあります。
そもそもそんな論破をしたり激論を交わしたりしたくないという人もいると思います。
さらに、論破をしなくてはいけないような頭の悪い相手に何を言っても無駄だということもあります。
論破して勝ったところで実は手に入れることができるものは少ないものです。
テレビやドラマで論破しているシーンを見ると気分が良くなったりエンターテイメントとしての要素はありますが、誰かを論破したところで相手は態度を変えることはないでしょうし、言い負かしたところでそれによるメリットは大してありません。
論破はエンターテイメントとして格闘技に近いところがあると思います。
格闘技であればまだファイトマネーなどがありますが、相手を打ち負かしたところで得るものがなければ自分も痛いだけで何のメリットもありません。
論破したところでファイトマネーをもらえるわけでもありませんし相手の態度が変わるわけでもありませんので、はっきり言って論破は不毛です。
ただ、論破されそうになった時に打ち返すためには理解しておく必要があるものです。
論理的誤謬というものですが、論破する際の論の中には無理があります。
論破で使われる理論というものは何かを極端にしたり強調したり、そもそもの前提を変えたり、議論を誘導したり様々なテクニックがあり、これはいわゆる説得のテクニックとは全く違うものです。
論理的ではないにも関わらず、相手や周りになんとなく論が通っているように感じさせるテクニックが論破です。
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防御のためのテクニックとして
ですから、論破は論が強い人が勝つのではなく論破の方法を知っている人が勝ちます。
皆さんがコミュニケーションの中で論破されて不快な気分になれないために論破のテクニックを知っておくというのはとても重要なことだと思います。
防御として、自分が論破されて嫌な気分になったり上手く丸め込まれたりしないようにするために学ぶべきものであり、普通の人が論破のテクニックを学んで誰かを論破できるようになったところで特に意味はありません。
そんな中でも回避型論破という「はぐらかし系の論破」があります。
これは相手が言い負かそうと攻撃してきた時に、別にそれに負けるでも勝つでもなく議論をうやむやにして宙ぶらりんにしてしまう方法です。
Yes とも No とも答えづらい面倒な議論に
議論の中ではYes と答えても No と答えても困る状況になりそうな場合が結構あると思います。
例えば、一方的な意見を熱く語っている人に同調してしまうと変に仲間と思われてしまう可能性もあるし、それに対して間違っていると言うとつきまとわれて面倒なことになりそうだということもあると思います。
そもそも議論をしたくないけれど賛成も反対もしたくないという時に、どのようにスルーしたらいいのかというテクニックとして、今回は回避型の論破というものを紹介させてもらいます。
バトルするのは嫌だけれど余計なことに巻き込まれたくないという人は、これを理解しておくといいと思います。
特に会社などの閉鎖的な人間関係の中で巻き込まれた時には、論破をする時にはその相手を会社から追い出すぐらいの覚悟が必要になるでしょうし、かといって、そんな相手に同調したり賛成してもそれはそれで面倒なことになります。
それを避けるのが今回紹介するテクニックになります。
「ポリアンナ話法」
これはどんなこともポジティブに解釈して議論を無効化するというテクニックです。
よほど人と関わらなくても自由に生きていくことができるような人を除けば、ほとんどの人は他人の目というものが気にはなります。
例えば、会社の中で皆さんが嫌な上司を論破したとすると、それは確かに小気味良いでしょうが、周りから怖いと思われてしまうこともあるでしょうし、それが評価に響いてしまうということもあり得ます。
人間がもっとも否定しにくい側面を使って相手を論破すれば、それにより皆さんが批判の対象になる可能性は非常に少なくなります。
それができるのがこのポリアンナ話法というテクニックになります。
例えば、「車で事故ってしまった」という話に対して、「怪我をしなくて良かったね」と返したり、「会社をクビになってしまった」という話に対して、「奥さんは結構稼いでるし専業主婦でなくてよかったね」というように返していく方法です。
このポリアンナ話法を一般の会話の中で使うととてもポジティブで良い人のように見えます。
何か大変な状況があった人に対して、前半部分で「それは大変でしたね」と相手に対する共感を示した上で、「それでも、〇〇にならなくてまだマシだし良かったね」と続けると励ましになるのでとてもいい人だと思われます。
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これを論破でどのように使えばいいのでしょうか。
例えば、「このプロジェクトには絶対に問題があるし、あの上司の考えにはどうしても納得いかない!あなたはどう思う?」と言われたとしたら、「確かにその気持ちは分かります。でも、僕たち会社だけはブラックでなくて良かったですね」と返します。
その上司はブラックだけれど会社はホワイトだから良かったと返すわけです。
会社の問題について熱弁をふるって同意を求めてくる相手に対しては、「確かにそうだけれど福利厚生だけはしっかりしているから良かったですね」というような感じで返します。
このようにポジティブな側面に切り替えて全て返す方法です。特にこれは周りに人がいる時にとても使えます。
例えば、6人ほどの社員でミーティングをしている時に、部長を批判している課長に同意を求められたとすると、それに NO と答えると課長に目をつけられてしまうし、それにへたに同調してしまうと周りからは上司に媚を売っている嫌な奴のように思われてしまいます。
そのような状況であれば「そうですね。でも、僕は仲間に恵まれているからとてもよかったと思います。」というように、どんな批判的なことに対してもポジティブに返すようにします。
これは親戚との間の問題や噂が広がりやすいママ友とのやり取りで使えると思います。
このようなコミュニティの中で人の悪口や文句に対して変に同調してしまうと、面倒に巻き込まれてしまう可能性があるのですべてをポジティブに返します。
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人はネガティブな言葉を使うとその言葉が他人に向けられたものであっても自分にイメージが乗っかります。
その場にいない人の批判をしている人がいたとしたら、そのネガティブなイメージはそれを発言している人に乗っかるということです。
だからこそ、そのような批判に対してはポジティブに返した方がいいということもあります。
もし叩いたりネガティブなことを言うのであれば、科学的な事実に基づいて叩くか、義憤を乗せるようにしてください。
大義名分のもとに義憤を乗せると怒りのイメージになりますので、怒りを表現することができる人は説得力が上がったりリーダーに向いていると思われやすいということもあります。
ですが、基本的にはネガティブな表現は使わない方がいいです。
ポジティブにすべてを返すポリアンナ話法はとても使いやすいと思いますので、ぜひ試してみてください。
これは癖にしておくと仲間からは印象よく思われますし、敵がいたとしてもやりにくい相手と思われて余計に絡まれることがなくなります。
論破することもできないし突っかかってくることもないし相手にされていないわけでもないという状況になるので、面倒な人に絡まれたり巻き込まれることがなくなると思います。
論破について学ぶためのおすすめ本
今回のおすすめの本としては、そんな論破について学ぶために役に立つであろう2冊を紹介しておきます。
こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。
何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
さらに回避型論破のテクニックを学ぶならDラボをチェック
今回紹介したような日常の中でも使いやすいテクニックについてさらに知りたいという方は、ぜひ今回のおすすめの動画をチェックしてみてください。
知識の Netflix Dラボは、今なら20日間無料で使うこともできますのでぜひチェックしてみてください。
さらに、今 Amazon では通常3000円ぐらいする僕のオーディオブックがなんと新刊も含めて無料で聴けるというキャンペーンを行っています。
1人1冊ですが完全に無料で、無料の期間が終わっても一度ダウンロードしておけばずっと聞くこともできるそうですので、まだの方はこの機会にぜひチェックしてみてください。
リサーチ協力:パレオチャンネル
免責事項:本内容は科学の面白さを伝えることを目的としたエンタメです。なるべく多くの方に、科学的思考に興味を持ってもらうために、参考資料や過去の動画を元に、大胆な独自の考察したもので、事実を確定するものではなく、あくまで一説です。動画の結論は実際の研究とは異なる場合があります。
僕は文献を読むのが好きなタダの理系であり、専門家ではありません。また、多くの科学者とも同じように人間ですから、間違うことも多々あります。実際に知識を利用する際にはご自分で調査するか、専門家に相談してください。
参考:Pirie. Madsen (2007)How to Win Every Argument: The Use and Abuse of Logic Bo Bennett(2018)Logically Fallacious