ネガティブな感情に飲み込まれないようにするための注意訓練法というテクニックを紹介させてもらいます。
これはたった2回行うだけでも不安が激減するということが分かっているものですから、不安に苛まれやすい人や緊張に弱い人、嫌なことや悲しいことがあってネガティブな感情が湧き上がってしまいやすい人、あるいは、落ち込みやすい人やネガティブな感情に負けず何かに挑戦したい人は、これを使っていただけるとかなりメンタルが楽になりますし、身につけておいていただきたいテクニックです。
ネガティブな感情は注意を引きつけやすい
注意訓練法はメタ認知療法の一種です。
僕たちが悲しみや苦しみ、怒りなどのネガティブな感情に振り回されてしまうのは、ネガティブな感情というものは人間の注意力を強く引くもので、脳のリソースを惹きつけるのでネガティブな感情が広がるとその感情から逃れづらくなります。その感情から逃れようと頑張れば頑張るほど、そのネガティブな感情は強くなってしまいます。
だからこそ、このネガティブな感情が湧き上がった時にそれをどのように処理するのかということはとても大事になります。
そのために使えてとても簡単で強力だと言われているのが注意訓練法です。
簡単に言うと、不安などのネガティブな感情から上手に注意をそらすことができるようになるテクニックです。
人間はネガティブな感情が湧き上がるとそのネガティブな問題ばかりに注意が向いてしまい、どうすればその問題を解決できるのかということばかりを考えてしまいますが、筆記開示を行ってその感情を言葉に変えたりして、具体的な対策や方策が見出せないと、かえってその問題を解決したいというところばかりに意識が向いてしまいネガティブさは増幅してしまうのでメンタルが悪化したりしてしまいます。
つまり、ネガティブな感情や嫌な感情に集中しすぎるとその感情が逆に悪化してしまうわけです。
こうなってしまうと、まず客観的な視点が失われます。
どのようにすれば解決できるのかということも考えられなくなり、実際にはそんなネガティブなことは起きない可能性の方が高かったり、自分の責任ではなかったりする場合があったとしても、自分を追い詰めたりしてしまいます。
客観的な視点が失われると、どんどん解決策や出口が見つからなくなり泥沼にはまってしまいます。
これがネガティブな感情からなかなか抜け出すことができない人の特徴であり原因です。
注意訓練法
例えば、2010年の研究では、嫌なことやネガティブなことが頭から離れない、悲しみや苦しみから逃れることができないということに困っている人は、たった2回注意訓練法を行っただけでも、突然ネガティブな感情に苛まれたりする状況がかなり軽減されるということが確認されています。
注意訓練本はとても簡単で3つのステップで行います。
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1選択的注意
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2注意切替え
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3注意分割
まずは、椅子に座ってもらっても立ったままでも結構ですので、リラックスしてください。
1. 選択的注意
自分の周りにある環境音(例えば、冷房の音・風の音・雨の音・鳥の鳴き声など)を1つ決めて6分間それだけに集中してください。
2. 注意切替え
先ほど選んだ環境音に加えてもう1つ別の環境音を選んでください。選んだら30秒ごとにその2つの環境音の間で集中する音を切替えます。
例えば、最初の6分間に風の音に集中したとすると、次の30秒で風の音に集中したら鳥の鳴き声に30秒集中する、そしてまた風の音に集中するというように切替え続けます。これを合計6分間行ってください。
3. 注意分割
先ほどの2つの環境音に対して同時に注意を向けて3分間キープしてください。
注意をコントロールするトレーニング
自分の周りの環境に注目するような瞑想のテクニックに似ていますが、重要なのは注意の切替え方を学ぶことです。
特定の問題や悩みに苛まれる人は、ネガティブな感情に注意を引っ張られてしまうとそれを戻すことが出来なくなってしまいます。一度気になってしまうと、いつまでもそればかりが気になってしょうがないという人もいると思います。
そのような人はこの3つのステップを行うことで、注意をコントロールする練習を行うと、気持ちも切り替えることが出来るようになります。
これは集中力を高めたり瞑想のテクニックとしても使えると思いますので、是非試してみてください。
不安に苛まれた時や人前に出る時に緊張してしまった時、トラウマや悲しい記憶がフラッシュバックしてしまうという人も使えるテクニックです。
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▶︎https://www.nicovideo.jp/watch/1550455685
リサーチ協力:Yu Suzuki http://www.nicovideo.jp/paleo
参照:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24114746