今回ご紹介するのは、勉強法ですが、学生に限らず資格試験に向けて勉強している方も、普段の経験や読書からできるだけ多くの知識を得たいという方も使えるテクニックです。
そもそも使える知識とは?
どのような方法で勉強すると人間は記憶に残りやすいのか?
そもそも効果的な勉強方法とはどんな勉強法でしょうか。
当たり前ですが、必要な知識を覚えて記憶に残って必要な時に活用できないと意味がありません。一度勉強して覚えたことを忘れないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
例えば、語呂合わせで覚えるとか、何回も何回も書くとか、色々な暗記方法がありますが、学習という観点ではほとんど意味がありません。記憶にも使える形では残りません。
実際に使える知識というのは、日常必要な時に出てくるものです。例えば元素記号を語呂合わせで覚えた人も多いと思います。確かに試験の時に◯番目の元素記号は?ぐらいならば、それで事足りたかもしれませんが、実際には周期表の縦と横の列の意味であったり、それぞれの特徴を問われると、全く解けなくなってしまいます。試験の問題としては良いですが、周期表も単純に丸覚えすれば良いというものではなく、その意味を理解すれば使える知識になりますし、必然的に語呂合わせなどなくとも覚えられるわけです。つまり理解するのを面倒に思っている人が、語呂合わせをしているにすぎないわけです。
今回ご紹介するのは、語呂合わせを必死に覚えるような記憶術を使わなくてもいい学習方法です。記憶に残らず忘れてもいいけれど早めに覚えたい時や、意味のない、もしくは意味を付けづらい数列や物事を覚える場合には、暗記術や記憶術というものが必要です。
とはいえ、普段の日常やビジネスでは、必ずそこには文脈がありコンテクストがあり、その中で知識がどのように役立つのかということが、重要になってくるものです。
効果的な勉強法とそうでない勉強法を徹底的に調べた研究があります。
2013年にケント州立大学が過去の様々な学習方法をレビューしてくれています。そこからよく使われている10の学習方法を選び、効果が高いものと低いものに分けて、その効果の高低を分けるポイントとは何なのかということを追求しようとしたものです。
以下、よく使われている10の学習方法です。
よく使われている学習方法10
インテロゲーション
テキストなどの自分が得たい情報の入った本に書かれている内容やコンセプトが正しいのか?事実なのか?ということを自分で調べるということです。
経営者の書いた本、子供を東大に入れたという本・・・スポーツや健康法からダイエット等など色々ありますが、それは、みんなに対して成り立つのか?普遍的な真理がそこにあるのか?もしくは、その効果の有無や大小は?
更には、当然、人により求めるレベルも違いますから、効率よくその効果を得たいと思う人は、何を選ぶべきなのか?
単純に情報をうのみにするのではなく、疑問を持ち自分で調べてみることです。
自己解説
得た情報が、自分が既に知っている情報や知識と関係があるのか?ということを調べる方法です。
例えば、投資の本を読んでいて投資に大事なのは、まわりに流されない自己コントロール・・・というような事が書いてあったとします。それに対して、なるほど・・・と終わるのではなく、「そういえば、ギャンブルでも欲張るといいことないな」とか、「ゴルフでも欲張って狙っていくと失敗しがちだな」というように自分の既に知っていることと結びつけることが大事です。
これは英語学習でも効果的だといわれる方法です。
要約
これはそのままですが、テキストの纏めをしたり本を読んでいて興味を持った部分を書き出す方法です。
ハイライト・アンダーライン
良くしたことがあると思いますが、マーカーなどで大事なポイントだと思ったところに線を引く方法です。
キーワードメネモニック
重要なキーワード・写真・図などをピックアップして勉強していく方法です。キーワードだけをメモしたり書きだして覚えるような方法です。
テキストイメージング
テキストの内容を頭の中で図としてイメージする方法です。
再読
何度も読み返す方法です。
模試
テストや問題をつくる方法です。
分散学習
勉強時間を分散する方法です。例えば、勉強時間が1時間あったとしたら、同じ勉強をずっとするのではなく、20分で数学、20分で社会、20分で英語というように勉強時間を細切れにしてジャンルを織り交ぜて勉強する方法です。
インターリービング
ひとつの勉強の間に様々なパターンの学習を行う方法です。前述の分散学習をより細かくしたようなイメージで、ジャンルや科目を変えるのではなく、例えば、1時間は英語の勉強をするとしたら、15分間リーディング、15分間ライティング、15分間リスニング、15分間スピーキングというように、同じジャンルの中で違う学習方法を織り交ぜる方法です。
では、この10の学習方法の中で効果が低かったのは?
効果が低い学習方法TOP3
- ハイライト・アンダーライン
- キーワードメネモニック
- 要約
でした。
いずれも僕たちが学校で習ったり、よくやっていた方法です。
逆に効果が高かったのは?
効果が高い学習方法TOP3
- 模試
- 分散学習
- インターリービング
でした。特に群を抜いて模試と分散学習が効果的ということがわかりました。
この効果の差はどこから生まれるのか?
アクティブラーニングという考え方があります。
多くの文献や研究では学習するのに最も重要なのは「能動学習」とされています。自分の頭を使って考えることが重要です。
ただ知識を覚える場合であっても、自分の頭を使って情報を複雑化して覚えるということが大事なわけです。受け身になった瞬間に人間は覚えることができなくなってしまいます。
ということは、アクティブラーニング化すればどんな勉強法であっても基本的には効果的だということです。
では、模試や分散学習をしていきましょう!といってもなかなか難しいと思います。そのあたりの使えるテクニックはこちらで紹介していきます↓
https://nicovideo.jp/watch/1540310283