この知識はこんな方におすすめ
- 言いたいことが言えないタイプ
- 裏垢なら言いたいことが言える
- 誰かを叩いたり批判したことがある
裏垢を作る人の心理とは?!
今回は裏垢を作る人の心理学ということで紹介させてもらいます。
裏垢を作る人の心理とは一体どのようなものなのか、あるいはそんな人の末路とはどのようになってしまうのかということを心理学的に解説したいと思います。
最近では裏垢を作って他人を叩いたりする新しいタイプの誹謗中傷が増えているようです。
はっきり言ってそれは意味はなく、例え裏垢を作ったところで情報開示請求が通ったところで個人は特定されますので、結局裏垢で個人がばれないようにしていたつもりでしょうがあの人が言っていたのかとバレる一番恥ずかしいバレ方をすることになります。
ですから、裏垢を作ったとしてもそれによって人を叩いたりすることはしない方がいいです。
裏垢を作ることとしてそれ以外のデメリットがないのかということを考えてみると、裏垢を作るということは自分の身分を隠し自分を偽る行為です。
裏垢というわけではなくても SNS の世界では匿名で情報を発信する人もいますし、ネットには匿名のメリットもあるというようなことを言う人もいます。
匿名での SNS の利用だとしても名前を出していないだけで自分を偽ることなく情報を発信したりやり取りしているだけであればまだ問題はないと思います。
ところが、裏垢を作って普段はおとなしい感じや優しい感じでアカウントを運営しているのに、実は、裏垢では人を叩いたりするとか自分の素のキャラと表のキャラが違うという人もいると思います。
これは逆に裏垢で自分の素のキャラを出していて表のキャラを偽っているという場合もあると思います。
このように自分を偽ると人間にはどのようなデメリットが起きるのでしょうか。
これは別に裏垢を持っていないという人でも、自分を偽った時に人にどのようなデメリットが起きるのかということですから知っておいてほしいことです。
実はそのデメリットとしては3つあり、皆さんにとって非常に重要な3つのことが裏垢を作ったり自分を偽ることによって崩壊してしまうということが分かっています。
自分を偽るデメリット1 :免疫系の崩壊
まず1つ目のデメリットとして免疫系の崩壊があります。
強引なキャラ作りや素の自分とはあまりにも違うキャラクターやそのような行動をしてしまうと、なんと免疫系に対してダメージを与えてしまう可能性があるということが分かっています。
1983年のキャビンアテンドの健康状態を調べた研究を見てみると、例えば、本来は根暗なキャラクターなのに明るく接客しなくてはと考え無理をして頑張るというように、自分の素のキャラとは違うキャラクターを頑張って仕事のために作ろうとしていた人ほど体を壊しがちになっていたということが確認されています。
ですから、それが仕事のためであっても裏垢を作るということであっても自分の素のキャラを偽るという行為は、それをすればするほど体を壊しやすくなってしまうということです。
これは実際に免疫系にダメージが与えられているからだろうと考えられるわけです。
人間は本来の自分を偽るだけで免疫系が正常に働かなくなってしまうということです。
特に今はコロナだけでなくインフルエンザの流行が起きる可能性も高いですから、自分を偽るのはやめておいた方がいい行為なのではないかとも考えられます。
他のテキサス大学で行われた学生を対象にした研究でも同じようなことが確認されていて、自分の素のキャラクターを普段から押し殺して暮らしていた学生ほど病気にかかりやすかったということが分かっています。
裏垢を作らないと自分の本当の気持ちが言えないというような人は、やはり普段の生活の中では自分を押し殺しているのだと思います。
もちろん自分の本名を出して他人を攻撃しろと言いたいわけではありませんが、どちらかというのであれば言いたいことがあればストレートに言った方がいいわけです。
裏で隠れたところで色々言われると言われた側も余計に気分が悪いでしょうし、それを言っている側もこのように免疫系が崩壊したり体を壊したりしてしまいます。
もしどうしても言いたいのであれば正々堂々と面と向かって言った方がいいですし、自分が正しいと思えるのであればその正しいことをはっきりと言えばいいわけです。
自分を押し殺すことなく自分のキャラクターや本来の自分を出したアカウントで言いたいことを言っている人は免疫系に対するダメージはありません。
もちろん法的に問題があることはダメですし人を傷つけることも決して良いことではありませんが、そのような場合でなければ自分の言いたいことはちゃんと言った方がいいということになります。
自分のキャラを偽ると免疫系が崩壊するということがありますので気をつけてください。
自分を偽るデメリット2 :能力の低下
2つ目のデメリットとしては能力の低下ということがあります。
自分を偽る人の目的としては何かしらの成果を手に入れるということがあるのだろうと思います。
例えば、仕事で取引先と交渉をする時に相手に合わせてキャラを変えたりすることもあるでしょうし、友達に対して見せるキャラクターと彼氏や彼女に対して見せるキャラクター、仕事上のキャラクターなどある程度使い分けている人も多いと思います。
ペルソナという概念があるようにこのように使い分けている人は結構多いと思いますが、どうやらそれはデメリットの方が大きいようです。
仕事上も友達に対しても彼氏は彼女に対しても素の自分をできるだけ出した方がかえって成果としても良くなるということです。
人は仕事での成果を出そうとかお客さんに対して失礼がないようになど色々なことを考えて自分のキャラを偽る行為をしがちですが、実際にはどうやらこれは逆効果でしかないようです。
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2017年に行われたハーバードビジネススクールが行った研究で、フランチェスカ・ジーノ博士という結構面白い本を書かれている先生が、相手の要望や欲求やキャラクターに合わせて自分のキャラを変えて交渉するということが本当にうまくいくことなのかということを調べてくれています。
この研究では実際に起業家の人を対象に調査を行っています。
起業家の仕事としてはビジネスを創るということとお金を集めるということが主な仕事になります。
投資家にお願いをしてビジネスに対してお金を出してもらうというのが起業家のひとつの仕事になります。
実際の起業家が投資家と相談するシーンを録画させてもらい調査したわけです。
そこからどのような戦略を持って交渉した起業家がよりたくさんの資金を投資家から引き出すことができたのかということを調べています。
その際に2つのグループに起業家を分けています。
自分の素のキャラを隠して相手の投資家のキャラや要望に合わせて交渉したグループ
自分の素のキャラと要望を表に出して交渉したグループ
この2つのグループでどちらの方がより投資家の心をつかむことができてたくさんの投資を集めることができたのかということを調べたわけです。
普通に考えると、相手に合わせて下手に出た方が交渉は上手くいきそうな気もしますが、実際は逆だったということです。
実際には投資家の人に合わせようとするよりも自分の素のキャラをちゃんと前に出して、自分の言いたいことや要望をはっきりと表に出した起業家の方が交渉における成功率が高くなっていたということです。
お金を出してもらえる確率も高くなったしその金額も大きくなっていたということです。
ですから、自分の素のキャラを出した方が交渉が成功する確率が高くなっていたということです。
確かに相手に合わせた方が若干は交渉の成功率は上がります。
自分の素のキャラクターのままその自分のキャラクターと相手がうまくマッチングした場合には当然ですが成功率はかなり高くなります。
みなさんも自分の素のキャラクターを偽って相手と会話をしたりやり取りをした時のことを思い出してみてください。
取引先との会話や親戚との会話など気を使う相手とのやり取りや、出会って間もない頃に気になる相手とのやり取りとなると、会話をしたり一緒に時間を過ごした後にはどっと疲れを感じたようなこともあるのではないでしょうか。
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いわゆる気疲れというものですが何とも言えない疲労感を感じることがあると思います。
人は自分のキャラクターを偽ると、自分のその偽っているキャラクターが相手にバレていないだろうかとか、そのキャラクターで相手に対して合っているだろうかという心配が生まれます。
その心配が生まれると、相手にそれがバレていないのかというようなことを観察するために会話ややり取りをしている間も脳の大部分がそれに使われてしまいます。
そうなると当然ですが相手に自分の偽りのキャラクターがバレていないのかということを観察するために脳のリソースの大部分が使われてしまいますので、残りのリソースによって相手と会話をしたり交渉するようになります。
そうなれば表現能力や相手のニーズを読み取る能力などが低下してしまいます。
つまり、自分を偽ることによってその偽りがばれていないのかということを観察するために脳は多大なエネルギーを必要としてしまうので、僕たちはコミュニケーションや交渉における本来のパフォーマンスを発揮することができなくなるわけです。
余計なところに能力を分配することによって自ら能力を下げているということです。
ですから、相手に合わせるという点ではうまくいきそうに見えますが、全体的に見ると相手に合わせるという行為はあまり良い結果をもたらさないことが多いということになります。
仕事でもプライベートでも成果を求めるのであれば相手に合わせることだけを考えるのはよくないということです。
大切なのはいかに自分の本来のキャラを出しながら相手の要望と自分の要望をすり合わせることができるかということで、それが無駄に自分の能力を浪費することなく交渉を成功させる方法です。
交渉では自分が変に折れて下手に出すぎる必要もないということです。
自分を偽るデメリット3 :人間関係の崩壊
3つ目のデメリットとしては、これは匿名と攻撃性の効果に関わるものですが人間関係の崩壊があります。
免疫系が崩壊して体が壊れ能力も崩壊して挫折してしまいやすくなり、その上に人間関係も崩壊してしまうわけですから、そうなると人生としてはかなり悲惨な状況です。
例えば、ネットの世界で実名を出して他人を批判するというのは難しい行為です。
自分を特定されますし嫌われるし様々なリスクがあります。
人間というものは自分の身分が公開されている状況や面と向かっている状況ではあまり人を攻撃することができません。
ところが、自分の身分がわからない状況でそれが相手にばれない時や、相手が悲しんだり怒ったりしているのがわからず相手の顔が見えない時になると人間というものは極めて攻撃的になることができます。
これは匿名性の心理と呼ばれるもので、掲示板やコメントの書き込みが荒れたり炎上が起きてしまうのもまさにこれが原因です。
自分がそれをしているというのがまわりに分かる状態であれば、自分が人を攻撃しているところを見られたら自分がどう思われるだろうかということを考えるでしょうし、自分の友達や親や家族が自分がそんな発言をしているということを知ったらどう思うだろうかということを考えるようになります。
このような考えが頭の中によぎることで人間は冷静になることができるわけです。
ですから、それがあれば人を激しく攻撃したり炎上をさせるような行為はできません。
ところが、これが匿名の状態になると人間は激しく相手を攻撃することができるようになります。
皆さんも誹謗中傷を受けたことがある人もいるかもしれませんし、ネット上であまりにも酷い誹謗中傷を目にしたことがある人も多いと思います。
それらの表現を見ると仮にそれが親しい中で面と向かって言われたことであってもあまりにひどい言葉なのに、匿名で知らない人に向かって言うなんて信じられない発言です。
それをできるようにしてしまうのが匿名性の心理です。
この匿名性の心理はどんどん攻撃性が激しくなっていきます。
人は人を助けている人や誰かよりも良いことをしている人に対しては攻撃しづらいものです。
徐々に攻撃自体が目的になってしまい、自分が攻撃できる対象を探すようになってしまいます。
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ネット上の炎上に関わっている人はネット利用者の全体の0.47%しかいないという調査結果もあるように、熱は炎上に加担している人はごくわずかな人です。
それにもかかわらず、こんなにもネット上で他人を叩いたり誹謗中傷したり炎上が頻繁に起きているように見えるのは、そのわずかな彼らが暇なので攻撃できる対象を常に探しているからです。
誰かを攻撃したいという欲求があるので、裏垢を作って自分だとバレないようにして他人を攻撃し続けているわけです。
そうなると攻撃された側はたまったものではありませんが、攻撃している側は裏垢を作り匿名の状態で安全を保っているように考えているのかもしれません。
ですが、この攻撃できる対象を探すということは他人のあら探しを一生懸命するということになりますので、これをしているとネガティブなものを探すことが上手になります。
このネガティブなものを探す力というものは、自分自身や自分の家族、自分の仕事や自分の人生に対しても向きます。
自分の人生にまつわるあらゆるものに対してネガティブなものを探すのがうまくなるわけです。
物事の良い面やポジティブな面に目を向けることが大事だという人もいます。
たくさんの様々な写真が表示される実験や心理療法にも使われるゲームがあり、たくさんの写真が表示される中で笑顔の写真やポジティブなイメージの写真をできるだけ早く見つけてタップするゲームですが、これをしているとどんどんポジティブになります。
ポジティブなものを探す訓練をすることによって、日常生活の中でもポジティブなものに目が向きやすくなるので自分の人生に対しても良い面に気づくことができて気分もポジティブになるわけです。
ポジティブなものを探すのが上手くなれば自分自身も性格としてポジティブになっていくということです。
では、他人を攻撃しようと考えてネガティブなものばかりを探している人はどうなるでしょうか。
ネガティブなものを探すのがどんどん上手になるわけですから、自分の人生や人間関係は未来に対してまでネガティブなものばかりが目立つようになり、どんどん性格がネガティブに歪んでいきます。
その結果、そのネガティブさは自分の未来に対してもネガティブな影響を与えますし、人間関係に対してもネガティブな影響を与えることになります。
要するに、他人の粗が見えるようになり人と付き合う意味が分からなくなり人間関係が崩壊してしまいます。
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ハーバード大学の調査にもあるように人間の幸福というものは人間関係がその大部分を決めているものですから、結果として人生が崩壊していくわけです。
裏垢を作って他人を叩くのはもちろんですし、自分のキャラクターを偽るために裏垢を作るという人もいるとは思いますがお勧めはしません。
免疫系は崩壊して体はボロボロになり、能力は低下し仕事でも成果を出すことができなくなり収入は下がっていくでしょうし、最終的には人間関係が崩壊して人生は不幸なものになってしまいます。
ぜひ皆さんは裏垢などを作らないようにしてもらい言いたいことがある場合には堂々と言うようにしてもらいたいと思います。
自分が言いたいことを言ってそれで叩かれたとしても、自分が正しいと思っているのであれば堂々と言えるはずです。
ですが、それが出来ず裏垢でないと言えないというのは、そもそも自分が言っていることが正しくないということを分かっているということでもあります。
堂々と自分を出して発言する方が自分のメンタルに対しても人生に対しても良い影響があると思います。
ぜひこのことを覚えておいてもらえたらと思います。
つらいだけの人間関係に惑わされたくない人にオススメの3冊
もし皆さんが匿名で人を叩いたりしている人を見たときにはそれは不幸への道を進んでいることだと思えばいいだけですが、皆さん自身がそんな面倒な人に絡まれた時に役に立つ3冊を今回のおすすめの本として紹介しておきます。
マニュピレーターという他人を脅したり脅迫したりして支配しようとする人たちがいます。
こちらの本はそのマニュピレーターに対しての対策を学ぶことができる本です。
他人を騙したり陥れたり嘘をついたりしても何も感じない良心がないサイコパスのような人がいます。
そんなやばい人たちの心理について理解することができる本です。
しょうもないことで平気で嘘をついて何事もなかったような感じで、もはや自分が嘘をついたことさえも覚えていないのではないかというようなやばい人もいます。
こんなイラっとくる人がなぜそんなことをするのかということを理解することができる本です。
これらの3冊は読んでおいてもらえると、やばい人を見抜くためにも役に立つでしょうし、実際にそんなやばい人に絡まれてしまった時にもある程度相手の正体を理解しておくことができれば対策することもできるはずです。
面倒な人間関係に惑わされたくない人にはこの3冊はぜひ読んでもらいたいと思います。
知識の Netflix を目指して作った動画配信サービスであるDラボの方では、そんな嫌な奴に対して対処するための方法について解説した動画もあります。
そんな中で、自分の身の回りにいる面倒な人や嫌な人との関係を上手に切って攻撃されなくなるための方法などを解説した動画をおすすめの動画として紹介しておきます。
今なら20日間無料で使うこともできますので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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免責事項:本内容は、心理学の面白さを伝えることを目的として、参考資料や過去の動画を元に大胆な独自の考察したもので、事実を確定するものではなく、あくまで一説です。ここでの結論は、記載された論文とは異なる場合があります。
参考:https://www.sagepub.com/sites/default/files/upm-binaries/13293_Chapter4_Web_Byte_Arlie_Russell_Hochschild.pdf
Francesca Gino (2017). It doesn't hurt to ask: Question-asking increases liking.