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【嫌われる勇気の嘘#1】承認欲求を否定してはいけない

この知識はこんな方におすすめ

  • 『嫌われる勇気』を読んだが人生変わらない
  • 本当に人生変わる方法が知りたい

承認欲求を否定せよ!は間違い

アドラー心理学を一躍有名にした『嫌われる勇気』という本がありますが、その嘘について紹介させてもらいます。
誤解されないように一応言っておきますが、別にこの本がダメだというわけではありません。
ただ『嫌われる勇気』=アドラー心理学とは考えない方がいいです。

そもそもアドラー心理学自体を心理学のジャンルだと考えている人がいますが、どちらかと言うと、心理学というよりはイメージとしては文学や哲学に近いものです。
実際『嫌われる勇気』の著者の方もギリシャ哲学が専門で、アドラー心理学とギリシャ哲学を組み合わせたものを『嫌われる勇気』の中で賢人のアドバイスとして使っている感じです。
ですから、『嫌われる勇気』を否定するのではなく、科学的にみると間違っているところもあります。

『嫌われる勇気』を心理学だと信じて「あのように生きれば幸せになる」と考えると不幸になってしまうということです。
読み物や哲学としては面白いのでしょうが、心理学だと信じてはいけないというだけです。

『嫌われる勇気』では、「承認欲求を否定せよ」と言われています。
承認欲求とは、「他人から認められたい」という欲求です。
誰でも「すごい」と言われたいし、他人に認めてもらいたいとか世の中に認めてもらいたいという気持ちはあると思います。

この本の中では承認欲求を否定しています。
承認欲求を満たそうとすると、みんなの期待に沿って生きるようになります。
みんなの期待に沿う行動を取るようになるわけですが、それでは自分自身の人生を生きていることに繋がらないから、承認欲求を否定するべきだと主張しています。
他人に承認される必要なんかないと言っているわけです。

ところが…

真実1 :アドラーはそんなことは言っていない

承認欲求のこの主張については、そもそもアドラーはそんなことは言っていません。
『嫌われる勇気』の中でも出てきますが、自分が社会の一員として役に立っているとか、誰かの役に立っているという感覚のことを共同体感覚と言います。

この共同体感覚はとても重要なものですが、これと承認欲求を否定することは矛盾してしまいます。
誰かの役に立つということは、その人に感謝されたりありがとうと言われるということです。
そこで他人からの承認がなかったら、それは社会の一部になっているとは言えませんし、みんなの役に立っているとも言えません。

他人の評価も承認も必要ないから、相手に何と言われてもその相手を助けるような人はアニメの中にはいたりしますが、実際にそんな人がいたら、頼んでもいないのに余計なお節介をするわけですから、かなりありがた迷惑なはずです。

アドラーは承認欲求が全てダメだとは言っていません。
『嫌われる勇気』が好きな人はここを間違えている人が多いです。
他人の承認なんかいらない、自分の好きに人生を生きることが大事だと鵜呑みにしている人がいますが、それは行き過ぎると危険です。

真実2 :承認欲求は2種類ある

承認欲求には2種類あり、そのうちの一方は、アドラーもどちらかと言うと推奨していて、心理学的にも必要だと言われています。

1. 自己承認
2. 他者承認

アドラーは自己承認は成長のためのモチベーションを高めると言っています。
自分の成長を加速させるためには自己承認が必要だとしています。

アドラーは承認欲求全般を否定していません。
他者承認は「他人に認めてもらいたい」という感覚です。
これも共同体感覚として世の中に役に立っていると考えられるようになるためにある程度必要だと言っています。

アドラーは他者承認を否定するというよりは、自分で自分を認める感覚である自己承認を推奨しています。
もちろん、本を作る時にも多少を煽るような表現をしないとベストセラーにはなりませんし、著者だけでなく編集者も関わっているので仕方がないとは思います。
ただ、この自己承認についてあまり触れていないのは気になります。
アドラーは自分で自分を認める自己承認の大切さを説いています。

真実3 :自己承認は健全なメンタルに必須

この自己承認は健全なメンタルのためには必須だと最近の心理学でも言われています。

『嫌われる勇気』の問題点は、他者からの承認ばかりにフォーカスを当てて、それを否定する事ばかりを主張しているという点です。
過度な他者承認ばかりを求めてしまうと、自分の人生を生きることに繋がらないと、賢者が若者に向かって言うわけです。
ただ賢者は自己承認に触れていません。

自己承認は、最近の心理学ではセルフコンパッションとかセルフアクセプタンスとして、その重要性が調べられています。

セルフコンパッションは自分への思いやりという意味ですが、自分に対して思いやり優しさを持って、自分のいいところも悪いところも含めて認める力のことです。
セルフアクセプタンスは言葉の通りですが自分を受け入れる力のことです。

これらについての研究は進んでいて、自分で自分のことを承認する自己承認の作業は、人間の回復力=レジリエンスを高めてくれるといわれています。
これは挫けない力とかやり抜く力と言われますが、そんな力を養うことに繋がります。
日々のモチベーションも高まりますし、自己承認は日々のやる気アップには欠かせないものです。

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この自己承認が不十分だと、自分という存在が自分にとっての敵のようになってしまいます
自分が認めないものが自分の内側に存在しているわけですから、自分自身が自分の敵になってしまい、いつまでたっても自分の人生に満足感を得ることはできませんし、その結果自尊心まで低下してしまいます。
さらに、それは自己否定に繋がってしまいます。
「自分なんてどうせダメだ」という考えになってしまい、結果的に新しいスキルや能力を手に入れる力まで失われていきます。

承認欲求は大事です。
もちろん他人の承認を必死に求めるのではなく、他人からの承認はほどほどにしてください。
自分で自分のことを認められるように、セルフコンパッションやセルフアクセプタンスを鍛えてください。

セルフコンパッションやセルフアクセプタンスを鍛えるためにはこれらの本も役に立つと思います。

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真実4 :否定せよと言われてできれば苦労しない

自分で自分のことを承認してそれで生きていける人もいれば、他人の承認がないと怖くて生きていけない人もいます。

多くの人は自己承認がなかなかできません。
特に日本では他人の目を気にする文化があります。
多くの人は他人の目を気にして生きていると思いますが、人にとって「統制の所在」を変えることは極めて困難な作業です。

「統制の所在」というのは、何か問題があったり失敗したりした時に、その原因を自分の外側に求めるのか内側に求めるのかというものです。
これは簡単に変えることができないものです。

「承認欲求を否定せよ」と言われて、それだけですぐに否定できて幸せになろうというのはほぼ無理です。
これは認知行動療法などを使ってかなりトレーニングしないとできないことです。
「承認欲求を否定せよ」というフレーズで有名になりましたが、それはおそらく無理ですし、何か違うような気がします。

過度な承認中毒から抜け出すには

では、どうすれば承認欲求から抜け出せるのでしょうか。
承認中毒と言われますが、他人から認められないと怖くて生きていけない人がいます。
これはいきすぎると自己愛性パーソナリティ障害などになってしまいます。
他人からの承認と称賛を常に求めて生きていくしかない人です。

ここから先は、科学的に正しいアドラー心理学として、その過度な承認中毒から抜け出すための方法まで解説していきます。
他にも「トラウマは存在しない」とか「劣等感も思い込みで存在しない」というような話もありますが、トラウマも劣等感も存在します。
『嫌われる勇気』がダメだというわけではありませんが、それを心理学として実際に日常で使おうとすることには無理があります。
であればどうすればいいのかということまで解説していきますので、続きは今回のおすすめの動画からチェックしてみてください。

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参考:Kelly JD 4th. Your Best Life: Overcoming Approval Addiction. Clin Orthop Relat Res. 2020;478(8):1733-1734. doi:10.1097/CORR.0000000000001265 Alisic, E., Zalta, A., Van Wesel, F., Larsen, S., Hafstad, G., Hassanpour, K., & Smid, G. (2014). Rates of post-traumatic stress disorder in trauma-exposed children and adolescents: Meta-analysis. British Journal of Psychiatry, 204(5), 335-340. doi:10.1192/bjp.bp.113.131227
https://www.pnas.org/content/114/51/13549
https://doi.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fbul0000270
https://doi.org/10.1093/geront/gnz109
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0028393220300087?via%3Dihub
http://www.pnas.org/content/early/2015/06/23/1510459112
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18230236
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16913946
http://spr.sagepub.com/content/25/4/625.abstract
http://homepage.psy.utexas.edu/homepage/faculty/pennebaker/reprints/Spera.pdf
https://dictionary.apa.org/inferiority-complex
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/cpp.2630
https://pdfs.semanticscholar.org/3d2a/1c99395124bf9372e1493f314f6990a78473.pdf
http://dx.doi.org/10.1016/j.jesp.2014.11.001 O Gruber , T Müller, Peter Falkai(2007)Dynamic Interactions Between Neural Systems Underlying Different Components of Verbal Working Memory

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